図書館予算の削減に反対するイベント インタビューを音声でも! 好書好日編集部がお送りするポッドキャスト「本好きの昼休み」でも、篠原さんとCOOKIEHEADさんのトークをお聴きいただけます。以下の記事は、音声を要約・編集したものです。 「公共の」みんなのための図書館であること ――NYの市民にとって、図書館はどういう場所なのでしょうか。 一般的に公共図書館(パブリックライブラリー)と呼ばれています。その公共(パブリック)というのは、大きくは予算の多くが地方自治体を中心とした公共の形で出ているという意味があります。でもそれだけではなく、みんなのための場所であるということに非常に重きを置いているんです。図書館の屋上でヨガクラス=Gregg Richards氏提供 もちろん基本となるのは、本、CD、DVD、Blu-rayなどの資料の貸し出しですが、それだけではなく、住民の生活に必要なものや人

図書館施設の開館時間が短くなっている 3つの拠点図書館(総合・駒場・柏)と27の部局図書館・室が一体となって大学の知的基盤を支えているのが、東京大学附属図書館です。2023年度、日本の大学として初めて蔵書数1000万冊を突破した図書館ですが、様々な要素が重なり、近年は財政難の問題を抱えているのも事実。 昨今の図書館事情を解説し、広く支援を呼びかけているのは、附属図書館長を務める坂井修一先生です。 附属図書館は図書や雑誌、電子ジャーナルなどの整備や学習環境の提供といった従来からの役割を担うとともに、現代の教育・研究に不可欠なDXにも取り組んでいます。本学は研究だけでなく教育の面でも国際競争に晒されています。DXが進む世界の大学との競争の中で高水準の教育を提供する必要があり、附属図書館もその一翼を担っています。 例えば、学術機関リポジトリ「UTokyo Repository」を整備し、本学で

所在がわからなくなっていた明治の文豪、夏目漱石の小説「坊っちゃん」と「吾輩は猫である」の自筆原稿が奈良県内の大学の図書館で見つかりました。 見つかったのは奈良県天理市にある天理大学附属天理図書館です。 10日、報道陣に原稿が公開され、このうち、▽「坊っちゃん」は150枚にわたる自筆原稿のすべてが、また▽「吾輩は猫である」は第十章の自筆原稿62枚が見つかったということです。 いずれも線を引いたり書き加えたりなど、推こうしたあとがうかがえ、今も読み継がれる名作が生み出されるまでの過程をみて取ることができます。図書館などによりますと、「坊っちゃん」と「吾輩は猫である」の原稿は、30年前に愛媛県内で開かれた展示会の図録に載っているのは確認できるものの、その後、所在がわからなくなっていましたが、6年前(2019年)に図書館が古書店から購入し、鑑定の結果、筆跡や使われている原稿用紙などから漱石の自筆

全国の図書館で非正規雇用の職員が増えていることを受け、日本図書館協会(日図協)など図書館関係7団体や識者らが6月5日、待遇改善をうったえる集会を東京・永田町の衆議院第2議員会館で開催した。集会には、超党派の学校図書館議員連盟の国会議員らも参加した。 日本図書館協会の統計によると、公共図書館や学校図書館で働く職員のうち7割以上が非正規雇用となっている。こうした非正規雇用職員の多くが女性で、低賃金で有期雇用という劣悪な待遇を余儀なくされている。 集会では、各団体が非正規雇用の職員の現状を報告するとともに、安心して働き続けられるよう待遇改善を求めるアピールを採択した。(弁護士ドットコムニュース・猪谷千香) ●「若い人が働き続けられる仕事になっていない」 この日開催されたのは、「これでいいのか 図書館 担い手にまっとうな待遇を求める院内集会」。各団体が実施した調査などを報告、公共図書館や学校図書館

アメリカでいま、学校の図書館から本が次々と撤去されています。 去年1年間に“禁書”となった本は実に1835作品。 「アンネの日記」やノーベル文学賞作家の作品なども対象になりました。 来年の大統領選挙に向けても争点の1つとなっているこの問題。 背景にあるのは“文化戦争”と呼ばれる価値観の激しいぶつかり合いです。アメリカでいったい何が起きているのでしょうか。 (ワシントン支局記者 辻浩平)教育委員会が“文化戦争”の最前線に 「こんな気持ち悪い本を子どもが手にする理由など1つもない」 「子どもにポルノを読ませる気なのか」 テキサス州ケラー市教育委員会2023年1月 それは教育委員会の会合で耳にするような言葉ではありませんでした。 ふだんはほとんど傍聴者がいないというテキサス州ケラー市の教育委員会の会合。 この日は多くの保護者が出席し「学校の図書館に子どもにふさわしくない内容の本が置いてある

「Getty Images」より 東京都教育委員会は、都立高校・学校図書館の民間委託を来年度から見直す方針を固めたことが、このほど関係者への取材でわかった。 まだ予算案発表前のため詳細は不明だが、関係者によれば来年度からは新たに都立高校学校図書館の民間委託への転換は行わず、その部分については、学校司書を直接雇用とするための予算要求を盛り込むものとみられている(民間との契約も残しつつ、直接雇用で司書を補充する方針)。 役所のあらゆる業務の民間委託が急速に進むなか、なぜ都教委は、たとえ一部分とはいえ学校図書館を直接雇用に戻す決断を下したのだろうか。 「現時点で違法性を完全に排除できないため、都立高校の学校図書館をこれ以上、民間に任せられないということです」 そう話すのは、9月の東京都議会でこの問題を追及した都民ファーストの会の米川大二郎都議会議員(都市整備委員会委員長)だ。米川都議が問題視した

「お前、ふざけるな!」 バーンと言うドアを開ける大きな音が館内に響いた。 アルバイト先の先輩有田さんがちょっと目を離した隙だった。テーブルの手前側に座っていた学生はカウンターの上にあった自分のバッグを鷲掴みにして、片手で入り口のドアを叩き開けた。そして脱兎のごとく走り去って行った。 有田さんがその後を一目散に追った。 数分後、上気した顔の有田さん戻ってきて「逃げられた」とぽつりと言った。「残念です。レベル2ですね」と他のアルバイトが彼をねぎらった。有田さんはまだ肩で息をしていて体から白い湯気が立っていた。開いたままのドアから外の冷気が静かに入って来た。 それは私が大学の図書館でアルバイトを始めて三日目の事だった。大学のテスト期間中は「気をつけろ」と言われていたが、何に「気をつけるのか」は全く分からなかった。ただその時は「レベル2」という言葉が頭に残った。 通っていた大学の図書館でアルバイト

東京メトロ千代田線の根津駅にある「根津メトロ文庫」が近々姿を消すようです。文庫の形は6000系電車をかたどったもの。蔵書が増えるなかで、2号車の連結やライトなどの取り付けが行われ、今の姿になったといいます。 元々は記念乗車券の販売ボックス 東京メトロ千代田線から最後の「6000系」が姿を消すようです。おや、6000系電車は1年前の2018年11月に引退したはずでは。いいえ、本物の車両の話ではありません。根津駅(東京都文京区)の不忍池方面改札内にある、6000系電車の形をした地下鉄文庫「根津メトロ文庫」です。 「地下鉄文庫」は誰でも自由に本を借りられる無人の図書室です。ルールは読み終えたら本棚に返すだけ。本棚に並ぶ書籍はどれも利用者から寄贈されたものです。その代表的な存在である根津メトロ文庫に2019年10月末、「老朽化や維持管理コストの増大に伴い、近々撤去することになりました」という告知が

台風19号による浸水により東京都内で少なくとも4カ所の大学図書館が被害を受け、一時閉鎖や利用制限などを強いられている。数万冊の書籍に被害が出たとみられる施設もあり、関係者は復旧作業に追われている。 東京都市大(世田谷区)は学生と教職員約5100人が所属する世田谷キャンパスが広い範囲で浸水。復旧作業などのため入構禁止とし、19日まで全授業を休講とした。同キャンパスは区作成のハザードマップで浸水想定域に入っている。図書館は13日午前8時時点で地階が水没、1階が足首のあたりまで浸水、全館が停電するなどした。18日時点でポンプによる排水作業が続いている。蔵書約29万冊のうち約9万冊が、水没した地階に収蔵されていた。 同大では図書館の相互利用協定を結んでいる区内の他の5大学などに利用者を振り分けたり、返却期限を延長したりするなどの措置をとっている。企画広報室の外智晃係長は「できるだけ早く再開したい

関西の大学が学生に本を読んでもらおうとデジタル技術を駆使した取り組みに工夫を凝らしている。書店の協力を得て電子書籍を無料配信したり、人工知能(AI)で性格分析した本を紹介したり。ポイントは若者に身近なスマートフォンの活用だ。全国大学生活協同組合連合会による2017年の学生生活実態調査では、1日の読書時間が「ゼロ」という大学生が半数以上の53.1%に達した中、学生の活字離れを食い止める一手になるか--。 関西大(大阪府吹田市)は今月から半年限定で、約4万タイトルの電子書籍を無料配信している。書店大手の「紀伊國屋書店」と「丸善雄松堂」が展開する電子書籍サービスを在学生約3万人に提供。スマホやパソコンで閲覧できる。ラインアップは教養書や学術書が中心だが、就職活動関連の実用書などもそろう。

近畿大が整備を進めている図書館(中央の2階建ての建物群)と24時間対応の自習棟(左)(2016年12月、大阪府東大阪市で) 近畿大(大阪府東大阪市)は4月、蔵書約7万冊のうち、漫画が30%以上の約2万2000冊に上る図書館を新設する。 学術書が主体の大学図書館では珍しい。24時間利用できる自習棟も併設。近大は「若者の読書離れが進む中、漫画を入り口に学生の知的好奇心を刺激したい」としている。 2013年度から進める総事業費400億円のキャンパス整備計画の一環で、学内の中央図書館分室(2階建て)として建設。学生らが集まって議論できる25の小部屋を様々な向きに配置し、それらを結ぶ放射状の廊下に書棚を並べる。 編集工学研究所(東京)所長の松岡正剛さんが蔵書を選び、1階に学術書など約3万冊、2階に世相を映す漫画や新書、文庫本約4万冊を置く。著者やジャンルで分類せず、棚ごとに「文学をマンガする」「近大

岡山県高梁市は11月1日、レンタル大手TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者とし、管理・運営を任せた図書館を、来年2月4日にオープンすると正式発表した。 駅前に完成した4階建ての複合ビルに、賑わい創出の目玉としてCCCがプロデュースするカフェや書店を併設する滞在型の新図書館がオープンする計画で、佐賀県武雄市、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市に続いて、全国で4例目となる“ツタヤ図書館”だけに、かねてより注目を集めていたのだが、驚いたのがその人事である。 新聞報道等で、新図書館の館長として名前が挙がったのは、高梁市教育委員会の委員長だった藤井勇氏だ。教育委員としての任期は、2013年11月16日~17年11月15日までとなっていたが、任期を1年以上残して今年9月30日付で退任していた。 さらに取材してみると、10年3月に同市内の小学校校長を定年退職した

「児童書分野の貸出点数を見ますと、前年の13年度が17万4794だったのが、導入した14年度は32万3480と、2倍弱まで伸びています。施設が新しくなって全体の来館者が大幅に増えましたので、純粋に読書通帳だけの成果とはいえないですが、読書通帳導入によって児童の読書習慣の底上げ効果があったのは確かだと思います」(八尾図書館広報担当者) もともと、利用者が図書館で借りて読んだ本を手書きで記入する手づくりの読書手帳は全国各地であったが、手書きでは不便なため、図書館システムと連携して自動で印字できるように製品化したのが内田洋行の読書通帳だった。本を借りた際、カウンター横に設置されている読書通帳機に事前登録した自分の通帳を入れると、貸出日や本のタイトルが印字される。通帳1冊につき216冊のタイトルが記録可能だ。 システム導入費用は600万円 多賀城市が導入したのも同社製の通帳で、前述のように市内の

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