昨年の死者数はインフルエンザの12.5倍、下水には5年前とほぼ同じ量のウイルスが…「コロナはまだ終わっていない」と断言できる“これだけの根拠”《感染症専門医が解説》2023年5月に新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が5類感染症へと移行してから、約2年半が経過した。世間では「コロナは終わった」という雰囲気が広まり、マスクをしない日常が当たり前になりつつある。 今夏には、喉の痛みが「カミソリの刃を飲んだよう」とも表現された新型株・ニンバスの流行に注目が集まった一方で、いわゆるコロナ禍の頃のような連日の報道はされなかった。 果たして、コロナは本当に“ただの風邪”になったのだろうか。 減少しているように見えるが……感染者数が“不正確”な理由 「メディアへの露出の度合いは社会的な要素も絡んできますし、実際の流行とは必ずしも連動していません。実際には、5類移行後のコロナは夏と冬の年2回、決まっ

世間で「第三波」と呼ばれる現在の新型コロナウイルス感染拡大を、神戸大学教授で感染症内科が専門の岩田健太郎医師は「第二波が収束しきれないまま広がってしまった状況」と説明する。 なぜ第二波が収束しきれなかったのか――。その理由を岩田医師は「ムード」という言葉で表現する。 「政府がぶち上げたGo To キャンペーンや、繰り返し発信される『経済を回すことの重要性』を説くメッセージに、日本全体のムードが感染対策を緩める方向に傾いてしまった」 得をしたのはウイルスだけだった そもそも日本人は、「ロジック」や「データ」を重視するよりも、「ムード」や「空気」に流されやすい国民性だ。政府が何の科学的裏付けも持たずに発信する経済対策に、「もう大丈夫なのだろう」と思い込もうとした。そして政府は、そんな国民の「安心したい」という思いを利用して経済回復に舵を切った。結果として得をしたのは、感染拡大を目論むウイルスだ

取材班は3月以降、新型コロナウイルスのクラスターとなってきたホストクラブの内情について、たびたび警鐘を鳴らしてきた。だが、当のホストたちやオーナーの耳には届いていないようだ。 6月中旬、10人以上の感染者を出したホストクラブ「A」グループの店舗関係者はこう証言する。 「店では、従業員がコロナに罹っても、濃厚接触者の検査もせず、感染者以外のホストで営業を続けて、『コロナに負けるな』と売り上げを上げることに必死です。こんな状況なので、店舗内の感染者は増える一方なんです」ホストクラブ「A」は、歌舞伎町の中心地の雑居ビル2Fにあり、「A」のほかに「B」や「C」など複数の系列店が営業をしている。業界では中堅グループに位置付けられる。6月中旬に「A」で数名、「B」「C」でも複数の感染者が確認されている。ホスト店の看板が並ぶ歌舞伎町の一画 ©文藝春秋 「店は4月の緊急事態宣言の直後も、1週間ほど休ん

4月24日時点で、国内の感染者数はクルーズ船の乗客・乗員を合わせて1万3575人となった。公表される日々の感染者数は爆発的な増加傾向とは言えず、安倍首相の言う「ギリギリ持ちこたえている」という印象も与えるが、一方で死者数の増加が続いている。国内の死者数は24日時点で358人に上っている。 発熱しながら自宅待機の間に亡くなった岡江さんのケース 全国に緊急事態宣言 新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、全都道府県に緊急事態を宣言する安倍首相=16日午後8時26分、首相官邸 ©︎共同通信社 感染者数が急増していない背景には、検査数の抑制があると言われている。オーバーシュートを起こして医療現場が崩壊せぬよう、「軽症者は様子をみる」「重症化してからPCR検査」というフローが一般化しているからだ。 だが、発熱しながら自宅待機をしている間に容体が急変し亡くなった女優・岡江久美子さんのケースがきっか

「人と人の接触を8割減らさないと、日本で約42万人が新型コロナウイルスで死亡する」。 4月15日の記者会見で、そう試算を発表した厚生労働省クラスター対策班に所属する西浦博・北海道大学教授(43)。今や「8割おじさん」と言われ、ネットでも有名人となった西浦教授の“42万人死亡試算”に対しては批判の声もあがっている。西浦教授が「週刊文春」の取材に応じ、会見で公表した真意について明かした。 「何も対策をしなかったら、流行してこれくらいの規模の死亡者が出るという危機が目前に迫っていると、政権に腹を括ってもらうのが狙いでした。政府や厚労省の中では慎重な意見があり、厚労省の対策班としては公表できませんでした。そこで葛藤もありましたが、科学的な使命感を強く感じ、私自身が専門家個人として発表しなければならないと感じたのです。アメリカやイギリスなどでは、私と同じ研究をしている人たちは国と一緒に推計を公表して

新型コロナウィルス禍への日本政府の対応は「サル化」の一例にすぎない。「今さえよければ」と考える「サル」から脱却し長い目で考える時間意識を取り戻さなければ明日はない。 ◆ ◆ ◆ 『サル化する世界』という本を書きました。こういうタイトルにしたのは、この四半世紀ほどで日本人の考え方がはっきり変わったように思えたからです。といっても、人間が別のものに生まれ変わったとか、新しい段階に至ったということではありません。人間を取り巻く環境が変化し、それを取り込んで人間の意識も変化したということです。最も変化したのは時間意識です。 僕が生まれた1950年の日本の労働人口の50%は農業従事者でした。人々はそれと気づかずに「農業的な時間」「農事暦」を呼吸して生きていた。朝日とともに起きて、陽が落ちたら眠る。春に種を蒔き、日照りや冷夏や風水害や病虫害を恐れ、無事に秋を迎えたら収穫をことほぐ……。そういう「農業的

慶応病院(慶應義塾大学病院)で、10名を超える新型コロナウイルスの感染者が出た問題で、 その一因が研修医約40名が開いた懇親会だったことが「週刊文春」の取材でわかった。 懇親会が開かれたのは、3月26日。小池百合子・東京都知事が緊急会見で外出自粛を要請した翌日だった。研修の修了を受けて、慶応病院の研修医約40人が都内のダイニングバーで「お疲れ様会」なる懇親会を開催。関係者によれば、会は三次会まで続き、最後はカラオケだったという。出席者の中に新型コロナウイルスの感染者がいたとみられ、クラスターが発生。 これまでに、懇親会出席者のうち少なくとも8人がコロナウイルスの陽性反応を示している。 ©文藝春秋 4月6日、「週刊文春」編集部が事実確認の取材を申し入れると、慶應義塾広報室は「新型コロナウイルス感染症に関する慶應義塾大学病院の状況につきましては、本日中に当院ウェブサイトで公表させていただく予

3月14日、安倍晋三首相が新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の対応について記者会見を開き、「感染者は増加傾向だが、急激なペースで増加する諸外国に比べて増加のスピードを抑えられている」と現状認識を述べました。 これに対して、ツイッターで様々な反応がありました。その中には、「感染者数が諸外国に比べて持ちこたえているのは検査数が少ないだけだ」として、実態を暴くためにも検査数を増やさなくてはいけないとする主張が散見されました。確かに安倍政権下では、公文書の改ざんや廃棄が平然と行われてきました。感染者数の隠蔽があると考えるのも無理はありません。 さらに、3月17日にはWHOのテドロス事務局長が会見で、「すべての国に訴えたい。検査、検査、検査だ。疑わしい例すべてに対してだ」と述べ、感染予防対策に検査の徹底が「まだ十分ではない」と指摘しました。これによって、ネットでは「検査推進派」が勢いづいた

「両親に中国に帰れって言われてるんです。日本は危ないからって」 在日中国人のLさん(20代、女性)は言った。まあ一人娘を海外に送り出した親は心配に思うものですよ、大丈夫だと親御さんにお伝えすれば……と慰めようとしたら、彼女はこう言葉を続けた。 「確かに私も日本は大丈夫なのかな、怖いなって思うんです」 新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るうなか、日本でも街ゆく人のマスク着用率は日に日に上がっているように見える。ただ、それでもマスクをつけていない人も少なくない。時差通勤だ、リモートワークだと話には聞くものの、現実はというと満員電車での通勤の日々。お店には量り売りの惣菜が売られているし、その前でおしゃべりをしている人もいる。中国ではほぼすべての会社や学校が閉鎖されたほどの厳戒態勢で、友だちからも「街には人影はない」なんて連絡が来るのに、日本は緊張感がなさすぎるんじゃないでしょうか……。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、コンサートやイベントの中止が相次いでいる。安倍晋三首相は2月26日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、今後2週間は全国的なスポーツや文化イベントの中止や延期、規模縮小を要請した。Perfumeも福山も中止、東京事変は決行で大炎上 「26日に東京ドームで予定されていたPerfumeの最終公演や、京セラドームで行われるはずだったEXILEの最終公演は当日中止になりました。横浜アリーナで3月19、21、22日に開催を予定していた福山雅治の30周年ライブや、2月29日、3月1日の浜崎あゆみなどもそうです。椎名林檎の東京事変は開催決行しましたが、大バッシングに遭っている。情勢を考えると今後もライブやコンサートは軒並み中止でしょう。 ドームなどでの大型ライブが中止になると主催者の損害は2億円をくだらない。さらに今年はオリンピックイヤーでもあるため、会場の都合

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