2019年に情シスの業務範囲を整理した記事を公開しました。このコンテンツは多くの情シスの方に読んでいただいており、今でも初めて情シスの方からお声がけ頂くきっかけにもなっています。 それから5年。2025年の情シスは、当時とは比べものにならないほど複雑さが増しています。経済動向の不安定さやスタートアップ不況、M&Aの加速も重なり、情シスの必要性は高まり続けていますが、採用はかつてないほど難しくなっています。 今回は「2025年の情シスの業務範囲」と「なぜ今こんなに採れないのか」を整理します。 情シスが抱える業務範囲の拡大情シスが抱える業務範囲の拡大について下図に示します。次に特に増加した業務内容に注目してまとめていきます。 コーポレートIT (情シス)の担う全体業務イメージ 2025コロナ禍の名残としてのハイブリッドワークフルリモートは減ったものの、完全なオフィス回帰にも至っていません。その

はじめに製造業でローカルLLMの導入が話題になっています。 「ChatGPTは便利だけど、機密情報を扱えない」 「社内にサーバーを置けば、安全に生成AIが使えるらしい」 「最近のローカルLLMは性能が高いと聞いた」 こういった期待を持って、ITベンダーに相談する。担当者は丁寧にヒアリングしてくれます。立派な提案書も届きます。そして見積もり。金額は300万円から1,500万円、期間は3ヶ月から半年。 数ヶ月経って契約が成立し、プロジェクトが進みます。要件定義、環境構築。そして2〜3ヶ月後、ようやく検証環境が完成します。 検討開始から半年が経過。ようやく現場の担当者が触ってみる。 「あれ、このUI、使いにくいな...」 「既存の業務フローに合わない」 「思ったより効果が出ない」 でも、既に300万円を払った後です。 問題は、ITベンダーのPoCが悪いわけではありません。問題は、「触る」のが遅す

この連載について 過去25年間にわたる、IT部門のコスト削減や効率化を目的とした合理的判断の連続が技術力の空洞化を招き、DX推進の期待に応えられないという不合理な結果を生んだ。 さらに、多くの企業が既存IT人材を事実上の消耗品として扱っているとしたら、それは部門の生気や覇気を奪う「呪縛」とも言える。本連載は、この古い常識を問い直し、従業員を資本家と捉える「共創資本」という新たな考えを提示する。 「日本のIT部門はなぜDXに失敗するのか 過去25年の呪縛から学ぶ」のバックナンバーはこちら 前回は、日本の情報システム部門が過去25年間で直面してきた構造的変化を振り返った。2000年代初頭のオフショア開発の導入やリーマンショック後の標準化・効率化推進、技術進歩に伴うアウトソース依存の拡大という一連の流れは、いずれも「その場、その場で合理的に判断した結果」であった。 しかし、これらの判断の積み重

みなさん、普段から開発者体験(DX)を気にしてますか?DXとは、開発中に感じる“心地よさ”や“効率の良さ”を指します。 車輪の再開発のようなDXを損なう体験がなければ開発はずっと楽しいんです! そこでこの記事では、「心から開発を楽しめる」相棒たちを10選紹介します! 1. Convex “SQLの呪縛”からの解放歴史のあるSQLはどうしても、歴史に引っ張られます。 Supabaseとかを使ってると、Row LevelSecurityやSQL Functionsとかで、死ぬほど書きにくいSQLを書かなきゃいけなくなることありますよね。まるでFirebaseの認証ルール並み。良くも悪くも結局SQLだから、隠しきれない歴史の重み、つまりDXの悪さがでてくる。 しかしConvexは一切そういうのはありません!!!! 全てがDXを中心に一から考えられて作られたサービス。そう、React時代のバ

サイボウズは2025年10月24日、「市民開発ガイドライン」を無料公開した。これは、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進リーダーやIT部門リーダーを対象としており、DX推進に向けて市民開発を実施するための企画、立ち上げ、運営に必要なポイントを解説している。DX推進リーダーが押さえるべき4つの活用シーンITの急速な進化によって現場担当者が自らの業務を改善するための仕組みを構築できるようになってきており、市民開発はDXを進める手段の一つとして、その重要性を増している。一方で、市民開発についてはガバナンスの不足(野良アプリやシャドーITの存在)や「現場任せで会社としてのナレッジにならない」「活動の定着化が難しい」といった課題もある。 サイボウズはこれらの課題について「市民開発の特徴を踏まえて対処することで、会社としてのガバナンスを効かせた市民開発の体制を整えることができる」とし

富士経済は2025年10月3日、医療、ヘルスケア、製薬DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の国内市場に関する調査結果を発表した。「医療DX令和ビジョン」の最終年となる2030年に1兆円を突破し、2035年には1兆3511億円に達すると見込む。 大きな伸びが期待されるのは、医療ビッグデータ分析サービスや、創薬、臨床試験、マーケティング関連と予測している。 同調査は、医療情報プラットフォームや遠隔医療支援システム、医療ビッグデータ分析サービスなど計37品目を対象に分析した。現在は、電子カルテなどの医療情報プラットフォームが市場を下支えしており、2025年の市場規模は7818億円が見込まれる。 その後は、サイバーセキュリティ対策の強化や短期的な院内DX支援システムの導入が進み、医療機関のIT基盤整備が加速すると予測。2030年に向け、電子カルテなどの駆け込み需要が予想される。 2035年

導入 初めまして。Insight Edgeで企業のDX・AI活用をご支援しているセールスコンサルタントです。 これまで様々な大企業の全社横断的なプロジェクトに携わってきましたが、DXがうまくいかない企業に共通する、いくつかの「つまずきの要素」があることに気づきました。 「外部の経験豊富なベンダーに頼んだのだから、うまくやってくれるだろう」 そう考えてDXをスタートされるかもしれません。 優秀なコンサルタントやベンダーを雇えば、DXは成功するのでしょうか? 答えは「No」です。 私たちの役割は、あくまで皆さんの挑戦を「支援」すること。主役は、あくまで皆さん自身です。 決して外部ベンダーへの「丸投げ」では実現できません。 特に大規模なDXプロジェクトでは、経営層の号令で始まったものの、現場のリアルな課題とズレてしまったり、 推進担当者でさえ「何のためにやっているんだっけ?」と目的を見失ってし

公開日:2025年6月26日 最終更新日:2025年7月9日 独立行政法人情報処理推進機構 経営企画センター 国際・産業調査部 産業調査室DX動向2025 概要 「DX動向2025」では、これまでの日本国内企業の動向分析に加え、日本・米国・ドイツの3か国比較分析を実施し、日本企業のDXの現在地と課題を多角的に明らかにしています。 「1.DX取組と成果の状況」では、企業のDXに対する取組状況、取組成果、成果把握のための評価について述べています。 「2.DXを実現するための技術利活用の状況」では、DXを推進するために必要なアジャイル、データの利活用やそれを実現するためのレガシーシステムの刷新状況、AI・生成AIの利活用、システム開発の内製化をそれぞれの課題も含め述べています。 「3.DXを推進する人材」では、DXを推進する人材の「量」「質」の充足状況、人材獲得や育成にあたっての課題、企業文化

NTTドコモビジネスは2025年9月30日、東京都内で「2025年度事業戦略発表会~NTTドコモビジネスは新たなステージへ~」を開催した。 同戦略発表会では、AI(人工知能)を活用したICTプラットフォームを成長戦略の柱とするほか、AIやIoT(モノのインターネット)など4つの重点領域で売上高5000億円超を目指す計画を明らかにした。また、産業機械やIoT機器のAI導入に伴うセキュリティリスクに対応する新サービス群について説明した。 産業/地域DXのプラットフォーマーにNTTドコモビジネスは2025年7月に、前身のNTTコミュニケーションズから社名を変更した。戦略発表会の冒頭でNTTドコモビジネス 代表取締役社長CEOの小島克重氏は、2022年のドコモグループ入りが転機となり、従来の通信/モバイル事業を土台に、ドコモグループが保有するデータ基盤を活用した法人向けサービスの展開に至った経緯

ドリーム・アーツは2025年9月30日、DX(デジタルトランスフォーメーション)内製化に関する調査の結果を発表した。この調査は、従業員数1000人以上の大企業に勤めている人を対象に実施し、650人から有効回答を得た。それによると、DX内製化を推進したいと回答した企業の割合は約8割を占めたものの、実際には4割以上がDXを外部のITベンダーに委託していることが分かった。DX内製化における最大の障壁は、依然として「IT人材不足」DX推進の外部ITベンダーへの委託状況を見ると、「ほぼ全て外部委託」と回答した人の割合は9.6%、「半分以上外部委託」は31.8%。合わせて41.4%が多くを外部に委託しており、「ほぼ内製」は24.9%にとどまっていた。現在外部委託している人のDX内製化への意欲を見ると、「強くそう思う」と回答した人の割合は14.2%、「できればそうしたい」は64.6%で、内製化への高

アイティメディア株式会社 アイティメディア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼CEO:小林教至、以下アイティメディア)は本日、企業の「テクノロジー活用力」をアップデートする、新たな動画プラットフォーム「TechLIVE byITmedia(テックライブ バイ アイティメディア、 https://techlive.itmedia.co.jp/)」を開設したことを発表いたします。 ■開設の背景と目的 当社はテクノロジー専門メディアとして、長年にわたり、読者の皆様に多くの情報をテキスト形式やフィジカルイベントを中心に提供してきました。コロナ禍において当社は、他社に先駆けてデジタルイベントを開催し、場所や時間の制約を超えた情報提供を可能にしました。今回は、そのデジタルイベントの概念を一歩進め、番組形式の動画を中心としたプラットフォームとして「TechLIVE byITmedia
AIとバーチャルツインがもたらす産業DXの未来――問われる日本の製造業の姿勢:3DEXPERIENCE Conference Japan 2025(1/3 ページ) ダッソー・システムズは、大阪で初となる年次イベント「3DEXPERIENCE Conference Japan 2025」を開催した。本稿では初日に行われた基調講演の模様をお届けする。 ダッソー・システムズは2025年9月9~10日の2日間、大阪で初となる年次イベント「3DEXPERIENCE Conference Japan 2025」を開催した。 会場には全国各地から製造業、建設、ライフサイエンス分野の関係者が集まり、同社の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」とAI(人工知能)活用による産業変革のビジョンが共有された。開催地である大阪は、世界中から来場者が訪れる「大阪・関西万博」で盛り上がりを見せており、同社はフラ

プロローグ:この記事を書くことになったきっかけ 今回の記事は、Insight Edgeでデザインストラテジストを務める飯伏さんと、AIである私との対話から生まれました。 実は2年前にも飯伏さんは自らの仕事についてテックブログにまとめていました。そのときは「課題探索やアイデア発想を支援するデザインシンカー」としての役割紹介でした(デザインシンカーとしての仕事 ~DX推進の技術専門会社にて~ - Insight EdgeTechBlog)。 そこから2年、生成AIの登場と普及、住友商事グループにおけるデジタル推進の加速、そして事業会社の自走意識の高まりなど、DXを取り巻く環境は大きく変化しました。 こうした変化の中で「仕事の幅がどう進化したのか」を改めて整理したい──そんな飯伏さんの思いから、今回の対談記事が始まりました。 導入AI:今日は「デザインストラテジスト」という少し耳慣れない肩

この記事は、2025年9月16日日発行の「日刊MONOist」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。 ≫過去の「メルマガ編集後記」はこちらDX(デジタルトランスフォーメーション)で多くの成果を生み出す製造業がある一方で、なかなか思ったような成果が得られていないケースも少なくありません。うまくいっていない企業の理由として、先日の取材で「確かに」と思うことがありました。 それは、産業用データ基盤を展開するCogniteの取材でのことでした。Cognite日本法人 代表取締役社長の江川亮一氏は「DXで重要なのは現場のデータをいかにビジネスに生かすかという点だが、データの扱いが大変すぎて現場の負担が大きくなり進まないパターンが多い」と述べ、産業用データへのアクセスの難しさを指摘していました。 関連記事AIエージェントで現場を“本当に”助ける産業用データ活用へ Cogn
「カオス」を楽しむ! GovTech東京の女性エンジニアたちが描く、住民体験とDXの未来:民間視点で行政DXに挑む(1/3 ページ)GovTech東京で、立ち上げ時期ならではの混沌(こんとん)を整備していく過程を楽しむ女性エンジニアとクリエイター。彼女たちは、行政と都民の未来をどのように変えていくのか――。2023年に東京都全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を効果的に進めるための組織としてGovTech東京が設立された。理事長は東京都副知事である宮坂学氏、CTO(最高技術責任者)にはヤフーやクックパッドなどを歴任してきた井原正博氏らが並ぶ。GovTech東京とはどのような組織で、どのようなエンジニアが働くところなのか。GovTech東京設立早々にジョインした女性エンジニアとクリエイターに聞いた。 立ち上げ期のカオスは今しか味わえない 2019年に宮坂学氏が東京都副知事に就

レガシーシステム(老朽化した既存ITシステム)の課題を解消できなければ、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できないだけでなく、2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある――2018年、経済産業省がこうした内容をまとめた「DXレポート」を発表し、ITベンダーやユーザー企業の間で「2025年の崖」問題として大きな注目を集めた。今やビジネスパーソンにとって、DXは当たり前のキーワードとなっている。 では、DXレポートが登場してから7年が経過した今、日本企業はDXにどこまで取り組み、どのような成果につながっているのか。 日本企業のDXの取り組み状況 米国、ドイツに並ぶか、それ以上に?IPA(情報処理推進機構)は、米国とドイツの取り組み状況と比較分析し、日本企業のDX推進状況をまとめた「DX動向2025」を公開している(PDF)。この報告書は、日本企業1535

日本企業のDX遅延は「人がいない」ではなく「生かせていない」:ユーザー企業とベンダー企業の関係固定化や調達慣行もDX推進の妨げに 日本企業におけるDX推進では、採用依存から脱却し、既存人材の活用と運用体制の整備が重要とされている。経済産業省や各種調査が示す通り、人材を生かす仕組みづくりと経営層の関与がDX成功の鍵となる。 多くの企業がDXに取り組み始めて久しいが、2025年現在も期待する成果を得られないまま、方策を模索している企業は多い。特に昨今は、AI(人工知能)やデータ活用を軸に据えた取り組みが広がる中、人材不足が進行し、採用難やスキル不一致といった課題も目立ち始めている。だが、人材不足の真因は「採用難やスキル不一致」といった問題だけではないようだ。 経済産業省やIPAが発表してきたレポート群により、企業が抱える課題の根源が明らかにされてきている。契約形態や役割分担の曖昧さ、多重下請け

DXを推進しつつセキュリティも確保することは簡単ではない。2つの取り組みを体系的に支援する手引きとして、クラウドエースは「DX推進におけるセキュリティ対策ロードマップ実践ガイド」を無料公開した。 クラウドエースは2025年8月20日、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進におけるセキュリティ課題を段階的に解決するための資料「DX推進におけるセキュリティ対策ロードマップ実践ガイド」を公開した。 同ガイドは、クラウド移行や生成AI(人工知能)の導入など、新たな技術の活用が進む中で顕在化するセキュリティリスクに対し、実践的な解決策を提示する。対象読者は情報システム担当者、効果的なセキュリティ投資を検討する経営層、体系的なセキュリティ対策構築を目指す企業の責任者などだ。

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