茅野市蓼科を仕事場にした日本映画界の巨匠、小津安二郎監督と脚本家の野田高梧さんが蓼科でつづった日記をまとめた「蓼科日記抄」が完成し、編さんを担当した刊行会(山内静夫発起人代表)は28日、小津監督ゆかりの蓼科の山荘「無藝荘」で出版会見を開いた。小津映画の誕生秘話を知る「最後の未公開一次資料」で、山内代表は「映画文化、日本文化のプラスにしてほしい」と願った。 刊行事業は刊行会事務局長の北原克彦さん(65)=原村=が18年前、茅野市で「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」を始めるために野田家を訪れ、蓼科日記を見たのがきっかけ。2007年の映画祭で野田さんの長女山内玲子さん(故人)が承諾したのを契機に、小津家からの了解も得て、編集を進めてきた。 小津組プロデューサーの山内代表と、小説家の故小津ハマさん、野田陽子さん(野田家)、松竹会長の大谷信義さん、茅野市の柳平千代一市長、矢崎和広前市長らが発起人
生涯に1000作以上の掌編小説を創作し、ショートショートの神様と言われるSF作家・星新一(1926~97年)の書籍未収録作が50編以上発掘された。 57年の商業誌デビュー前後に同人誌に載った幻の作品や、企業のPR誌、学習誌などに掲載されたまま埋もれていた作品だ。 作品は2年前、次女のマリナさんが、作家でショートショート研究家の高井信さんに星作品の初出リスト作りを依頼、その作業の中で見つかった。新潮文庫から「つぎはぎプラネット」の題で8月末に出版される。 収録されるのは57年から77年初出の58編。一部、単行本版との違いから別作品と判断したものなども含む。「ミラー・ボール」(58年)など、ハイレベルな作品も多いという。高井さんは、「これだけ多くの未収録作が残っていたのは驚き。発表後、別作品に書き直したり、気に入らなかったりして本に入れなかったのでは」と話している。
外国の書籍などを著作権者の許諾がなくても点字や音声データとして相互利用できるようにした国際条約が、モロッコで28日まで開かれた国連機関「世界知的所有権機関(WIPO)」(本部・ジュネーブ)の外交会議で採択された。従来は許諾手続きが煩雑なだけでなく、海外の出版社や著者に著作権料を求められるケースもあった。条約発効後は視覚障害者が海外の作品を楽しむ機会が広がるとみられる。 関係者によると、同会議で27日(現地時間)に日本を含む加盟185カ国の全会一致で採択された。各国が条約を批准、発効すれば、早ければ数年以内に視覚障害者向けの読書環境が改善する。 日本の著作権法では、日本国内で公表されている著作物については、点字に翻訳(点訳)する場合、営利・非営利を問わずに活用を認めている。音声データも点字図書館が制作する場合だけは、例外的に著作者の許諾なしで音声翻訳を認めている。 しかし、米国など海外に流通
経済産業省が中小出版社や東北の被災地への支援を掲げ、復興予算を投じた書籍の緊急電子化事業で、電子化された書籍の六割近くが出版大手五社の作品だったことが本紙の調べで分かった。中小からの申請が少ないため、大手に頼んで予算を消化していた。25%は東北と関係なく使われており、復興予算のずさんな使い方に疑問の声が上がっている。 この事業は「コンテンツ緊急電子化事業」(事業費二十億円)。東日本大震災で被災した東北で、中小出版社が電子書籍を作る費用を国が半額補助することで、電子書籍市場を活性化するとともに復興に役立てようと、経産省が二〇一一年度第三次補正予算に補助金十億円を計上。東京の社団法人「日本出版インフラセンター」(JPO)に事業委託し昨年度に実施された。
新釈漢文大系収録の五十余りの漢籍を含む七百作品以上の日本文化に影響を与えた漢籍を取り上げ解説。漢籍は古来、文学のみならず医学、数学、天文学、易学、史学、思想、政治、地理、芸術等様々な分野において日本文化に影響を与えてきたが、これら漢籍について、いつ、誰が書いたのか、どのような内容か、版本や注釈書にはどのようなものがあるか等、漢籍のテキストの特質を明らかにし、研学の手引となる書。 『漢籍解題』とは・・・ 漢籍(漢文で書かれた中国の書籍)は古来、文学のみならず医学、数学、天文学、易学、史学、思想、政治、地理、芸術等様々な分野において日本文化に影響を与えてきました。この漢籍について、いつ誰が書いたのか、どのような内容か、版本や注釈書にはどのようなものがあるか等を解説したものが「漢籍解題」です。 漢籍解題をまとめたものには、明治三十八年刊の桂胡邨著『漢籍解題』がありますが、それ以降刊行されておらず

紹介数右、カッコ内の数字は前年からの増減数になっています。紹介数が通年で±4程度に収まっていて、だいたい同じバランスになっているのが自分で作った記事ながら少し驚きです。 以下、事務所・デザイナー単位で語りを補足します。 名和田耕平デザイン事務所 1年を通して数多く生み出される名和田デザインの中でも、シギサワカヤ作品、水谷フーカ作品、びっけ作品など相性が良くコンスタントに目立つ組み合わせがいくつかあります。その中でも最近面白いことになっているのが 一條マサヒデ作品。『殺し屋さん』や『4ジゲン』など、一条氏が原作として参加しているいくつかの作品はこれまでも名和田耕平デザイン事務所が担当していました。そしてここ最近は、イラストをテープで継ぎ合わせたような装丁の『原作さん』、帯がいかがしい感じにモザイク処理されている『きょうの思春期』1巻、カバーを外しすと渾身のオチが待ち構えている『2まいめ』1巻

売春島や歌舞伎町のように「見て見ぬふり」をされる現実に踏み込む、社会学者・開沼博。そして、大阪・飛田新地の元遊郭経営者であり、現在もスカウトマンとして活躍する杉坂圭介。『漂白される社会』(ダイヤモンド社)の刊行を記念して、異色の2人が漂白されつつある飛田の現在・未来をひも解く。 対談第1回は、大阪都構想に揺れる飛田のいま、そして飛田に生きる人々の意外な真実に迫る。 ベールに包まれた飛田新地の実態 開沼 『飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白』(徳間書店)は本当に興味深く拝読しました。僕は社会学を専門としていますが、まさに社会学の研究のように、こういう仕組みで飛田は成り立っているんだ、という構造をわかりやすく丁寧に、かつ現地の生の声を通して分析されています。また、飛田の存続が脅かされる時代の流れ、まさに「漂白される社会」らしい動きがあることも読み取れました。今日はそれら2点

講談社は1月28日、一部の書籍に2月からインクジェットデジタル印刷を採用すると発表し、自社の印刷・製本工場を報道関係者に公開した。印刷には米HP社のインクジェットデジタル輪転機「HP T300 Color Inkjet Web Press」、製本にはスイス ミューラー・マルティニ社の「『シグマライン』デジタル製本システム」を導入した。文庫の重版分、学術書や四六版並製(ソフトカバー)の本文をPDFで入稿したデータで版を作らずに印刷し、製本までをオールデジタルで稼働する。作業員は3人。 インクジェットデジタル輪転機。両面印刷に対応し同じ機械が2台並ぶ(写真をクリックすると拡大します) これまで商業印刷物には印版を起こすオフセット印刷が広く使われ、出版社が印刷会社に印刷を発注し、印刷物の階調を版で調整してきた。枚数や部数が多い場合に適した印刷方法だが、小ロットの印刷にはコストの面で見合わない。ま

【赤田康和、木村尚貴】国立国会図書館の蔵書を電子書籍にして配信する実験が2月1日、始まる。文化庁が呼びかけ、紀伊国屋書店や大日本印刷グループが参加する。同館が蔵書をスキャンして作った画像データを、民間企業が電子書籍に変換して活用する初めての例となる。 大日本印刷側は電子書籍ファイルを作り、紀伊国屋書店が自社の電子書籍ストア上で無料で一般に配信。利用者は電子書籍閲覧ソフトを使い、紙の本のような感覚でページをめくれる。一部の書籍は全文対象の検索もできる予定だ。 実験で配信されるのは、13作品。画面をスクロールすることで本物の絵巻のようにつながった画像を楽しめる「平治物語」や、直筆版と活字版を合わせた芥川竜之介の小説「河童」、著者の死後50年経ち著作権が切れたばかりの柳田国男の「遠野物語」などが予定されている。解説や装丁に著作権のある書籍もあったが、許諾をとった。図書館の電子化は世界で進む。国

海外FX業者を利用する上で、ボーナスは絶対に欠かせません。口座を新規開設するだけでもらえる「口座開設ボーナス」、入金時にもらえる「入金ボーナス」、その他にもキャッシュバックなど、様々なボーナスがもらえます。 受け取ったボーナスはそのまま取引に使え、利益が出た時は出金することも可能です。お得はあっても損はないボーナスなので、海外FX業者を選ぶ際には必ず比較しておきたいところです。 そこでこの記事では、海外FXボーナス(口座開設ボーナス・入金ボーナスキャンペーン)全195社を徹底的に研究した上で、おすすめ完全比較ランキングにまとめました。日本人に人気のFX業者だけでなく、マイナーの海外FX業者や注意点なども詳しく解説していきます。 「海外FXボーナスが豪華な業者をすぐに知りたい」という方向けに、海外FXボーナス選びに役立つカオスマップを作成したのでこちらも併せて参考にしてください。 「どのFX
書籍をスキャナーなどで読み取り、自分で電子書籍にして楽しむいわゆる「自炊」と呼ばれる作業を、著作者の許可を得ずに有料で代行する業者が問題になっていることから、作家や漫画家らの団体は、代行業者から著作権使用料を徴収するなどの、新しいルール作りに乗り出すことを決めました。 これは、国内の作家でつくる日本文藝家協会や日本漫画家協会などが、東京都内で合同で記者会見を開き発表しました。 それによりますと、いわゆる「自炊」を代行するビジネスのあり方について検討するため「蔵書電子化事業連絡協議会」、通称「Myブック変換協議会」を立ち上げたということです。 今後、この協議会では、「自炊」で読書に親しんでいる人たちの思いを尊重し、代行業者から著作権使用料を徴収する代わりに代行を許諾するなど、新しいルール作りに向けて議論するということです。 「自炊」は、電子書籍の愛好者の間で数年前から流行していますが、著作者
まず宣伝から。 最近、カフカ「変身」を翻訳してKindle に出しました。 おかげさまで、ロイヤリティが缶ジュース一本分をちょうど越えたところです。 もう一人買ってくれたら自販機のペットボトルが買えるぐらいになります。 世の中ちょろいですね。 まあ、それはともかく。Amazon に消された本を救出したいを読んで。 「変身」を訳す際に、著作権の切れた原田義人氏のバージョンを参考に訳し、訳し終わってからは誤訳がないかチェックするため、既訳をいくつか購入しました。 それで、手元には岩波文庫の 変身・他一篇(カフカ 作/山下 肇 訳) 変身・断食芸人(カフカ 作/山下 肇・山下 萬里 訳) があります。 上記記事を読んで、裏の ISBN を見てみました。 まったく同じです。 で、「変身・断食芸人」のほうの奥付を見てみると、 1958年1月7日 第1刷発行 2004年9月16日 改版第1刷発行と

ブック・アサヒ・コムで年間多く読まれた記事から、2012年を振り返ります(12月19日までに掲載された本のニュースとインタビューが対象)。1年のトレンドがわかります。 ブック・アサヒ・コムに掲載されている記事は、朝日新聞の本に関する記事を転載したものと、ブック・アサヒ・コムのオリジナル記事があります。電子書籍リーダーが相次いで発表された今年は、一般的な電子書籍元年。6月あたりから新端末のニュースが出始め、下半期は電子書籍のオリジナル記事を集中して投入した結果、特によく読まれました。下の順位表でブック・アサヒ・コムのオリジナル記事には、★がついています。 1月には「もらって当然」で芥川賞を受賞した田中慎弥さんの会見が話題をさらいました。4月にはブック・アサヒ・コムが「絵本・地獄 千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵」にいち早く目をつけ、その後各紙が紹介するようになりました。3月に閉店した大型書店の異

神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館の機能廃止・縮小問題を取り上げた神奈川新聞の連載は、非常に読み応えがあり、毎日楽しみにしている。 その連載の6回目(紙面では2月3日付け、カナロコ掲載は2月4日)で、次の箇所に目を引かれた。 都道府県立の図書館にとって「寄贈」の量と内容は決して見落とせない。社史研究家の村橋勝子さんは「図書館はお金を使うだけだと言われるけれど、実は同じぐらい稼いでいる」と強調する。 神奈川の場合、平成に入ってから23年間の平均値で、受け入れた資料のうち寄贈は県立図書館、県立川崎図書館ともに38%。年度によっては6割を超えたこともある。 それらの中には、書店に並ばない社史、自治体史、記念誌など貴重な本も多い。多様な資料を所蔵してきた信頼が、資料を新たに呼び込む。それが後の研究に役立つ。 http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1
鳥取県米子市新開2丁目の「本の学校今井ブックセンター」(加藤幸典店長)の増床工事が完成し、10月5日リニューアルオープンした。店舗面積はこれまでの2倍となり、在庫冊数は山陰最大級の約40万冊。直営の喫茶コーナーを設けたほか、図書検索端末も増設するなど、利用者のニーズにこたえていきたいとしている。 店舗の拡充は今井書店の創業140周年記念事業。1階の店舗面積は990平方メートルから倍の約2000平方メートルに広げ、書籍は専門書を中心にこれまでの25万冊から40万冊に増やした。 1階正面入り口脇には、読書スペースとして利用できるように、直営の軽食喫茶コーナー(86席)を新設。図書検索の端末を4台から10台に増やしたほか、電子情報端末「ためほんくん」で、絵本も試し読みができるようになった。 4日は関係者らの内覧会があり、田江(たごう)泰彦社長は「出版界は転換期にあり、先を見通せるわけではないが、

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