「新型コロナウイルスは、封じ込める事が可能である」と、身をもって体験した。 私が住む中国の人口850万都市・南京市では一時、感染者の総数が93人に上った。しかし、南京市発表によるとその後、全員が退院し、死者はゼロ。地理的に武漢に近い地域でありながら、南京はどうしてここまでウイルスを封じ込める事ができたのか。中国への入国者を感染の有無に関係なく防護服を着せて、ホテルで隔離……。AIロボットが薬を運ぶなど、SARSを教訓とした病院……。そして、市民の協力……。賑わいと「安心」が戻ってきた街に出て、最前線で見えない敵と戦い続けた人たちを取材した。 ●南京の徹底した隔離政策 2ヶ月間で感染者93人、死亡者ゼロ 日本人である私は南京市で、中国人の妻と共に番組制作会社を経営している。 1月下旬、新型コロナウイルスが中国全土で感染拡大し始めると、南京市は直ぐさま市民の移動制限を開始し、日本出張から帰国し

新型コロナウイルスの感染者が中国全土に広がる中、2月19日〜3月2日まで「12日間連続で新規感染者ゼロ」を実現した都市がある。それが、筆者が住む江蘇省南京市だ。南京市は中国東部に位置する江蘇省の省都で、人口約850万の大都市。累計感染者は93人、現在は63人が治療を終え、残りは30人。死亡者はゼロだ。中国有数の都市として経済発展も著しく、大勢の人が行き交う街で、どのようにして新規感染者をゼロに抑え続けているのか? 徹底的な監視体制を敷く南京市のコロナ封じ込めの現場を歩いた。 <2週間の強制隔離システム> 私は、中国人の妻とともに5年前から南京市でネット番組を制作しており、日本と中国を行き来している。2020年2月中旬、日本への出張を終えて南京市に帰ってきた私は、帰国日から2週間、自宅待機を余儀なくされた。その日、私が空港から直行で自宅に向かうと、門の前で守衛が私を止め、「もしマンション内に

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