ホームヘルパーから感染したとみられる新型コロナウイルスが原因で女性(当時82歳)が死亡したのは、ヘルパーの勤務先の訪問介護事業所(広島県三次市)が必要な安全対策を講じなかったことが原因だとして、遺族が事業所の運営会社を相手取り、4400万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。発熱や味覚・嗅覚異常の症状が出たヘルパーはその後も勤務し続けており、事業所が症状を報告させるなどの注意義務を怠ったと訴えている。新型コロナの感染を巡る損害賠償訴訟は極めて異例だ。 訴状などによると、三次市で1人で暮らしていた女性は2019年11月からこの事業所の介護サービスを受けていた。女性は20年4月3日からせき込んで翌日に発熱。9日にPCR検査で感染が確認された後の19日、新型コロナ感染症を原因とする肺炎で亡くなった。 介護事業所の運営会社「コメントできない」 一方、ヘルパーは3月3…

7年前、長野県の特別養護老人ホームでドーナツを食べた入所者が死亡し、准看護師が業務上過失致死の罪に問われた裁判で、2審の東京高等裁判所は、罰金刑とした1審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。今回の裁判は医療や福祉に携わる全国の関係者から介護の現場が萎縮しかねないと注目されていました。 無罪を言い渡されたのは、長野県安曇野市の特別養護老人ホームに勤める准看護師の60歳の女性です。平成25年、おやつの確認を怠り、ドーナツを食べた85歳の女性を死亡させたとして、業務上過失致死の罪で起訴されていました。 1審の長野地方裁判所松本支部では、罰金20万円の有罪判決を言い渡され、2審で被告側は改めて無罪を主張していました。 28日の2審の判決で、東京高等裁判所の大熊一之裁判長は「1審は被害者に対するドーナツによる窒息の危険性を具体的に検討すべきだったのにそれを見過ごしている」と指摘し、1審判決を

全国の福祉関係者が注目する裁判で、28日、2審の判決が言い渡されます。7年前、長野県の特別養護老人ホームでドーナツを食べた入所者が死亡したことをめぐり、准看護師がおやつの確認を怠ったとして業務上過失致死の罪に問われている裁判。1審では有罪とされ、介護の現場が萎縮しかねないという不安の声が上がっています。 1審の長野地方裁判所松本支部は去年3月、准看護師に過失があったとして罰金20万円の有罪判決を言い渡しました。 2審で弁護側は「ドーナツをあげると窒息するという認識は職員たちになかった」として改めて無罪を主張した一方、検察はおやつを確認する義務があったとして、控訴を退けるよう求めています。 准看護師が有罪とされると介護の現場が萎縮しかねないとして、無罪を求める27万人余りの署名が東京高裁に提出されるなど、医療や福祉に携わる全国の関係者の注目を集めています。 判決は28日午後3時に東京高等裁判

昨年1年間に全国の警察に届け出があった行方不明者のうち、認知症が原因だった人は1万5863人(前年比431人増)で、統計を取り始めた2012年以降、5年連続で最多を更新したことが14日、警察庁のまとめで明らかになった。不明者全体が8万人台で横ばいで推移する中、認知症の人が占める割合も12年に比べて約7ポイント上昇し、18.7%に上った。 同庁によると、昨年の認知症の不明者は男性8851人、女性7012人だった。都道府県別の届け出数は大阪の1801人が最多で、埼玉1734人▽兵庫1396人▽愛知1341人▽東京1284人と続いた。最も少なかったのは島根の38人だった。

認知症がある程度進行してくると、自分がいる場所がわかりにくくなったり、時間の感覚がわかりにくくなったりする「見当識障害(障がい)」が見られます。この見当識障害が原因で、いま自分が歩いているところが突然、わからなくなり、「どうしよう」と頭が真っ白になって、うろたえながら帰り道をさがす。こんな行動を「徘徊(はいかい)」と呼んでいます。 このとき、軽い意識混濁を伴う「せん妄」の状態になっている人も一部にはいますが、一般の人がイメージするほど「ぼんやり」と出ていく人ばかりではありません。帰り道を必死で探しながら「行方知れず」になっている人が実は多いのです。 おれはまだ大丈夫なはず・・吉川英雄さんの困惑 10年ほど前の事です。当時78歳のアルツハイマー型認知症(中等度)の吉川英雄さん(仮名)は、年齢に不相応なほど体力がありました。早く妻を亡くし、娘さんと同居し、これまでずっと朝夕の1人での散歩を日課

パチンコやマージャンなどの遊技を介護予防の主な訓練内容とするデイサービス施設や特別養護老人ホームなどを、介護事業所として指定しないとする条例改正案が9日、兵庫県議会で可決される見通しだ。ギャンブル依存につながる恐れがあるなど、介護保険法の趣旨にそぐわないと判断。こうした規制は都道府県で初となる。 条例で規制するのは、「アミューズメント型」「カジノ型」と呼ばれる介護事業所。パチンコやカードゲームなどの設備を備え、疑似通貨を使って利用時間の大半を遊技にあてるような施設で、関東を中心に増え、県内でも新設の動きがあるという。 神戸市もデイサービス施設を対象に同様の条例改正が9月下旬に成立。県は特養や介護老人保健施設などにも対象を広げる。 条例改正案は、射幸心をそそったり依存性が強くなったりする恐れのある遊技を、日常生活を逸脱して提供しない▽疑似通貨を使用しない▽内外装や備品、事業所の名称、広告など

高齢者が入る施設で、必要のない介護サービスまで提供する「お手盛り介護」が相次いでいる。介護サービスの利用計画(ケアプラン)をつくるケアマネジャーが、施設などの意向に沿って介護報酬を増やす例があるからだ。高齢者に合った介護が提供されず、介護保険の無駄づかいにつながるおそれもある。 「歌ばかり歌わされて。嫌で嫌で」。東京都中野区の有料老人ホームにいた男性(92)は昨夏まで、夕方になると疲れ果てていた。童謡を歌ったり風船を突きあうゲームをしたりするデイサービスが、昼食や入浴を挟んで朝9時から午後4時半まで続いたからだ。 昨年7月の利用明細には、ホームが運営するデイサービスが1日7~9時間、週6日びっしり。月に約3万3千円が本人に請求された。介護保険は本人が1割、保険が9割を負担する。「要介護4」の男性が使える限度額約33万円いっぱいがつき、ホーム側に介護報酬が支払われた。 まもなく別のホームに移
◇認知症老人が列車にはねられ死亡→地裁が遺族に720万円支払い命令 ◇「行動を一瞬も目を離さず監視することなど不可能」…遺族から怒りの声 「ある判決」が介護の現場に衝撃を広げている。91歳(当時)の認知症の男性が線路内に入り、列車にはねられて死亡した事故。裁判所は遺族に対し「注意義務を怠った」として、鉄道会社に720万円を支払うよう命じた。認知症の老人は閉じ込めておけというのか−−介護関係者からはそんな怒りの声すら聞こえてくる。【浦松丈二】 JR東海から遺族が突然、手紙を受け取ったのは事故から半年後だった。<平成19年(2007年)12月7日に東海道線共和駅内(愛知県大府市)に人が入り、快速列車に衝撃し列車が遅れるという事故が発生しました。本件により弊社に別紙の通り損害が発生しております>。列車遅延による損害賠償の協議申し入れだった。 別紙には「損害額一覧表」として、事故に対応した
修了式で指導教官や仲間たちとの別れを惜しむインドネシア人研修生たち=27日午後、横浜市金沢区、遠藤真梨撮影 日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、昨年8月に来日したインドネシア人の介護福祉士候補101人が27日、半年間の日本語研修の修了式に臨んだ。28日にそれぞれ勤務先の福祉施設に移り、補助的な仕事をしながら勉強して、3年後の国家試験合格を目指す。 候補者たちは、横浜と大阪の施設に分かれて研修を受けてきた。この日、横浜市の海外技術者研修協会横浜研修センターでは45人が式典に臨んだ。候補者を代表して、エカさん(23)が「(日本語が)最初は何も読めず、書けなかったが、今はだいぶわかるようになった。これから一生懸命、明るく元気に働きたい」と日本語であいさつした。 101人は、29日から全国の特別養護老人ホームや介護老人保健施設など51カ所で働き始める。このほか、もともと日本
介護保険で定められたサービスの一つで、夜間自宅で急に介護が必要になった時にヘルパーらを呼べる「夜間対応型訪問介護」(夜間介護)の利用が、国の見込みを大幅に下回っている。厚生労働省は1事業所あたりの利用者を300人と想定したが、全国平均は18人程度にとどまる。 夜間介護は06年4月に介護保険に導入された。厚労省によると、提供する事業所は全国123カ所、利用者数は今年4月時点で計2200人。 夜間介護の事業者でつくる「24時間在宅ケア研究会」(事務局・東京都新宿区)は理由について、自治体の「緊急通報サービス」との重複を指摘する。高齢者が急病などの時、自宅に設置された通報装置を押せば、自治体から委託を受けた警備会社員などが様子を見に来る――といった仕組みだ。利用者負担がほとんどない自治体もあり、介護保険の要介護認定を受けていない人でも使える。 緊急通報サービスは、基本的に介護はしないが、利
介護おむつ、転倒防ぐ工夫競う 子ども用に迫る市場規模2008年10月5日13時29分印刷ソーシャルブックマーク ユニ・チャームの「リハビリパンツ」は、両脇が繰り返しとめられるテープになっており、つま先からはかせなくて済む=東京都内 大人用紙おむつの大手2社が、介護で使うパンツ型おむつの「はきやすさ」で競っている。自分でトイレを済ませやすくなり、転ぶのも防げる。紙おむつは、少子高齢化で大人向けが増え、早ければ12年にも販売金額で子ども向けに並びそうな勢いだ。 「大人向け紙おむつの市場規模は生理用品よりも大きく1100億円。さらに拡大する見込みだ」。シェア4割超で首位のユニ・チャームの高原豪久社長はこう話す。7日から販売する新製品は、パンツ型おむつの両脇を何度でもとめられるテープにし、ズボンや下着をひざの下まで下げれば取り換えられる。 シェア2割で追う花王は、お年寄りがパンツをはくときのふらつ
認知症グループホームに「見守り」カメラ 製品化中止(1/2ページ)2008年9月21日18時11分印刷ソーシャルブックマーク 認知症グループホームの中にカメラを設置すれば、介護職員が離れた場所からも入居者の見守りが可能となり、ゆとりを持って介護ができる。こんなねらいから、石川県内の大学の研究者らでつくるグループが文部科学省の研究費で開発を進めていた「見守り支援システム」に対し、グループホームの全国組織が「プライバシーの侵害」と反対。研究グループが製品化を中止したことがわかった。 この研究は、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)と石川県工業試験場の研究者らの研究グループが05年度から約1千万円の研究費を使って進めてきた。 グループホームでは、介護職員が、外に出て徘徊(はいかい)する可能性のある入居者に注意を払っていると、他の入居者の見守りや炊事作業などに専念できないという問題がある。
平成19年6月、度重なる不祥事に頭を下げる当時のコムスン幹部ら。「真心を込めて介護を行います」という「コムスンの誓い」はどこに行ったのだろうか 介護労働者の人材不足が深刻だ。待遇への不満などによる高い離職率が背景にあり、特に「訪問介護」の現場には、仕事量増加や介護員の質低下など多くの問題が横たわっている。厚生労働省も4月中旬、有識者らによる「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」を立ち上げるなど対応に躍起。高齢者の自立を促し、社会全体で介護を担おうとする「介護保険制度」が始まって8年が過ぎた今、現場では何が起きているのか−。(道丸摩耶)■消える現金 盗んでいたのは… 「どうして渡した生活費までなくなるんだ。愛人でもいるんじゃないのか」 都内の会社役員の中島彰さん(仮名)が、脳梗塞(こうそく)で倒れ、大手介護業者「コムスン」=事業譲渡=の訪問介護を受けていた父親(86)をそう罵倒(ばとう)
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