(前回の記事へ) DAY 14 涙の訴え 朝一番の巡回で、看護師さんが「気分はどう?」と聞いた時、待ってましたとばかりに「もうダメです」と答えた。看護師さんはびっくりしたような表情で、たった今、ノートパソコンに打ち込んだ、体温と血圧と脈拍のデータに視線を戻し、そして不思議そうに「え、そうなの?」と言った。 「ゆうべは眠ることができなかったです。腹がたって仕方が無いんです」と、一気に吐き出した。「ここまで深刻な状況になってしまったことが、悔しいんです。私、悪いことなんてしてないのに……」 静かに聞いてくれていた看護師さんは、とうとう口を開き、「わかるよ。体だけじゃなくて、心だってしんどいよね」と慰めてくれた。そうなんです、その通りなんですと、私は涙ぐみながら訴えた。 看護師さんが去ってしばらくすると、主治医がやってきた。 「調子がよくないんですってね。わかりますよ、びっくりしちゃいましたよね
(前回の記事へ) DAY 8 経食道心エコー検査 症状が安定したため、24時間の点滴と心電図が外れた。一気に自由度が上がり、快適になる。病院内を歩く自由も確保し、とうとう私をベッドに縛っていたものはすべてなくなった。日中は売店に行き、雑誌やジュースを買い、売店前に設置されたイスに座って行き交う人を観察した。病院内を歩くと、いろいろなものが見えてくる。退院した人たちが残した色紙に書かれた文章、泣く人、笑う人。病院はドラマにあふれている。 夕方、主治医がやってきた。「状態も安定しましたし、検査をします。明日から忙しいですよ~!」と告げ、経食道心エコー検査について説明しはじめた。 経食道心エコー検査とは、胃カメラのような管を食道に入れ、食道から心臓のエコー検査をするというものだそうだ。胸壁からのエコーより、詳しく心臓の様子がわかるらしい。先生がにっこり笑いながら「胃カメラってやったことあります?
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