本の迷宮、本屋。 この広大な空間をみんなどうやって楽しんでるのか、気になる! ライターの岡田悠と申します。人が本屋を歩く様子を観察する「本屋ダンジョン」という企画を昨年開催しました。もっと見たいので、また開催します。 今回の舞台は、こちらの本屋さん。 ワンフロアに1000坪、60万冊以上の本を擁する渋谷随一の巨大書店。まさにダンジョンのような本屋です。広すぎて本屋の地平線が見えそう。 しかしこのお店、建物の再開発に伴い、残念ながら本日、2023年1月31日19時をもって閉店となります。渋谷で長らく愛されてきたこのお店で、最後に感謝を込めてダンジョンしたい! ワンフロア書店ということで、今回は全員一斉に歩き回ってもらいます。プレイヤーはこちらの3人。本屋はよく行く。書店で働いていたことも。本屋はよく行く。作家として本を書くことも。本をほとんど読んだことがない。 楽しみだな〜。 みくのし

夏休みも残り1週間ほどになった。子どもにとっては「もう」だが、1日3食を用意しなければならない親からすれば「まだ」だ。一方でせっかく時間があるのだから、子どもと一緒にお菓子づくりに挑戦したいという声もある。多くの子どもは混ぜたり、こねたりが大好きだ。きっと張り切って手伝ってくれるだろう。 どうせ作るなら美味しく作りたい。だがお菓子の多くは「混ぜすぎ」「こねすぎ」は失敗のもとになってしまう。簡単で失敗しない、子どもと作ってもおいしくできるお菓子は何がいいのだろう。 小学生の頃からレシピ本の魅力に取りつかれ、ケーキ屋さん、料理人に憧れるも、不器用で、センスも根気も足りずに断念。代わりに料理本の編集を20年以上も生業にしてきた筆者がお薦めしたいのは、マドモアゼルいくこ著『秘密のケーキづくり』の巻頭にある「ヨーグルトポムポム」だ。 公開後、Twitterなどで話題となり、絶版していた『秘密のケーキ

わたしがこれまでに書籍でなにか新しいことを学ぼうと思ったときにどういう手段で目的を達成してきたかについて書きます。生業にしているIT系のこともそうですが、それ以外も同じ方法を使っています。 はじめに書いておくと、これまでの自分自身の体験や優秀な人の観察などから、学習の原則コツコツと反復練習を続けることであり、近道は無いと思っています。原則を守るための典型的な方法の一つが「網羅的に書かれた決定版と呼ばれる本を何度も精読する」です。これができる人はこうしたほうがいいと思いますし、ここから先を読む必要はないです。しかしながら、わたしはこの方法がうまくいったためしがないので、自分なりに工夫して、金銭的コストがやや高いながらそこそこうまくいく方法にたどり着きました。本記事ではこの方法を紹介します。 わたしは何かを理解しようとするときには、まずは初心者向きのページ数が少なくて読みやすそうな本をたくさん
「おすすめの本を教えて」という雑な質問がある。趣味や目的などの前提を抜きに訊いてくるやつだ。 そういう相手には本をぶつけて反応を見るに限る。 人に本を勧めるのは難しい 『ゆる言語学ラジオ』#59で、「人に本を勧めるのは難しい」という話があった*1。 www.youtube.com これはYou Tubeやブログでやるような、不特定多数に向けた話ではない。一対一の対人戦の話だ。面識はあるが、どういう本を読んでいるかは知らない。そもそも読書習慣が無さそう。そんな相手から「おすすめの本を教えて」と訊かれたら身構えてしまう、と。 その気持ちは実によく分かる。本を勧めることは問題ない。問題なのは、どのような本が最適かは人によって異なることである。さら言えば、同じ相手でも何を求めているかによって、勧めるべき本が変わってしまう。読書の習慣がある人ほどそのことを理解しているので、コンテキストの無い「おす

古賀及子(こがちかこ) @eatmorecakes エッセイスト。日記エッセイ『おくれ毛で風を切れ』『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)、エッセイ集『気づいたこと、気づかないままのこと』(シカク出版) 最新日記ZINE『私が愛するあなたの凡庸のすべて』 ご連絡は👉https://t.co/aKUBo09Qlt 好きな食べ物はお餅です🍡note.com/eatmorecakes/n… 古賀及子(こがちかこ) @eatmorecakes 近所の図書館に「さっき返ってきた本」というコーナーがあってこれが人気でいつも数人が見てる。品薄のこともある。なるほど並んだ本はさっきまで誰かが借りていた本だけにまだ人の意思を感じるというか、意欲が残ってる感じがしておもしろい。「おすすめ」とは違う、誰かが興味をもった本。

気がついたら8月中旬になっていた。 今更ながら今年の上半期に読んだ中からおすすめの5冊を紹介する。 【目次】 2021年上半期に読んだ本 『生命の歴史は繰り返すのか? 進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』 『「運命」と「選択」の科学 脳はどこまで自由意志を許しているのか?』 『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』 『恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』 『三体Ⅱ 黒暗森林』 終わりに 2020年下半期に読んで面白かった本 2021年上半期に読んだ本 今年も今週のお題で「2021年上半期」があるかなと思っていたら、もうこんな時期。 まあ、お題があっても書けなかっただろう。今に至るまで書いていなかったのは、仕事が忙しくブクログへの登録が溜まりに溜まっていたためである。お盆休みにどこへも行かず、ひたすら読み終えた本を登録し続け、ようやく準備が整

唯一の海外文学『断絶』 百年と一日 つまらない住宅地のすべての家 夏物語 旅する練習 草原のサーカス 校正のこころ 現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート 海をあげる 針葉樹林 入れ忘れた『Lilith』 遅くなりましたが、上半期の読書まとめ記事です! 上半期の読了は108冊だったけど、再読が多かったかも。歌集も多いので、冊数は増えましたね! 『アウアエイジ』をこの期間に2回読んだのはノーカンで、一年以上前に読んだ本の再読はカウントしてる。 それでは振り返り解説。「読んだ中から」なので数年前の本も入ってます。 フィクションからいってみよう。 唯一の海外文学『断絶』 断絶 (エクス・リブリス) 作者:リン・マー 白水社Amazon 藤井光さんという翻訳家の方が好きです。私はダニエル・アラルコンの2作がフェイバリットですが、『紙の民』や『タイガーズ・ワイフ』などの方が有名でしょうか?ク

なぜ勉強するのか? わたしの場合、知りたいことを知ろうとしているだけで、「勉強している」という意識は少ない。それを知るのに英語が必要だから学んでいるだけだし、より深く知るために背景知識に当たっているだけ。 だから、より効率の良い学習法や、学びなおしが必要なジャンルを紹介されると、嬉しい。そんなわたしにピッタリの特集を、BRUTUSでやっていたのでご紹介。 好きなものを好きなだけ学ぶ(読書猿) 学ぶための動機付けから始まり、時間管理、資料の探し方、暗記術、継続して学ぶヒントなど、「独りで学ぶ」ためのあらゆる技法が詰まった『独学大全』(レビュー)。その著者の読書猿さんのインタビューが紹介されている。 『独学大全』は700ページを超える辞書並みのぶ厚い本で、その形状から「鈍器本」と呼ばれている。あまりのぶ厚さに敬遠している人は、この記事を読むといいかも。この記事そのものが、『独学大全』の良いイン

書籍のEC事業を手掛けるMISSION ROMANTIC(東京都渋谷区)は6月7日、同じ本を読んだユーザーと出会えるマッチングサービス「Chapters書店」を正式リリースした。同社が選んだ4冊の本を、タイトルや著者を隠した上でそれぞれ推薦文を添えて毎月ユーザーに紹介。ユーザーはこのうち1冊を選び、郵送で受け取った後、同じ本を選んだ人とビデオ通話できる。価格は男女同額で月額1980円から。本は毎月個別に設定するテーマを基に、小説、ノンフィクション、エッセイなどさまざまな分野の文庫本から選出する。ユーザーが誰とマッチングするかは、本を選んだ日付や、ビデオ通話を希望する日にちを基にランダムに決める。 ビデオ通話は1カ月に1回、毎週土、日、月曜日の午後5時から行う。制限時間は1回につき20分で、同性同士での通話も可能。連絡先の交換も認める。月に2回以上行う場合は、追加料金(1回500円から)が

遊牧民 @Historian_nomad 中学生がなけなしの2000~3000円だして手に取る本、それも大型書店などではなく町中のショッピングモールなどに入ってる小型の「本屋」で手に入るレベルの本がゴミカスみたいなのばっかだからよくないのではないか。名指しするとあれだから言わないけど猛省しろ(何 2021-02-08 19:07:32 遊牧民 @Historian_nomad歴史に関する本を買いたい中学生・高校生のみんな!悪いこと言わないから岩波・中公・ちくま・講談社現代・平凡社の文庫か新書か選書にしておけ!あとあれば河出かNHKブックス!ほかはちょっと著者を見分けるセンスがないと厳しいから!(何 あと塾講師が書いてるやつはやめろ!いいな!(あっ 2021-02-08 19:18:41 遊牧民 @Historian_nomad 高校生ならたぶん結構な確率で教科書持ってるであろう山川出版社

「SFの振興と発展」をテーマに インタビューを受ける日本SF作家クラブ会長の池澤春菜さん=2020年12月、東京・東銀座の時事通信社【時事通信社】 2020年9月、日本SF作家クラブの第20代会長に声優やエッセイストとして活躍する池澤春菜さんが就任した。その時点では「SF小説の著作を持たない初の会長」だったが、同年12月に初のSF小説「オービタル・クリスマス」を発表した。日本のSF作品を積極的に海外へ紹介する意欲を見せるなど会長として精力的に活動する池澤さんに、日本SF界の現状や課題、今後の構想などを聞いた。(インタビュアー:書評家・タニグチリウイチ) ―日本SF作家クラブとは、どんな組織なのでしょう。 もともとは親睦団体です。作家は横のつながりを持ちにくいので、作家同士が仲良くするために、小松左京さんらの呼び掛けで、西新宿の台湾料理屋さんで発足したと聞いています。それが、私の2代前の会長

今年もこの季節がやってきた。読書の秋、すなわち、 こんにちは。ライターの岡田悠です。 光あるところ、影あり。読書あるところ、積ん読あり。 みなさん、積ん読してますか? いつもは罪悪感がつきまとう積ん読ですが、たまには光を当て、むしろ自慢してみようというこの企画。 昨年秋に開催された第一回では、「読んでない本を話し合って盛り上がるか?」と懸念されましたが、思いのほかヒートアップして味をしめたので第二回を開催します。 ルールは簡単。それぞれ自慢の積ん読本を語ってもらい、一番魅力的な積ん読が優勝です。 今回の参加者はこちら。 岡田悠:企画者。学生時代は図書館にしか居場所がなかった。 原宿:編集長。最近本棚が壊れたが、本棚を買い直すという作業の途方も無さの前に放置している。 ダ・ヴィンチ・恐山:小説家。ブックオフに通いすぎて、店員より在庫に詳しくなるという青春時代を送った。 寺田大熊猫楠:漫画

書籍化のきっかけにもなったツイート ツイートに添えられた「噛まれた人」や「薬打ってデカくなる人」などのイラストは、どれも幸せな展開が期待できないものばかり。書籍版の『死亡フラグ図鑑』では、さらに緊迫感が増した(?)イラストとともに、その言動がいかに「死亡フラグ」を立てるものであるかが解説されています。 たぶん主人公の怒りをかきたてるために散る 例えば「病を患っている師匠」。もうタイトルからしてすぐ死ぬ気配ビンビンですが、病気にかかりながら主人公に「まだ教えなければならないことがある」という師匠、これはもう、必ず死にます。というか、散りますね。思い出せないけど、なんかのマンガで見た。 そして翌朝、彼女は…… 「犯人はおそらくこのなかにーー」。悪天候で外界と隔たれたペンションなどで事件が起きたとき、リビングに集まった人々が疑心暗鬼になる場面。そんなとき「もういや! 殺人鬼がいるかもしれない部屋

本書は、Amazon総合1位(無料)となった科学的学習法の本のWeb版です。 12万部のベストセラーとなった前著と同様、図とイラストを使って分かりやすく解説しています。英語学習者・教師・受験生・小学生~高校生の親御さんに読んでいただきたいです。 全5巻(派生巻も含めると全8巻)構成で、これは第1巻です。 それでは、さっそく、サイエンス誌に掲載された論文を解説します。 (サイエンス誌は、ネイチャー誌と双璧をなす、世界最高峰の学術誌です) この論文からは、学習効率に関する重要ポイントをいくつも学べます。本書は、基本的には中学生でも読めるように書いてあります。 実際、本書をある中学3年生の女の子に読んでいただいたところ、たいへん好評でした。 実際に期末試験の成績も上がり、志望校にも合格し、ご両親も喜んでおられました。 では、以下、論文の解説をどうぞ。 ■カーピキー2008実験 たとえば、英語

2020.09.28 ネット炎上の驚くべき実態――『正義をふりかざす「極端な人」の正体』(光文社新書) 山口真一(著者)計量経済学 #SNS#炎上 あなたは、このように思ったことはないだろうか。 「最近社会が不寛容になった」 「ネットは攻撃的な人が多く、怖いところだ」 確かに、SNSやネットニュースのコメント欄を見ると、実に多くの罵詈雑言に出会う。「コイツ頭おかしいだろ」などの誹謗中傷はもちろん、「死ね」などの、非常に直接的で攻撃的なワードを使う人も少なくない。今年5月には、ネット上の誹謗中傷を苦に、プロレスラーが亡くなってしまうという悲しい事件も起きた。 今月発売された拙著『正義を振りかざす「極端な人」の正体』は、社会にあふれるそのような「極端な人」について、様々なデータ分析結果からその正体を炙り出す本だ。本書では、 ・なぜネット上で極端な意見が溢れているのか? ・「極端な人」はどれくら

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