「なぜ私が裁判を起こしたのかと言いますと、私に対する雇い止めとチームの解散に合理的な根拠がなかったこと、そして理研による大量の雇い止めを阻止する意味もありました。本来は裁判なんか起こしたくないんですよ。毎日研究に没頭していたかったのですが、裁判を起こさざるを得ませんでした」 そう思いを吐露したのは、国立研究開発法人「理化学研究所」の男性研究員Aさんだ。Aさんは2023年3月末での雇い止めを通告されたことを受け、2022年7月に提訴。途中で理研が方針転換して雇用は継続されたものの、降格されたため控訴審まで争っていた。そして2025年10月、和解に至った。Aさんが語ったのは、10月14日に開かれた理研労働組合による記者会見だった。 理研では2017年以降、非常勤職員や研究者の大量雇い止めが問題となっていた。労働組合が東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立て、Aさんら5人が裁判で争うなど、

東北大で、雇用期間の定めの無い正職員として採用されたはずなのに解雇される人が相次いでいる。2017年に導入した「限定正職員制度」に合格した人のうち、25年3月までに69人が解雇されたことが、東北大職員組合の調査で判明した。大学側が「無期雇用と同等」と位置付けて導入した制度にもかかわらず、安定的な雇用につながっていない実態が浮かんだ。 大学での導入珍しい「限定正職員制度」 13年に改正労働契約法が施行され、通算の契約期間が5年を超えた労働者(研究者は10年)は、期限のない雇用へ転換する権利「無期転換権」が得られるようになった。ところが東北大はこれを受け14年、就業規則を変更し、有期職員を一律5年で雇い止めする方針を打ち出した。無期転換権を得る人が一切出ない運用としたうえで、「無期転換と同等の効果」として、試験の合格者を限定正職員として雇用することとした。 限定正職員制度は、政府が掲げる「多様

和洋女子大(千葉県市川市)を運営する学校法人和洋学園の新大学院設置構想のため、職を辞すなどして集まった研究者ら6人が、突然の計画中止で雇用打ち切りを通告されたのは違法として、教授や講師としての地位確認などを求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。中野哲美裁判長は、短期間の労働契約の成立や、学園側にプロジェクトを打ち切る裁量があることを認め、原告の請求を棄却した。 判決によると、新大学院構想は同学園の長坂健二郎理事長が2019年、宮坂勝之・聖路加国際大名誉教授を設置準備に誘ったのが発端。宮坂氏は20年4月に労働契約を結んでプロジェクトが始まり、宮坂氏が声をかけた医師や看護師、医療経済の専門家らが参加した。宮坂氏らは、医師と看護師の連携の緊密化を目指す先進的な看護大学院を目指して準備を進め、学園は21年3月に文部科学省に設置認可を申請。同5月、文科省から「警…

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このたび私ども有志で、世間の皆様方からご寄付を募り、呉座勇一先生の裁判費用の一部を補うべく「呉座勇一先生の裁判を支える会」を結成いたしました。当会の口座は次のとおりです。当然ながら、寄付金は裁判の経費以外の使途には一切使いません。最初の会計報告は本日から3か月を目安に行います。

現在新世紀ユニオンが取り組んでいる事案で、雇い主が「テニュアトラック制度」をどのように位置付けているのか?、裁判書面で雇い主側が「テニュア取り消し」を「解雇ではない」と主張していること?また雇い主側が「雇止め通知書面」を発行していないこと?また「テニュア付与」を新しい雇用契約ではない?と主張していることが我々の疑問でした。 団体交渉で明らかになったのは、雇い主側の弁護士が「テニュアトラック制度」を試用期間と解釈していたことが分かりました。これは驚くべき見解です。団体交渉では雇い主側の「就業規則は他の大学の就業規則と同じだ」との発言があったからです。つまりAさんの解雇は、解雇ではなく、本採用拒否であり、ゆえに「テニュアトラック制度」は解雇権留保付雇用だ、というのです。そこで相手側雇用主の認識を正すため以下に試用期間の法的枠組みについて書きます。 雇用主は履歴書で不明な点があるので一定期間「試
昨日の続きの事案、懲戒解雇について書きます。研究者のAさんはネット上の鍵付きアカウントをめぐるトラブル(民事事案)で1か月の停職処分を受けました、また同じ事案で懲戒解雇されました。この2つの処分はいづれも懲戒要件をいくつか満たしていません。つまり手続きに瑕疵があるのです。 <弁明の機会が与えられていない手続き違反> 1か月の停職処分では調査委員会の調査が行われているのに調査報告書が本人に開示されていません。つまりAさんは弁明の機会を与えられていないのです。懲戒解雇ではもともと「処分ではない」として、労働契約が一方的に取り消されていますから、弁明の機会が無かったのは明らかです。 驚くべきことに、この団体の懲戒規定には「弁明の機会を与える」との条項がありません。しかし日本労働弁護団の資料によれば適正手続き違反だけで懲戒解雇を違法と断じた例がないそうなので、他の要件を見なければなりません。他の要
地球温暖化対策で温室効果ガスの排出量の大幅な削減が求められる中、主要な排出源となる石炭の利用をやめる「脱石炭」の動きがヨーロッパで加速しています。フランスは来年2022年、ギリシャは2028年と石炭火力発電所の全廃の期限を定めるなど閉鎖を進めていますが、地域経済への影響や失業対策をどう進めるのか課題にも直面しています。 石炭の利用をめぐっては温室効果ガスの主要な排出源だとして国連のグテーレス事務総長が先進国に対し2030年までに電力部門の石炭の利用を廃止するよう訴えるなど世界的に「脱石炭」を求める声が高まっています。 「脱石炭」を呼びかけている市民団体によりますと、このうちEU=ヨーロッパ連合では、2016年1月の時点でEU27か国で稼働していた266基の石炭火力発電所のうちすでに閉鎖されたか、2030年までに閉鎖が決まっている発電所は151基と全体の60%近くにのぼっています。 一方で、

社会学者・小熊英二氏が今年7月に出した新著『日本社会のしくみ』は、日本の雇用のあり方を分析することで、「日本のしくみ」を解明している。なかでもとりわけ興味深いのが、日本社会の根幹にある「正社員」という存在。日本の正社員は一般に考えられているよりはるかに「特殊な身分」だ。なぜ正社員という身分は生まれたのか。そしてこれからその「身分」はどうなっていくのか。小熊氏が語る。 日本ではなぜ「専門性」が重視されないのか――『日本社会のしくみ』では、日本の雇用慣行の分析が中心に据えられています。なぜ雇用慣行について書こうと思ったのですか? 日本社会の全体像を解き明かすことを目指す過程で、日本の雇用慣行、特に「大企業正社員の雇用慣行」が、教育や福祉なども含めた社会全体のありようを規定していることに気がついたからです。 雇用慣行は社会のベースになっていますが、欧米では労働者の賃金を決める基準は職種ごとの専門

70歳就業、義務化検討=法制化へ来夏実行計画-政府 2018年11月26日18時34分 政府は26日の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、成長戦略の方向性を取りまとめた。70歳までの就業機会確保では、企業に「多様な選択肢のいずれかを求める方向」と明記し、将来の義務化を検討する方針を示した。来夏に実行計画をまとめ、早期の法制化を図る。 65歳までの雇用確保では、企業に対し、定年の廃止や引き上げ、継続雇用制度のいずれかを義務付けている。70歳までの延長については、当面は努力義務にとどめ、企業の対応を促す考えだ。 高齢者の就業拡大を目指すのは、少子高齢化で「社会保障の費用が持たない」(与党幹部)ことが背景にある。ただ、70歳となれば健康状態の差も大きく、地域での人材活用など、同一企業での雇用延長にこだわらない柔軟な対応が求められそうだ。

政府は高齢者が希望すれば原則70歳まで働けるよう環境整備を始める。現在は原則65歳まで働けるよう企業に義務付けており、年齢引き上げの検討に入る。2019年度から高齢者の採用に積極的な企業を支援する。その上で来年以降に高年齢者雇用安定法の改正も視野に70歳まで働けるようにする。少子高齢化や人口減少社会を見据え、多様な働き方を後押しするのが狙い。今秋から政府の未来投資会議と経済財政諮問会議で経済界

全国の大学の教員のうち約半数は非常勤で、常勤の専任教員も約4分の1が「特任」「特命」などの形で任期付き雇用となっていることが、朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく 日本の大学」で分かった。一般企業と同様、非正規や有期雇用が増えている形で、教育や研究の安定とともに、こうした教員の処遇が今後の課題となりそうだ。 調査は昨年、国公私立大751校を対象に実施した。この質問に回答した659校の教員をみると、本務者(専任教員)は16万9458人、兼務者(非常勤教員)は延べ16万9164人でほぼ同数。ただ、非常勤教員は複数の大学をかけ持ちしている例もあり、延べ人数となる。また、専任教員のうち、任期付きは4万4401人だった。任期なしの専任教員は12万5057人で、全体に占める割合は約36・9%だった。 非常勤教員の割合を国公私立…

もはや高学力だけでは不十分な時代今日の米国では、中産階級が没落し、貧困層と富裕層の二極化が進んでいる。 なぜ二極化が進んでいるのか? そのカギはスキル偏向型の経済成長にある。 スキル偏向型の経済成長とはどのようなものであるのか、それはスキル別に雇用量の変化を分析した研究が示す下の図1が雄弁に物語っている。 青線が示すように80年代には貧困層が従事するような、それほどスキルが必要とされない仕事の数が減少する一方で、中産階級が従事するような中程度のスキルが必要とされる仕事の数は増加していた。 しかし、時代を経るごとに低スキルの雇用口は増加する一方で、中程度のスキルが必要とされる雇用口は減少していった。 21世紀に入ると緑線が示すように、賃金の低い低スキルの雇用口が増加する一方で、中程度のスキルが必要とされる雇用が幅広く減少。そして、高いスキルが必要とされる雇用の数は、堅調に増加し続けている。

機械化か、雇用か=手作業のナッツ皮むき-モザンビーク モザンビーク北部のカシューナッツ工場で、手作業で皮をむく住民たち=6日、ナンプラ インド洋に面したアフリカ南東部モザンビークの主要農産品の一つがカシューナッツだ。独特の食感と甘味で欧米やアジアでも人気がある。北部ナンプラにあるカシューナッツの加工工場は、三井物産が出資を決めた企業が運営する。数百人の労働者が長机の前に座り、手作業でナッツの皮をむいたり、仕分けしたりするが、最近は機械化か、雇用優先かで揺れている。 工場では、処理した量に応じて日当は3~5ドル(約320~530円)。人口の7割近くが貧困ライン(1日の収入1.9ドル)以下で暮らす国で、少ない額ではない。工場責任者は「私たちは雇用を生み出している。工場がなければ彼らは家で(無収入で)過ごしていた」と胸を張る。 受注見通しは良好だ。増産のため自動皮むき機など大型機器を導入したい。

30年前のバブル期に大量採用された社員が、「リストラの適齢期」を迎えはじめた。希望退職者に退職金を上乗せする手厚い企業もあるが、減給・降格で転職に追い込む企業もある。「お荷物社員」について企業はどう考えているのか。数百人の希望退職を実施した大企業の人事部長に匿名で話を聞いた――。 東証1部上場企業の6人に1人がバブル入社組 30年前のバブル期(1988~1992年)に大量採用された世代が、今年48~52歳という「リストラの適齢期」を迎えはじめた。 当時は例年の定員枠の2倍増で採用する企業も珍しくなかった。採用担当者は大学名に関係なく、学生の確保に駆けずり回ったものだ。 その結果、バブル崩壊後の採用減などによって「バブル入社組」は社員の人口構成上、突出したボリュームゾーンになってしまった。『日経ビジネス』(2015年8月3日号)の調査によると、売上高1兆円を超える東証1部上場企業の6人に1人

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