報道ステーションなどニュース番組のコメンテーターとしても知られる東京工業大学教授の中島岳志氏。同氏は『石原慎太郎-作家はなぜ政治家になったか』『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』など多数の著作でわかるように、ジャンルを超えて活躍する気鋭の政治学者だ。そんな中島氏は、相模原事件や国会議員の「生産性」発言に対して、「弱い立場の人々が『不要なもの』とされつつある」と日本社会に警鐘を鳴らしている。今一体、日本社会に何が起きているのか、お話を伺った。 文責/みんなの介護 コミュ力がない人間は「不要な人間」だとみなされる時代 みんなの介護 以前、中島さんが2016年に起きた相模原事件について書かれたコラムの文中に「不要なものとされる不安」という表現がありました。それまでニュースなどを見ていて漠然と感じていた気持ちの正体を言い当てられた気がしてとても印象に残っています。 中島 相模原殺傷事件の3ヵ月後に書いた

初犯で刑期10年以上…刑の重い長期受刑者を収容している岡山市の岡山刑務所。受刑者数は、2006年の約770人をピークに減少に転じているが、今 深刻な問題が静かに進んでいる。 刑務官: 前へ進め! この記事の画像(21枚) 2021年、岡山刑務所の受刑者は400人余り。半数以上が無期懲役だ。殺人、死体遺棄、強盗殺人などが大半を占める。 受刑者を収容し、刑を執行する刑務所。一方で、罪を犯した人間を更生させ、社会復帰させることを目的とする施設でもある。その目的や存在意義が今、揺らいでいる。 その原因のひとつが認知症だ。 ーー何でこの岡山刑務所に入ることになったんですか? 認知症の受刑者: それはわからない この受刑者は、自分がなぜ刑務所にいるのか答えられない。 日本の刑務所では、ここ数年 受刑者の高齢化が大きな問題になっている。岡山刑務所も例外ではなく、4人に1人以上が高齢者だ。 高齢化対策とし

事件現場となった一戸建ての玄関先には植木鉢が荒れたまま放置されていた=神戸市須磨区で2020年10月23日午後4時53分、春増翔太撮影 黒髪をキュッと結んだポニーテール。白いブラウス。顔を上げた小柄な女性(22)は、年齢より幼く見えた。 9月、神戸地裁。幼稚園教諭だった女性は、初めて法廷に立った。同居していた祖母(当時90歳)の殺害を認め、「介護で寝られず、限界だった」と語った。親族から介護をほぼ1人で背負わされ、仕事との両立に苦しんだ末のことだった。 なぜ、社会人1年目の女性は「大好きだったおばあちゃん」を手にかけるまで追い詰められたのか。裁判を傍聴し、関係者への取材を重ねた。【韓光勲、春増翔太】

身長190センチの被告の背中が法廷では小さく見えた。平成25年元日、京都府城陽市の住宅街にある中華料理店から82歳のおばあさんが病院に運び込まれ、4日後死亡した。祖母を殴り死なせたとして傷害致死の罪に問われたのは、孫の中でも特におばあちゃん子で、長年ほぼ1人で面倒をみていたという孫の男(36)だった。前年夏頃から認知症の症状が出ていたという祖母。言って聞かせれば分かると部屋中を注意の張り紙だらけにしていた孫。なぜ悲劇は起きたのか。取材を続けると、決して人ごととは思えない重い現実があった。(京都総局 小川原咲)部屋の至る所に張られた注意書き 被告は祖母を親しみを込めて「おばあ」と呼んでいた。法廷記録などによると、「昔から口が達者で頑固だった」というおばあの異変に周囲が気づき始めたのは、24年夏ごろだ。 食事や排泄(はいせつ)などにはまだ大きな問題はなかったが、たばこの火の不始末でボヤ騒ぎにな

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