日本人の本の「読む量」は減っていない。「買う量」が減っている。『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』... 2024年4月に刊行された三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(『なぜはた』)は30万部以上のベストセラーになった。『なぜはた』では日本人は働きすぎで、新自由主義的な価値観(自己責任論など)を内面化しているせいで読書量が減っている、と分析して多くの人の共感を呼んだ。 しかし同書が破格の部数を叩き出し、「あそこに書かれている内容が正しい」と思われてしまうことは、出版業界の課題解決につながらない。筆者にはそうした危機感がある。 それが「本を売る」こととどうつながるかといえば、誤った現状認識の上に施策を組み立てても効果が薄いからである。 とはいえ、問題は『なぜはた』だけにあるのではない。『なぜはた』は出版業界をめぐる議論の「よくある」誤りを踏まえている部分が多いからだ。 ※なお

問う今日 @toukyoubooks あぁ、この気持ちとてもわかる。 もっというと、「本棚づくり」が趣味な気がしている。本を読まずに、本棚をぼーっと眺めながら酒を飲んでいる時があるくらいなので。だから私は本屋がやりたいのかもしれない。純粋に本に囲まれていたいからなのかもしれない。いや、本読めよって話だけど x.com/booklikebox/st… 2025-12-06 05:25:50 マール🤭 @mare0206mare 家に100冊以上買って来て読んでない本がある。 借りて来たものは期日があるから先に読むを繰り返し、訓読は減らない。 たまに家にある本を借りて来てる本のあるスペースが大好きで書店も図書館も大好き。 ふらふら吸い寄せられる。 読んでない本に囲まれて落ち着く☺️ x.com/booklikebox/st… 2025-12-05 21:28:57

池谷伊佐夫『書物の達人』(東京書籍2000)は、森銑三『書物と人物』からヘレーン・ハンフ編著/江藤淳訳『チャリング・クロス街84番地』に到るまで、戦中期~前世紀末の日本で刊行された「本の本」を網羅した「究極の書物図鑑」(帯より)である。 この池谷著には、中野重治の『本とつきあう法』(筑摩書房1975)も取り上げられている。『本とつきあう法』については、かつて辻井喬が『深夜の読書』(新潮文庫1987 ←新潮社1982)*1で次の如く評していた。 ただひとつ、中野重治氏のこの本で明らかなのは、どんな本に接する際も、氏は自分の姿勢を決して崩していないということである。氏は、(この本に書かれてあることは信じなければいけないのだ)と、自分以外の者を、主人、命令者、神に仕立てて読む、ということを一度もしなかったらしいのだ。*2(新潮文庫1987:65-66) 一方、池谷著は『本とつきあう法』に関して次

図書館予算の削減に反対するイベント インタビューを音声でも! 好書好日編集部がお送りするポッドキャスト「本好きの昼休み」でも、篠原さんとCOOKIEHEADさんのトークをお聴きいただけます。以下の記事は、音声を要約・編集したものです。 「公共の」みんなのための図書館であること ――NYの市民にとって、図書館はどういう場所なのでしょうか。 一般的に公共図書館(パブリックライブラリー)と呼ばれています。その公共(パブリック)というのは、大きくは予算の多くが地方自治体を中心とした公共の形で出ているという意味があります。でもそれだけではなく、みんなのための場所であるということに非常に重きを置いているんです。図書館の屋上でヨガクラス=Gregg Richards氏提供 もちろん基本となるのは、本、CD、DVD、Blu-rayなどの資料の貸し出しですが、それだけではなく、住民の生活に必要なものや人

NotebookLMなどのAIに助けてもらいながら読むことのできるDRMフリー(テキスト抽出可能)なPDFまたはEPUBで本を売っているところのリストです(順不同)。ほかにもあったら教えてください。技術評論社 オライリー・ジャパン ラムダノート 翔泳社 CQ出版社 達人出版会(オーム社、アスキードワンゴ、近代科学社、近代科学社Digitalの委託販売も) インプレス サイエンス社 明治図書 ボーンデジタル マイナビ Manatee(インプレス、C&R研究所、BNN、ボーンデジタル、マイナビ出版、リックテレコム、共立出版) TAC出版 ラトルズ BOOKTECH技術書典 エクスナレッジ・ストア ほかにBOOTHやDLsiteにもいろいろありそうです。 おまけ青空文庫(著作権の切れた本をテキスト/HTMLで提供)プロジェクト杉田玄白(青空文庫の翻訳版) コンプリート・シャーロック・ホ
今年は年始から“大作づいている”とでもいおうか、意識的に長篇小説に取り組んでいる。 たとえば1月末から2月末にかけては、ドストエフスキー/原卓也訳『カラマーゾフの兄弟』(新潮文庫、三巻本)を8年ぶりで読んでいた(27日間かけて読了した)。その間、新聞書評に惹かれて偶々読んだ児島青『本なら売るほど(1)』(KADOKAWA2025)の第4話「201号入居者あり」(pp.87-126)に、まさにその新潮文庫版カラキョーが登場したことには驚いた。 5月には、著者の生誕100年を意識してのことでもあったが、辻邦生『西行花伝』(新潮文庫2011改版←新潮文庫1999←新潮社1995)を手に取って、かなりの時間(3週間ほど)をかけて読み通した。こちらも読んでいる最中に、Eテレ「心おどる あの人の本棚(3)」(4月15日放送、録画を視聴)で角幡唯介氏が紹介しているのをたまさか目にして驚かされたものだった

(2024/04/11記) 近年の大学でのテキスト(教科書)販売の動向をめぐっては、特にコロナ以降、注視し、割としつこく書いてきた。2022/06/07に「教科書販売の憂鬱」、2022/12/30に「2022年の総括」、2023/05/28に「生態系の変化」といった具合である。 時系列で要旨をまとめると以下のようになる。 1)長らく低迷・漸減してきた教科書販売は2020年と2021年には例外的に下げ止まり、とくに2020年は近年まれに見る売れ行きを見せた。 それはコロナ禍によるリモート授業と大学に通えないことへの不安から、学生たちが心の拠り所としての教科書にすがったことで起こったイレギュラーな出来事だった。 2)2022年は学生の質と大学の対応によって売上に大きな差が生まれた。私はそれを「2019年までと同じ元の木阿弥の大学」「2020年並みの堅調だった大学」「2021年よりは緩やかに後

今年に入ってから、アマプラでエドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」(“The Fall of the House of Usher”,1839)を原作とする映画を二本観た。まずはアイヴァン・バーネット『アッシャー家の崩壊』(1948年制作→1950年公開、英、“The Fall of the House of Usher”)を1月7日に、そしてロジャー・コーマンの『怪奇 アッシャー家の惨劇』(1960米、“House of Usher”)を2月25日に観た。 前者には、ロデリック&マデラインのアッシャー兄妹の母親が登場する。その母親は、不倫相手を父親に殺されたため気が触れてしまっており、不倫相手の「生首」とともになぜか礼拝堂の地下に幽閉されているという設定で、原作とは少なくともその点で相当程度異なっており、好みが分かれるところかも知れない。 後者のコーマン版『アッシャー家』は、角書(

ここ数年、ブックサンタはこの時期になるとそれなりに話題になるので知ってる人も多いと思うけど、色んな事情でクリスマスプレゼントを貰うのが難しい子供に本をプレゼントするっていうNPO法人の活動で、協賛書店で本を買ってレジで「ブックサンタです」って言うとその本を預かってくれるというものがある。 去年やってみたんだけど、あまりにも選書に悩み、自分以外の人が何を選ぶのかも知りたすぎたので、次は友人を集めていっせーのでやってみたいと思っていて、それを今年やった。友人と自分の計5人で本屋に集まり、ヨーイドンで本を選びに散って、決められた時間に集合して手札を晒し合うという感じにして、友人の選書を見せてもらった。 私は今回、『谷川俊太郎質問箱』にしようと思っていたけれど、書店に行って見たら取り扱いがなかった。 ので、悩んだ結果『小学館こども大百科キッズぺディア』にした。 これは、私が小さい頃父親に誕生日プ

昔から読書は大好きだけど、実は自宅に本棚がないというヒコロヒーさん。家にあるのは、段ボール箱のようなボックス1箱に収められたずっと手元に置きたいと思える厳選の数十冊。今回は思い入れの深い8冊を傍らに、彼女ならではの本との付き合い方を聞いた。 繰り返し会いたくなる、本は一番身近な娯楽 というのも、20代の頃の貧乏生活が長すぎて、本というものを持てるような生活ではなかったんです。本当にお金がなかったので(笑)。でも読書は好きだったので、本は買うものではなく図書館で借りて返すもの。だから本棚を置く必要性もなくて。その延長線上で生活が続いているので、今でも本は買っても読み終わったら売ることが多い。もしくは後輩や友人が家に遊びに来た時にあげる。 「好きなの持っていっていいよー」と言うと、気づくとなくなっていたり。自分が読んで面白かった本は、もっと読みたい人の元に届いてほしいと思うんです。だったら小学

百目鬼恭三郎という人は、丸谷才一の新潟高校から東大英文科までの同級生で、朝日新聞の記者として、丸谷の『裏声で歌へ君が代』が出た時一面で宣伝したのを江藤淳に非難されたのと、その名前の恐ろしげなので有名だが、「風」という変名で書いた『風の書評』の正続を前に読んで、なかなか博識な人だと感心したことがある。 だが、生前最後の著書となった「乱読すれば良書に当たる」は、『旅』や『Voice』などに載せた古典紹介エッセイを集めたものだが、読んでいて、博識ぶりには驚くが、この人とは合わないなあ、とつくづく感じた。 たとえば、シェイクスピアが面白くない、面白かったのはソネッツだけだとか無茶なことを言うのである。百目鬼は『捜神記』とか『耳袋』に出てくる怪談・奇談が好きで、『奇談の時代』という著書でエッセイストクラブ賞をとっているのだが、私も怪談・奇談は嫌いではないが、シェイクスピアのほうが好きなので、こういう

「日本の警察はめちゃくちゃ友好的です。中国だと勝手にドアを破って入ってきますからね」2023年春に北京から東京に拠点を移したばかりの郭氏(33歳、仮名)はそう呟く。若きドキュメンタリー映画の監督だ。かつて中国には、当局の審査を受けないインディペンデント映画としてドキュメンタリーを撮った監督が、欧米で賞を獲得しスターダムに登り詰めるというキャリアパスがあった。 だが、2012年に習近平政権がスタートして以降、記録映画業界は徐々に追い詰められて行き、北京、南京、雲南にあったインディペンデント映画祭は2020年までに全て終了となった。 「言論の自由」が移住の理由に 「日本に来たのは、作品の安全のためです。私の作品は未来の人に向けたものなのです」。彼が中国で撮った歴史をテーマとする作品は全て未公開のままで、採算は取れていない。日本に来た最大の理由は、自分が苦労して作った作品をせめて守り通すこと。

各作家の作品名について、下記のように伝えた。 A)谷崎潤一郎…『少将滋幹(しげもと)の母』 B)室生犀星…『仏顕記』『笛ふく人』『竜樹菩薩』『孔子』『粟』 C)堀辰雄…『曠野(あらの)』 D)菊池寛…『新今昔物語』、『好色物語』 また、資料①②⑦⑧を貸出した。 A)谷崎潤一郎 検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2018/08/02 最終確認)でキーワード“谷崎潤一郎 今昔物語 引用”などで検索した結果、複数のサイトで、『少将滋幹の母』という作品名がヒットした。 自館OPACでキーワード“少将滋幹の母”で検索した結果、次の資料が見つかった。 ①『谷崎潤一郎全集 第16巻』 谷崎潤一郎/著 中央公論社 1968 (自館請求記号:918.68) B)室生犀星 検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2018/08/02

今年読んだ本のトップ10を選びます2023年度ももうすぐ終わりですということで、毎年やっていますが、今年度に私が読んだ本の中で面白かった10冊というのを選んでみます。 今年読んだ本なので、2023年以前に発売された本も含まれています。あらかじめご了承くださいませ。 また面白かった私のYouTubeチャンネルで紹介している書籍も多く、よろしければそちらも合わせてご覧いただけるとうれしいです。 1. 『越境の中国史』 菊池秀明 講談社選書メチエ リンク こちらは2022年12月初版の本です。 黄河流域、長江下流を中心に語られがちな中国の歴史ですが、特に近代以降、例えば太平天国の乱やアヘン戦争のように、華南の動向から歴史が動くことがありました。本書は特に近現代の華南の歴史から現代中国を読み解く本です。歴史的に北部中国は政治・軍事の中心で、南部中国は経済・文化の中心でした。一方で特に福建省や広

俳優の黒柳徹子さんの自伝的な物語で、これまでに国内外で2500万部以上が発行されている「窓ぎわのトットちゃん」が、世界で最も多く発行された自叙伝として「ギネス世界記録」に認定されました。 1981年に刊行された「窓ぎわのトットちゃん」は、黒柳徹子さんが小学1年生で転校した東京の学校、「トモエ学園」で出会った校長の小林先生や友達との思い出を書いた自伝的な物語で、ことし10月には続編も発行されました。 学校の自由な校風のもとで成長する子どもたちの生き生きとした姿などが親しまれ、世代を超えて読み継がれていて、発行元の講談社によりますと、これまでに20以上の言語に翻訳され、国内外の発行部数はことし9月末の時点で2511万3862部にのぼっています。 そして、今月14日、「最も多く発行された単一著者による自叙伝」としてギネス世界記録に認定され、黒柳さんに認定証が贈られました。 黒柳さんは「もともと自

89歳になった文壇の巨匠による新刊は25編からなる掌編小説集。帯には「わが最後の作品集になるだろう」とある。「これ以上書けない、ということですね。時々『これいいな』と(アイデアを)思いついても、大抵昔に同じことを書いている。この中には駄作もあるけれど、みんなわりと傑作です」 『カーテンコール』病床の作者の前に、代表作『時をかける少女』『文学部唯野教授』の主人公や亡きSF界の同志が現れ、耳の痛い言葉を投げかけてくる「プレイバック」。自分を守ってくれた力持ちの女中を追想する「お咲の人生」…。遠い記憶や夢の情景を描く収録作が多く、「死の気配」が通奏低音となっている。「僕は怖がりだから、子供のころから『死』について考えてきた。それで(ドイツの哲学者)ハイデガーなんかも一生懸命読んできた。死が怖いから、そうやって自分で自分をごまかしていたのかもしれない」 長男で画家の伸輔さんが51歳の若さで亡くなっ

稲庭淳 @inaniwan 演劇業界はずっと「やりたい人はたくさんいるが観たい人は全然いない。なんなら、やりたい人ですら他人の演劇は観たいと思わない」状態だと聞くけど、どういう条件が重なるとこういうふうになって、そこで状況が固着するのか気になるんだよな。2023-12-12 17:47:41 稲庭淳 @inaniwan 先日の北野武監督インタビューで「芸人になりたい有象無象がたくさんいて初めて、本当に価値のある面白い芸人とはこうなんだと客がわかるようになる」という話があったが、役者や演劇の世界(もしくは似たような業界全般)でこれが成立してるとはどうしても思えん。2023-12-12 17:47:57

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