昨日の夜、ちょうど同僚の書いた記事を読んだり、自分の書いた記事を見返したりしながら、連想的に思ったこと。 自分は3年半前にはじめて、エンジニアリングマネージャーの責をもらった。その仕事をする上では、とにかく自分がたどってきた社会人エンジニア約10年の経験が、もれなく役に立った。 しかしその中でも特に役に立ったと言えるのは、自分にとって最も忌まわしい、全く活躍できず、周囲からも疎まれていて、自分は何の役にも立っていないと感じ続けていた、新卒時代の1年間の経験である。 メンバーが、自身の能力を最大限に発揮できるように、工夫すること。特に、いま自己効力感が低かったり、何かうまくいっていないメンバーから、光るものを見つけて、それを活かすように支援したり配置を考えるということ。マネージャーになってから、この3年半一貫してずっとやってこれたことの一つだと、ある程度胸を張って言える。 SHEという、いま

2025年12月27日、天音かなたが6周年記念日をもってホロライブを卒業することが発表された。 声明文には「想定外の業務負荷」「自身の活動が回らないほどの集中負荷」「心身の状態による活動継続の困難」という三つの理由が明記されている。 これらは個人の事情ではなく、組織の運営構造がタレントの活動領域を適切に管理できていないことを示すシグナルであり、単発の事象として切り離すべきではない。 従業員数の増加や組織編成の変更がたびたび公表されてきた一方、タレント本人への負荷は減っていない。 結果として、体調面に不安を抱えながら長期間活動してきた天音かなたは最終的に「限界」を理由として卒業を選ばざるを得なかった。 単なる“体調不良”ではなく、業務設計と負荷管理のミスマッチが引き起こす構造的疲弊が背後に存在する。本稿ではタレント側の問題に矮小化せず、「カバー株式会社という組織の運営構造にどのような課題が

これまで自分が退職する側としても見送る側としても多くの退職に立ち会ってきた。退職はいつだって慣れないモノだ。同僚との別れは寂しいし、自分のチームのメンバーが去ることはとても辛い。退職情報をどのように取り扱い、どのように社内共有するかにはこれまで働いてきたどの会社も困っていたし、実際、完璧にやるのは不可能だと思う。退職は人事情報であるため機密情報である。だから取り扱いには慎重になってしまう。なんとなくネガティブなニュアンスも孕むので、積極的に触れるべきでない腫れ物のような扱われ方もされがちだ。退職のための事務手続きのフローが定められていたとしても、実業務の引き継ぎや社内公開のタイミングは「ケースバイケース」で決められることが多く、つまりグダグダになりがちだ。メンバーが退職したときのことなんて考えたくないこともあり、事前に細かい情報共有ポリシーなどは定められていないことが多い。ある人の退職
これは「あらたま・いくおのAdvent Calendar 2025」5日目のエントリです。 昨日はyuya moriさんの『「マネジメントやるのもその育成も無理ゲー」を整理する』でした。 ぼくがこのアドベントカレンダーに登録しようと思ったのは、「あらたま・いくおのマネジメントRadio」がとても好きだからです。 ぼくは言語優位・視覚優位なタイプで、耳からの情報処理があまり得意ではなく、Audibleやポッドキャストを聴く習慣はほとんどありません。ですが、お二人のポッドキャストは、仕事柄共感することも多く、自分にとって身近な話題が多いのですんなり聴くことができ、いつも楽しませてもらっています。 お二人のお話を聴いていると、「いつも楽しそうだな〜」と微笑ましい気持ちになります。マネジメントにまつわる話題なので、時にはシビアな話もあるわけですが、そういうときにもあまり深刻さは感じません。きっと日
これはKyashアドベントカレンダー2025の3日目の記事です。 昨日は 田中さん の [入社エントリー]Kyashに入社しました でした。 はじめに こんにちは、KyashのモバイルチームでEMをやっている加藤(@nitakan)です。 この記事では、EMになって5ヶ月くらい経ったけどプレイヤー脳を捨てきれていない自分への振り返りです。 元々KyashのモバイルチームEMは @_rmakiyama が担当していましたが、彼が育休を取得することになるのと、自分のキャリア的にも挑戦したらどうかということで任せてもらうことになりました。 今のKyashは所謂マトリクス型の組織で、縦に事業部、横にエンジニアリング部とモバイルチームがあります。 今は、横軸では「モバイルチームのEM」でありつつ、縦軸では「ウォレット事業部のメンバー」という立ち位置で働いています。 この記事でいう「プレイヤー脳」とは
はじめにアジャイル開発では、技術やビジネスといった側面だけでなく、開発を担う人々の「人的側面」への取り組みが欠かせません。この記事では、その「人的側面」を強化する効果的なアプローチとして、「システムコーチング®」を紹介します。 特に「アジャイル・フルーエンシーモデル(アジャイルのプラクティスを包括的にまとめるモデル)」とシステムコーチングとの相互補完性に焦点をあて、ログラスの事例を交えて具体的な効果を探ります。システムコーチングを導入することで、チームや組織にどのようなインパクトがあるのか、そのポイントをお伝えします。アジャイル開発とはアジャイル開発は、顧客の要求に迅速に対応するためのソフトウェア開発手法の総称です。短期間のイテレーションを通じて、開発チームは頻繁に製品のリリースを行い、顧客のフィードバックをすばやく取り入れることができます。 このアプローチはその柔軟性と迅速性により

AIツールを導入した結果、コーディングなど個人の作業スピードは上がった。けれど、チームや組織レベルのパフォーマンスはほとんど変わらない。むしろ、問題や混乱を招いている──そんな経験はないだろうか。 このギャップこそ、AI導入を進めた多くの組織が直面しているミステリーだ。AI導入に関する2025年版のDORAレポートは、その原因が個人のスキルではなく、組織全体を動かす「システム」にあると指摘している。AIの真価を引き出せるかどうかは、ツールの性能や個人のスキル以上に、それらを組み込む組織構造やプロセスに左右される。本稿では、ソフトウェアデリバリーにおけるAIの力を最大限に引き出すための二つの鍵、「フロー」と「摩擦」に焦点を当てる。組織の流れをどう整え、どのように摩擦を取り除くべきか。その核心を探っていこう。 🎧本記事のAI音声解説版をポッドキャストで公開中 open.spotify.

本日、サイバーエージェントの2025年9月期の本決算を発表し、今期は、売上高8740億円、営業利益717億円という結果で着地しました。同時に、次期社長の候補者(山内隆裕)を発表しました。12月に開催される株主総会を経て正式決定する見込みです。私は、創業来27年と9ヶ月務めてきた社長を退任し、会長に就任します。 業績のほうは好調で、創業から28期連続増収を達成しています。インターネットの激しい変化の荒波に揉まれながら、事業ポートフォリオもたくさん入れ替わってるのに、どうして長年に渡ってそれが出来たのか。その理由は、定期的に人間ドックを受けて、健康への対策を怠らなかった人と同じです。将来起こりうる問題を、自分たちでくまなく探し、そこに手を打つことを怠らなかったからです。足元の好調な業績は、過去に行った努力の結果に過ぎません。もちろんそれは、あした会議や合宿など弊社の伝統的な定例行事を通じ、今も

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