【ロンドン=佐藤昌宏】東西冷戦さなかの1983年、サッチャー英政権(当時)が、対ソ連戦を想定した図上演習の一環として、エリザベス女王による国民向け演説の草稿を作成していたことが1日、英公文書館が公開した機密文書で明らかになった。 79年の旧ソ連によるアフガニスタン侵攻後に急速に悪化した東西関係を反映したもので、核戦争を念頭に置いた内容となっている。 女王演説の草稿は83年3月4日付。「戦争の狂気が今一度、世界中に広がった。勇敢な我が国は再び、困難を切り抜ける準備をする必要がある」と「第3次世界大戦」への心構えを国民に説く内容になっている。また、「敵はライフル銃を持った歩兵や、上空を徘徊(はいかい)する空軍兵ではなく、科学技術を悪用した恐ろしい『力』だ」と核兵器の脅威に言及した。
◇私(わたし)たち日本人(にっぽんじん)は、あのとんでもない爆弾(ばくだん)の正体(しょうたい)を世界(せかい)に伝(つた)えていく使命(しめい)があります 2010年(ねん)に75歳(さい)で亡(な)くなった小説家(しょうせつか)で劇作家(げきさっか)の井上(いのうえ)ひさしさんは、一貫(いっかん)して反戦(はんせん)、平和(へいわ)を訴(うった)え続(つづ)けました。とくに、戦争(せんそう)を放棄(ほうき)することを定(さだ)めた日本国憲法(にっぽんこくけんぽう)への思(おも)いは強(つよ)いものでした。【篠口純子(しのぐちじゅんこ)】 ◇10歳(さい)で終戦(しゅうせん)、養護施設(ようごしせつ)で育(そだ)つ 5歳(さい)で父(ちち)を亡(な)くし、10歳(さい)で終戦(しゅうせん)を迎(むか)えました。中学(ちゅうがく)、高校時代(こうこうじだい)は児童養護施設(じどうようごしせ
広島赤十字・原爆病院。建て替え計画に伴い、被爆者の臓器標本の取り扱いに頭を痛めている=広島市中区千田町1丁目 【後藤洋平】広島赤十字・原爆病院(広島市中区)が、保存する被爆者の臓器標本の扱いに頭を痛めている。建て替え計画に伴い保存場所が狭くなるうえ、ホルマリン漬けの標本は長年経つと研究に使えなくなるからだ。「被爆者が生きた証し」として大切に保存してきたが、将来の「廃棄」も現実味を帯びてきた。 同病院解剖棟の2、3階には、計約300平方メートルのスペースにバケツ型の保存容器が整然と並ぶ。ホルマリン漬けの臓器標本などは約20万点。うち被爆者の標本は2万8275点にのぼる。 病院は57年前から、死因がはっきりしない患者や手術で摘出した臓器標本をすべて保存。被爆者の標本はがんの研究などに生かしてきたが、金岡峰夫事務部長は「人類史上初の核兵器の被害者が生きた証しを捨てるという発想がなかった」と説
アメリカ政府は、核兵器の運用に関する指針を11年ぶりに改訂し、今後も必要な抑止力を維持していく一方、核兵器への依存を減らして通常兵器による能力を強化し、最終的に「核なき世界」の実現を目指すという方針を明らかにしました。アメリカ国防総省は19日、新たに改訂した核兵器の運用に関する指針を公表し、「核兵器に頼らない世界の平和と安全に向け、着実に準備を進めていく」として、オバマ大統領が掲げる核なき世界の実現を目指すことを明らかにしました。 しかし、現状ではアメリカと同盟国を守るため必要な抑止力を維持していくとしたうえで、核兵器の使用はアメリカや同盟国の国益が著しく侵されるなど究極の事態の際に限り、その場合も故意に民間人や民間の施設を標的にすることはせず民間人の犠牲を最低限に抑える必要性を強調しています。 一方、核兵器の運用については、大陸間弾道ミサイル、潜水艦発射型の弾道ミサイル、核兵器を搭載で
世界の核弾頭の数は、アメリカとロシアが保有数を減らしたことで、全体でも去年に比べて少なくなった一方、軍備の増強を進める中国は、NPT=核拡散防止条約に加盟する核保有国の中で唯一、増やしたという分析が明らかにされました。 これは、世界の軍事情勢を分析しているスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が3日に発表した年鑑の中で明らかにしたものです。 それによりますと、アメリカやロシアなどNPTに加盟する5つの核保有国に、NPTに加盟していないインドとパキスタン、イスラエルを加えた世界8か国の核弾頭の数は、ことし1月現在、去年よりもおよそ10%少ない17200発余りとなっています。 これは、主にアメリカとロシアが核軍縮条約「新START条約」に基づき、戦略核弾頭を減少させたり、老朽化した核弾頭を処分したためです。 その一方、軍備の増強を進める中国は、NPT加盟の5つの核保有国の中で唯一、核弾頭を
スイスのジュネーブで開かれているNPT=核拡散防止条約の会議で、核兵器は非人道的なものだとして、いかなる状況でも使用すべきではないなどとする共同声明が提出されましたが、唯一の被爆国の日本はこの声明に署名せず、NGOなどから批判の声が上がりました。 この共同声明は、ジュネーブで行われているNPTの再検討会議に向けた準備会合で24日、南アフリカの代表団が提出しました。 声明では「核兵器の使用によって、直接に人が死ぬだけでなく、社会や経済の発展は停止し、環境は破壊され、将来の世代は健康や食糧や水を失うことになる」として、核兵器の非人道性を強調しています。 そのうえで、「いかなる状況でも核兵器を二度と使わないことこそが人類生存の利益につながる」として、核兵器の不使用を訴えています。 共同声明には74か国が名前を連ねましたが、唯一の被爆国である日本は署名しませんでした。 これについて、軍縮会議日本政
中国人女子学生に核情報=太平洋軍勤務の男逮捕−米中国人女子学生に核情報=太平洋軍勤務の男逮捕−米 【ワシントン時事】米ハワイの連邦地検は18日、中国人女子学生(27)に核兵器に関する機密情報を漏らしたとして、太平洋軍司令部に勤務する元陸軍将校の男(59)を逮捕、訴追したと発表した。戦略核兵器の配置計画や弾道ミサイルの探知能力、太平洋地域の早期警戒レーダー網の配置に関する情報を提供したという。 連邦地検によれば、男は2011年5月〜12年12月、複数回にわたり機密情報を女子学生に渡した。女子学生とは国際会議で知り合い、11年6月から交際していたという。連邦当局は女子学生について「機密情報を入手できる人物を狙って会議に出席していた恐れがある」と指摘した。(2013/03/19-14:39)
「子どもと2人きりにならない」相次ぐ暴力や性的虐待で各国が未成年アスリート1対1指導を制限 日本ではルール未整備、米国は個別メールも原則禁止

広島の原爆投下直後の悲惨な状況をみずからの体験に基づいて描いた漫画「はだしのゲン」の作者の中沢啓治さんが、今月19日、肺がんのため広島市内の病院で亡くなりました。 73歳でした。 中沢啓治さんは広島市の出身で、6歳のときに被爆し、父や弟など家族3人を亡くしました。 その体験を基に、昭和48年から、原爆で家族を失った少年が力強く生き抜く姿を描いた漫画「はだしのゲン」を執筆しました。 原爆投下直後の広島の生々しい描写は内外の読者に強い衝撃を与え、発行部数は累計で1000万部を超えました。 中沢さんはその後、「はだしのゲン」の第2部を検討していましたが、長年患った糖尿病の影響で視力が衰えたため、3年前に漫画家を引退し、漫画の原画など800点以上の資料を広島市の原爆資料館に寄贈しました。 その後も映画の脚本や絵画の製作に取り組むなど、被爆の実態を伝える活動を精力的に行っていました。 中沢さんは、被
アメリカ政府は、核兵器の性能を維持するためだとして、核爆発を伴わない臨界前核実験を1年10か月ぶりに行ったことを明らかにしました。アメリカ・エネルギー省所属のNNSA=核安全保障局が、6日、発表したところによりますと、臨界前核実験は、前日の5日、西部ネバダ州の核実験場で行われたということです。 実験は、高性能の爆薬を爆発させてプルトニウムに強い衝撃を与え、その反応を調べるもので、保有する核兵器の性能や安全性を維持するために必要だとしています。アメリカが臨界前核実験を行うのは去年2月以来で、27回目です。アメリカ政府は、1992年に核爆発を伴う核実験の一時停止を宣言していますが、臨界前核実験はCTBT=包括的核実験禁止条約で禁止されていないとして、実施を続けています。 オバマ政権は「核なき世界」を掲げていますが、2010年9月に4年ぶりに臨界前核実験を行ったほか、強力なエックス線を使って
ワシントン(CNN) 米空軍が冷戦時代に練っていた月で核爆弾を爆発させる極秘計画について、プロジェクトを主導した物理学者のレナード・ライフェル氏(85)が29日までにシカゴの自宅でCNNの取材に応じ、計画の内容や当時の時代背景について語った。 当時は米国と旧ソ連の間で核軍拡競争が続いていた時代で、ソ連は世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げにも成功、米国は宇宙競争で後れを取っていた。 こうした中で1958年に始動したのが、「月面調査飛行」(別名プロジェクトA-119)というプロジェクト。CNNは、何年も前に極秘扱いが解除されていた同プロジェクトに関する59年の報告書を入手した。 ライフェル氏はこの構想について、「当時はガガーリン(人類初の有人宇宙飛行に成功したソ連の宇宙飛行士)やスプートニクをはじめとするソ連の偉業に対し、不安が高まっていた。米国は、ソ連と比べて弱小な存在に見られる

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