婚姻減の環境要因出生数が減り続けているのは婚姻数が減ったからだ。 これに関しては、最近ようやく世間的に認知が広まっている。 婚姻が減った要因に大きくふたつの環境変化がある。ひとつには社会環境があり、これは簡単に言えば、昭和まであった「職場という疑似家族的共同体」の崩壊がある。これの詳細についてはこちらの過去記事を参照されたい。 参照→日本の結婚は30年前にはすでに詰んでいた。失われた社会的システム そして、もうひとつは経済環境である。 特に、2014年以降、明らかに「結婚するにも子どもを持つにも金が必要」という結婚に対する意識のインフレ化が進んだ。20代の若者が思う「結婚可能年収」は、2014年時点ではまだ379万円であったものが、それ以降右肩上がりに上昇し、最新の2024年では544万円にまで上昇した。実に2014年対比で約1.4倍である。 そして、実際の婚姻している男性の年収もその通り

「MIRAIには未来はない」理由を、理系のはてなーにわかるように書く の続きで、バス・トラックのFCV化の可能性について書こうとしたんだけど、そこからだんだん水素社会自体について考え始めてしまったのでダダ漏れで書きます。 バス・トラックのFCV化はまだ目があるのか前増田のブコメで「バス・トラック分野についてはEVよりFCVのほうが優位なのでは?」という指摘を何件かもらった。技術的には概ねその通りだと思う。前増田で挙げたFCVの諸課題は、(2代目MIRAIが実際にそうしたように)車全体のサイズを大きくするほど希釈・軽減されていく性質がある。一方でEVのほうは、車が大型化し、求められる航続距離と出力が大きくなるほど必要な電気容量も増え、それに伴ってバッテリセル部の大型化・重量増・充電時間の長時間化という問題が重くのしかかってくる。 だから、FCVを自家用車のスケールに展開しようとすると技術的に

先日、小宮友根さんが表現規制についてエッセイを書いていた。それに対する評論はアンコリさんがやっているが、基本的には「累積的な抑圧経験」によってそれを想起させる表現への対抗を正当化していてる。 私はこれを読んでいた際、小宮さんの議論に則ったうえでメンズリブの議論をする、ということが可能であることがどうしても気になった。男だって……という論法はwhataboutismだと思うので、前回評論である「表現規制論と女性の自発的モノ化」ではあえてやっていなかったが、彼のエッセイを読んでいた際、whataboutism以上のものであるのではないか――ということが気になったのである。 男性に対する

糖尿病は自己責任。政治家や官僚から、そんな発言が繰り返されています。彼らは生活習慣が関係するといわれる「2型糖尿病」のことを指して言っていますが、2型糖尿病の自己責任論には医学的にどれだけの根拠があるのでしょうか。糖尿病の診療に30年以上携わってきた野田光彦・埼玉医科大教授に聞きました。 記者 糖尿病は大きく二つに分かれますね。インスリンをつくる膵臓(すいぞう)の細胞が何らかの原因で壊れてしまうのが1型。こちらは生活習慣病ではありません。一方、2型は肥満や運動不足が発症にかかわるので「かかった人の自己責任だ」という見方が根強くあります。 野田氏 日本人で糖尿病と強く疑われる人は約1千万人で、このうち2型糖尿病が95%を超えるといわれます。2型糖尿病の患者さんの中に、生活習慣が乱れている人が含まれているのは否定しません。ですが、2型の患者全体をそのようにみるのは間違いです。 日本の2型糖尿病

中国の「信用されざる者」。飛行機や電車に乗れない人が数千万いる2019.03.12 08:0537,475 Tom McKay [原文] ( mayumine )中国では、犬の散歩の仕方ですら間違えると、自分の信用情報に傷がつき、飛行機に乗れなくなるかもしれない…。 ディストピア先進国である中国の悪名高き「社会信用システム」は、すでに国民の活動の多くを制限していますが、すでに何千万件という単位で飛行機や電車のチケットの購入できない事例が発生していることが、先日のガーディアン紙の報道で明らかになりました。 国立信用情報機関が発表した情報によると、これまで1750万件の飛行機のチケットと、550万の電車のチケットの購入が制限され、「一度制限がかかると、その制限はどこでも適用される」とのことです。 ガーディアン紙によると、 社会的信用システムは、ペナルティと報酬によって「信用される価値のある行

千葉の虐待死では、児童相談所の対応について多くのメディアが取り上げている。 児童相談所の人員不足、組織の問題として取り上げているところがある一方で、多くが児童相談所の対応の不備を正義の鉄槌によって叩く論調がある。 もちろん、失われるはずではなかった尊い命が亡くなったことは、児童相談所にも責任はある。 対応が問題なかったとは言い切れない。 しかし、児童相談所を叩いていいという社会の風潮が、現にいま子育てに不安を抱え、困っている親を追い詰めることになる。 児童相談所を叩く論調の中には、児童相談所の権限強化、警察とのより強い連携、強権力による介入を強めるべきという意見も散見される。 果たして、本当にそれで虐待死が防げるのだろうか。 児童相談所が強制的介入を強めることが、本当に虐待の抑止力になるだろうか。 私はその点について、懐疑的である。 むしろ、社会が児童相談所を叩き、虐待を叩くことが、いま子
こういう記事を書くと「金持ちに嫉妬してるんだろう」と勘ぐる人が出てくるので、最初に書いておく。 私は、平均的な日本人よりもはるかに多くの税金を納めてきたし、これからもそうする予定だ。 金持ちのご機嫌をとらなくても再配分される社会にすべき理由は、次の3つだ。 (1)そもそも、「金持ちが稼いだ金が、金持ちのものである」というのが幻想だから。 我々の社会が社会主義ではなく、資本主義になっているのは、単に我々が、社会主義ではなく、資本主義を選んだからにすぎない。 「均等に富を分配する」という社会ではなく、「より多くの富を生み出した者に、より多くの富を分配する」という社会になっているのは、単に、人々がそれを選んだからにすぎないのだ。 そして、実は、我々の社会は、資本主義社会ではない。 「修正資本主義社会」なのだ。 つまり、日本人は、「より多くの富を生み出した者に、より多くの富を分配する」という社会を

今月、東京医大が、入学試験の際に女性受験生を一律に減点した問題が大きな話題になりました。この25日にも、被害対策弁護団が緊急ホットラインを開設したと報じられるなど、いまだに波紋を広げています。 大学に対する厳しい指摘の声が多く出る一方で、いわば「必要悪」、つまり女性医師が増えると医療現場が回らなくなり、医療の質が保てなくなる、との意見も報じられました。 実際のところ、どうなのでしょうか? 筆者は去年、このヤフー個人の記事の中で、医療の質の高さなどを世界195か国で調べた研究を取り上げました。 その研究によれば、確かに日本(女性医師率20%)の医療の質は、世界でも高いレベルに位置づけられています。 しかし日本より「高い」とランクされた国、例えばスウェーデンの女性医師率は47%、フィンランドに至っては57%と、女性医師の割合が日本よりはるかに多くなっています。(※1) データを見る限りは、「女

8月下旬から9月上旬の夏休み明け近くは、子どもの自殺が多くなる傾向がある。「学校に行くのがつらい」。そう思い悩む子どもたちの力になれればと、不登校や引きこもりを経験した若者たちが動き始めた。 内閣府の調査によると、1972~2013年の42年間に自殺した18歳以下の子どもは1万8048人で、日付別で最も多かったのは9月1日(131人)。夏休み明けが近づく8月20日以降は連日50人を超えた。自殺総合対策推進センターが7月下旬から9月下旬にかけての06~15年度の数字を分析したところ、8月下旬に自殺者数のピークがみられた。 「子どもの自殺が多い9月1日を前に何かしたい」。不登校や引きこもりの現状を伝える「不登校新聞」(発行元・NPO法人全国不登校新聞社)に、ポプラ社からこんな相談があり、今月2日、「学校に行きたくない君へ」が出版された。同紙の子ども若者編集部の記者たちが著名人にインタビューした

誰もが平等に社会に参加できる「共生社会」の実現を理念として、国が率先して進めたはずの障害者雇用制度。肝心の中央省庁が目標を下回っていたのに数字を水増ししていた疑惑が浮上した。不正は常態化していた可能性もあり、障害者雇用に取り組む企業や障害者団体からは怒りやあきれる声が相次いでいる。【金秀蓮、原田啓之】 「監督する立場の省庁が不正をするなんて、残念で仕方がない」。大手メーカーの人事採用担当者はこう憤る。障害者雇用促進法は、企業や国・自治体など事業主に対し、一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うよう義務付ける。厚生労働省は各省庁や民間企業に毎年6月1日時点の雇用数の報告を求める。過去1年のうち雇用率が達成できない月があった企業からは、1人分につき原則月5万円の納付金を徴収する一方、達成企業には補…

今の結婚制度は子供を作らない夫婦には有利なんだよ。LGBTへの差別は良くない。ハイハイ。同性婚には賛成。ハイハイ。だけどまず先に今の結婚制度は変えるべきでしょと思ったので書く。 我が家は子供が欲しくなくて作らなかった夫婦で、低収入ながら貯蓄もほんのり出来てきたので、今年から妻が無職になったんですよ。 夫婦合意の上で、1年か2年くらいブラブラして人生を満喫しようって。その後、妻が再就職したら、こんどは自分がブラブラする番になっている。 生涯収入が下がるデメリットは受けるのだし、自分たちの貯蓄で暮らすのだから、遊んで暮らすことについては誰に何を言わせるつもりもない。 ただこの件に関しては、結婚してると、結婚しているだけで優遇あるんですよ。 独身の場合、しばらく無職で遊んで暮らすには、住民税を払って国民年金を払って国民健康保険料も払わなくちゃいけない。 ただ息を吸って吐いて何もしないで生きるだ

重い障害のある入所者19人の命が奪われた「やまゆり園事件」から間もなく2年。「障害者は不幸を作ることしかできない」。命を選別する植松聖(さとし)被告の言葉は、社会に暗い衝撃を与えた。命の価値とはなにか。障害者の「きょうだい」として生きる人の目を通して考えてみたい。 あの事件の後、警察は被害者を匿名で発表した。遺族の強い希望という理由だった。 滋賀県の養護学校教諭、久保田優里(ゆり)さん(28)は匿名公表に胸が苦しくなった。兄の植松暖人(あつひと)さん(30)は脳性まひで重い知的・身体障害がある。偶然、旧姓が被告と同じだったことも嫌だった。 「障害のある人の死を数でしか語れない社会への違和感。一方で、家族が名を明かせない気持ちもわかるから、しんどかった」 兄を特別視せず隠すこともなかった両親のもとで育ち、幼い頃は兄の「障害」を意識したことがなかった。強く認識したのは9歳の時だ。 休日の午後、

初老の男性にシャウト!!!「ゲイがいるのは勝手だけど、俺のことを好きになられたら気持ち悪いって話だよ」 目の前の初老の男性がそう叫んだのは、佐々木俊尚さんとの八重洲ブックセンターでのトークイベント終了2分前、話題が「多様性」に及んだ時のことだった。 一瞬ポカン、その後ふつふつと怒りが湧いてきて「あーっだめダメ、怒っちゃ、ダメ!登壇者とお客さんなんてパワーバランス悪すぎだから!絶対に怒っちゃ!だめ!」と煩悶するも私の堪忍袋の緒はこういうケースにおいてはヨーヨー釣りのこよりぐらいには切れやすく、2秒後にはあっけなく瓦解、「私は!今の発言を聞いて非常にモヤモヤしています!」とシャウト、なぜならその会場には私のLGBTの友人がいたからで、そうでなくたって社会の7%、80人の会場なので80×0.07で5、6人はその会場にいたはずで、この場をそのまま終わらすわけにはいかず、会場はその日一番の盛り上がり

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