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書評に関するobsvのブックマーク (375)

  • ジョセフ・ヒース「混乱の濁流:斎藤幸平『人新世の「資本論」』についてのコメント」(2025年9月28日)

    斎藤の提案していることは、もう既に全部聞いたことがあるのだ。私たちは、どう見ても上手くいかないアイデアについて、何度も何度も同じ議論を繰り返さなければならないのだろうか? 「新スタートレック(Star Trek: TNG)」の中でも私のお気に入りのエピソードの1つは、不吉なシーンで幕を開ける。宇宙船エンタープライズ号が別の連合の宇宙船と衝突し、大爆発を起こして全員が死亡してしまうのだ。だが幸運なことに、両船の衝突は異常時空の境界で発生していたため、エンタープライズ号はほぼ1日前に時間を遡ることとなった。こうして、クルーたちが日々の活動を送り続け、同じ選択パターンを繰り返して大惨事に至り、それを何度も何度も繰り返し続けるという「因果ループ」が生じた。 この繰り返しは永遠に続くことになったかもしれない。だが、クルーのメンバーの一部がデジャブを覚え始めた。そして、ループが繰り返されるほどにその感

    ジョセフ・ヒース「混乱の濁流:斎藤幸平『人新世の「資本論」』についてのコメント」(2025年9月28日)
    obsv
    obsv2025/09/30非公開
    私も出版当時、斎藤氏の著書のあまりのご都合ダブスタ空想主義に酷いものだと思ったが、世間の持ち上げ具合に非常に困惑した。信頼出来る学者から的を射た批判が出て改めて本と世間の認識レベルの酷さを再確認した。
    • 脱成長でも経済成長推進でもない、第三の道について──『GROWTH | 「脱」でも「親」でもない新成長論』 - 基本読書

      GROWTH――「脱」でも「親」でもない新成長論 作者:ダニエル・サスキンドみすず書房Amazonこの『GROWTH』は、ロンドン大学キングス・カレッジ研究教授にしてテクノロジーの社会へのインパクトが専門の学者である著者が「経済成長」について語った一冊だ。経済成長は現代社会では大いに優先されるものである。国のGDPを上昇させ、技術テクノロジー、新たな製品やサービスを生み出し続け、年月に応じて社会はより便利になってきた。仕事の時間はまだまだ多すぎると言われるが、それでも労働時間は減少し、ライフワーク・バランスもぐっとライフ重視へと移り変わってきた。 一方で、経済成長は問題ももたらす。石油燃料をガンガン燃やせば、気候変動を加速させる。AIの活用を推し進めれば、人間を次々解雇していくのが最適解になる。その結果として、経済成長をしているけれども、社会全体は大きなマイナスを被ってしまう──そうした

      脱成長でも経済成長推進でもない、第三の道について──『GROWTH | 「脱」でも「親」でもない新成長論』 - 基本読書
      • これがコスパの精神か!──『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』 - シロクマの屑籠

        ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話【電子限定特典ページ付き】 (幻冬舎単行) 作者:斗比主閲子幻冬舎Amazon 幻冬舎さんのつてで、『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』をご恵贈いただいた時、どうしたものだろうと思った。著者ははてなブログで長く活動しているトピシュさんだから縁はある。でも、お金を私に送られても楽しめないんじゃないの? という心配だ。 ところがこのは面白かった。お金についてのハウツーであるだけでなく、資産形成のために必要な精神が活写されているように読めて、そこが面白かったからだ。 結論を書いてしまおう。 資産を形成するための根的な精神とは、トピシュさんに内面化されているだろう、ホモ・エコノミクスの精神だ。ここでいうホモ・エコノミクスの精神がトピシュさんと同じぐらい「うまく」内面化されていて実行可能なら、きっと資

        これがコスパの精神か!──『ふつうの会社員が投資の勉強をしてみたら資産が2億円になった話』 - シロクマの屑籠
        obsv
        obsv2025/03/21非公開
        “成功譚として読み取る際に、この、トピシュさんのホモ・エコノミクスとしての卓越は絶対に頭に入れておくべきだと思うし、本書をとおして学び取るべきは、税制や投資の知識だけでなく、トピシュさんの生きざま”
        • 税とは略奪である『課税と脱税の経済史』

          税の質は略奪だ。 こん棒を手にしてた昔よりは洗練されてはいるものの、「ある人から奪い、ない人からも奪う」という質は変わらない。こん棒が別の呼び名になり、略奪システムが巧妙になっているだけ。書の前半を読むと、様々な試行錯誤と権力闘争の元に、人類の英知を結集し進化してきたものが、現代の税制だということが分かる(不完全じゃんというツッコミ上等。それは人類が不完全である証左なり)。 一方、脱税は多角的な側面を持つ。 上に政策あれば下に対策あり。税回避は、国家の略奪への対抗手段ともいえる。あるいは、政府よりも最適な資源配分をするための経済合理性を追求する行為だ。あるいは、法の抜け穴やグレーゾーンを見出し、そこで資源を最大化する戦略的なゲームだ。書の後半を読むと、貧民から富豪まで、創意工夫を尽くして進化してきたものが、税回避のいたちごっこであることが分かる(これは人類の歴史が続く限り続く)。

          税とは略奪である『課税と脱税の経済史』
          • AIは民主主義と全体主義をどれほど変えうるか?──『NEXUS 情報の人類史』 - 基本読書

            NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ河出書房新社Amazonこの『NEXUS』は、ホモ・サピエンスが世界を支配しているのは、特別に賢いからではなく「虚構」を操作し大勢で柔軟に協力できる唯一の種であると示した人類史『サピエンス全史』で一躍有名になったユヴァル・ノア・ハラリの六年ぶりの大作ノンフィクションだ。今回のテーマは、副題にも入っているように「情報」になる(メインのNEXUSはつながりとか絆を意味する単語だが、その意味はのちにわかる)。 われわれはDNAからブラックホールまで、あらゆるものについて膨大な情報を獲得し、積み上げてきたにもかかわらずどうして世はこんなにもままならないのか? いまだに戦争貧困も根絶することはできない。長期的にみたら世界は平和になっていることも示されているが、少なくとも短期的には著しい落ち込みを示すこともある。 私たち

            AIは民主主義と全体主義をどれほど変えうるか?──『NEXUS 情報の人類史』 - 基本読書
            obsv
            obsv2025/03/09非公開
            “情報における「真実」と「秩序」は、そのどちらかだけがあれば良いものではなく、民主主義政権、全体主義政権どちらにとっても、真実と秩序はある程度は両者のバランスをとっていかなければならない”
            • ノア・スミス「ポピュラー経済学本:読んでおくべき本、読むべきでない本」(2025年2月27日)

              昔から「良いポピュラー経済学のリストを教えてよ」と求められることがある。方程式でいっぱいの教科書じゃなくて、素人でも読めるを教えてほしいということだ。これはもっともな質問だが、私は長年答えるのをサボってきた。だが今回こそは答えよう。理由は2つある。 まず、数週間後に日語での『ウィーブが日を救うーー日大好きエコノミストの経済論』の出版が控えている 。これは日経済をテーマにしただ(日語版に続いて英語版も出る予定)。 それと、現在私は英語での最初の単著に取り掛かっている。これはマクロ経済学がテーマになりそうだ。そういうわけで、既に出ているポピュラー経済学を見てみて、どうすれば自分がそこに付加価値を加えられるか考えた方がいいと思ったのだ。 もう1つの理由は、サム・エンライト(Sam Enright)の面白い発言を見かけたからだ。 思うに、「アンチ・リーディング」リストの方が価値

              ノア・スミス「ポピュラー経済学本:読んでおくべき本、読むべきでない本」(2025年2月27日)
              • 公平な課税方法について考えさせてくれる一冊──『課税と脱税の経済史──古今の(悪)知恵で学ぶ租税理論』 - 基本読書

                課税と脱税の経済史――古今の(悪)知恵で学ぶ租税理論 みすず書房Amazon税金は基的にあらゆる人々の生活に関わり、その行動に影響を与える。たとえば消費税がいついつから上がるとなればその前までに駆け込み需要が発生するものだし、タバコ税が上がればこれを機会にタバコをやめようという人も現れる。 17世紀のイングランドでは窓の数に応じて課税される「窓税」があったのだが(なぜなら窓がたくさんある家に住んでいる人は裕福だと思われていたので)、窓の個数に応じて課税額が変わったので、人々は自宅の窓を塞いでまわった。理不尽な税金が課せられた時、国家を転覆させるほどの暴動に発展することも珍しいことではない書『課税と脱税の経済史』は、こうした課税者側と、税金をなんとか逃れようとしてきた人々の歴史を紐解き、「公平な」課税方法は存在するのか。未来の課税方法はどのようなものでありえるのか。「真の課税負担者」は

                公平な課税方法について考えさせてくれる一冊──『課税と脱税の経済史──古今の(悪)知恵で学ぶ租税理論』 - 基本読書
                • 【スゴ本】思わず数学を学び直したくなる5冊 | レバテックラボ(レバテックLAB)

                  1. 『数字であそぼ。』絹田村子 著 2. 『数学ガール』結城浩 著 3. 『新体系・高校数学の教科書』芳沢光雄 著 4. 『美しい幾何学』、Eli Maor、Eugen Jost 著、高木隆司 監訳、稲葉芳成ほか 訳 5. 『数学で生命の謎を解く』 イアン・スチュアート 著、水谷淳 訳 1冊目は、『数字であそぼ。』のご紹介。数学の面白さと恐ろしさの両方を、爆笑しながらいっぺんに学べる。 ▲『数字であそぼ。』絹田村子 著、小学館 主人公は頭を抱えている横辺くん。天賦の才能を持っており、一度読んだだけで中身を完璧に覚えることができる。フォトグラフィックメモリーという能力で、写真記憶や映像記憶というやつだ。 教科書や参考書を完璧に覚えていられるから、テストはいつも100点満点で、天才とも神童とも呼ばれ、西の雄である吉田大学(絵面はどう見ても京都大学)に一発合格する。 そんな彼がなぜ頭を抱えてい

                  【スゴ本】思わず数学を学び直したくなる5冊 | レバテックラボ(レバテックLAB)
                  • 「法の人類史」書評 社会のビジョンを提示する役割|好書好日

                    「法の人類史」 [著]フェルナンダ・ピリー 法は、社会秩序を守る上で欠かせないとされている。では、それはどこから生まれたのか。古代ローマから近代ヨーロッパに至る法の支配の歴史は有名だが、西洋以外でも様々な社会が法を作ってきた。書は、従来の西洋中心的な見方を改め、法の世界史を展望する。書によれば、今日の法にはメソポタミア、インド、中国という3つの源流があった。何かと特別視されがちなローマ法は、実はメソポタミアの伝統に属する多様な法の1つであり、ユダヤやイスラムの法と同系統に属する。また、法が支配者を縛るのもローマ法の専売特許ではない。インドではヒンドゥーの法を司(つかさど)るバラモンが王の権力に制限を加えた。中国のように、皇帝は法に縛られないとするモデルは、むしろ例外なのだ。 さらに書は、法には実用的な目的だけでなく、社会のビジョンを提示する役割もあると指摘する。例えば、ハンムラピ法

                    「法の人類史」書評 社会のビジョンを提示する役割|好書好日
                    • フジテレビの日枝久という人がなぜこんなに偉そうにしているのかがわかるすごい本の紹介。|倉本圭造

                      フジテレビの日枝久という人がいて、どうやら資関係的には全然オーナーでもないのにすごい権力を握っているらしい(ホリエモンの買収を阻止するべく暗躍したのもこの人らしい)…という話は聞いた事ある人も多いんですが、一体何者で、どういう理由でそんなすごい権力を持っているのか?とかは知らない人も多いと思うんですよね。 で、フジテレビのこの問題に対する 『決定版』 と言ってもいいぐらいすごいがあるんで、それを紹介したいんですよ。 メディアの支配者(講談社文庫) 中川一徳 この、フジテレビ歴史についてものすごくものすごく詳細にわかると同時に、とにかく単純に「面白い」ので、当にオススメです。 この問題の「当事者w」の一人といっても過言ではない堀江貴文さんが、Newspicksの動画で特番みたいなのを組んでましたが… この動画で堀江さんや後藤さんをはじめとする出演者の人たちですら「これってどうしてこ

                      フジテレビの日枝久という人がなぜこんなに偉そうにしているのかがわかるすごい本の紹介。|倉本圭造
                      obsv
                      obsv2025/02/01非公開
                      “当時の堀江さんの買収が「拒否された」事自体は、まあしゃあないというか、それが日本なんだし、それによって温存されてきた価値というのも明らかにある。”
                      • 高野秀行の最新作は酒でほぼすべての栄養をまかなう民族に迫る!──『酒を主食とする人々: エチオピアの科学的秘境を旅する』 - 基本読書

                        酒を主とする人々 作者:高野秀行の雑誌社Amazonこの『酒を主とする人々』は、数々の冒険・探検ノンフィクション(だけじゃないが)を世に送り出してきた高野秀行の最新刊だ。今回のテーマは、エチオピア南部に存在す、朝・昼・晩酒を飲んで──というか「べて」暮らし、それ以外のものはほとんどべないし飲まないという、酒を主とする人々についての調査・探検である。 この酒を主とする人々については、砂野唯による『酒をべる』という先行書がある。砂野氏は10年以上この土地に通って調査を行っており、京都大学大学院で学び、博士号を取得した職の生態人類学者である。そのによれば、エチオピア南部のデラシャという民族は栄養の大部分をパルショータと呼ばれる酒から得ていて、アルコール度数にして3〜4%くらいのこの酒を一日5リットルも飲むのだという。 それを読んだ高野さんは、実際に自分もデラシャの酒飲み生活を

                        高野秀行の最新作は酒でほぼすべての栄養をまかなう民族に迫る!──『酒を主食とする人々: エチオピアの科学的秘境を旅する』 - 基本読書
                        • わたしたちは道徳が過剰になった世界に生きている。「道徳的絶対主義」では、プライベートはそれ自体が政治になるため、妥協はありえず、逃げ道もない

                          このようなささいな出来事が、ロシアに侵攻されたウクライナや、イスラエル軍に攻撃されているガザのパレスチナ人の窮状よりも大きな注目を集めるのはなぜだろうか。それはこの社会が不正に満ちているからではなく、わたしたちが道徳が過剰になった世界に生きているからだと述べるのが、ハンノ・ザウアーの『MORAL 善悪と道徳の人類史』(長谷川圭訳/講談社)だ。ザウアーは1983年生まれのオランダの哲学教授で、最新の進化論や人類学の知見を上手にまとめて、道徳の起源とその歴史を論じている。 協力こそが「わたしたちが人間である理由」 道徳についての最大の謎は、「ヒトはなぜ協力するのか」だ。なぜならほとんどの場合、相手の要求を拒否し、ときには相手をだまして自分の利益を追求することが、生存と生殖の可能性を最大化するという意味での進化の最適戦略になるからだ。ヒトにもっとも近い種であるチンパンジーは、共同で狩りをすること

                          わたしたちは道徳が過剰になった世界に生きている。「道徳的絶対主義」では、プライベートはそれ自体が政治になるため、妥協はありえず、逃げ道もない
                          • 国家を崩壊に向かわせる要因について、歴史を定量分析することで導き出す「歴史動力学」を扱った一冊──『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』 - 基本読書

                            エリート過剰生産が国家を滅ぼす 作者:ピーター ターチン早川書房Amazonこの『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』は、もともとカブトムシやチョウといった生き物の個体群動態について研究して生計を立ててきた研究者が、複雑系科学のアプローチを人間社会の研究に応用していった結果をまとめた一冊になる。 この著者らが切り開いた分野は「クリオダイナミクス」(歴史動力学)と呼ばれ、人類史に繰り返し現れるパターンが存在することを発見し、どのような条件が揃うとあるパターン(たとえば、国家の崩壊など)が発生するのか──を歴史の定量分析を通して研究している。「エリート過剰生産が国家を滅ぼす」はたとえ話や主観的な主張ではなく、彼らの研究を通して見えてきた「国家が滅びに向かう」具体的な要因なのだ。 二〇一〇年、各分野の専門家が今後一〇年の展望を予想するという科学誌『ネイチャー』の特集で、私はつぎのように明言した。米国

                            国家を崩壊に向かわせる要因について、歴史を定量分析することで導き出す「歴史動力学」を扱った一冊──『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』 - 基本読書
                            • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

                              2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

                              2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ
                              • 書評 「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?~進化の仕組みを基礎から学ぶ~ (光文社新書) 作者:河田 雅圭光文社Amazon書は進化生物学者河田雅圭による進化の一般向けの解説書になる.河田は新進気鋭の学者であった1990年に「はじめての進化論」を書いている.当時は行動生態学が日に導入された直後であり,新しい学問を世に知らしめようという意欲にあふれ,かつコンパクトにまとまった良い入門書だった.そして東北大学を定年退官して執筆時間がとれるようになり,その後の30年以上の学問の進展を踏まえ,改めて一般向けの進化の解説書を書いたということになる.ダーウィンの議論の今日的当否を問うような印象の題名だが,それは書の極く一部の内容で,基的にはいくつかの誤解が生じやすいトピックを扱いつつ進化とは何かを解説する書物になっている. 第1章 進化とは何か 1.1 そもそも進化とはなんだろうか? 第1章第

                                書評 「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                • 活版印刷以来の最大の革命を引き起こした、現代のインターネットともいえる「電信」の誕生──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』 - 基本読書

                                  ヴィクトリア朝時代のインターネット (ハヤカワ文庫NF) 作者:トム スタンデージ早川書房Amazon約200年前の19世紀。科学は未発達で、現在は一般的なものが存在しない時代だ。抗生物質はみつかっていないし(抗生物質は20世紀)、ライト兄弟が飛行を成功させたのも1903年のこと。しかしヴィクトリア朝時代には「インターネット」はあったのだ──というのが、書『ヴィクトリア朝時代のインターネット』の主張である。 いくらなんでもヴィクトリア朝時代(一般的に、ヴィクトリア朝は、ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年の期間を指す)にインターネットはないでしょと思うだろうし、実際現在と同じようなインターネットは存在しない。しかし19世紀には「電信」が存在し、それは現在のインターネットと同じものとして機能していた。都市間、国家間にケーブルを張り巡らせることで、今のインターネッ

                                  活版印刷以来の最大の革命を引き起こした、現代のインターネットともいえる「電信」の誕生──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』 - 基本読書
                                  • ナチスは「良いこと」もしたのか?をガチ検証した結果。紀伊國屋じんぶん大賞に選ばれた理由を考察した | ダ・ヴィンチWeb

                                    『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也、田野大輔/岩波書店)2023年12月15日に発表された「紀伊國屋じんぶん大賞2024 読者と選ぶ人文書ベスト30」。大賞に選ばれたのは『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也、田野大輔/岩波書店)だった。 読者の選ぶ「2023年のベストの人文書」が、もう100年近くも前になるナチス・ドイツの政策を検証した……というのは、いささか奇妙に感じる人もいるだろう。だが実際に読んでみると、このは「いま読むことに大きな意味がある」だと感じたし、「人文書の矜持と歴史の専門家の責任を示した」にも感じられた。 そもそも書が執筆された背景は、インターネット上で「ナチスは良いこともした」と声高に主張する人が増えていたことにある。 著者のひとりの田野大輔氏がそうしたTwitter(現・X)の投稿の一つに、「30年くらいナチスを研究し

                                    ナチスは「良いこと」もしたのか?をガチ検証した結果。紀伊國屋じんぶん大賞に選ばれた理由を考察した | ダ・ヴィンチWeb
                                    obsv
                                    obsv2024/01/27非公開
                                    この書評からすると著者にはナチスの全てが悪でなくてはならないというバイアスが強く働いていそうだ。どんな巨悪でも一切善行をなさないことは無理だろう。善悪二元論に還元するのは却って危険と思うが。
                                    • 欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF──『未来省』 - 基本読書

                                      未来省(The Ministry for the Future) 作者:キム・スタンリー・ロビンスン,坂村健パーソナルメディアAmazonこの『未来省』は、『レッド・マーズ』、『グリーン・マーズ』、『ブルー・マーズ』の三作からなる火星三部作や『2312 太陽系動乱』などで知られるキム・スタンリー・ロビンソンが2020年に刊行した気候変動SF長篇だ。キム・スタンリー・ロビンソンは「細部へのこだわりと、世界や社会、人類といった大きなものをまるごと描こうとするヴィジョン」のどちらもを持ち合わせる稀有な作家だが、作は”気候変動vs人類”という中心テーマに対して、その才能をいかんなく発揮している。 最初に概要と総評を紹介する 近年実際に災害が増えていることもあって、気候変動をテーマにした小説(Climate Fiction)は欧米で伸びているジャンルだが、作は数あるcli-fiの中でもとりわけ大

                                      欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF──『未来省』 - 基本読書
                                      • ピケティ『資本とイデオロギー』読書ガイド - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                                        目次: 目次: はじめに 1. 『資とイデオロギー』の概略 1.1 .『21世紀の資』のあらすじ: 1.2. 『資とイデオロギー』の全体的な話 1.3. 『資とイデオロギー』のあらすじ 第I~II部:歴史上の格差レジーム/奴隷社会&植民地 第III部:20世紀の大転換 第IV部(その1):政治的対立の次元再考——問題編 第IV部(その2):政治的対立の次元再考——対策案 (第17章) 第IV部(その3):政治的対立の次元再考——対策案 (その他随所) 2. 通読する必要はないと思う 3. タイプ別読み方 『21世紀の資』の続きとして読みたい人、つまり経済格差とその対応を知りたい人は…… 経済格差への対応を知りたい人は…… 世界各地の格差の変動プロセスの比較に興味ある人は…… 4. 最後に はじめに このたび、ついについに難産の子、ピケティ『資とイデオロギー』が出ました。 資

                                        ピケティ『資本とイデオロギー』読書ガイド - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                                        obsv
                                        obsv2023/09/18非公開
                                        ガイドまで用意とかありがたい。/ “世界共通の帳簿を作り世界一致の所得/資本課税を!”これって実質的に世界統一政府を作れって意味であり、まず無理そう。出来たとしても一国民からはすごく遠い政府が出来そう。
                                        • 地球温暖化が進んだ時、我々はどこに逃げるべきなのか?──『気候崩壊後の人類大移動』 - 基本読書

                                          気候崩壊後の人類大移動 作者:ガイア・ヴィンス河出書房新社Amazon暑い日が続く今日この頃。日国内は避暑で逃げようにも北海道ですら歴史を更新する猛暑が続き、どこに行けばいいのかと途方にくれてしまいそうになる。しかも、地球温暖化は続くのだ。このままだと、国外に居住地を移す人も増えてくるだろう。書『気候崩壊後の人類大移動』は、そうした「人類大移動」の未来について書かれた一冊だ。我々はいつ、どこで、誰が移住を強いられるのか。我々はどこに行くべきなのか。また、そんなにたくさんの人類が移動することに現行のシステムはとても耐えられそうにないが、では今後世界はシステム・運用方法をどうかえていけばいいのだろうか。書は国境問題や移民政策、糧問題にジオエンジニアリングに都市計画まで、気候変動をとっかかりに無数のジャンルを網羅し検証していく科学ノンフィクションで、暑さに参ってしまっている人にオススメ

                                          地球温暖化が進んだ時、我々はどこに逃げるべきなのか?──『気候崩壊後の人類大移動』 - 基本読書
                                          obsv
                                          obsv2023/08/27非公開
                                          興味深いが、移住を推奨したとして、高緯度帯はほぼ北半球にしか存在せず面積も狭いため奪い合いになるだろう。あまり良い解決策とは思えない。実質的に気候制御や二酸化炭素回収しか手の打ちようがなさそうだが。

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