江戸における交通の要所だった品川宿。最近では羽田空港の国際化にともなって、世界に開かれた東京の玄関口としての機能も持つようになり、改めて活気づいてきています。 今回は日本一の大街道「東海道」をいこう。 現在の東海道といえば、これ、すなわち国道1号線の方なんだけど(または東名高速道路、もしくは東海道新幹線?)旧東海道は、その1号線からちょっと東の方にずれている。 新旧東海道、双方の出発点を言うなら、お江戸・日本橋である。しかしながら、この界隈については以前も書いたので飛ばしていこう。 ADVERTISEMENT 日本橋、銀座、新橋、と、国道15号線(通称・第一京浜)をまっすぐに南下していくと、東京都心、南の玄関口、品川駅に出る。 品川駅前は変わったね。再開発で有名となった裏の港南口は言うに及ばず、表の高輪口だって聳え立つホテルパシフィック東京(芸能人の結婚式などでも有名だった)が「シナガワ

東京を自転車で走っていると、不意に「古い江戸」を感じることがある。 たとえば線香の香りが漂ってくる場所だ。特に港区や文京区、台東区などを走っていると、え? と意外に思うほどに、この街には墓地とお寺さんが多い。そこからふと線香の香りが漂ってきて、おや、と思う。 鳥居も多い。古い市街地の神社密度は、もうあっちにお稲荷さん、こっちに八幡さま、という感じ。いや「○○が丘ニュータウン」の類でもない限り、この街にはそこかしこに鳥居があって、八百万の神々が必ず住んでいる。 ADVERTISEMENT もうひとつ、自転車で走っていて、ぎょっとするほどの「みごとな建築」に出会うことがある。あるものは文字通り「みごと」だが、別のものは「奇妙」だったり「いたずらに巨大」と、そういう形容が似合うものもある。比較的新しめの宗教施設である。 この街には、神様や仏様がめったやたらと住んでいる。考えてみれば当たり前だ。1

九州で育った私は、少年時代、東京の葛飾区というのは、浅草とか上野の隣あたりにあるのかと思っていた。特に「下町」というものについては、まず葛飾! いや、浅草? というくらいの認識だったと思う。 もちろんその認識は全然正解じゃないんだけど(そもそも区名と町名という地名のカテゴリーからして違う)、田舎の少年にとっての東京下町のイメージなんてそんなものだ。 葛飾北斎という教科書に出てくるような浮世絵の偉人がいたことも、葛飾という名前の江戸度、すなわち東京下町度、ひいてはメジャー度に影響したのかもしれない。 葛飾柴又は、どんな「下町」? ADVERTISEMENT ところが葛飾、大学時代に知って驚いた。上野や浅草からみるとあまりに遠い。街の括りとしては、ひとことでいって「東京の中の田舎」である。 そういえば思い出したシーンがある。映画「男はつらいよ」のかなり早い段階(シリーズ4作目)で、寅さんのお

今から25年前、東京に出てきたばかりの私にとって「明治通り」というのは謎の通りだった。 渋谷にも新宿にも池袋にも存在し、なおかつ東側の亀戸や三ノ輪など下町方面に行っても出現する。王子とか随分と北の街にもあり、広尾あたりのいわゆる「ハイソな地域」にも走っている。 なぜか「どこの街にでもある」通り。当時の私は、東京には「明治時代にできた大通りは全部『明治通り』と呼ぶ」というような風習でもあるのかしらと思っていた。 ADVERTISEMENT もちろん、そんなおかしな風習はない。 「明治通り」またの名を「環状5号線」。 明治通りというのは、いわば東京都心をぐるりとめぐる環状線であって、別名を東京環状5号線という。鉄道でいうなら山手線のようなものだ。 もともと東京23区にはメジャーな環状線が合計8つある。それぞれに名前があり、ナンバーが打たれている。外側から「環八」「環七」。この2本は、その名の通

今回は、自転車で西から東へ、ひたすら神田川を下ってみようと思うのだ。 神田川という川は、規模でいえば、ホントに短くて小さな川に過ぎないのだけれど、その知名度たるや、日本で一二を争う河川と言っても過言ではあるまい。 東京の都心まっただ中を横断する河川だから、という意味合いもあるにはあるが、メジャー化の一番の責任は、もちろん南こうせつにある。 ADVERTISEMENT 昭和フォークの名曲、四畳半フォークの究極といわれた、名曲「神田川」。あのモデルとなった「三畳一間の小さな下宿」(四畳半ですらなかったのね)は、いったいどこにあるのか、ご存じであろうか。 私はご存じである。そのあたりも含め、さあ、神田川を下ってみよう。 出発点は井の頭公園。 全長24.6km。神田川ほど、川の始まりと終わりのはっきりしている川も珍しい。川の始まりは三鷹市にある“井の頭恩賜公園”である。あの公園の真ん中にある池こそ

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