中島誠之助さん(古美術鑑定家) 38年生まれ。古美術商40年の経験を生かし、古陶磁の鑑定家として活躍。=石野明子撮影 ■極限の中、何十回も読んだ 『人間の條件』 著・五味川純平(岩波現代文庫・上・中・下各1365円) 1960年、大学を出てすぐの私は何とかして外国に行きたかった。遠洋漁船に乗れば行けるかと思ったが、ツテもない。すると岩手県出身の友人が、地元選出の鈴木善幸代議士を紹介してくれたんです。永田町の議員会館に訪ね、「世界を見たい」と5分も話したら、目の前の黒電話のダイヤルを回してね。「築地の魚市場に岩手の船が入ってないか? ……そうか、じゃ頼む」と、すぐに話をつけてくれましたよ。そうして第二日東丸350トン、27人乗り組みの荒くれ男の一人になったんです。 インド洋でビンナガマグロを取り、国内でツナ缶に加工して米国に輸出する。シンガポールまで2週間、マラッカ海峡を抜けてインド洋の漁場

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