小樽方面に向かうJR函館線の列車=北海道余市町のJR余市駅で2024年10月15日午後0時35分、金将来撮影北海道新幹線の札幌延伸に伴い、廃線が決まった並行在来線のJR函館線小樽―長万部間(140・2キロ)。道や沿線自治体などは代替案としてバス輸送への転換を検討しているが、運転手不足が深刻な課題の今、そのハードルは一層高まっている。市民の「足」の確保に、手詰まり感すら漂う。 揺らぐ“鉄道→バス”の前提 「廃線か。道民の移動はますます不便になる」。10月中旬の余市駅で、札幌市厚別区の斎藤勝彦さん(68)はつぶやいた。函館線沿線の倶知安町出身で学生時代は小樽市に列車で出かけただけに実感がこもる。余市町の男性(80)は「私は、じきに運転しなくなる。バス転換が難しい中、町外にどうやって行けばいいのか」と嘆いた。 並行在来線の沿線9市町と道は2022年3月、全区間廃止とバス転換の方針で合意した。小

JR北海道の経営問題がクローズアップされている。国や北海道、沿線自治体に支援してもらえなければ、全路線の約半分を廃止せざるを得ないというが、そもそもJR北海道の経営はなぜ、ここまで悪化してしまったのだろうか?(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也) 収支が改善しなければ 全路線の半分が廃止の危機に この35年間で路線網の4割近くを廃止、人件費もピークの半分ほどに切り詰めたが、それでも路線の半分以上が「当社単独では維持することが困難な線区」だという JR北海道の苦境が続いている。2017年度の連結決算は106億円の経常赤字となり、2016年度の103億円に続いて、2期連続で過去最悪を更新する大変厳しい結果となった。 2013年に特急列車からの出火・発煙が相次いで発生、さらに貨物列車の脱線事故について、線路検査データの改ざんや異常箇所が未補修のまま放置されていたことが発覚。従業員の不祥事も相次ぎ、安

片側1車線の高速道路で、車が対向車線に飛び出す事故を防ぐため、国土交通省が中央線にワイヤロープを張る実証実験を行ったところ、事故が激減した。 国内の高速道路では対面通行が約4割を占めているが、飛び出し事故は年間300件前後発生しており、同省は実験結果を検証し、今年度から本格的な設置を目指す。 ◆押し戻す 国交省によると、実験は昨年4月から道央道、秋田道、山陰道、東九州道など12路線の対面通行区間115キロで行われている。この区間では2016年に45件の飛び出し事故があり、10人が死亡した。 実験では、中央線上に3メートル間隔で据えた支柱に、鉄製のワイヤロープ5本を張っている。車が突っ込んでくると、ワイヤで押し戻される仕組みだ。 実験開始後の半年間で、車とワイヤロープの接触は112件あり、支柱が倒されたケースもあったが、飛び出しは大型トラックの1件だけで、死者はゼロだった。

交通・都市政策を専門とする政策研究大学院大学の家田仁教授の話国鉄の民営化から30年以上が過ぎ、鉄道を巡る環境は劇的に変わった。高速道路が1万キロメートル超に延び、高速バスの利用者も増えている。JR各社はこれまで、赤字路線を抱えながら可能な限り鉄道網の維持をしてきたが、鉄道ありきの交通政策を見直す時期が来ているのは間違いない。タクシーもバスもなくなった京都府京丹後市ではライドシェア大手、ウーバ

懇談会終了後、記者会見するJR四国の半井真司社長(右)と正司健一座長=高松市で2017年8月18日、岩崎邦宏撮影 JR四国は18日、四国の鉄道網を維持する方策を考える有識者懇談会の初会合を高松市内で開いた。1987年の発足当時から鉄道事業の赤字が続いているJR四国は「自助努力だけでは路線維持は近い将来困難になる」とし、不採算路線の利用促進や維持で自治体などに支援を求めていく方針だ。 懇談会は日本交通学会会長の正司健一・神戸大大学院教授を座長に四国4県の知事ら18人で構成。年明けの第2回会合で路線別の収支を初めて公表する見通しで、来夏の第3回会合で中間とりまとめをする。その後、各県ごとに路線維持について話し合い、具体的な方策に取り組むとしている。 JR四国の鉄道事業は発足当初から年間100億円前後の赤字が続き、2016年度は120億円に達した。全9路線のうち瀬戸大橋線以外は赤字で、国が設けた

全国47都道府県で人身事故が多発した交差点のデータをまとめました。交通事故低減のヒントに幅広くご活用ください。
宗像 誠之 日経ビジネス記者 日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。 この著者の記事を見る

ドライバーから「ねずみ捕り」と忌み嫌われ、警察行政のトップからも見直しを求められたスピード違反の取り締まりが、大きく変わることになりそうだ。 これまでは幹線道路などでの取り締まりが中心だったが、警察庁は方針を転換。歩行者など「交通弱者」が巻き込まれる事故を減らすため、生活道路や通学路などでの取り締まりに力を入れる。そのために、小型の速度自動測定器の導入も検討する。 ◆方針転換 速度規制や取り締まりのあり方を話し合ってきた警察庁の有識者懇談会が26日、生活道路などでの速度取り締まりを強化するよう提言したのは、事故の実態と取り締まりの現状がアンバランスだったためだ。住宅地の生活道路や通学路は、歩行者や自転車と車が混在して利用している。同庁によると、生活道路での事故では、死傷者の35・7%は歩行者や自転車利用者。道幅が広い幹線道路での19・6%より格段に割合が高い。 一方で、取り締まりは「やり

目の錯覚で路上に障害物があるように立体的に浮き上がって見える横断歩道が、静岡市葵区城内町の市道に設置された。 ドライバーは思わずスピードダウンしてしまうため、横断歩道での事故を防ぐ効果が期待されている。 静岡県警交通規制課と静岡中央署によると、こうした「浮き上がる横断歩道」の設置は全国で初めての試みで、効果が確認されれば運転者の声も聞いたうえで、普及させていくことも検討する。 この横断歩道は今月20日に「葵小学校南東交差点」の一方通行道路に設置。周辺には同小をはじめ複数の小中高校や、多くの市民が利用する公共施設が多いことから、試験的に設置された。 ドライバーから見て白線の手前が黄色、両脇が青に塗装されていることで、白線が台形状に浮き上がって見える効果がある。 県警交通規制課の守屋徳雄課長補佐は「大抵のドライバーが驚いて横断歩道手前で減速する。そうすることで、横断歩道では注意し、しっかり減速

トヨタ自動車の豊田章男社長はシーテックの会場でライバル日産自動車の「自動運転車」に実車した=1日、千葉市美浜区の幕張メッセ(写真:フジサンケイビジネスアイ) 電気自動車(EV)に代表される電動車両が、交通事故や渋滞を防ぐ安全な交通インフラ構築に向け動き出している。日産自動車は、人が運転操作をしなくても自走する「自動運転車」を2020年までに、「手頃な値段」(日産幹部)で発売する計画を打ち出した。試作車は、EV「リーフ」がベース。 車の運転には、(1)認知(2)判断(3)操作−と3つのステップがある。人によるこの一連の動きをICT(情報通信技術)活用で知能化させた車に担わせていく。危険をセンサーが認知するスピードなどで、「3ステップとも、人の100倍の能力を車は潜在的には有している。車が人の能力を補完する形」(松村基宏・日産自動車執行役員)と話す。 筆者は最近、カリフォルニア州に設けられ
トップ > 長野 > 2月6日の記事一覧 > 記事 【長野】 飯田でラウンドアバウト運用開始 Tweet mixiチェック 2013年2月6日 運用が始まったラウンドアバウト=飯田市東和町で 飯田市東和町の県道と市道の交差点で、信号機を撤去し、中心部の環状道路から、分岐する各道路に車を流す「ラウンドアバウト」の運用が五日、始まった。既存の信号交差点をラウンドアバウト化するのは全国初の試みで、多くの関係者が見守った。 東和町のラウンドアバウトは交差点中央の円形地帯に沿った環状道を車が右回りに一方通行で走り、進みたい分岐道へ出る。環状道内を走る車に優先権があり、進入する車に一時停止が義務付けられる。進入時に停止してから、カーブのきつい環状道を走るため、速度が遅くなって事故を抑制。信号機が無いことから、災害時に停電しても、交差点の機能が失われない利点がある。 この日は午前八時半に、交差点を制御
Traffic jams like this one in Beijing are a major issue for China as new vehicles continue to flood the roads. On China's Roads (andRails), a Move TowardGreener TransitThe market for cars in China is booming, posing severe traffic problems for a country once nicknamed the "bicycle kingdom." This story is part of a special series that explores energy issues. For more, visit The Great Energy Chall

高齢者を中心に食料品などの日常の買い物が困難な「買い物弱者」が全国で約600万人に上るとの推計を経済産業省がまとめた。外出が不自由な高齢者が増えていることに加え、商店街の相次ぐ閉店による「シャッター通り化」や、バスなど公共交通機関の廃止が買い物から足を遠ざけている。経産省の研究会は14日、「深刻な地域問題」と指摘して、支援例も盛り込んだ報告書を公表するが、高齢化が急ピッチで進む中、政府や自治体も本格的な対策を迫られそうだ。【立山清也】 「1人だとキャベツ1個は食べきれないから、半分に切ってあげるね」。70歳以上が25%超を占める横浜市栄区の公田町(くでんちょう)団地に設けられた食品販売所で、NPO(特定非営利活動法人)の女性メンバーが買い物に来た高齢女性に声をかけた。販売所は住民が2年前から始めた買い物弱者対策だ。 64年に入居が始まった団地は、丘の上に33棟・1160戸が連なる。食品販売
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