バンダイナムコグループのバンダイナムコ研究所は18日、人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの世界観から着想を得た科学技術を実社会で活用しようとするプログラム「ガンダム オープン イノベーション」の成果を発表するイベントを日本科学未来館(東京都江東区)で開催した。同プロジェクトは作品に登場するさまざまなSF技術に注目し、従来とは異なる視点から宇宙開発の研究する異色の試みで、国際宇宙ステーションでの実験などにもつながった。 同プログラムは2021年に発足し、東京理科大や東北大や三菱重工など、15チームが参加。月面での稲作を実現する研究やロボットの操縦技術の開発など、4つのプロジェクトが採択された。イベントは19日までで、研究成果のパネル展示のほか、ロボットを操作して宇宙ゴミを回収するシミュレーション装置も体験できる。 東京理科大らのチームは宇宙居住を可能にする環境技術の開発に取り組んだ。宇宙

対談を終え、笑顔を見せる富野由悠季氏(中央)。右は稲谷芳文JAXA名誉教授=8日、東京都港区(高橋寛次撮影) 『機動戦士ガンダム』で知られるアニメーション映画監督の富野由悠季(よしゆき)氏(83)が8日、東京都内で開催されている宇宙ビジネスに関するイベント「SPACETIDE 2025」で登壇した。富野氏は「人類は宇宙では暮らせない」と述べ、自らがガンダムで描いた宇宙移民実現の可能性に否定的な見方を示した。一方、「低軌道衛星まで人を運び、周回ツアーを行えばいい」と〝宇宙旅行〟を可能とするシステム構築を提案。外から地球を見ることで、「世界観が変わる」と強調した。 富野氏はイベントで宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授の稲谷芳文氏と対談。司会者が「会場に集まった皆様には、子供の頃に富野監督が生み出したガンダムで描かれた『人が宇宙に進出している未来』に憧れて宇宙産業に情熱を燃やしている方が多

Hondaの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所(以下、Honda)は、本日、自社開発の再使用型ロケット※1の実験機(全長6.3m、直径85cm、重量Dry 900kg/Wet 1,312kg)を用いて、Hondaとして初となる高度300mまでの離着陸実験に成功しました。 今回、ロケットを再使用するために必要な、上昇・下降時の機体の安定性や着陸機能などの要素技術の実証を目的とした離着陸実験をHondaとして初めて実施しました。その結果、目標とした機体の離着陸挙動の作動(到達高度 271.4m、着地位置の目標との誤差 37cm、飛行時間56.6秒)、上昇・下降時のデータ取得を実現し、実験は成功を収めました。

ロシアの国営宇宙企業Roscosmos(ロスコスモス)は日本時間2025年5月10日、旧ソ連時代に打ち上げられて地球を周回し続けていた「Cosmos(コスモス※)482」の一部について、インド洋に落下したとする声明を発表しました。 それによると、Roscosmos傘下のTsNIIMash=機械工学中央研究所の計算にもとづく情報として、この物体は日本時間2025年5月10日15時24分にインド洋東部にある中アンダマン島の西560kmの上空で大気圏に再突入し、ジャカルタ西方のインド洋に落下したということです。RoscosmosやNASA=アメリカ航空宇宙局の資料などによると、Cosmos 482は金星探査機「Venera 8(ベネラ8号)」と同一設計の探査機として、1972年3月に打ち上げられました。 一時的に地球を周回する軌道に投入された後、Cosmos 482は金星へ向かう予定でしたが、

NASAが資金提供した新しい研究によると、「スターリンク」のような通信衛星が寿命を迎えて大気圏に再突入する際に、地球のオゾン層を減少させる可能性がある。同研究はGeophysical Research Lettersに掲載された。 スターリンクなどの人工衛星は寿命を迎えると大気圏に突入して燃え尽きるが、その際にアルミニウム酸化物の小さな粒子を残す。これが紫外線を吸収するオゾン層まで落ちていく。南カリフォルニア大学の研究チームは、2016年から2022年にかけてこうした酸化物が8倍に増えたことを突き止めた。 低軌道上にはおよそ8100の人工物体があるが、そのうち6000以上をスターリンクが占めている。さらに1万2000基の追加打ち上げを予定しており、将来的には最大4万2000基まで打ち上げる可能性があるとSpace.comは伝えている。 これらの衛星はだいたい5年くらいで寿命を迎える。たとえ

新鮮な魚や、とれたての野菜。 それらを将来、「月面」で食べられないか、研究者たちが真剣に議論している。 鍵を握るのが、「月面養殖」を可能にするという注目の技術だ。しかも、最適な魚の候補まで見つかっているという。 私たちはいつか、宇宙で新鮮なお刺身を食べられるようになるのか? 魚食文化の国、日本の記者として、気になる疑問を取材した。 (科学・文化部記者 加川直央) 宇宙でどうやって魚を養殖するのか。 ヒントになる展示物が、2025年4月に開幕する大阪・関西万博の会場にあるというので、まずは取材に向かった。 到着したのは「大阪ヘルスケアパビリオン」。その一角にある、直径7メートルのガラス張りの球体がひときわ目を引く。 「アクアポニックス」と呼ばれる生産システムの展示だ。 取材時は準備中のため中身は空だったが、開幕後は球体内の上部にリーフレタスやトマトなどの野菜のプランターが置かれ、土台部分に設

2025年1月初旬に開催されたアメリカ天文学会第245回大会のブリーフィングにおいて、地上からの天文観測に支障をきたす可能性があるとして、アメリカ天文学会が「目障りな宇宙広告」の世界的な禁止を求める声明を発表しました。 AAS Statement on Obtrusive Space Advertising | American Astronomical Society https://aas.org/about/governance/society-resolutions/space-advertising Astronomers seek globalban on space advertising - SpaceNews https://spacenews.com/astronomers-seek-global-ban-on-space-advertising/ 広大な宇宙空間を有

(CNN) ケニア南部マクエニ郡のムクク村でこのほど、巨大な高温の物体が空から落下してくる出来事があった。ケニア国営放送が地元住民の話として伝えた。ケニアの宇宙機関が直ちに調査を開始している。 物体が落下してきたのは12月30日午後。ケニア宇宙機関(KSA)は1月1日の声明でこの物体に触れ、「宇宙物体の断片」と特定されたと明らかにした。 KSAが人里離れた村に落下した物体を保管している。幅2.5メートル、重さ500キロの宇宙ゴミとみられる。 KSAは暫定的な分析ではロケットの分離リングであることが示唆されているとも述べ、宇宙ゴミは通常、海洋に落下するか、地球大気に突入する前に燃え尽きることが多いと指摘した。 今回落下した物体は単発的なケースである可能性が高く、依然として調査中だという。 地元警察はケニア放送公社に対し、警官らの到着時には物体はまだ高温だったと説明。冷却するまで住民の立ち入り

本稿では,宇宙エレベーターの建設費を10年で回収できると仮定し,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの破断を考慮して,10年後の宇宙エレベーターの残存率を評価した結果を示す.その結果,宇宙エレベーターがその建設費を回収できるまで残存するためには,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの損傷を最小化するような冗長系だけでなく,現在の衝突フラックスと比してほぼ0%にまで宇宙デブリ環境を改善しなければ実現不可能であることが分かった.
企業は18日午後、記者会見を開き、打ち上げから1分20秒すぎにロケットの1段目にある、燃焼ガスを噴き出す「ノズル」と呼ばれる部分の動きに異常があり、機体の姿勢にも異常が起きたことを明らかにしました。 その後も、ロケットは飛行を続けたものの、設定した飛行経路から外れたため、打ち上げから3分7秒後、ロケットの2段目の燃焼中に自動で飛行を中断する措置を取ったと説明しました。 2号機には5つの小型衛星が搭載されていて、軌道への投入に成功すれば民間企業単独の打ち上げとしては国内で初めてとなるはずでした。 打ち上げの失敗はことし3月の初号機に続いて2回連続で、企業は原因究明を急ぎ、3号機の打ち上げに臨む考えです。 会見で企業の豊田正和社長は「衛星を軌道に投入させることができず、皆様におわびを申し上げます。可能なかぎりスピードを重視し次のステップに向けて対応したい」と話していました。 宇宙工学が専門で東

by 京都大学 2024年11月5日、京都大学と住友林業が共同開発した世界初の木造人工衛星「LignoSat」が、SpaceXのロケットによって打ち上げられたことが報告されました。LignoSatを打ち上げたロケット・SpX-31は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ輸送船であり、LignoSatはまずISSに到着してから宇宙空間に放出される予定です。 世界初の木造人工衛星LignoSatを乗せたスペースX社のSpX-31が無事アメリカフロリダ州のケネディ宇宙センターから打上げられました。SpX-31は国際宇宙ステーションに物質を運ぶ輸送船です。この中にLignoSatがJAXAの小型衛星放出機構(J-SSOD)に収められ、宇宙に飛び立ちました。 pic.twitter.com/sEbn1ZHVEY— 京大宇宙木材プロジェクト (@spaceKUwood) November 5,

宇宙空間で太陽光によって発電した電気を、電波に変換して地上に送るためのシステムの実現に向けて、京都大学の施設で送電実験が行われました。 「宇宙太陽光発電」は、高度3万6000キロの宇宙空間に静止させた太陽光パネルで発電を行い、電気を電波に変換して地上に送る構想で、2045年以降の実用化が目指されています。

米SpaceXは10月12日(現地時間)、大型宇宙船「StarShip(スターシップ)」の5度目の無人飛行試験を行い、発射場に戻ってきたロケットブースターをタワーのアームで受け止めるという初の試みに成功した。ロケットブースターの再利用に向けて大きく前進した。 「Super Heavy」と名付けられたロケットブースターは、直径9m、高さ71m(StarShip除く)と20階建てのビルに相当する大きさ。重さは約250tもあるという。 スターシップの打ち上げから2分44秒後──高度81kmで切り離されたSuper Heavyは、地球へ落下。このときのスピードは、一時的に音速の半分程度になる。 上空で再度ロケットを噴射してスピードを落としたSuper Heavyは、発射場に用意されたタワーに向けてピンポイント降下。タワー直上で少し横にスライドするような動きも見せながら、2本のアームの間に見事に収ま

先月打ち上げられた中国の無人の月面探査機「嫦娥6号」は、月の裏側に着陸して土壌や岩石などのサンプルを採取したあと、今月4日に月面を離れました。中国国家宇宙局は、サンプルを収めたとするカプセルが25日切り離され、日本時間の午後3時すぎ、内陸部の内モンゴル自治区に着地し、ミッションは成功したと発表しました。 カプセルは、今後、北京に運ばれたあと分析が行われるということで、月の裏側のサンプルが確認されれば世界で初めてとなります。 これを受けて、習近平国家主席は「人類史上初めて月の裏側からのサンプルリターンを実現し、宇宙強国と科学技術強国を築く上で、また一つ象徴的な成果を得た」とするメッセージを出しました。中国としては、今回のミッションの成功をアピールして、今後の月面探査と開発の分野で、世界をリードしていきたい考えです。

地球の高度約10~50kmの成層圏に存在するオゾン層は、太陽からの有害な紫外線を吸収することで地球の生態系を保護する役割を担っています。ところが、近年急速に増加している地球低軌道の人工衛星により、オゾン層が破壊されてしまう可能性があるという研究結果が報告されました。 Potential Ozone Depletion From Satellite Demise DuringAtmospheric Reentry in the Era of Mega‐Constellations - Ferreira - 2024 - Geophysical Research Letters - Wiley Online Library https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2024GL109280 Satellite “megaconst

宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、持続的な宇宙活動の実現のためにスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去を新規宇宙事業として拓くことを目的として「商業デブリ除去実証(CRD2)(※1)フェーズI」を進めております。このたびのCRD2フェーズIの実証衛星ADRAS-J(※2)が、非協力的ターゲット(※3)であるスペースデブリへの接近中に撮影した画像を、株式会社アストロスケールが公開しました。 図:ADRAS-J可視光カメラによるCRD2のターゲットスペースデブリの画像 (2009年に温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)を打上げたH-IIAロケット上段, H-2A R/B, International designator: 2009-002J, Catalog Number: 33500)) この画像はデブリの後方約数百mの距離まで近接し撮影されたものです。CRD2フェーズIは、「
ISSから廃棄された宇宙ゴミが大気圏に再突入2024.03.16 22:3052,223 Passant Rabie - Gizmodo US [原文] ( たもり ) 現地時間の3月8日(金)、国際宇宙ステーション(ISS)でかつて使われていたバッテリーを積んだパレットが数年の旅を経て、メキシコ湾上空で大気圏に再突入しました。 重さ2.9トンに及ぶ宇宙ゴミパレットは9台のバッテリーを搭載しており、重量は2.9トン。2021年3月にロボットアーム「カナダアーム2」によって捨てられてからというもの、制御不能のまま地球の大気圏への再突入に向けて落下してきていたのです。 先週末、そんな状況についに終止符が打たれました。パレットは東部時間の3月8日午後3時29分(日本時間9日午前4時49分)ごろ、カンクン−キューバ間の上空に再突入したと、ISSのゴミの行方を追っている天体物理学者Jonathan

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