けふは大正浪漫の原点にかへつて、昭和初期についてのお話にします。いろいろありますが、とりあへずは当時の文学とモダンガールのお話です。 昭和5年ごろ、<新興芸術派>を名乗る一派があらはれます。龍胆寺雄、久野豊彦、浅原六朗、中村正常(中村メイコの父)、吉行エイスケ(吉行淳之介、女優の吉行和子、詩人の吉行理恵の父、吉行あぐりの夫)といつた人たちです。 この一派は、マルクス主義文学に対抗するために集まった人たちです。なんと言つても、昭和のはじめはマルクス主義が大はやりで(大正10年〜昭和4年ごろまで*1)、文学でもその影響は著しいものでした。葉山嘉樹、小林多喜二、徳永直といつた作家が「プロレタリア文学」を標榜して、華々しく活躍しました。 彼等の信条は、社会改革に関はりのない文学は堕落したものであり、ブルジョワの滅ぶべき玩具に過ぎない。だからこそ、プロレタリア革命に裨益する文学を作らなくてはならない

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