■ 治外法権のeLTAX、マルウェア幇助を繰り返す無能業者は責任追及されて廃業に追い込まれよ ここ数年、不正送金の被害がインターネットバンキングの法人口座で急増しているという*1。その原因は今更言うまでもなく、Java実行環境(JRE)やAdobe製品の古いバージョンの脆弱性を突いてくるマルウェアである。しかしそれにしても、法人口座を扱うパソコンがなぜ、Java実行環境やAdobe製品をインストールしているのだろうか。インストールしなければ被害も起きないのに……。 その謎を解く鍵が、eLTAX(地方税ポータルシステム)にあるようだ。eLTAXでは、インターネットバンキングの口座を用いた納税ができることから、インターネットバンキング用のパソコンでeLTAXの利用環境も整えるということが普通になっていると思われる。そのeLTAXが、昨日までは、Java実行環境のインストールを強要していた。eL

■ Tポイント曰く「あらかじめご了承ください」 「Tポイントツールバー」なるものが登場し、8月8日ごろからぽつぽつと話題となり、13日には以下のように評されるに至った。 Tポイントツールバー(byCCCとオプト)が悪質すぎてむしろ爽快,やまもといちろうBLOG, 2012年8月13日 その13日の午後、一旦メンテナンス中の画面となり、夕方には新バージョン(1.0.1.0)がリリースされたのだが、15日には、「Tポイントツールバーに関する重要なお知らせ」が発表されて、「8月下旬」まで中止となった。非難の嵐が吹き荒れる中で堂々と新バージョンを出してきたにもかかわらず、なぜすぐに中止することになったのかは不明である。 この「Tポイントツールバー」とはいかなるものか。以下の通り検討する。 騙す気満々の誘導 刑法の不正指令電磁的記録供用罪(第168条の2第2項)は、「人が電子計算機を使用するに際
Shuji Sado (佐渡 秀治) @shujisado 高木無双が起きるのは、IT専門媒体に力がないからだよね。どこも記者と外注をどんどん減らして、ニュースよりも金が取れるリードジェネレーション型へ向かっている。単価が安く、PVも稼げる翻訳記事で媒体が埋まるのはそういうことだが、広告ニーズがその流れだから業界としては止めようがない。 2012-04-11 15:32:06 ゆんゆん探偵 @yunyundetective 「公の施設は民間で出来ない事をやるからこそ存在意義があるのだ」っていうね。 RT @tsuneduka: 同感 抄RT @ken500d: TSUTAYAは今、皆が借りたい物を置くのが使命だけど、図書館は未来に誰かが探しに来る物を置くのが使命なんだよ。 2012-05-08 22:03:10

■ローソンと付き合うには友達を捨てる覚悟が必要 当初3月末開始とされていた「LAWSONWi-Fi」が、なぜか「当初の計画より事前テストに時間を要したため」として、遅れて4月6日から開始されたのだが、早速Twitterでこんな指摘が出ていた。 少なくともこういうのを「ログイン」と呼ぶのはやめて頂きたい。金融機関などでは、暗証番号に電話番号や誕生日を使うのをやめるよう利用者を啓発する活動にコストをかけてきたが、そうした労力を台無しにする。ローソンとしては、無料の無線LANを使わせるくらい、本人確認が甘くても自社の問題だから許されると思っているのだろうが、こういうやり方が社会に悪弊をもたらすことに気付いていないのか。 今回は、前回の日記で取り上げた「PASMOマイページ」の問題とは違って、「ログイン」で電話番号と誕生日を使用している。一般に、不正アクセス禁止法では、このような、IDと電話番
経緯 1 発端はこの記事。内容は(ざっくり言うと)表題の通り。 ''「マガストア」と「ビューン」のiPhone アプリが、ユーザーの閲覧履歴を根こそぎ漏らしている件 https://sites.google.com/site/epubprivacy/'' この記事を高木氏がとりあげ、Twitter等で拡散され、ニュースにとりあげられた。 経緯 2 これに対して、「Webページをブラウザで見てる時だってアクセスログとられてるんだから、それと一緒じゃないの?何が問題なの?」という声がちらほら発しられた。 確かに、アクセス解析によってどのページを何秒みて次にどのリンクをクリックしたかといった事は追跡可能であり、共通している部分もある。 Hiromitsu Takagi @HiromitsuTakagi電子書籍のページ閲覧操作履歴を、Webのアクセスログと同一視して「何がいけないの?」という声

概略 サービスを実施するにあたり、以下の利用者情報を取得していたMACアドレス FacebookアカウントID・Twitter ID 端末のユーザエージェント情報 アクセス期間 閲覧しているURL これらについて提携企業様に対して説明していなかった 他に以下の実施もしていたGoogle Analyticsamazonアフィリエイトプログラム ただしamazonアフィは特定の1店舗のみにて試験的に実施したもので、買い物に関する情報等は一切取得していないGoogle Analyticsの利用の中止(平成23年12月5日実施)Twitter ID、FACEBOOKアカウントIDの収得の中止(平成23年12月5日実施)Amazonアフィリエイトプログラムのテスト運用の中止(平成23年12月5日実施) -自動的に保存されていたMACアドレス等のログの削除(平成23年12月5日実施)

■ JPRSに対する都道府県型JPドメイン名新設に係る公開質問 JPRSから以下のプレスリリースが出ていた。 「JPRSが、地域に根ざした新たなドメイン名空間「都道府県型JPドメイン名」の新設を決定」, 株式会社日本レジストリサービス, 2011年9月26日 内容を見て仰天。都道府県ドメインに第3レベルでの登録を認める「都道府県型JPドメイン名」を新設するという。そこで以下の公開質問状を送った。 株式会社日本レジストリサービス御中 都道府県型JPドメイン名新設に係る公開質問 東京都〓〓区〓〓〓〓〓 高木 浩光 2011年9月27日 貴社2011年9月26日報道発表の「JPRSが、地域に根ざした新たなドメイン名空間「都道府県型JPドメイン名」の新設を決定」について、Webのセキュリティ及び可用性の観点から、公共の利益に影響を及ぼす懸念があると思料するため、貴社に対し、以下の通り、公開を前提と
■ 話題の「カレログ」、しかしてその実態は。 ここ数日、テレビのワイドショーで連日取り上げられている「カレログ」だが、以下の話はまだマスメディアでは取り上げられていないようだ。 カレログのサービスが開始されたのは8月29日だったが、9月1日にリイド社から「GALAXY S2 裏活用バイブル」というエロ本*1が出版されていた。この本の企画・編集を担当したのは、有限会社マニュスクリプトであり、カレログのサービス提供者と同一であることが判明している。 この本の表紙には以下のように、「スクープ!! (秘)アプリで彼女の動きをGPSでリアルにチェック!」と書かれている。 何のことかというと、まさに「カレログ」の紹介記事である。 「禁断! ギリギリ裏アプリ徹底研究」という最終章に掲載されており、以下のように、「大事な彼女の行動を追跡チェック!」、「悪用厳禁! 究極のストーキングアプリ!」、「パートナー
■ 「Tポイントカード3人に1人が持つ」は本当か、街角で聞いてみた 先週、マイナンバー制度(納税番号制度(aka 共通番号制度))のICカード配布の話の流れで、(住基カードが4%しか普及していないのに)TSUTAYAのTポイントカードは「今や国民の3人に1人が持つ」という話*1が話題になっていた。「共通番号を官民で使えばカードを1枚にできる」などといった主張も出ていた。 その一方で、本当にそんなにたくさんの人が持ってるのか疑問だとの声も出ていた。「レジから聞こえてくる声に耳を傾けていると、Tポイントカードを持ってる人なんて存在しないんじゃないかと思えてくる。」という声もあった。(「Togetter - 「「ポイントカードはお持ちですか」への反応」」参照)。
■法務省担当官コンピュータウイルス罪等説明会で質問してきた 情報処理学会、JPCERT/CC、JAIPA、JNSA共催で、法務省の立案担当官による説明会が開かれたので、コンピュータウイルス罪について質問してきた。 情報処理の高度化等対処のための刑法等の一部を改正する法律(サイバー刑法、刑事訴訟法)説明会, 2011年7月26日 私から尋ねた質問と、それに対する回答は以下の通り。 質問:まず最初に、6月16日の参議院法務委員会での法務大臣答弁で、バグについての説明があったが、ここで、「バグは、重大なものとはいっても、通常はコンピューターが一時的に停止するとか再起動が必要になるとかいったものであり」とか、そうでないものは「バグと呼ぶのはもはや適切ではない」と説明されていた。これはすなわち、「バグ」という言葉を、一時的な症状を起こすものと定義したうえで、これは不正指令電磁的記録に当たらないとし
■ やはり起きていた刑事的萎縮効果による技術停滞 岡崎図書館事件(13) 12月12日の夕方、Twitterの#librahack界隈で以下のサイトが発掘された。 杉並区立図書館 新着図書 更新情報 (非公式), http://www.naotaka.com/library/ 更新停止のお知らせ 突然ですが、2010年6月22日をもちまして、「杉並区立図書館 新着図書 更新情報 (非公式)」の更新を停止させていただきます。 当ページをご利用の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。 6月22日といえば、librahack.jp が公開された翌々日だ。東京の杉並区立図書館といえば、使われている図書館システムは三菱電機ISのMELIL/CS(新型)だ。 このサイトの公開された当時に書かれたサービス説明が、以下にある。 杉並区立図書館の、「その日の新着図書」がわか
■ 岡崎図書館事件について その1 5月26日にこんな報道があった。図書館HPにアクセス3万3000回 愛知県警 業務妨害容疑、38歳を逮捕, 朝日新聞2010年5月26日朝刊 県警生活経済課と岡崎署によると、容疑者は、4月2日から15日にかけて、岡崎市中央図書館のホームページに、計約33,000回のアクセスを繰り返し、ホームページを閲覧しにくい状態にしたという疑いがある。(略) 同課によると、容疑者は1回ボタンを押すだけで、1秒に1回程度の速度でアクセスを繰り返せるプログラムを作っていたという。容疑者は同図書館の利用者だったが、目立ったトラブルは確認されていないといい、動機を調べている。図書館にサイバー攻撃, 読売新聞2010年5月26日朝刊 県警は25日、インターネット関連会社社長を偽計業務妨害容疑で逮捕した。(略) 調べに対し、アクセスしたことは認めているが、動機については話して
岡崎市中央図書館に1秒間に1回アクセスしたら逮捕されたけど不起訴になった件について。 当事者からの報告とそれに関連した高木先生などのつぶやきをまとめています。不完全かつ進行中です。

■ 「VeriSignシール」という幻想 オレオレ証明書ではないSSLサーバ証明書は、2つの独立した機能を果たしていると言える。1つ目は、SSLプロトコルによるサーバとクライアント間の暗号化通信のために不可欠な役割であり、2つ目は当該サイト運営者の実在証明の機能である。ただし、今日では、後者を含まない、前者だけのサーバ証明書もある。 後者の実在証明は、かつては認証局サービスを提供する各事業者がそれぞれの独自の基準で、サイト運営者の実在性を確認、認証していたが、それでは利用者にわかりにくいことから、認証の際の実在性確認の方法が標準化され、誕生したのがEV SSLであった。 その結果、VeriSignなど、古くから実在証明に力を入れていた認証局サービスでは、EVのものとEVでない実在証明付きサーバ証明書の2種類が存在することとなった。VeriSignでは、EV証明書の提供開始後も、EVでない実
公開: 2010年5月31日0時45分頃 WASForum Conference 2010、ソフトバンクの脆弱性の話に続き、産総研の高木浩光さんによる「どうするケータイ認証」。 ケータイWebの世界従来、WASForumではあまり扱ってこなかった分野。その理由は…… 独自方式、仕様が明確でないNDAの壁 (特に公式サイト)契約で縛った独自世界なら、キャリアが責任を持つべき。部外者は何かを言うべき立場にないしかし、昨今では…… ケータイ独自方式が一般サイトにまで侵出2008.3 iモードIDがスタートスマートフォン対応の活発化 ログイン認証の欠陥ID (契約者固有ID) による認証をJavaScript +DNS Rebinding で突破される問題海外ではあまり問題にならないDNS Rebindingという手法は古くから知られていたのだが、そんな認証は日本でしか使われていないため、海外
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