世界99 上下巻セット 集英社Amazonこの『世界99』は『コンビニ人間』などで知られる村田沙耶香の3年以上にわたる連載をまとめた大長篇だ。10人の子どもを産むことで一人の人間を殺しても良い、特殊なシステムが生まれた日本を描き出す「殺人出産」や、カジュアルに人が自死するようになり『可愛い死に方100選』のような本が本屋に自然と並ぶようになった世界を描く出す「余命」のようにラディカルな形で出産や死を扱う短篇を書いてきた村田沙耶香だが、本作はそうしたSF的な短篇群の集大成的な長篇といえる。 僕も2025年の3月に刊行されて少ししてから読んでいたのだが、久々に衝撃を受けたと言うか、うーんと考え込んでしまうようなSFで、どう紹介しようか、と考えあぐねているうちにだいぶ時間が経ってしまった。僕はSFを読みすぎたこともあってかだいたい元ネタや潮流がわかって、半ば予想&身構えながら読んでしまう。 だが

Unixは1969年にAT&Tのベル研究所で誕生して以来コンピュータ技術の歩みそのものを変え,今日,その派生物は社会に欠かせない数多くのシステムの中核にある.本書はUnixの起源に目を向け,Unixとは何であり,どのようにして生まれ,なぜ重要なのかを説明しており,コンピュータあるいは発明の歴史に興味のある人なら誰にでも読んでもらえるように書かれている. Unixの物語は,ソフトウェアの設計と構築,そしてコンピュータの効果的な使用方法について多くの洞察を与えてくれる. また,技術革新がどのように起こるのかという,関連した興味深い物語もある. なぜUnixはこれほど成功したのか? それは二度と起こりそうにない特異な出来事だろうか? これほど影響力のある結果は計画しうるのだろうか? コンピュータの歴史において特に生産的な形成期にあった時代の素晴らしい物語のいくつかを本書で伝えたい. まえがき

デジタルそしてコンピューターを基盤とする情報技術(IT)は、得てして「魔法」に例えられます。それは、多くの人にとってITを活用したシステムや情報機器(デバイス)が「不思議に思えるほどすごいことをしてくれるモノ」と感じられるからではないでしょうか。 このように感じられるのは、ITシステム/デバイスがブラックボックス化され、中身が見えないためでしょう。中身が見えない、言い換えれば仕組みが分からないことから、「すごい」という前向きな感情に加えて、なんだか「怖い」という苦手意識も芽生えがちです。 デジタル社会では、公私ともにITに関与する機会は増える一方です。例えば、会社でDX推進やAI活用に取り組んだり、日常生活で各種支払いをスマホで手軽に済ませたり、といったIT化は今後も進むでしょう。そうしたときに苦手意識を持ったままだと、前向きに進めることが難しかったり、他人任せになってしまったりすることで

国立国会図書館デジタル化資料で下記が公開されていた。 孫文全集 第4巻 ロンドン遭難記 其の他 図書 外務省調査部 訳編 (第一公論社, 1940) 目次:一 倫敦遭難記 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1454011/63 (2013/09/05確認) 孫文全集 第4巻 (宣言・倫敦遭難記・中国存亡問題・中国革命史・雑著) 図書 外務省調査部 訳編 (第一公論社, 1940) 目次:倫敦遭難記 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1441324/61 (2013/09/05確認) 砂漠の王者 / アームストロング[著] ; 古沢安二郎訳 , 自叙伝 / マハトマ・ガンジー[著] ; 木暮義雄訳 , ロンドン被難記 / 孫文[著] ; 芦田孝昭訳 , 革命の哲理 / ナーセル[著] ; 林昂訳 東京 : 筑摩書房

気がついたら2023年どころか2024年も半分過ぎていた。 仕方がないので直近1年分をまとめて紹介する。 無駄にページ分割されているのは嫌いなので。2023年下半期に読んだ本イーロン・マスク ブラジャーで天下をとった男――ワコール創業者 塚本幸一BUILD 真に価値あるものをつくる型破りなガイドブック 運動の神話 遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― 2024年上半期に読んだ本 Science Fictions あなたが知らない科学の真実 魔女狩りのヨーロッパ史 BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか? バッタを倒すぜ アフリカで イラク水滸伝 終わりに2023年上半期に読んで面白かった本2023年下半期に読んだ本 ついにここまで先延ばしにしたという感じだ。以前、下半期に読んだ本を4月に紹介したことがあったが*1、まさか7月まで引っ張ることになる

ponchang🌸77 @fengyunzaiqi888 #SFのおぞましい設定 ド定番 ???『先生もどうだい?(食べないのか?)』 ????『いいえ。私は遠慮しておきます』 ????『あなた達は、あの食料を食べました。その事をよく認識して、その扉を開けてください』 2024-03-04 19:44:42 tonkatudon @t22204102 #SFのおぞましい設定 ファウンデーション 一人の男が自動車事故で死ぬかどうかで 銀河帝国になるか、時間管理局による永遠の支配の未来か別れる、 なお、一人の男が自動車事故で死に核戦争で地球が荒廃し、外世界人スペイサーによる管理支配を経てAIに勝利した後に銀河帝国は生まれる、 2024-03-04 19:45:34

概要 人間関係あるところにマウントあり、マウンティングを制する者こそが人生を制する。 3万以上の事例を収集・分析してきたマウンティング研究家が、80億総マウント社会を乗り切るためのナレッジを集大成。 一流の人こそこっそり活用しているマウンティングの最強パターンとは ステルスマウント×マウントさせる=最強のビジネススキル イノベーションはテクノロジーからではなくMX(マウンティングエクスペリエンス)から生まれるAIが発達し、英語、ファイナンス、ITといったスキルが陳腐化するこれからの時代に不可欠な人間理解のセンスとマウンティングリテラシーが身につく。 マインドフルネス、ファクトフルネスより大事な「マウントフルネス」の極意をあなたに。 目次 はじめに 世界はマウンティングで動く マウンティングは現代社会を生き抜くうえで必須の教養人生はマウンティングで攻略できる 第1章 マウンティング図鑑~

夢中にさせて寝かせてくれず、ドキドキハラハラ手に汗握らせ、呼吸を忘れるほど爆笑させ、ページを繰るのが怖いほど緊張感MAXにさせ、食いしばった歯から血の味がするぐらい怒りを煽り、思い出すたびに胸が詰まり涙を流させ、叫びながらガッツポーズのために立ち上がるほどスカッとさせ、驚きのあまり手から本が転げ落ちるような傑作がこれだ。 この世でいちばん面白い小説は『モンテ・クリスト伯』で確定だが、この世でいちばん面白いファンタジーは『氷と炎の歌』になる。 書いた人は、ジョージ・R・R・マーティン。稀代のSF作家であり、売れっ子のテレビプロデューサー&脚本家であり、名作アンソロジーを編む優れた編集者でもある。 短篇・長編ともに、恐ろしくリーダビリティが高く、主な文学賞だけでも、世界幻想文学大賞(1989)、ヒューゴー賞(1975、1980)、ネビュラ賞(1980、1986)、ローカス賞(1976、1978

自炊歴も30年になると、料理も適当になってくる。 テキトーという意味ではなく、あり合わせのものでなんかするイメージ。レシピ通りに作らないし、調味料も目分量になる。代わりに、食費と洗い物の最小化を目指したり、極限までサボったり、変わった料理に挑戦したりする。 自分の中で、「料理とはこんなもの」という料理観みたいなものが出来上がっている。そのため、普通のレシピは、レパートリーを増やすためにチラ見する程度になる。 一方で、私の料理観を揺さぶり、変化させるような本もある。何気なくやってた一手間が、実は深い意味を持っていたり、伝統&科学に裏打ちされた本質が見えてきたりする。 ウー・ウェン著『料理の意味とその手立て』が、まさにそんな一冊だ。中国家庭料理を紹介しているのだが、いわゆるレシピ集というよりも、料理についての考え方をまとめたエッセイと言ったほうがしっくりくる。料理する人には見慣れたことかもし

こんにちは。伊藤賀一と申します。 原始から近代・現代まで、あらゆる時代をカバーしているオールラウンド型の珍しい日本史講師です。 日本史だけでなく社会科全般を教えているため、ありがたいことに「日本一生徒数が多い社会科講師」という称号もいただいたことがあります。 今回は「日本史を学び直すための本」を紹介します。編集部からは「10冊プラスα」という依頼だったのですが、力が入り過ぎてしまい、数えてみたら30冊を超えていました……。 30冊もあると「こんなに読まなきゃいけないの!?」とびっくりするかもしれませんが、全部読む必要はないですよ!(もちろん全部読みたい人は一緒に沼にハマりましょう) 気になったテーマの、気になった一冊だけでも手に取ってみてください。 ▶今すぐ「日本史を学び直すための10冊プラス+α」をチェックしたい人はこちら 予備校で授業をしている筆者 皆さんもご存じのように、今も昔も、人

新しいことを始めるのは難しい。 特に最初の一歩を踏み出すことが。 それは技法を知らないためだ。 独学大全のジレンマ ようやく『独学大全』を読み進めている。 独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 作者:読書猿ダイヤモンド社Amazon 発売してから連日のようにおすすめツイートが流れ*1、2020年みんながオススメしたスゴ本でも堂々たる1位に輝いただけはあって、確かに良い本だ。前著『アイデア大全』『問題解決大全』も読んでいたので、評判だけということはないだろうと思っていたが、読み始めてみたら前2冊より面白い。もうちょっと早く読み始めても良かったな、というのが正直なところだ。 なぜ高い評判を得ているのに、俺は手を出すのが遅れたのか。それは「厚さ」のせいである。ソフトカバー版は788ページ*2、紹介文で「独学の百科事典」と謳うだけのことはある。しかも『独学大全』は実

サハリン島 作者:エドゥアルド・ヴェルキン発売日: 2020/12/22メディア: 単行本このエドゥアルド・ヴェルキン『サハリン島』は、ロシアのメディアで、この10年で最高のロシアSFと評されているSF長篇である。「この10年で最高」というのは、気軽に使うにはリスキィな褒め言葉だ。何しろ、これでつまらなかったら他のこの期間に発表されたロシアSFはいったいなんなんだ、という話になってしまう。 なので、話半分というか……、勢い余って言い過ぎちゃった人がどっかのメディアにいたのかな? ぐらいの心持ちで読み始めてみたのだけれども、いやはや……。これはたしかに、この10年で最高のロシアSFかどうかはわからないがめちゃくちゃおもしろい! 表面的な題材だけ抜き出してみれば、ゾンビ的な感染症に第三次世界大戦による終末世界化、変容してしまった世界を二人の男女が旅をするという、ありきたりなポストアポカリプス物

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて 作者:熊代 亨発売日: 2020/06/17メディア: 単行本(ソフトカバー) 6月17日発売予定の『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』の第一章を公開する許可をいただいたので、公開します。 第一章では、現代社会に対して私がどういった問題意識を持っているのか、紹介しています。それらを踏まえたうえで、第二章から先は (2)メンタルヘルス・(3)健康・(4)子育て・(5)清潔・(6)コミュニケーションと空間設計 について詳説していきますが、(2)~(6)は興味のある章から読んでいただいても大丈夫だと思います。第七章は、最後にお読みいただく前提で書かれています。 ひとつのブログ記事には長すぎるので、第一章を(上)と(下)の2回にわけてアップロードします。 第一章:快適な社会の新たな不自由 【美しい国と美しい都市】 ときの

こんにちは!ライターの社領です。 みなさん。 先日、こちらの超インパクト大な新聞広告が話題になったことをご存知でしょうか? 今朝の日刊スポーツにご注目を!(審査の通らなかった地域もあるようですが、素晴らしいデザインだと思う) pic.twitter.com/4dujbblRxU — 俵万智 (@tawara_machi) 2019年6月25日 ▲歌人の俵万智さんも絶賛……だけど、何だこの広告〜!? すんごい広告……! お、お◯んこ!? お◯んこって、あの「お◯んこ」!? 衝撃的すぎるでしょ! 一体、何の広告なの〜!? じつはこの広告、書籍の広告なんです。 その名も『全国マン・チン分布考』。 みなさんご存知『探偵!ナイトスクープ』を放映当初から手がけるテレビプロデューサー・松本修さんが苦節24年にわたる研究の末に出版した本でして、なんと中身は超・本格的な研究本! 阿川佐和子さんや、歌人の俵万

増田でどこまで集まるかはわからないけど、オススメの本を募集したい。 ただし、例えば伊坂幸太郎の新刊が面白い、みたいな話は別にいらないのです。どうせ読むから。 あと80年代より前に出版された名著は古典と定義することにして、ここでは除きます。 俺がすげーすきなのは「その人が必読と考えている本」を人から聞き出すこと。 ネトウヨにはネトウヨのバイブルがあるだろう。フェミニストにはフェミニストのアツイ新刊があるがあるだろう。 ガノタにはガノタの必読書があるだろうし、ラノベ好きにはこれだけは読んどけってラノベがあるじゃない。 原発デマを普段から批判している人には批判の根拠にしているネタ本があるはずで、安倍批判のツイートをしている人たちには自分のそういう活動の基礎になった読書体験ってものがあるに決まっているのです。 はてサにだって、最近○○って本が俺の正しさを補強してくれてよかった~~って本があるじゃ

成功のためには夢を強く思い描かなければいけない。「自己啓発」の世界ではよくそう言われる。だがこれは科学的には大間違いだ。世の中のありとあらゆる「成功ルール」を検証した全米ベストセラー『残酷すぎる成功法則』(飛鳥新社)によると、「ポジティブシンキングだけでは、夢は夢で終わってしまう。楽観主義を『2つの言葉』で補う必要がある」という。その方法とは――。 ※本稿は、エリック・バーカー・著、橘玲・監訳『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。 人間の脳は、幻想と現実を見分けるのが苦手 夢を現実にするときに効果を発揮するシステムはどんなものだろう? 諦めるべきもの、最後までやり通すべきものをどう見きわめればいいだろう? 一人の研究者が、びっくりするほど簡単なシステムをあみ出した。それはウープ(WOOP)と呼ばれるものだ。あとで詳しく触れるので

先日、電子書籍サービス「Digital e-hon」の終了が発表され、ネット上には「購入したコンテンツが閲覧できなくなる」と問題視する声が続出しました。購入金額相当のポイント提供などの対応が取られていますが、手に入れたつもりだったものが消えてしまうことへの不満が強いようです。 関連記事:電子書籍サービス「Digital e-hon」が終了へ 7月末を最後に購入済みコンテンツもほぼ閲覧不能にiPadが登場した2010年は「電子書籍元年」と呼ばれ、国内ではいくつものサービスが誕生。そして、その数多くが消えていきました。電子書籍市場は年々拡大を続けていますが、裏側にはサービス撤退の歴史があるのです。もしも利用中の電子書籍ストアが終了したらどうなるのか、これまでの事例から考えてみましょう。 これまでに登場し消えていった、国産電子書籍サービスの一部。運営元が有名企業だからといって、終了しないわけで

「中東の歴史こそが、世界の現代史の縮図」。発売即重版となった中東政治の第一人者・酒井啓子氏の著『9.11後の現代史』の冒頭部を特別公開します。 中東はいつから危ない場所になった?筆者が教鞭を執る大学で、ときどき、中東報道に携わるジャーナリストや中東勤務の外交官、NGO職員などをお呼びして、話していただくことがある。 その際、学生たちから必ず出る質問がある。 「なぜ危ない場所だとわかっていて、行くのか」 なぜ危険地に行くような仕事をするのか、という、就職活動を間際にした学生の疑問である。 筆者とお呼びした講師の先生は、その都度苦笑いする。 筆者と同じ年代かその前後の世代にとっては、未知の場所に赴くとか、途上国で援助活動をするとか、誰もやったことのない国との商談にチャレンジするとか、そういうことは青臭い学生の夢だったからだ。 だが、危険への心配がまず頭をよぎる今の学生も、仕方がないかもしれない

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