本書は経済学論文ではないが、系統的に貨幣を論じた書として面白かった。本書は1991年から1992年まで「批評空間」に連載された論文集を1993年3月筑摩書房が刊行したものである。そして1998年1月にちくま学芸文庫本となった。「貨幣とは何か」という抽象的な問いをマルクスの価値形態論から読み解く作業である。貨幣にもし本質があるとするならば、逆説であるが「貨幣には本質がないこと」なのである。貨幣の裏に何か実体を求めようとすると、貨幣を失ってしまう。貨幣商品説も貨幣法制説も自己矛盾におちいる。ようは「貨幣は貨幣として使われ流通するものである」という答え以外にはない。抽象的には貨幣と商品との関係は、言語と事物との関係に形式的に似ている。岩井克人著「貨幣論」という本は「貨幣とは何か」という問いをめぐる考察を通じて、資本主義にとって何が真の危機であるかを明らかにした書物である。マルクス主義者や社会科学
本書の内容をひと言でいうと、「個人型確定拠出年金のわかりやすい解説書」です。個人型確定拠出年金のいちばんのメリットは、税制優遇です。 (1) 毎月掛け金を払う時 →全額「所得控除」 (2) 運用している時 →運用益非課税 (3) 受け取る時 →「退職所得控除」「公的年金等控除」 ※ただし、課税口座の受け取り(取り崩し)はそもそも税金がかからないので注意 と税制優遇があります。運用商品を売買する時だけでなく、給料等の所得から控除できるという「投資以外への税制メリット」があるということが強力です。さすが公的に認められた年金制度です。他にもいつくかメリットが本書では示されています。 とはいえ、従来型の確定給付年金では、国が運用利回り確保のリスクを負っていたわけで、確定拠出年金ではそのリスクを個人に押し付ける形になり、これはデメリットとも言えます。だからこそ、税制等で大きく優遇されており、自らリス

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