アルツハイマー病は記憶力や認知機能の低下などを引き起こす神経変性疾患で、アミロイドβというタンパク質が凝集したアミロイドβプラークが、脳に蓄積してしまうという特徴があります。新たに、スペインのカタルーニャ生物工学研究所(IBEC)や中国の四川大学華西病院などの研究チームが、マウスの脳からたった数時間でアミロイドβプラークを大幅に除去する治療法を開発しました。 Rapid amyloid-β clearance and cognitive recovery through multivalent modulation ofblood–brain barrier transport | Signal Transduction and Targeted Therapy https://www.nature.com/articles/s41392-025-02426-1 Scientists r

大須賀 覚 @SatoruO 坂口先生の「制御性T細胞」発見はどうがん治療を変えたのかを解説 体の中には免疫細胞がいて、これは警察のように、体内におかしな細胞がいないかをパトロールしていて、変なのがいると見つけて殺します ただ、この警察は時々暴走してしまうことがあって、正常な細胞を捕まえて殺してしまうことが起こることがあります。このようなイカれた警察を抑える役目をしているのが「制御性T細胞」 警察軍団の中の押さえ役として、ヤンチャな警察たちを抑えて、おかしな暴走をするのを制御しています。警察ドラマなら本庁のお偉いさん的な感じ。これはとっても大事な役目をしていて、免疫の暴走を防いでいます ここでがんの話に移ります がん細胞は体の中に生まれたギャング。警察が捕まえないといけない標的です。しかし、なぜか体内の免疫細胞は捕まえることがうまくできません。体の中には免疫細胞はちゃんといるのに、がん細胞

新型コロナ後遺症克服に向け新たな研究結果が発表されました。コロナ後遺症の1つ「ブレインフォグ」と呼ばれる症状を訴える患者の脳内を調べたところ、情報伝達に必要なタンパク質の密度が健康な人と比べて高いことが横浜市立大学の研究で明らかになりました。 新型コロナウイルスの後遺症には、倦怠感や味覚障害のほか、頭に霧がかかったような感覚になり思考力が低下する「ブレインフォグ」と呼ばれる症状があります。後遺症の診断は難しく、治療法は現在も確立していません。横浜市立大学の研究チームは、「ブレインフォグ」の症状を訴える患者30人の脳内を「PET検査」と呼ばれる特殊なCTを使って分析しました。 その結果、30人の患者全員で、脳内の情報伝達に重要な役割を果たす「AMPA受容体」と呼ばれるタンパク質の密度が、健康な人と比べて高いことが分かりました。横浜市立大学医学部 高橋琢哉 教授 「色がついている領域が『A

がんの治療薬の効果を高める腸内細菌を発見し、薬とともにマウスに投与することでがんを小さくする実験に成功したと国立がん研究センターなどのグループが発表しました。薬の効果が低い患者に対する新たな治療法の開発につなげたいとしています。 患者の免疫の力を回復させてがん細胞を攻撃する「免疫療法」の治療薬は十分な効果がみられるのは全体の半数以下で、腸内細菌との関係が指摘されていますが詳しい仕組みは分かっていません。 国立がん研究センター研究所の西川博嘉分野長などのグループは免疫療法の薬で治療を受けたがん患者50人から便を採取し、薬の効果と腸内細菌の関係を調べました。 その結果、薬の効果が高かった患者は「YB328」という腸内細菌が多いことが分かったということです。 がんのあるマウスから腸内細菌を取り除いたうえで、YB328と、薬の効果が低かった患者から採取した別の腸内細菌を薬とともにそれぞれ投与して比

京都大iPS細胞研究財団は20日、自分自身の細胞(自家細胞)から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成し、治療に生かすことを目指す「Yanai my iPS製作所」の開所会見を大阪市内で開催した。iPS細胞の生みの親で財団の山中伸弥理事長は「健康寿命の延伸に貢献したい。良心的な価格で提供できる準備を進める」と意気込みを語った。 製作所は、再生医療の研究開発施設や医療機関が集積する未来医療国際拠点「中之島クロス」(大阪市北区)に入居。開設・運営にはカジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が個人資産で令和3年度から9年間にわたり計45億円を寄付する。 会見に同席した柳井氏は「画期的な医療改革でわくわくしている。もっと企業や個人からの寄付がなければ、行政からの資金だけではこれからの研究開発はまわらない」と訴えた。 製作所では、血液から採取した自家細胞でiPS

心理療法士と教師は経験年数が能力に繋がらないCredit:canva心理療法の分野では、長い間「経験豊富な心理療法士のほうが効果的な治療ができる」と信じられていました。 こうした職業では、様々なクライアントと接し、多くの症例を扱うことで技法が磨かれ、判断力が高まるというのは当たり前のことのように思えます。 しかし、実際の臨床現場では、ある心理療法士のクライアントの改善度が、別の心理療法士と比べて一貫して高いとは限らず、「優秀な心理療法士とは何か」というのが曖昧でした。 またいくつかの小規模な研究では、経験年数と治療効果に一貫した結果が得られておらず、経験豊富なベテラン心理療法士ほど効果的な治療が出来る、という考えについて疑問がでていました。 そこでウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin–Madison)の心理学者サイモン・B・ゴールドバーグ(Simo

パーキンソン病の患者の脳にiPS細胞から作り出した細胞を移植する新たな治療法を開発している京都大学の研究チームは、7人の患者を対象にした治験の結果、安全性と有効性が示されたと発表しました。治験に協力した製薬会社は今後、国に製造・販売の承認申請を行うことにしています。 パーキンソン病は、「ドーパミン」という神経の伝達物質を作り出す脳の細胞が失われることで、手足が震えたり体が動かなくなったりする難病で、国内にはおよそ25万人の患者がいるとされています。 主に薬の投与や電極を脳に埋め込むなどの治療が行われていますが、現在、根本的に治療する方法はありません。 京都大学iPS細胞研究所の高橋淳教授らの研究チームは、ヒトのiPS細胞から作ったドーパミンを作る神経細胞を患者の脳に移植することで症状の改善を目指した治験の結果を発表しました。 治験では、50歳から69歳の男女7人の患者の脳に500万個または

【3月15日 AFP】エボラウイルス病(エボラ出血熱)に感染したサルは薬剤での治療が可能で、人に関しても実用的で手頃な価格の治療法につながる可能性があるとの研究結果が14日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された。 1976年に初めて存在が確認され、コウモリが宿主とされるエボラウイルス病は、患者の体液との直接接触で感染する致死性のウイルス性疾患で、多臓器不全や場合によって全身性の出血を引き起こす。 しかし、感染拡大地域が主にサハラ以南のアフリカ諸国であるため、製薬会社は金銭面から治療薬の開発に二の足を踏み、発生も散発的なため、臨床試験が困難となっている。 新たな研究を主導した米テキサス大学医学部のウイルス学者トーマス・ガイスバート氏はAFPに、「私たちは、より実用的で利用しやすく、流行の予防・制御・封じ込めに役立つ治療薬を見つけ出そうとしている」と語った。 ガイスバート氏ら研究チーム

近年は激しい競争にさらされている学生や労働者、起業家の間で認知能力を高めるとされる薬物「スマートドラッグ」が人気を集めており、ADHDなどの治療薬もスマートドラッグとして注目されています。新たに、一般的なADHD治療薬であるメチルフェニデート(コンサータ)が、車のドライバーの運転能力を向上させる可能性があると判明しました。 Driving performance and ocular activity following acute administration of 10 mg methylphenidate: A randomised, double-blind, placebo-controlled study -BlairAitken, Luke A Downey, SerahRose, Thomas R Arkell, Brook Shiferaw, Amie C Hayl

幻覚剤と精神医学の最前線 作者:デヴィッド・ナット草思社Amazon近年、LSDをはじめとした幻覚剤の有用な側面を捉え直す研究が活発だが、本作もそうした流れに連なる一冊である。著者は精神科医・神経精神薬理学の教授で、幻覚剤を使用した際の脳内の影響について数多くの論文を発表している人物だ。 「幻覚剤の有用な側面」とひとことでいっても、これは非常に限定的な話で注意が必要だ。たとえば、抗うつ剤を十分量で十分期間(1〜2ヶ月)使っても本来の調子とならない治療抵抗性のうつ病のように限られた精神疾患にたいして、十分に量がコントロールされた幻覚剤を、セラピストの診察と共に服用することで、治療に効果が現れるエビデンスが上がってきている──という、何重もの前提があっての話である。 得体もしれない連中がそのへんで売っている、何が混在しているのかわからない幻覚剤を、うつ病に効くから──といって好きなだけ使って良

ソーダやポテトチップスのような超加工食品は多くの健康問題と関連しているが、摂取をやめるのはたばこをやめるのと同じくらい難しいかもしれない。(PHOTOGRAPH BY DAN KITWOOD, GETTY IMAGES) ポテトチップスの大袋をいつの間にか完食してしまったり、思っていた以上にドーナツを食べてしまったりした経験がない人はいないだろう。この現象の原因が、意志の弱さではなく「超加工食品依存症」という状態にあることを示す証拠が集まってきている。 超加工食品(高度に加工された食品)には、袋菓子、朝食用シリアル、ほとんどのファストフード、大量生産されたパンやデザート、ソーセージ、ホットドッグ、冷凍魚フライ、ソフトドリンク、アイスクリーム、キャンディーをはじめ、包装されてスーパーに陳列される多くの食品が含まれていて、米国の成人が消費するカロリーの60%近くを占めると推定されている。 超加
1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く