各作家の作品名について、下記のように伝えた。 A)谷崎潤一郎…『少将滋幹(しげもと)の母』 B)室生犀星…『仏顕記』『笛ふく人』『竜樹菩薩』『孔子』『粟』 C)堀辰雄…『曠野(あらの)』 D)菊池寛…『新今昔物語』、『好色物語』 また、資料①②⑦⑧を貸出した。 A)谷崎潤一郎 検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2018/08/02 最終確認)でキーワード“谷崎潤一郎 今昔物語 引用”などで検索した結果、複数のサイトで、『少将滋幹の母』という作品名がヒットした。 自館OPACでキーワード“少将滋幹の母”で検索した結果、次の資料が見つかった。 ①『谷崎潤一郎全集 第16巻』 谷崎潤一郎/著 中央公論社 1968 (自館請求記号:918.68) B)室生犀星 検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2018/08/02

1968年に日本人で初めてノーベル文学賞を受けた川端康成が、7年前の61年から候補者リストに入っていたことがスウェーデン・アカデミーに対する朝日新聞の情報公開請求でわかった。この年は56人の候補の中に、谷崎潤一郎、西脇順三郎と計3人の日本人の名前があった。 ノーベル賞は候補者の名前や選考過程は非公開だが、50年を過ぎると公開される。川端を推薦したのはアカデミーのメンバー、谷崎と西脇は日本ペンクラブの推薦だった。 選考資料には、川端の作品を講評する長いコメントがついている。「審美的で洗練された物語を見せる作家であることは誰が見ても明白だ。ヨーロッパの自然主義的な影響を受けた作品よりも、我々を真に魅了する。特に『千羽鶴』という小説に独特さが出ている」。ただし、「現在手に入る翻訳があまりに少なく判断することができない。従ってこの推薦は将来に先送りとする」と加えられていた。 谷崎と西脇は58年のリ

・少将滋幹の母 「今昔物語」のエピソードを題材に人間の業の深さを描いた谷崎潤一郎の時代小説。 80歳になる大納言 藤原国経には年若い絶世の美貌の妻がいた。国経の甥の左大臣藤原の時平は噂を聞き、その女を我が物にしたいと企む。そして国経の家を訪れて宴を開いた帰りに「引き出物が少ない」と言いがかりをつける。年齢は上だが官位は低い国経の立場は弱い。ついには時平は戯れのように美貌の妻をお持ち帰りしてしまい、そのまま返さない。嘆きながら国経は世を去っていく。続いて権力者の時平も、菅原道真の祟りだったのか、若くして病で亡くなる。 時平の友人の平中も世に知られた色男であった。美しい女とあれば口説いてまわる。時平の屋敷で出会った侍従の君にも思い焦がれる。平安貴族のプラトニックな男女のコミュニケーションが現代人からするととても可笑しい。 思いを込めた歌を詠んで送り、返歌を待つ。返事は来なかったりして「見たとい
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