国産の天然ガス資源として注目を集める「メタンハイドレート」の実用化を目指して、資源エネルギー庁が三重県の志摩半島沖で天然ガスの生産実験を開始した。2020年代には商業生産を開始できる可能性が出てきたことで、将来の電力・エネルギー戦略が大きく変わりそうだ。 一時は夢物語かと思われたメタンハイドレートからの天然ガスの生産が現実味を帯びてきた。資源エネルギー庁が三重県の志摩半島沖50キロメートルの沖合で進めていた世界初の海洋産出試験で、海底下から掘削したメタンハイドレートを分解して天然ガスを取り出すことに成功した(図1)。 資源エネルギー庁からの委託で事業を担当しているJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は8月に試験を終了する。その後に第2回の海洋産出試験、さらに第3フェーズとして商業生産に向けた技術基盤の整備を2018年度までかけて進めていく計画だ。2020年代の前半には商業生産を開

いよいよ日本の電力ネットワークを変革する開発プロジェクトが進み始めた。企業や家庭の電力使用量をリアルタイムに収集できるスマートメーター(図1)の設置に向けて、東京電力が通信機能の開発会社の公募を開始した。 最大の要件は1000万台以上のスマートメーターを連携させるネットワークを開発・運用できることで、NTTグループを含む大手のシステムインテグレータ数社の中から選ばれる可能性が大きい。2013年2月まで提案を受け付け、4月までに開発会社と仕様を決める予定だ。 東京電力は2014年度からスマートメーターの設置を本格的に開始し、2018年度までに1700万台、2023年度までに2700万台の設置を完了して全利用者の電力使用量をネットワークで収集できるようにする計画である。 実際にはスマートメーターの通信ネットワークは大きく分けて3つある。第1はスマートメーターと電力会社のシステムを結ぶネットワー

再生可能エネルギーの普及に力を入れているブルガリアでは、高騰する電気料金の値下げを求めるデモが国内各地で相次いで、内閣が総辞職することになり、今後、国のエネルギー政策を最大の争点に、議会選挙が行われることになります。 ブルガリアは、エネルギーを自給しようと国内の電力の3分の1以上を原子力発電で賄う一方、風力など再生可能エネルギーによる発電を10%余りに高めて普及に力を入れています。 しかし、電気料金は、再生可能エネルギーの発電コストが上乗せされて、この1年で13%値上がりし、冬場の寒さで電気の使用量が増えて、今月に入り国内各地で値下げを求めるデモが相次いでいました。 ブルガリア政府は、19日、電気料金の値下げを発表しましたが不満は収まらず、首都ソフィアでデモの一部が暴徒化して警察と衝突しました。 このため、ボリソフ首相は、20日、議会で演説し「国民の求めに応じようと最善を尽くしたが、政府に
いわゆるシェールオイルやガスの産出量が増えて原油や天然ガスが値下がりしていることで、アメリカの大手エネルギー会社はガソリンなどを安く精製できるようになっているため、相次いで好調な業績を発表しています。 このうち全米首位のエクソンモービルは、去年10月から12月までの最終利益が前の年の同じ時期より6%増えて99億5000万ドル、日本円でおよそ9200億円とこの5年間で最高でした。 また、2位のシェブロンは、最終利益が41%と大幅に増えて72億5000万ドル、日本円で6700億円でした。 これは、地中深くのシェール層という岩盤を砕いて、原油や天然ガスを取り出す新しい技術により、原油や天然ガスの産出量が増えて価格が値下がりしているため、ガソリンや産業用のガスなどを安く精製できるようになっていることが主な要因です。 シェール革命と言われるこうした動きは、アメリカで新たな雇用を生み出すなど景気回復の
10月27日、日立製作所が、英国で2カ所の原子力発電所建設を計画している事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーを買収する方針を固めたことが分かった。幕張で2日撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao) [東京 27日 ロイター] 日立製作所<6501.T>は、英国で2カ所の原子力発電所建設を計画している事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーを買収する方針を固めたことが27日、分かった。買収額は約6億ポンド(700億円)規模に上る可能性がある。日立は買収後、ホライズンの原発建設作業を引き継ぐ。東京電力<9501.T>福島第1原発事故の影響で国内での原発新設が難しいなか、日立は海外での事業拡大を図る。 関係者によると、ホライズンの株主である独電力・エネルギー大手RWEと同業エーオンとの交渉がほぼまとまり、日立は30日に取締役会を開き、買収を正式に決定する。買収後、原発を運営する
北海道と関西で今夏の節電要請期間が終わり、日々の気温も下がり続けていたが、連休明けの9月18日、北海道と東北では電力供給体制が危機に陥った。両社は休止中の発電所の緊急稼働や、他社からの融通で危機を乗り越えたが、今後も気温の推移次第では同様の事態が発生する可能性がある。 節電要請期間終了直後に……北海道と東北で電力供給体制が危機に陥った最大の理由は、先週の土曜日から続いていた気温の上昇だ。北海道では9月14日に節電要請期間が終了していたが、その翌日である15日から気温が上昇し、真夏日が続いた。 17日の時点で北海道電力は18日の最大需要電力を、今夏最大を記録した8月22日(463万kW)をしのぐ480万kWになると予想(図1)。最大供給電力は502万kWとする予定だったが、最大需要電力が急増したため、このままでは需給率が最大で95.6%まで上昇してしまう。そこで、点検のため休止中だった苫小

結論を先に言うと「原発をゼロにしてもしなくても2030年には電気代は3万円近くになる」というのが正しい表現です。 政府の発表した資料を読むと、2030年における一般家庭の電気代は、 15%シナリオ:23,800〜28,200円/月 ゼロシナリオ:24,030〜30,612円/月 との予想です(資料の20ページ参照)。「原発をゼロにすると電気代が3万円」と一方的に言われるのとでは、ずいぶん印象が違います。 ちなみに、15%シナリオの計算は、原発の発電コストを 8.9円/kwh と見なして行われていますが、この値は「福島第一クラスの事故が起こった場合のコスト」を最低限の5.8兆円と見積もった値段でしかなく(実際には数十兆円)、経産省も「下限」でしかないことを認めています(経産省の資料には、"8.9円〜" と表示されています)。それに加えて、事故の教訓を生かした安全措置にはコストがかかるので、実
いち早く「脱原発」に舵を切ったドイツで、太陽光発電が急速に萎んでいる。ドイツはCO2削減を目的に2000年に再生可能エネルギー法を施行し、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの「全量固定価格買い取り制度」(FIT)を導入。いわば、日本が「お手本」としている国だ。そのドイツがいま、電気料金の高騰に苦しんでいる。 買い取り価格引下げ、数年後には買い取り中止に太陽光発電の先進国ドイツが、電気料金の高騰で電力政策の見直しを余儀なくされた。2000年に導入した再生可能エネルギー法を12年6月末に改定し、太陽光発電の買い取り価格の20~30%の引き下げと、太陽光発電の累計設備容量が5200万キロワットに達した後は太陽光発電の買い取りを中止することを決めた。ドイツの太陽光発電はすでに設備容量が累計で2700万キロワットに到達しており、2016年にも5200万キロワットに達するとみられている。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事 【社説】 「エネルギー選択」の虚構 週のはじめに考える Tweet mixiチェック 2012年9月2日 ことしの夏は「原発ゼロ」でも大丈夫でした。政府は近く、二〇三〇年のエネルギー選択を提示する予定ですが、今夏の実績をどう受け止めるのか。 まるで拍子抜けするような結果です。政府や電力会社は夏を前に「原発が動かなければ大停電になる」とか「日本経済が大混乱する」と言い続けてきました。 野田佳彦首相が「仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます」とまで言い切って、関西電力大飯原発の再稼働を決めたのは六月八日です。 夏の電力は余っていた ところが本紙報道(八月二十九日付一面)によれば、関電管内では二十六日までの八週間で事前の需要予測を10%も下回り、原発なしでも余力があったことが分かりました。関電の広報担
8月23日、ファーガソン豪資源・エネルギー相は、世界的金融危機の影響からオーストラリア経済を守る緩衝材となってきた資源ブームは「終わった」との見解を示した。キャンベラで昨年3月撮影(2012年 ロイター/Daniel Munoz) [キャンベラ/メルボルン 23日 ロイター] ファーガソン豪資源・エネルギー相は23日、世界的金融危機の影響からオーストラリア経済を守る緩衝材となってきた資源ブームは「終わった」との見解を示した。英豪系資源大手BHPビリトンは22日、豪国内における主要プロジェクトの拡張計画を棚上げしていた。
将来のエネルギー・環境戦略の策定をめぐり、政府が「原発比率0%」に傾きつつある。22日発表された討論型世論調査で参加者の46%が「原発0%」を支持。強まる脱原発の民意に流されている。だが、原発の代替電力の確保は容易ではなく、国力の低下を招く恐れもある。民意に頼るだけで責任をとろうとしない政府のスタンスに専門家からは批判が噴出している。 「国民感情をくみ取るだけで政策決定ができるなら、すべてが国民投票になり、政治は不要になる」 22日開かれた「国民的議論に関する検証会合」で、佐藤卓己・京大大学院准教授は政府のリーダシップの欠如に苦言を呈した。 検証会合では、これまで政府が実施した討論型世論調査や意見聴取会、パプリックコメントなど国民の意見をどう反映させるべきか専門家の意見を聞くために実施された。 世論を二分する原発比率について「国民的議論」を高める目的で、政府として世界で初めて実施した「討論
夏の電力不足が懸念されるなか、九州電力は、鹿児島県と長崎県にある2か所の火力発電所がトラブルで運転を停止していると発表しました。 九州電力は、需給状況は安定しているため、計画停電に陥るおそれはないとしています。 九州電力によりますと、運転を停止しているのはいずれも火力発電所で、鹿児島県薩摩川内市にある川内発電所の1号機と、長崎県新上五島町にある新有川発電所の3号機です。 このうち川内発電所1号機は出力が50万キロワットで、先月29日から行っていた関連施設の天井の修理を終えて、4日午前5時すぎに運転を再開しようとしたところ、蒸気を調整する弁に不具合が見つかりました。 九州電力は、現在、復旧作業を行っていて、早ければ5日にも運転を再開できるとしています。 また、新有川発電所の3号機は、出力が1万キロワットで、4日午前10時半ごろ、油を注ぐ装置にトラブルが見つかり、手動で運転を停止しました。 九
関連トピックス原子力発電所討論型世論調査の流れ2030年の原発の割合などエネルギーの選択肢 政府は今夏に原発やエネルギーの基本政策をまとめるにあたり、新たに「討論型世論調査(DP)」という手法をとり入れる。7月に通常の世論調査をしたうえで、8月に回答者どうしで討論会を開く。いろいろ意見を出してもらい、エネルギー政策を決める際の参考にするという。 DPは約20年前に欧米で始まり、20カ国以上でとり入れられている。日本でも、神奈川県が3年前に道州制について調査するなど計5例がある。政府が取り組むのは初めてになる。 政府は8月末までに、2030年の発電量に占める原発の割合を0%、15%、20〜25%の3案のどれにするかなどを決める。これまでの原発をめぐる議論は「脱原発派と推進派が対立し、深まらなかった」として、今回は「国民的議論」にすると強調している。DPもその一環だという。 DPは大学
サイデルが手がけるNYやロンドンの個性派ホテル 新世代の個性派ホテルとして注目されているサイデル・グループ。同グループが運営する都市型のホテルはビジネス客のすべてのニーズに応じることがコンセプト。その充実度は自給自足の島に例えられるほどだ。ニューヨーク、ワシントン、ロンドンにある各ホテルを紹介。
家電量販店最大手のヤマダ電機は19日、太陽光発電事業に参入する方針を明らかにした。来年3月までに約300店の店舗の屋上に太陽光パネルを設置し、発電した電気を全量、電力会社に販売する。発電能力は最大で7万5千キロワットとなり、一般家庭で約2万世帯の年間使用電力をまかなう規模となる。 7月から始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度を受け、約300億円を投じて店舗網を生かした仕組みを作る。郊外店を中心に、1店当たり約250キロワットの出力が可能な発電装置を導入する。太陽光発電の買い取り価格は1キロワット時当たり42円となる予定で、年間発電量は約7900万キロワット時。全量を売電した場合の収入は、年間で約33億円を見込んでいる。
全原発停止によって懸念される電力不足は、経済停滞だけでなく、熱中症など生命に関わるリスクや、原発の安全性が脅かされるリスクなどを高める可能性がある。専門家からは「事故リスクだけでなく、電力不足のリスクをもっと考えるべきだ」との声が上がる。(原子力取材班)ウクライナの二の舞 「このままではウクライナの二の舞になる」 そう指摘するのは北海道大の奈良林直教授(原子力工学)だ。奈良林教授によると、ウクライナは、旧ソ連時代に起きたチェルノブイリ原発事故を受け、1990年に国内の全12原発を停止させた。 しかしその結果、電力不足が慢性化。計画停電が行われたほか停電も頻発した。経済は低迷し、結局、93年には原発再稼働へと方針転換することになった。 奈良林教授は「急な停電が原発のある地域で発生すれば、(福島第1原発のように)外部電源を失うことにもなる。電力不足は、原発の安全性にも関わる問題だ」と指摘する。
動くのがおっくうになってしまった体では、筋肉はこわばり、活動量も消費エネルギーもダウンしている。筋肉のポンプ作用もきちんと働かないから巡りも悪くなって、むくむことにもなりかねない。こんなサイクルから抜け出すイチオシの方法が「ストレッチ」。その魅力は、激しい運動や無理な食事制限をしなくても、やれば確実に体が変わること。運動量は小さいが、こわばった筋肉を伸ばしていくと体の動きが大きくなって、日ごろ

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