この本では、エレクトロニクス産業、つまり、半導体やテレビについて、その敗北の原因を分析し、再生するにはどうしたらよいかを論じたつもりである(本連載でも再三取り上げてきた論考である)。 ところが出版後、繊維会社や建設業など異分野の企業から、「この本には我が社のことが書いてある、我が社が所属する産業界のことが書いてある」と講演依頼などを受けた。この本に繊維産業や建設業などは一切登場しないにもかかわらず、である。 これは、半導体や電機産業の問題が、他産業にも当てはまることを意味する。つまり本当に「日本型モノづくり」は、フラット化した現在の世界には通用しにくくなっている証左なのかもしれない。 そして、この本が示した問題提起は、とうとう政治の場で取り上げられることになった。まず、参議院の経済産業委員長を務めている民主党の大久保勉参議院議員から連絡があり、11月6日に議員会館において開催される民主党の

日経エレクトロニクス2007年12月3日号,PP.105-109から転載しました。所属,肩書き,企業名などは当時のものです。 現在,自動車への半導体の搭載が急速に進行している。車載半導体は,自動車産業と半導体産業という二つの異なる産業分野の融合により誕生したため,開発を進める際にさまざまな問題が生じている。本稿では,車載半導体への自動車産業と半導体産業の取り組みや,実際に開発にかかわる技術者へのインタビューなどを通じて産業文化の差異を明らかにする。(佐伯 真也=本誌)技術が発展する過程において,その技術の母体となる産業分野や企業の枠組みを超えた新たな産業や製品が生み出されている。例えば,通信と小売りの融合からカード機能内蔵の携帯電話機が,薬品と医療機器の融合から送薬カテーテルが誕生している。 既存産業の枠組みを超えて連携することは重要であると同時に,容易ではないのも事実である。「通信」と

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