希望の党。小池百合子都知事が2017年9月25日、立ち上げを発表した新党の名前だ。ところが、これと同じ名の政党が、12年前に総務省などが製作した短編映画に登場するとして、話題を呼んでいる。 その内容はしかも、啓発作品としては異例のディストピア的なものだ。果たして、その内容は――? 監督は「ガメラ」「デスノート」の金子修介氏 問題の映画「希望の党☆」は2005年、オムニバス映画「It's your CHOICE!」の一編としてウェブサイトなどで公開された。約20分の短編で、メガホンを取ったのは平成「ガメラ」3部作(1995年・96年・99年)、「デスノート」(2006年)などで知られる金子修介さん、脚本を松枝佳紀さんが務める。総務省・明るい選挙推進協会が「若者の選挙離れ」への啓発キャンペーンの一貫として製作したものだ。映画は序盤、木下ほうかさん演じる父親、渋谷飛鳥さん演じる高校生の娘らによ

Introduction by 塩谷舞(milieu編集長) 私は海外で暮らしたことがない。だから、「あの国ではこうなのに、日本は…」という話を聞いても、「まぁ、そういうもんでは?」と思ってしまうくらいで、イマイチ危機感もなく、次の日も変わらずに過ごしてしまう。 自分の暮らしーーわかりやすく言えば、収入や、仕事や、食べるもの……などに直結しなければ、なかなか自分は危機感を抱けない。 だが、もし自分の目指す職業が、日本で成立しないものだったら? アート……それも、コンセプチュアルな現代アートの領域で、日本の中で大成しよう、というのは、なかなかの無理難題である。 「好きなアーティストは?」と聞かれれば、多くの人はミュージシャンの名前を挙げる。「じゃあ、好きな現代アートのアーティストは?」と聞くと、答えられる人数はぐっと減ってしまうことは事実だろう。 だから、現代アートを志す作家は、多くが一度は


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