小泉進次郎前農相(左)から引き継ぎを受ける鈴木憲和農相=東京都千代田区の農林水産省で2025年10月22日午前9時5分、中津川甫撮影 お米の小売価格が一向に下がる気配を見せません。政府は高値対策として「おこめ券」の配布に前向きですが、券を配って消費者が高いお米を買えば、高値が維持される方向に働き、専門家は「マッチポンプ」と指摘します。宇田川恵記者は、これ以上の消費者のコメ離れを食い止め日本のコメづくりを守るには、国が事実上の減産政策をやめ、思い切った増産へ向かうしかない、と訴えます。 宇田川恵(オピニオン編集部) 高値支える「おこめ券」 「おこめ券をもらえるまでコメは我慢するつもり」。知人が楽しみな表情でそう話すのを聞き、ぎょっとした。おこめ券という言葉が独り歩きし、妙な期待を生んだり、問題の本質から目くらましされたりしていないか。 政府は物価高対策として自治体への「重点支援地方交付金」の

政府が食料品価格高騰対策として推奨する「おこめ券」を巡って、配布する場合に実務を担う自治体側から「あってはならない選択肢」「時間がかかり手数料がかさむ」と、離脱表明や異論が相次いでいる。市民のために使える予算が増えるのに、なぜ不評なのか。 「コストが上乗せされ、使途も限定されるため、消極的だ」。岐阜県羽島市の松井聡市長は9日、おこめ券を配布しない方針を市議会定例会で述べた。 おこめ券は今秋、鈴木憲和農相の提唱で、政府の総合経済対策のメニューとして急浮上した。今年度補正予算案で、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」を2兆円拡充し、うち4000億円を「おこめ券」の配布を含む食料品価格高騰に対応する特別加算(特別枠)としたのだ。1人あたり3000円相当を利用でき、国は全1741市区町村に食料品価格高騰対策について対応を求めているという。 群馬県みどり市のように、おこめ券を先行配布している自

高市早苗首相は8日の衆院本会議で、今後のコメ政策について「国内主食用、輸出用、米粉用など『多様なコメの増産』を進める」と明言した。高市政権になって増産にかじを切った石破政権からの方針転換を指摘する声も出ていたが、「増産」に言及することで懸念を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。 高市氏は「国民の主食である米の安定供給は、食料安全保障の観点から不可欠だ」と強調。石破政権下の2025年4月に閣議決定した今後5年間の農政の方針を示す「食料・農業・農村基本計画」で、掲げられたコメの増産目標に向け、「国内外で需要を創出し、その拡大を図る」などと説明した。具体的には精米だけでなく、パックご飯や米粉などの需要拡大を挙げ、「戦略的に取り組む」とも語った。 いずれも公明党の角田秀穂氏への答弁。角田氏は「前政権は増産方針を掲げたが、鈴木憲和農相が『需要に応じた生産』に戻されたことに、増産準備を進めてい

僕は給食会社の営業部長。当社に納品されている業務用のお米の価格が、先月からキロ800円前後へ値上がりした。それまでは平均400円弱だったので、ほぼ二倍。黒目が消えるかと思った。収益の悪化が予想され、各部署が対応に追われている。「ブランド米」表記でアピールしていた顧客に対しては、夜間にひっそりと「ブレンド米」に変えてしまおうという声が上がっているくらいだ(詐欺)。昨年から今年の春と違うのは、お米自体があること。米不足で需要と供給のバランスが崩れて価格が急騰したという説明はなんだったのか。 当社では、お米がもっとも取扱量の多い食材だ。昨年から続く値上げに対しては、顧客と交渉を進めて、契約を見直して、春から夏にかけての食単価アップという形でカバーしてきた。だが、それ以降の大幅な米の価格の値上げに対して顧客が応じてくれるかは流動的だ。理解のある顧客であれば応じてくれそうだが、今春に続いての二度目の

今後の農業政策のあり方をめぐり、自民党の森山幹事長らは、農家の所得向上に向けて、今後5年間でおよそ2兆5000億円の予算を確保し、農地の大区画化を進めることなどを求める決議を石破総理大臣に提出しました。 2日は自民党の「食料安全保障強化本部」の本部長を務める森山幹事長をはじめ、農林水産大臣経験者らが総理大臣官邸で石破総理大臣に党の緊急決議を手渡しました。 決議は、ことし4月にコメの輸出量について、2030年には現状の7.5倍に当たる35万3000トンまで増やすなどとした今後5年間の農業政策の基本計画が決まったことを踏まえ、党の要望事項をまとめたものです。 この中では、国内の農業従事者が今後もさらに減ることが見込まれることから「今、動かなければ手遅れになる」と指摘しています。 そして、農家の所得向上や農業の構造転換に向けて、今後5年間で従来の予算とは別枠でおよそ2兆5000億円を確保し ▽農

Published 2025/06/01 21:00 (JST) Updated 2025/06/02 17:43 (JST) 政府備蓄米の大量放出によって、倉庫会社が受け取るはずの保管料が1カ月当たり計約4億6千万円失われる見通しであることが1日、分かった。廃業を検討する事業者もあるという。61万2千トンと異例の規模の放出で全国に300ある備蓄倉庫の運営体制にほころびが生じている。 備蓄米は、政府が直接委託する事業者を通じ倉庫会社が管理している。備蓄米の適正水準は100万トンとされ、原則毎年20万トンを買い入れ5年間保管する。5年たつと飼料用などで販売する。 農林水産省によると、倉庫の所在地は「国家財産を保管する安全上の懸念」から明らかにしていないが、北海道や東北など東日本に多く所在する。備蓄米を扱う業界団体の全国定温倉庫協同組合によると、加盟は全国に112社で、放出作業も担っている。

随意契約で放出された備蓄米の店頭販売が相次いで始まる中、小泉農林水産大臣は、6月1日、都内のディスカウントストアやスーパーの売り場を視察し、店頭での価格や売れ行きなどを確認しました。 また、コメの価格高騰が続く中、一部の小売業者から流通のあり方を見直すよう求める声が上がっていることについて、小泉農林水産大臣は、流通経路を透明化し、改善すべき点がないか、検討する考えを示しました。 小泉農相 販売店視察「すごいスピードで対応 事業者に感謝」 東京 大田区にある大手ディスカウントストアの店舗には、正午すぎに小泉農林水産大臣が視察に訪れ、備蓄米が並んでいる様子を確認しながら、運営会社の社長から、価格を5キロ当たり税抜きで1980円、税込みで2139円に設定したことや、包装を簡略化して迅速な販売につなげたことなどの説明を受けました。 このあと小泉大臣は、東京 品川区にある大手スーパーの店舗も訪れ、運


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