昨年の8月に、ラーメンチェーンAFURIの運営会社が、「雨降」という日本酒を製造販売する吉川醸造という酒造会社に対して商標権侵害訴訟を提起したというニュースがありました(その時に書いた解説記事「ラーメンチェーンAFURIがジャンル違いの清酒メーカーに商標権侵害訴訟」)。両当事者が(おそらくは弁理士/弁護士の許可なく)「お気持ち」をネットで表明してしまったこともあり、炎上につながった案件でした。 この商標権侵害訴訟については、現時点で調べた限りでは特に情報が出ていません。一般に、日本の裁判では、終了後に一部の判決が裁判所のウェブサイトや専門誌で公開されますが、係属中の裁判の状況は当事者が公表しない限りわかりません。裁判所まで出向けば資料を閲覧できることもありますが、これも、当事者が事件番号等を公表してくれないと困難です。 しかし、AFURI社が吉川醸造の「雨降」という登録商標(第640963

(2023年7月24日追記)2022年2月24日に登録された「ゆっくり茶番劇」商標(登録6518338号)について そもそも商標として登録されるべきではなかったことを明らかにするために無効審判を請求しておりましたが、 7月12日付けで無効審決が下されたとの通知を特許庁より受領いたしました。 すでに本件商標登録は放棄による抹消となっておりますが、登録日から抹消日までの間は商標権が発生しておりました。 この無効審決は、過去にさかのぼり「はじめからなかったこと」にして、当該商標権を打ち消すものです。 一定期間内に審決取消訴訟が提起されなければ、「ゆっくり茶番劇」の登録を無効とすべきと判断した無効審決が確定します。 無効審決の確定をもって、「ゆっくり茶番劇」にまつわる商標権についての問題がすべて解決することになります。 審決が確定しましたら、あらためてお知らせいたします。 当該騒動が発生してから
2025/06/30夏期休暇のお休みのお知らせ(2025)弊所では下記期間を夏期休暇のため休業とさせて頂きます。 令和7年8月2日(土)~令和7年8月11日(月) 休業期間中にご連絡頂いた件につきましては、令和7年8月12日(火)以降に順次対応させて頂きます。 大変恐縮ですが(続きを読む) 2024/12/03年末年始のお休みのお知らせ(2024)弊所では下記期間を年末年始の休暇のため休業とさせて頂きます。 令和6年12月28日(土)~ 令和7年1月5日(日) 休業期間中にご連絡頂いた件につきましては、令和6年1月6日(月)以降に順次対応させて頂きます。 大変恐(続きを読む)2023/11/22年末年始のお休みのお知らせ(2023)弊所では下記期間を年末年始の休暇のため休業とさせて頂きます。 令和5年12月30日(土)~令和6年1月8日(月) 休業期間中にご連絡頂いた件につきまして
「ゆっくり茶番劇」というニコニコ動画等で有名な動画作品フォーマットを、本来はネットの共有財産的存在であるにもかかわらず、元ネタとは関係ない個人が商標登録してしまい大炎上しています(参考記事)。もう既にいろいろな記事が出ており、遅きに失した感はありますが、ツイッター等で名指して召喚されたりしているようなので、簡単にまとめておきます。 この商標登録による影響は? 商標登録は完了していますので「ゆっくり茶番劇」あるいはそれに類似した商標(文字列やマーク)を使って、指定役務に含まれる「インターネットを利用して行う映像の提供」等を行う、要するにニコ動やYouTubeで動画を公開すると、商標権を侵害してしまう可能性が高いです。 一般にタイトル(題号)には商標権は及ばない(タイトルでの使用は商標的使用ではない)とされていますが、その一方で、シリーズ物の名称には商標権は及ぶとされているので、今回のケースで

こんなツイートが回ってきました。 パクってる人がめちゃくちゃちゃんとした人でおもしろかった pic.twitter.com/0oW4siPxzJ — レンタルなんもしない人 (@morimotoshoji) April 17, 2021 真似する人が多すぎるのでライセンス料をとることにしました pic.twitter.com/8XnWcsPGnj — レンタルなんもしない人 (@morimotoshoji) September 2, 2019 ご自分で始められたサービスですし、現在もご自分で営まれているようですから商標ブローカーとまでは言いませんが、 ドラマホリック見てたので、まぁなんというか非常に残念です。 2つめの30万円要求してるのは商標登録前のことみたいですが。 で、まずは対象の商標登録を見てみます。 登録6269072(商願2019-120042) https://www.j-p

デザイン・活動にあたっては須崎市も複数回にわたって確認しており、著作権侵害との認識はなかったと説明しています。 人気のゆるキャラ「ちぃたん☆」に対し、高知県須崎市が著作権侵害などで活動停止を申し入れた件で(関連記事)、ちぃたん☆を運営するクリーブラッツは2月8日、ちぃたん☆の誕生やその後の活動にあたっては、須崎市の担当者と綿密に協議しつつ行っており、須崎市側とは異なる見解であるとのコメントを発表しました。 クリーブラッツによる発表 ゆるキャラとしての「ちぃたん☆」が生まれたのはもともと、同社社員が飼育していたコツメカワウソの「ちぃたん☆」がきっかけ。須崎市のキャラクターである「しんじょう君」も同じくカワウソだったことから、「しんじょう君」の運営元である須崎市元気創造課の担当者とやりとりが始まり、共同で須崎市のPRを行うことや、コツメカワウソのちぃたん☆を須崎市の観光大使に任命することなどが

シンガポールのティラミス店”The Tiramisu Hero”の商品コンセプトをパクった日本企業が商標権を先取りしてしまったことで、本家側がブランドを変更せざるを得なくなった事件については、マスメディアも含め既に多くの報道がされています。 もう同じことを書いてもしょうがないので、他のメディアでは触れていない点をいくつか紹介しておきましょう。 1.株式会社gramによる米国商標登録出願 日本で「ティラミスヒーロー」を商標登録した株式会社gramは、昨年の6月に米国でもTIRAMISU HEROを商標登録出願していました(タイトル画像参照)。米国の商標制度では、商標の実際の使用証拠を提出しないと登録されないのでどうなるかはわかりません。勝手出願するだけではなく、本家より積極的にブランド展開してしまうという点で、SupremeItaly(ニューヨークのブランドとはまったく関係ない会社)を思い

出典:本家のgramフェイスブックより。 【丸パクリか】ティラミススヒーローの偽物〈ティラミスヒーローズ〉現る…本家がロゴを使えない事態に… こちらの記事でもお伝えしている通り、 シンガポール発祥のティラミス専門店、「ティラミスヒーロー」の商標を乗っ取り、 日本での改名を余儀なくさせたと噂の「ティラミスHERO’S(ヒーローズ)」。 その経営会社は、「株式会社gram」という、2018年に作られた会社なのですが、 なんと、この「gram」という商標も、 元々、大阪の人気パンケーキ店が使用していたのではないかと言われています。 この記事では、株式会社「gram」が、gramを名乗るようになる経緯や、 それについての世間の反応をまとめています。 ティラミスヒーローパクリの株式会社「gram」、そもそも「gram」を乗っ取っていたと話題に!内容gramというのは元々、2014年4月23日に大阪心

任天堂株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:古川俊太郎、以下「当社」)は、2017年2月24日付ニュースリリース「公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に対する訴訟提起について」でお知らせ致しましたとおり、株式会社マリカー(現商号:株式会社MARIモビリティ開発、本店:東京都品川区、以下「被告会社」)およびその代表取締役(以下、併せて「被告ら」)に対して、被告会社による知的財産権の侵害行為の差止等並びに上記行為から生じた損害の賠償を被告らに対して求める訴訟を東京地方裁判所に提起しておりました(平成29年(ワ)第6293号)。 上記訴訟に関しまして、本日、東京地方裁判所において、「マリカー」という標章等が被告会社の需要者との関係で当社の商品等表示として広く知られていることを認めた上で、被告会社に対して、不正競争行為の差止(例えば、被告会社の営業活動においてマリオ等のキ

アーカイブ 2020年3月 (2) 2020年2月 (1) 2019年7月 (1) 2019年2月 (1) 2018年7月 (1) 2018年4月 (2) 2018年2月 (2) 2017年9月 (1) 2017年7月 (1) 2017年6月 (1) 2017年4月 (1) 2017年3月 (1) 2017年2月 (1) 2016年8月 (1) 2016年7月 (1) 2016年5月 (1) 2016年4月 (1) 2016年3月 (3) 2016年2月 (2) 2016年1月 (2) 2015年10月 (1) 2015年9月 (2) 2015年7月 (3) 2015年6月 (1) 2015年2月 (8) 2015年1月 (1) 2014年11月 (1) 2014年10月 (2) 2014年9月 (2) 2014年8月 (1) 2014年7月 (4) 2014年6月 (2) 2014年5月
株式会社ドワンゴ 株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荒木隆司、以下 当社)は、2016年11月15日付で、当社を原告、FC2, INC.(本社:米国ネバダ州、代表取締役:ダイアナ・アール・テンプル、以下 FC2)を被告とする商標権侵害訴訟を、東京地方裁判所に対し提起いたしました。本訴訟の概要<訴訟の原因および経緯> FC2の運営するウェブサイトにそのサービス名称として『ブロマガ』という標章が使用されていることから、ドワンゴが保有する『ブロマガ』の登録商標(登録番号第5617331号)に係る商標権を侵害するものとして、FC2のウェブサイトにおける当該標章の使用の中止、削除及び損害の賠償を求め、2016年11月15日に東京地方裁判所に訴訟を提起いたしました。当社商標の概要は以下の通りとなります。 ◆当社商標: 商標:『ブロマガ』(標準文字) 指定商品・役務:第41類等(『
「リニア中央新幹線」「民進党」などよく知られた名前を自分の商標として大量出願する男性がいる。出願件数は国全体の1割に及び、特許庁は異例の注意喚起を出した。本人は「あくまでビジネス」というが、主張は通るのか。 「検索に頻繁に引っかかり、『ああ、またか』と思う。その都度、顧客に説明するのが大変」(弁理士)と非難を浴びるのは、大阪府在住の元弁理士、上田育弘氏(53)。知的財産の情報サイト運営会社「ルート ip」によると、2015年に上田氏と同氏が代表の会社は計1万4786件を出願した。国内全体の約14万7千件の約1割を占め、他を大きく引き離す。 商標は、企業や団体が自社の社名や商品、サービス名などを他と区別させるために登録するマーク(標識)だ。上田氏は、他の企業や団体がすでに使っている商品名を中心に、14年ごろから大量出願を始めたようだ。携帯電話を意味する「MOBILE」という言葉には、頭にAか

今日、hon.jpさんに掲載されていたニュースが話題になってるのでご紹介。 米国のKindleセール情報サイトが次々と閉鎖、Amazon社の書籍アフィリエイトリンク禁止方針により 米国の電子書籍ニュースサイト「The Digital Reader」によると、Amazon社(本社:米国ワシントン州)が、先月から始めたKindle電子書籍セール情報サイトへのAmazonアフィリエイトサービス禁止処分により、あらたに2つのサイトが閉鎖が追い込まれたとのこと。 via https://hon.jp/news/1.0/0/8752 あーこりゃきんどうも遂に終焉ですかねー、という話でもなくTwitterやはてなブックマークのコメントでも解説されてますがAmazonアソシエイト(アフィリエイト)規約違反によるもの。この前にちゃんと関連するニュースがあってですね。 1.米Amazon、メール上での書籍アフ

匿名掲示板「2ちゃんねる」創設者の西村博之(ひろゆき)氏が、「2ちゃんねる」の商標を取得する権利を得たことが分かった。ひろゆき氏は「2ch」の商標も取得済み。取得の理由は明らかにしていない。ひろゆき氏は「2ちゃんねる」の文字商標を13年1月に出願(商願2013-8081)。審査では、「RaceQueen(2chを現在運営している企業)の周知商標に類似している」として拒絶されたが、ひろゆき氏がこれを不服として審判を申し立てていた。 審判では、「2ch」商標の審判と同様、「2ちゃんねる」という文字列はひろゆき氏の運営により周知性を獲得している割合が高いと考えられる──とし、拒絶査定を取り消した。審決は3月23日付け。2ちゃんねる(2ch.net)をめぐっては、14年以降、ひろゆき氏と現在の運営者が対立。ひろゆき氏は2ch.netを「違法な乗っ取り」だとして、内容をほぼコピーする「2ch.s

西村博之氏が2014年に出願していた「2ch」の文字商標登録出願(商願2014-23406)が拒絶査定の後、不服審判において登録審決を得ました(2016年4月5日付)。あとは登録料だけ払えばこの商標権は西村博之氏のものになります(既に払ってる可能性は高いと思います)。J-PlatPatに審決文が公開されており、「審決速報」メニューから審決番号2015-003736を入力すれば内容が見られます。 2ちゃんねる運営に関する今までの経緯はこちらをご参照ください。ごたごたについての説明は省略しますが、かいつまんでいうと、現時点で一般的に2ちゃんねる掲示板として知られている2ch.netの運営主体は(以下、「現運営会社」と呼びます)は2ちゃんねるの創始者である西村博之ではなく、同氏は現運営会社と対立しているという状況なわけです。 さて、2chという文字商標登録出願は、商標法4条1項10号(他人の周知
小説投稿サイト「小説家になろう」を運営し、「小説家になろう」の商標権を保有しているヒナプロジェクト(大阪府枚方市)が、山形市で続いてきた文章講座「小説家(ライター)になろう講座」に対して名称の使用差し止めを求めた。これを受け、同講座は名称を変える――3月11日付けの山形新聞のこんな報道が、ネットで注目を集めている。 同社は「小説家になろう」の商標を13年に登録。一方、「小説家(ライター)になろう講座」は97年から続いている。後発の企業が、歴史ある講座の名称に“待った”をかけた今回の事態。ネットユーザーから批判が巻き起こり、失望と抗議の意味を込めて「小説家になろう」から作品を引き上げた作家も現れた。 ヒナプロジェクトは報道を受け、「一般の方などに反響があったことについては承知している」としながらも、「名称の使用を放置すれば、当社の商標権を維持することが実質的にできなくなる」と、差し止めを求め


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