平成 25 年度児童文学連続講座-国際子ども図書館所蔵資料を使って 1 資料紹介 「少年少女SF小説全集の興亡」 国際子ども図書館資料情報課長 西尾 初紀 1. 幼年期の始まり(1950 年代後半~1960 年代前半) ジャンル名の模索:冒険、空想、科学、 “推理・探偵”ものとの同居 許容の背景:戦後復興と工業化、空想科学映画の隆盛 2. “SF”登場(1960 年代後半) 日本での下地:邦人作家と日本SF 作家クラブ 大衆化への発展展開:怪獣ブームとアポロ月面着陸 3. 百花繚乱・ビッグバン(1970 年代) 出版社のドル箱企画:各社競合、続編・再刊 マニエリスム: “怪奇・恐怖”ブームとの同調 4. 凋落への兆し(1980 年代) 売り出し方の模索:メディアミックス、他ジャンルとの再融合 5. 失われた“冬”の時代(1990 年代) 新企画「0」の年月 6. 2001 年復活への
大体四十歳前後から、発作的に昔を懐かしんで果てしなく思い出がよみがえる伝染病に罹り重体となる例が観測されますが、さっきから発病したようなので、勢いにまかせて中学・高校生のころに読んだSF・ファンタジー・伝奇モノ、ヤングアダルト小説のまとめ。 栗本薫「グイン・サーガシリーズ」 グイン・サーガ1 豹頭の仮面 posted with amazlet at 15.05.16 早川書房 (2012-08-01) 売り上げランキング: 3,791Amazon.co.jpで詳細を見る これは一巻読んだ時衝撃だったなぁ。中学生のときに一気に僕をファンタジー沼に引き摺り込んだ作品で、グイン・サーガを読む→グイン・サーガを読んでいることが知られる→TRPGの友達が出来る→毎週末はD&Dという中学時代の日常が確立されることに。瘴気が強すぎてグル・ヌーから帰還を果たすのにそうとう時間がかかったのである。なにげに

日本SF・幼年期の終り―「世界SF全集」月報より 作者: 早川書房編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/08/25メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (24件) を見る より、森優氏の文章。元は「SF全集」編集後記から孫引きしたもの。 文学SFの代表作品としてオーウェルの「一九八四年」を選んだところ、今だから言えるのだが遺族の夫人から「SFの全集に入れられるのは心外」という抗議が来た。現代文学としてのSFについて汗だくの説明につとめ、やっと納得してもらったが、こうした偏見を打破することもこの全集を出す意義と目的の一つでもあったのだ… 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/07/18メディア: ペーパーバック購入: 38人 クリック: 329回この商品を含むブロ

1980年後半、RPGの文化がライトノベルを席巻していきます。『ロードス島戦記』と『スレイヤーズ』の登場です。それまではエロスとバイオレンスといわれていたライトノベルが、いっきに異世界ファンタジーばかりになるわけ。 当時、アニメブームが終了して空白となっていたオタクコンテンツの領域を狙って、まだ目新しかったテーブルトークRPGやコンピュータRPGを猛プッシュして、角川や富士見がブームを作り上げていったという感じです。それまでのソノラマ文庫やコバルト文庫が、文庫の方向性を確立するのに創刊から数年かけていたのに対して、特に、富士見ファンタジア文庫は、はじめからオタク向けファンタジーを狙い撃ちですからね。 『スレイヤーズ!』の売り上げのピークが1996年、異世界ファンタジーのもうひとつの代表作『魔術士オーフェン』のアニメ化が1999年なので、少なくとも1990年代後半まではライトノベル=異世界フ

映画はもう子供のころから何度となく観ていたけれど、原作小説は読んだことがなかったという作品の一つだったのだが、ついに読んだ。やはり日本SF黎明期を代表する一作で、1971年の発表直後からベストセラーとなり、戦国時代へ自衛隊がタイムスリップして大活躍というプロットは多くのフォロワーを生んで、歴史改変SF、架空戦記小説ブームの火付け役となった。軽い気持ちで読み始めたのだけど、実は適切な軍事考証、歴史考証がなされ、かつ、きちんとエンターテイメントの王道行くので凄く面白いのだ。 魅力の一つには軍事考証へのこだわりがある。映画だとさくっと一小隊がタイムスリップするのだが、小説ではタイムスリップに至る米軍・自衛隊合同演習に向けた各方面軍の展開が描かれ、主人公たちの部隊がどのようにタイムスリップの現場へ終結していくかが描写されている。この辺、ミリタリーファンにはたまらないのではないだろうか。 最初の出だ

1960~70年代生まれのミステリ・ファンには、このシリーズが海外ミステリを読み始めるきっかけになった人が多いのではないだろうか。たいていの学校図書館に入っていたシリーズだし、作品選択もなかなかよく考えられていた。原則として1冊に長篇2作 (片方が短篇の場合もあるが) を収録しているので、相当大胆なアブリッジ (簡約化) を行なっている訳だが、アレンジの仕方が上手かったのか、ストーリーの面白さは失われていなかったように思う。 もちろん、後に (大人向けの) 完訳本で読む前に、子供向けに書き直された不完全なテキストで真相を知ってしまうというマイナスの部分もあり、こうした児童書で海外の名作を読むことには功罪両面があるのだが、いまでも懐かしむ声が多数聞かれることからみても、ミステリ入門篇として優れたシリーズであったことは否定できないだろう。 監修者には川端康成、中野好夫らの名前があるが、こうした
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名将たちにまた会える! 「銀河英雄伝説」再アニメ化決定 –ねとらぼ 往年の人気SF小説「銀河英雄伝説」が再アニメ化だそうで、原作は中高生のころに繰り返し夢中で読んだので色々思い出深い。小学生のころから歴史読本を買ってもらって大喜びする変な子ではあったが、あきらかに僕の歴史好きに拍車をかけたのが「銀英伝」なのは間違いない所だ。 [amazonjs asin=”4488725007″ locale=”JP” title=”銀河英雄伝説全15巻BOXセット (創元SF文庫)”] 旧アニメ化シリーズは、その豪華キャストから銀河声優伝説の別名もあるようで、現代のアニメーション技術と声優・スタッフ陣でどのような大作が作られるのか楽しみにしたい。とりあえずアニメ化と聞いていの一番にアンドリュー・フォーク=C.V.子安武人さんを余裕で想像した。あとアンネローゼは大原さやかさんよな。 アスターテ会戦とナポ

「これがSFだ!」という定義はなかなか難しく、ファンの間でもしばしば議論になったりしますが、そんな奥の深い世界を1枚にまとめてしまったのがこの図。他の文学ジャンルの発展とともに、SF史を一目で理解することができるようになっています。 これはアメリカ・ニューヨーク在住のデザイナー、ワード・シェリーさんが2009年に作成したもの。 様々なジャンルの文学がどのように進化・分化していったのかを4400×2364ピクセルという巨大な画像にまとめています。自分の好きなジャンルとそうでもないジャンルが意外なところでつながっているのを発見できたりします。 The History of Science Fiction (JPEG)(拡大) 中世が終わり、合理主義が台頭してきたあたりがSFの出発点。科学技術が進歩した上、地球の様々な場所への探検やユートピア思想によって、まだ見たことのない理想的な社会への憧れが

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先日いただいた「星新一 一〇〇一話をつくった人」という本があまりに面白くて一息に読む【むせて咳き込むおれカネゴン】。作者がSFに毒されていないところがカネゴン的にありがたい。 藤子・F・不二雄といい星新一といい、短編の切れ味がこういう形で鋭い人はどこか年齢に比べて幼いというか稚気を隠しきれないところがあるような気がしてしまう。それというのも、こうした作品を作るのに最も重要なのは「他人が大事にしているものを大事にしない」ことであり、他人が深々と腰掛けてその存在すら忘れているソファの足を唐突にへし折ることでもあり、がまんできずにそういういたずらをかましてしまうためには大人成分はどうしても邪魔になってしまうからなのかもしれない【もしや今でもおれカネゴン】。 同書内で星新一が最も影響を受けた本として「空想自然科学入門 (ハヤカワ文庫 NF 21 アシモフの科学エッセイ 1)」を挙げていたのだけど、
『太陽風交点』事件 第1回日本SF大賞受賞作『太陽風交点』をめぐって起きた訴訟にまで発展した事件。 これに関しては次の予備知識が必要。 ・日本SF大賞は小松左京が駆けずり回ってできた賞である。 当然まず最初に早川に協力を打診したが、いい返事をもらえなかった。 困っていたところに、徳間書店の故・徳間康快氏が協力を申し出た。 ・当時はSFブームであり、老舗のSFマガジン以外にSFアドベンチャー(徳間)、 新・奇想天外、SF宝石などの専門誌が発行されていた。 一般の小説誌でもSF作家は引っ張りだこだった。 ・受賞時、単行本『太陽風交点』は絶版(って言葉は早川にはないらしいから入手困難)だった。 それ故に、小松左京が『受賞作(になるかもしれない)なので増刷か文庫化をしてくれ』と申し入れた。 早川は色好い返事を返さなかったので、徳間に話を持っていったところ快諾され、出版契約が書面で交わさ
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