たがわ・けんぞう 2月19日、気管支肺炎のため群馬県の病院で逝去。89歳。葬儀は近親者で行われた。出版社の作品社が13日に発表した。 1935年東京都生まれ。1960年、東京大学大学院西洋古典学科修了後、ストラスブール大学のトロクメ教授に師事し、65年に宗教学博士の学位を取得。ゲッティンゲン大学神学部講師、1970年に国際基督教大学(新約聖書学)から追放され、ザイール(現・コンゴ(キンシャサ))国立大学講師(神学)、和歌山大学非常勤講師(フランス語)、大阪女子大学(現・大阪公立大学)教授(西洋思想史、女性学)を経て、1999年に定年退職。 2012年の国際聖書フォーラム(日本聖書協会主催)では、「ヨハネ福音書と歴史的事実――ヨハネはなぜ史的事実を細かく正確に伝えようとしたか」と題して講演した。 著書に『原始キリスト教史の一断面』『書物としての新約聖書』『イエスという男』『新約聖書 訳と註』

子どもを愛し、幼い魂に天国と永生の信仰を語り続けたアンデルセンの童話は、今なお世代を超えて世界中の人々に読み継がれている。彼の生活は貧困と生活苦、そして失恋の連続であったが、いかなる時も希望を失わず、珠玉の童話を紡ぎ続けた。「童話」というものを、単なる子どものための読み物という殻を打ち破って、文学作品として高めた彼の業績は高く評価されよう。 著者について本書は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの自伝で、書かれたのは1846年(42歳)ごろといわれ、その第二版が出たのは9年後の1855年4月2日(50歳の誕生日)であった。以下、年代を追ってアンデルセンの生涯を紹介する。 1805年4月2日、デンマークのオーデンセに生まれる。父(名は同じハンス)は貧しい靴直しだったが、母ともども信仰にあつく、幼いアンデルセンの魂に神の愛を植え付けた。1811年、貧民学校に行くがなじめず、カルステンス氏の学

日本福音同盟(JEA、水口功理事長)は17日、「戦後80年にあたってのJEA声明」を公式サイトで発表した。声明は、2日から4日にかけて開催した第40回総会で採択した。 JEAは、戦後50年となる1995年に声明を発表して以来、戦後60年、戦後70年の各節目にそれぞれ声明を発表してきた。今回の声明では、過去3つの声明を振り返り、最近の現状に触れた上で、10項目の「願い」を盛り込んだ「戦後80年の決意」を表明。これまでの歩みの不十分さを認めつつ、新たな10年を覚え、神に導きを求める祈りを記している。 過去3つの声明の振り返りでは、それぞれの内容を端的に説明している。「戦後50年声明」では、日本の教会が戦時下に、「国民儀礼・神社参拝という偶像崇拝の罪を自ら犯すとともに、近隣アジア諸国の教会に対してもそれを強要し、侵略に加担した」ことを認め、悔い改めと謝罪を表明。聖書信仰に立ち、神に再献身すること

ローマ教皇フランシスコは6日正午のお告げの祈り(アンジェラスの祈り)で、東京大司教区の菊地功大司教(65)を含む21人を枢機卿に任命すると発表した。枢機卿はカトリック教会で教皇に次ぐ高位聖職者。12月8日に行われる枢機卿会議(コンチストーロ)で正式に叙任される。 日本人の枢機卿は、2018年に叙任された大阪大司教区(現大阪高松大司教区)の前田万葉大司教に続き7人目。一方、他の枢機卿5人は既に死去していることから、存命者としては前田大司教と菊地大司教の2人のみとなる。 この他、日本に関係のある人では、上智大学副学長を務めていたルクセンブルク大司教区のジャンクロード・オロリッシュ大司教が19年、枢機卿に叙任されている。 菊地大司教は1958年、岩手県宮古市生まれ。86年司祭叙階。2004年司教叙階。同年から新潟司教を務め、17年から東京大司教。現在、日本カトリック司教協議会会長、アジア司教協議

釈放後、死刑を考える国際シンポジウムで発言する袴田巖(はかまだ・いわお)さん(中央)と姉の秀子さん(右)=2014年10月23日、衆議院第1議員会館(東京都千代田区)で 1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして死刑が確定した後も、無実を訴え続けてきたカトリック信徒の袴田巌(はかまだ・いわお)さん(88)の再審で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、無罪を言い渡した。犯行時に袴田さんが着用していたとされる「5点の衣類」や、袴田さんが「自白」したとされる供述調書など、3つの証拠を捏造(ねつぞう)と認定した。 袴田巌さんの再審無罪判決「心から歓迎し、神に感謝」 カトリック司教協議会会長が談話>> 最大の争点となったのは、「5点の衣類」に付いていた血痕の色。衣類は事件発生から1年2カ月後に、現場近くのみそ工場のみそタンクで発見されたが、当時の実況見分調書などには、血痕の色が「濃赤色」などと記さ

自民党総裁選の投開票が27日、東京・永田町の党本部で行われ、石破茂元幹事長(67)が第28代総裁に選出された。現在、自民党は衆議院で過半数の議席を保持しているため、石破氏が岸田文雄首相の後継として、第102代首相に就任することになる。 同志社の創立者である新島襄から洗礼を受け、後に牧師となった金森通倫(みちとも)を曽祖父に持つ石破氏は、プロテスタントの4代目のクリスチャン。クリスチャンが日本の首相に就くのは、第92代首相を務めた麻生太郎副総裁(84)以来、15年ぶりとみられる。麻生氏は祖母の代からカトリックの家系で、幼児洗礼を受けている。 今回の総裁選には、党史上最多となる9人が立候補。衆参両院議長を除く党所属の国会議員票367票と、全国約105万人の党員・党友票を比例配分する地方票368票を合わせた計735票で争われた。 石破氏は、議員票46票、地方票108票の計154票を獲得。議員票7

キリスト教界から批判が相次いだパリ・オリンピックの開会式で行われた「最後の晩餐」をほうふつとさせるパフォーマンス(画像:Xに投稿された動画より) 26日に行われたパリ・オリンピックの開会式で、イエス・キリストと12人弟子の最後の食事の場面を描いたレオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」をほうふつとさせるパフォーマンスが行われたことを巡り、キリスト教界から批判の声が上がっている。 批判が向けられているのは、エッフェル塔近くのドゥビリ橋で演じられた「祝宴」と題されたパフォーマンス。「最後の晩餐」でイエスが描かれている食卓中央部分に、レズビアン活動家でDJのバーバラ・ブッチさんが立ち、ドラッグクイーン(女装した男性)やトランスジェンダーのモデルらが周囲の12弟子を表現しているとみられる内容だった。 これに対し、フランス・カトリック司教協議会は27日、フランス語と英語で声明を発表。開会式は「感動に

はじめまして、 あの、、、『掌の小説』の中で母の眼という作品について聞きたいことがありまして、 何の意味かなかなか分かりませんね。ですので、あなたの考えがほしいんです。 たとえば、このタイトルはなぜ母の眼なのか。 最後の部分に書いてる「子守女の顔に何と明るい喜びだ。」ここの意味は何だと思ってますか。 https://dayinthelife-web.blogspot.com/2005/08/blog-post_7.html 私は特に教養があるわけでもなく,書評のようなものをこのブログに書いてはいますが,その解釈についても浅かったり間違ってたりするところが多々あるのではないかと思っています.しかし,せっかくのお尋ねでもありますし,自分の考えを書いてみることにしました.少し長くなってしまったので,コメント欄に書くのではなく,独立したエントリにしてみます. この小説のキーとなるのは,「美しい子守
しばらく間があいてしまったが、本ブログのエントリ「ChatGPT とヨハネによる福音書」の続きを書いてみたい。 先のエントリに書いたように、ヨハネによる福音書に、イエスが地面に何かを書いていたという場面がある。しかし今となっては、イエスが書いたその内容は知られていない。現在、その内容についてはいくつかの説があるのだが、私は、それらの説にしっくりこない気持ちを抱いていた。一方で、私なりに思うところもあるので、改めて自分の思いをエントリにまとめてみたい。それは、識者にとって失笑される内容かもしれないが、恥をかくのを気にしていたらブログなどとても書けない。ので、気にしないことにする。 前置きが長くなったが、最初に、イエスが地面に書いていた場面を簡単に説明しよう。以下では手抜きだが、ChatGPT による説明を再掲することにする: この場面は、ファリサイ人たちが罪を犯した女性を持ってイエスの前に連
あるブログで、隠れキリシタン(正確には潜伏キリシタンというべきか)に関するエントリがあった。そのエントリについて言及するつもりはないが、信仰ということについて以前から思っていることがあるので、まとまりはないが、ブログに書いてみたい。 信仰のことを考えるとき、宗教について考えないわけにはいかない。信仰と宗教については、人それぞれ思うところがあるだろう。しかし、私がいつも思うのは、敬愛する作家、井上ひさしの文章である。 井上ひさしは、「四十一番の少年」に描かれているような、辛苦ともいうべき少年時代を過ごした。しかしその時代の井上の宗教的生活については、私は、「道元の冒険」のあとがきにある、以下の記述が強く印象に残っている。 わたしが宗教と遭遇したのは中学三年の秋であり、その宗教はカトリックだった。その出会いはこちらから求めたものではなく、気がついたときすでにわたしはカトリック者たちのまっただ中
"Christ and the Woman Taken in Adultery" redirects here. For other uses, see Christ and the Woman Taken in Adultery (disambiguation). Christ with the Woman Taken in Adultery, by Guercino, 1621 (Dulwich Picture Gallery) Christ and Sinner, 1873 by Henryk Siemiradzki Christ and the Woman Taken in Adultery, 1565 by Pieter Bruegel, oil on panel, 24 cm × 34 cm (9.4 in × 13.4 in) Christ and the woman tak
この5年くらいか、AI, 特に深層学習は世界的に大きく盛り上がっているトピックとなっている。私自身は深層学習に詳しいわけではなく、世間の流行を遠目に眺めていた。さすがに今から参戦したとしても、何周遅れになることやらと思えば乗り気にならないのも仕方がない。 このまま深層学習と縁のない人生かなと思っていたのだが、すまじきものは宮仕えというたとえもあるように(苦笑)、諸般の理由で深層学習に手を出してみようかということになった。ただし、今のところまだ勉強の段階である。 その勉強については、今の時代にあったやり方を試してみたいと思っており、(業務と関係ない範囲で)また本ブログで簡単に触れるかもしれない。 それでようやく本題に入る。今話題のChatGPT (すでにGPT-4も発表された)についてもいろいろ試しているところであるが、その際、以前から疑問に思っていた、ヨハネによる福音書に関するある記述を
キリスト教徒が半数下回る 史上初、「無宗教」増加―英国勢調査2022年11月30日05時53分 ロンドンのセントポール大聖堂=8月13日 【ロンドン時事】英イングランドとウェールズで、キリスト教徒が人口の半数を下回ったことが、29日公表された2021年実施の国勢調査結果で分かった。こうしたことは統計が始まって以降で初めてという。 米国人の3割が「無宗教」に キリスト教徒減少―米調査 「自分はキリスト教徒」と申告した人は46.2%で、11年の調査時点(59.3%)から大幅に下落。一方、イスラム教徒は4.9%から6.5%に上昇し、「無宗教」も25.2%から37.2%に増えた。その他はヒンズー教やシーク教など。英国の国勢調査は10年ごとに実施されている。 英国は長く、キリスト教徒が多数の「キリスト教国」と考えられてきたが、今回の結果を受け、信仰の多様化や無宗教化の傾向が強まっていることが示され

英国のリシ・スナク元財務相(42)が25日、チャールズ国王の任命を受け、新首相に就任した。アフリカ出身のインド系移民の両親の元に生まれたスナク氏は、英国において初のアジア系かつ初のヒンズー教徒の首相。42歳5カ月という年齢は、英国の首相としてはこの200年余りで最も若く、下院(庶民院)初当選から7年での首相就任は、現代英国史上最速だという。 新首相を決める与党・保守党の党首選では、ペニー・モーダント下院院内総務(49)が出馬を表明したものの、直前に撤退を表明。再登板が注目されていたボリス・ジョンソン元首相(58)も不出馬を表明したことで、スナク氏が無投票で当選した。 スナク氏は、当選後の国民に向けた演説で、現在は「深刻な経済的課題」を抱えている時期だとし、保守党としても、国としても一致を第一に考えるとし、「誠実さと謙虚さ」をもって奉仕すると約束した。 「英国は偉大な国です。しかし、私たち

聖書を読もうと思い立ってから,早くも丸二年になった(聖書を読む).最近忙しく,予定よりもはるかにペースが落ちているが,それでもかれこれ1000ページ近く読み進み,ようやく詩篇までこぎつけた(聖書を読む (334) - 詩篇 第8~9篇).といっても,いまだに旧約聖書の段階である. しかしながら,旧約聖書を理解できたかといえばとてもそんなことはなく,読むほどに疑問点や理解不能な点が増えていくかのように思われる.ただ,一つ実感しているのは,旧約聖書の根底にある,何か強く,烈しいものである.旧約聖書を読むにつれ,その思いが自分の中に存在感を増していくかのように思われる. だが,それこそが神の摂理であるなどと,したり顔で言うことには抵抗を感じる.そもそも,そのような考えが自分の今の思いを説明するようには思われない.結局のところ,それが何であるかは説明できず,また自分でもそれをつかみきっておらず,そ
先日,ダ・ヴィンチ・コードに関するエントリを書いた.ダ・ヴィンチ・コードでは,イエス・キリストとマグダラのマリアに対するある説をベースに,物語が展開していく.それで,太宰治の小説「駈込み訴え」を思い出したので,今回はそれについて書いてみたい(ちなみに,「駆込み訴え」ではなく「駈込み訴え」が正しい作品名のようだ(「駈」は常用外漢字).恥ずかしいことに,今までずっと勘違いしていた). この小説は,ある男の堰を切ったような独白から始まる. 申し上げます.申し上げます.旦那さま.あの人は,酷い.酷い.はい.厭な奴です.悪い人です.ああ.我慢ならない.生かして置けねえ. はい,はい.落ちついて申し上げます.あの人を,生かして置いてはなりません.世の中の仇です.はい,何もかも,すっかり,全部,申し上げます.私は,あの人の居所を知っています.すぐに御案内申します.ずたずたに切りさいなんで,殺して下さい.
米国聖書協会(ABS)は6日、米国における聖書の利用状況をまとめた年次報告書「聖書の現状2022」(英語)を発表した。報告書によると、米国では聖書を読む人の数が前年に比べ「未曽有の減少」を呈していることが明らかになった。 調査は今年1月、米国人成人2598人を対象にして行われ、報告書は得られた回答に基づいて作成された。ABSによるこの調査は今年で12年目を迎え、聖書の利用状況や、社会における聖書の役割に関する意見など、さまざまな質問を回答者に投げ掛けている。 報告書の序文では、米国における「聖書利用者」の人口に占める割合の変化が、年ごとに棒グラフで示されている。ABSは、聖書利用者を「教会以外で毎年少なくとも3~4回は聖書を利用している人」と定義している。 米国人成人のうち聖書利用者が占める割合は、2014年に最高値(53%)を記録。その後は一貫して48~51%の間を推移し、21年は50%

世界のイスラム教徒の数がキリスト教徒を上回る日 仏教は減退し、キリスト教は現状維持、イスラム教は繁栄の時代を迎える――。 世界三大宗教と呼ばれる仏教、キリスト教、イスラム教の勢力が転換点を迎えている。将来的にはイスラム教が世界で最大勢力を獲得する見込みで、このような宗教構造の変化は国際政治や生活習慣などにも影響を与える可能性がある。 現在、世界最大の宗教勢力はキリスト教である。世界の総人口73億人のうち23億人(人口比で32%)をキリスト教徒が占めている。次いでイスラム教徒が18億人(25%)、ヒンズー教徒が11億人(15%)、仏教徒が5億人(7%)、民族信仰が4億人(5%)だ。日本の神道は国際的な分類では、「民族信仰」のカテゴリに入る。ちなみに、無宗教は12億人(16%)である。 この宗教構造が、ドラスティックに変化する。 世界の宗教動静を調査している米調査機関ピュー・リサーチ・センター

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