ここ2週間ほどずっと三体を読んでいた。二年前に一部の上巻までは読んでいたのだが続きが積本になっていたところちょうど昨日読み終わりました。通勤中も三体、休憩中も三体、休日も三体、寝る前に三体、車の中で三体。とにかくずっと読んでいてやっと読み終わったので感想を書いていきたい。本来は書評と書くべきなのだろうけどあまりに面白く壮大なSF巨編であるため「評する」のは気後れするためあくまで感想というテイをとらせてもらいたい。 ※以下ネタバレあり 物語の展開の仕方、採用される理論のリアリティー、キャラクターの魅力など見どころがたくさんある三体なのだがなによりもこの作品を唯一無二にしているのは二部『黒暗森林』に登場する「暗黒森林理論」だ。 物語の冒頭、中国の文革時代を生きるひとりの女性(イエ・ウェンジェ)が宇宙に向けて地球の存在を知らせるところから話は始まる。そのメッセージを受け取った三体と呼ばれる別の

SF小説『三体』が、アニメ監督の河森正治さんによってアニメ化される可能性が高まっている。 河森正治さんは12月19日、『三体』のIPを管理する三体宇宙を訪問した写真を自身のSNSに投稿。 三体宇宙の受付で『三体』の単行本を携えた写真と共に、「近々大きな発表を皆さんにお知らせする予定ですので、お楽しみに!」とコメントしている。CreateAl社『三体』長編アニメ映画化とゲーム化を発表河森正治さんといえば、「マクロス」シリーズや「アクエリオン」シリーズなどで知られるアニメ監督。 『超時空要塞マクロス』のVF-1 バルキリーや『交響詩篇エウレカセブン』のLFOなど、印象的なメカニックデザインも手がけている。 『三体』のアニメ化を巡っては8月、生成AIを用いたメディア事業を展開するCreateAl社(旧Tusimple)とアニメ制作会社の上海三体動漫が共同で、アニメやビデオゲームを制作すると報じ

中国は、「ふしぎな国」である。 いまほど、中国が読みにくい時代はなく、かつ、今後ますます「ふしぎな国」になっていくであろう中国。 そんな中、『ふしぎな中国』の中の新語・流行語・隠語は、中国社会の本質を掴む貴重な「生情報」であり、中国を知る必読書だ。 ※本記事は2022年10月に刊行された近藤大介『ふしぎな中国』から抜粋・編集したものです。 社恐(シャーコン) 上の2文字と、じっと睨めっこする。出来損ないの会社員である私の耳元に、「会社が恐い」という声が聞こえてくる。 だが、ここに書かれた「社」は、「会社」の意ではなくて「社交」の略。下の「恐」は、「恐懼症(コンジュイジェン)」(恐怖症)のことである。合わせて「社交恐怖症」。すなわち、他人と交わるのが恐くて、引きこもってしまう若者たちのことを指す。中国を支配する共産党中央委員会に、機関紙の『人民日報』と並ぶ、宣伝部機関紙の『光明日報』という


人類を「宇宙を理解したサル」と定義してみせたのは、行動生物学者のスティーブ・スチュワート-ウィリアムズだが、中国人SF作家の劉慈欣の小説を読むと、まさにその「宇宙を理解したサル」たちの世界を存分に味わえる。 『三体』三部作が世界的にヒットしたいま、劉慈欣は世界で最も高名な作家の一人となった。ネットフリックスでは、『ゲーム・オブ・スローンズ』の製作陣が手掛けたドラマ版『三体』も視聴できる。劉の短編小説『流浪地球』を原作とする中国映画『流転の地球』が興行的に大成功を収めたことも記憶に新しい。 劉の作品に出てくる人類は、ありとあらゆる可能性に満ちている一方で、「旧石器時代から変わらない感情」、「中世に作られた社会制度」、「神のようなテクノロジー」という三つの特徴を持つ存在として描かれる。 いまでこそバラク・オバマ、イーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグから絶賛を受けるSF作家となった劉慈欣だが

米国上院議員5人が映画配信サービス「ネットフリックス(Netflix)」へ書簡を送り、中国SF作家・劉慈欣(リュウ・ジキン)のSF小説『三体(さんたい)』実写版の映画制作を撤回するよう求めた。劉氏が、中国共産党による新疆ウイグルでの人権迫害を擁護したことがその理由だ。 『三体』は中国において最も人気のあるSF小説の一つ。2006年5 ~12月まで中国のSF雑誌「科幻世界(中国語版)」で連載され、のち出版された。2019年に出版された日本語版もベストセラーとなった。 ネットフリックスは今年9月初め、これらの作品をオリジナルシリーズとして映像化すると発表。原作者の劉慈欣氏をコンサルティングプロデューサーに迎え、「ゲーム・オブ・スローンズ」の脚本家デヴィッド・ベニオフ氏とD・B・ワイス氏、アレクサンダー・ウー氏、さらには『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督であるラム・バーグマン氏らが脚本と


ネタバレ注意! 好きなところたった一つの原理から出てくる結論を三部作の最後まで貫いているこの物語の基本的な原理は次の通りだ。「宇宙の資源は有限である。しかしすべての文明は成長し・生き残りたい。よって、自分が生き残るためには相手を皆殺しにしていい。さもなくば相手に殺される」。そこから出てくる結論は「相手の位置がわかったら即座に抹殺するのが最適解」。「相手と対等の立場に立って交渉するには、いつでも相手の文明の座標を全宇宙に晒す装置を作ればいい」。 これが適用されるのは地球人対エイリアン・三体人だけではない。宇宙戦争ののち、孤立した地球人の宇宙船同士も相互不信に陥り、突然殺し合いを始める。この原理原則に例外はない。 どうしても攻撃したくなければ、相手の脅威にならないと示すため、限定された空間の中に引きこもるしかない。 絶望的な世界観エイリアンのたった一つの水滴という兵器に、地球の最強の兵器であっ


第二部『三体Ⅱ 黒暗森林』文庫版も発売し、ますます盛り上がる『三体』界隈! GWを利用して実写ドラマをイッキ見しよう! とお考えのかたも多いはず。そこで迷うのが、「テンセント版とネトフリ版、どっちがおすすめ?」ということ。SFマガジン2024年6月号(大好評発売中!)に掲載されています、加藤よしきさん(@DAITOTETSUGEN)による『三体』実写ドラマレビューを再録します。 『三体』ドラマ比較レビュー加藤よしき *本稿は『三体』テンセント版、Netflix版のネタバレを含みます。 2024年3月21日、世界的配信プラットフォームNetflixで『三体』実写ドラマの配信が始まった。しかし、これ以前にも同作は実写ドラマ化されている。それが2023年に中国で制作・放送されたテンセント版だ。Netflix版とテンセント版は、同じ原作を映像化していながら、印象がまったく異なる作品に仕上がってい


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