東京電力福島第一原子力発電所2号機で、原子炉建屋の屋上に比較的高い濃度の汚染水がたまっているのが見つかり、雨が降るたびに排水路を通じて海に流れ出していたおそれがあることが分かりました。 東京電力はこの排水路の放射性物質の濃度が雨のたびに上がっていることを去年4月から把握していましたが、公表していませんでした。 東京電力によりますと、比較的高い濃度の汚染水がたまっていたのは福島第一原発2号機の原子炉建屋の屋上の一部で、この水には放射性物質のセシウム137が1リットル当たり2万3000ベクレル、セシウム134が6400ベクレル、ベータ線という放射線を出す放射性物質が5万2000ベクレル含まれていました。 2号機の周囲を通る排水路では、東京電力が去年4月に観測を始めて以降、雨のたびにほかの排水路よりも高い濃度の放射性物質が検出されていて、去年8月にはベータ線という放射線を出す放射性物質が1リット

東京電力福島第1原子力発電所の事故処理に当たる作業員の多くが、被ばく量を測る放射線量計を携行していなかったことが分かったが、現場では実際にどのように作業が進められているのか。原発敷地内で数日間働き、自身も線量計を持たなかった東電社員の男性が毎日新聞の取材に応じ、作業実態の一端を明かした。【中川聡子、日下部聡】 ◇家族に告げず 男性は3月中旬、上司から福島出張を打診され、「行きます」と応じた。その夜、本社に集合。幹部から「とりあえず行け。何とかしてこい」と言われ、着の身着のまま他の20~40代の作業員数人とワンボックスカーに乗った。「家族には心配をかけるだけだから福島行きは報告できなかった」。一方、友人には「2週間たって帰ってこなかったら両親に連絡してくれ」と頼み、出発した。 作業は外部電源の引き込みだった。でも「現場がどうなっているのか、原発に入るまで全く分からなかった。既に同僚ががれきを
危機的な状況が続く福島第一原発。その復旧作業は放射能、時間との闘いで、作業員の確保が急務となっている。東京電力の要請を受けた協力会社は、各地にいる作業員たちを呼び寄せようと躍起になっている。中には法外な高給を提示された作業員もいる。 「日当四十万円出すから来ないか」。福島県いわき市からさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)に避難している作業員藤田竜太さん(27)の携帯電話に、旧知の原発のメンテナンス業者から誘いが入った。 現場は福島第一原発。高給である以上、それだけ高い危険が待ち構えていることはすぐに分かった。電線の敷設作業をしている友人からは「おれ、もう被ばくしているかも」と聞かされた。 長男はまだ三つと幼く、妻(26)には新しい命が宿った。ためらいなく断った。藤田さんは、「五十代以上の人は高給につられて原発に戻っているらしい。でも、おれはまだ若いし、放射能は怖い。もう原発の仕事は
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