未来の保証なき声優業は、収入という面から見ても得が少ないと言わざるをえません。大人気の声優をテレビなどで見ればなんとなく「お金持ちそう」と思うかもしれませんが、どんな業界だろうと上位1%の人間は金持ちに決まっています(もっとも、声優業界の上位1%が稼ぐ金額は、ほかの職種のそれよりも低いと思いますが)。 そもそもまともに専業で食える声優自体が少ないのですから、大儲けしている声優なぞ、どれだけ希少な存在かは推して知るべしです。 ほとんどの声優はローンが組めない 単純に儲からないだけでなく、声優の収入は大変不安定です。われわれは声優プロダクションの社員ではなく、自分の名前で仕事をとる個人事業主ですから、できた仕事分の報酬がすべてです。今月の収入は1万5000円、翌月は10万円、その翌月は0円、なんてこともあります。 こういう収入形態で生きる以上、社会的な信用は得られないと思ったほうがいいでしょう

「声優ブーム」と言われるようになって大分たちました。今がいったい第何次ブームなのかよく知りませんが、声優に憧れる人は相変わらず大変多いようです。現場ですれ違う新人の数も、この10年ほどで把握しきれないほどに増えました。少し前までは、「今の“新人枠”に入るのはあいつやこいつ……」となんとなく顔くらいは浮かんだものなのですが。 声優志望者や若手声優と話していて不思議なのは、「声優になる」ことを、まるで就職でもするかのような感覚で捉えている人が多いことです。 声優志望者の甘すぎる未来予想図 話を聞くと、彼らは極めて無邪気に、こんな青地図を思い浮かべているのですね。 まず声優学校に入り、養成所に進んで、いい声の出し方や演技の仕方を教えてもらおう。そして大手の声優プロダクションに所属し、マネージャーがとってくる端役の仕事をこなしながら“出世”のチャンスをうかがおう。 最初のうちは安い仕事しかないだろ

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