熊本市内の警察署で、弁護士から勾留中の容疑者に不当な取り調べを防ぐためなどとして渡されていた取り調べの記録用の「被疑者ノート」が就寝前に回収されていたことが関係者への取材で分かりました。弁護士は、容疑…

再審公判で無罪判決が出たことを示す弁護士ら=金沢市の名古屋高裁金沢支部前で2025年7月18日午後2時9分、三村政司撮影 1986年に福井市で中学3年の女子生徒(当時15歳)を殺害したとして、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(60)に対するやり直しの裁判(再審)で、名古屋高裁金沢支部は18日、無罪判決を言い渡した。 前川さんが事件に関与したとする関係者証言の信用性が争点だった。増田啓祐裁判長は判決の冒頭で「1審の無罪判決に誤りはない」と結論を示し、前川さんを犯人だとした最初の関係者の証言について「うそだった」と認定。「捜査に行き詰まった捜査機関がうその供述に基づき、(他の関係者に)供述を誘導する不当な働きかけをした。有罪の根拠となる事実は認定できない」と述べた。

ある中小企業を襲った冤罪事件で、公安警察の捜査に疑念が持たれています。その内幕を追跡してきた記者が取材録をつづります。

警視庁と東京地検による捜査が違法と認定された「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件について、朝日新聞はどう報じたのか。関係者にも話を聞き、一連の報道を検証した。

横浜市の「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で、警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認め、賠償を命じた東京高等裁判所の判決について、都と国は11日、上告しないことを明らかにし、当事者などに謝罪するコメントを出しました。 それぞれ当時の捜査の問題点を検証することにしていて今後、適切な捜査の徹底につなげられるかが焦点となります。 目次 捜査の何が違法とされたのか 警視庁公安部の歴史と組織 軍事転用が可能な機械を不正に輸出した疑いで逮捕、起訴され、後に無実が判明した横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の社長などが都と国を訴えた裁判で、2審の東京高等裁判所は5月、1審に続いて警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を認めるとともに、「輸出規制の要件についての警視庁公安部の解釈は国際的な合意と異なり、合理性を欠いていた」などと指摘し、都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じました。 判決について

正しいのは捜査員3人の証言か、それとも警視庁なのか――。 冤罪(えんざい)事件の捜査を巡り、捜査員と警視庁の主張が真っ向から対立する異例の裁判が続いている。 3人の捜査員は公開の法廷で「事件は捏造(ねつぞう)」などと証言し、捜査を指揮した幹部らを批判した。 一方、警視庁側は3人の証言を「壮大な虚構」と否定している。 対立の行方は裁判所の判断に委ねられ、28日に判決が下る。 起訴取り消しの冤罪事件 冤罪事件は、警視庁公安部が手掛けた「大川原化工機事件」。横浜市の中小企業で化学機械メーカーの大川原化工機が、軍事転用可能な装置を中国と韓国に不正輸出したというぬれぎぬを着せられ、社長ら3人が逮捕された事件だ。 初公判が2021年8月に開かれる予定だったが、東京地検はその4日前に突然、「起訴内容に疑義が生じた」と起訴を取り消した。 大川原化工機側は、捜査は違法だったとして、東京都と国に約2億500

59年前、静岡県で一家4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で、無罪が確定した袴田巌さんに対し、静岡地方裁判所は24日、47年7か月にわたって身柄を拘束されたことへの刑事補償として、2億1700万円余りを交付する決定を出しました。弁護団によりますと、刑事補償としては過去最高額だということです。 1966年に今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で、一度、死刑が確定していた袴田巌さん(89)は、静岡地方裁判所の再審で去年10月に無罪が確定しました。 姉のひで子さんの申し立てで成年後見人に選ばれた弁護士はことし1月、袴田さんが逮捕から釈放まで47年7か月にわたって不当に身柄を拘束されたとして、法律が定める上限額の1日当たり1万2500円の補償金を請求していました。 これについて静岡地方裁判所は24日、請求どおり合わせて2億1700万円余りを刑事補償として支給する決定を出しました。 決定

58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で、袴田巌さん(88)の無罪が確定したことを受けて、静岡地方検察庁の山田英夫検事正が27日午前、浜松市内にある自宅を訪れ、袴田さんに対し「無罪判決を受け入れた以上、事件の犯人が袴田さんであるということは申し上げるつもりはありません」などと述べ、謝罪しました。 袴田巌さんは静岡地方裁判所の再審で先月9日に無罪が確定し、逮捕から58年を経て「死刑囚」の立場から解放されました。 これを受けて、静岡地方検察庁の山田英夫検事正が27日午前11時すぎ、袴田さんの自宅を訪れ、本人と面会しました。 山田検事正は「袴田さんとひで子さんがとてもことばにはできないようなつらい心持ちで日々を過ごされましたことにつきまして、検察としても大変申し訳なく思っています」と謝罪しました。 そのうえで「検察として無罪判決を受け入れた以上、この事件の犯人が袴田さん

「大川原化工機」(横浜市)への捜査で逮捕・起訴された同社顧問の相嶋静夫さん(当時72)=その後に起訴取り消し=が死亡したのは東京拘置所の医師が対処を怠ったからだとして、遺族らが国に賠償を求めた訴訟の…

軍事転用できる機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)への捜査を巡る国賠請求訴訟の控訴審が9日、東京高裁であった。捜査に関わり、警視庁公安部にい…

本件について再審開始を決定した令和5年3月の東京高裁決定には、重大な事実誤認があると考えましたが、憲法違反等刑事訴訟法が定める上告理由が見当たらない以上、特別抗告を行うことは相当ではないと判断しました。他方、改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能であり、にもかかわらず4名もの尊い命が犠牲となった重大事犯につき、立証活動を行わないことは、検察の責務を放棄することになりかねないとの判断の下、静岡地裁における再審公判では、有罪立証を行うこととしました。そして、袴田さんが相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも配意し、迅速な訴訟遂行に努めるとともに、客観性の高い証拠を中心に据え、主張立証を尽くしてまいりました。

無罪が言い渡されたのは袴田巌さん(88)です。 58年前の1966年に、今の静岡市清水区でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田さんの再審は去年10月から開かれ、あわせて15回の審理が行われました。 26日の判決で國井恒志裁判長は「1年以上みそに漬けられた場合に血痕に赤みが残るとは認められず、『5点の衣類』は事件から相当な期間がたった後、捜査機関によって血痕を付けるなど加工され、タンクの中に隠されたものだ」と指摘しました。 そして「袴田さんの自白は非人道的な取り調べで得られたため任意性に疑いがあり、当時の裁判で無罪の可能性が否定できない状況にあった。衣類を犯行時の着衣としてねつ造した者としては、捜査機関以外に事実上想定できない」と述べました。 その上で「5点の衣類」と警察が袴田さんの実家を捜索した際に見つかったとされる「5点の衣類」のズボンの切れ端、それに過去の裁判

国内での最後の死刑執行から26日で2年となった。自民党の政権復帰後は、基本的に数カ月~半年に1回のペースでの執行が続いていた中、異例の長さの空白期間といえる。慎重姿勢の背景には、執行を巡る失言による法相の辞職や、死刑が確定していた袴田巌さん(88)の再審開始が影響したとの見方がある。 【写真】死刑囚「じゃあね…」薬物を投与される直前の言葉 刑務所長は涙あふれそうに 直近の執行は2022年7月26日にあった。秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大死刑囚が対象で、当時の古川禎久法相が命じた。 後任の葉梨康弘法相が22年11月、「法相は死刑(執行)のはんこを押す。ニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職だ」などと失言。数日後に更迭された。 23年3月には袴田さんの再審開始が確定。10月に始まった再審公判は無罪の公算が大きい。死刑制度への関心が高まるため、執行に踏み出すのは容易ではないと

ある中小企業が突然、不正輸出のぬれぎぬを着せられました。 捜査した公安警察の手法に疑念が持たれています。 その内幕を明らかにしようと、記者は追跡を続けました。 約1年にわたる取材録をつづります。 連載「追跡 公安捜査」は全10回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第1回 「公安は同じことやる」大川原化工機事件、捜査員が私に語った警告 第2回 公園の植え込みに潜む秘密資料を「拾った」私 まるでスパイ映画 第4回「残された社員の奮闘」 第5回「『利用された』医師の後悔」 第6回「公安の聴取はあったのか」 第7回「調査報道の壁」 第8回「警部補たち異例の直訴」 第9回「長官狙撃事件との共通点」 第10回「正義のありか」 カップラーメンのスープの粉やインスタントコーヒーの粉末、粉ミルク……。 生活に身近な製品が、噴霧乾燥器で製造されていることはあまり知られていない。 化学機械メーカー「

ある中小企業が突然、不正輸出のぬれぎぬを着せられました。 捜査した公安警察の手法に疑念が持たれています。 その内幕を明らかにしようと、記者は追跡を続けました。 約1年にわたる取材録をつづります。 連載「追跡 公安捜査」は全10回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第1回 「公安は同じことやる」大川原化工機事件、捜査員が私に語った警告 第3回「中小企業はなぜ狙われたか」 第4回「残された社員の奮闘」 第5回「『利用された』医師の後悔」 第6回「公安の聴取はあったのか」 第7回「調査報道の壁」 第8回「警部補たち異例の直訴」 第9回「長官狙撃事件との共通点」 第10回「正義のありか」 私(記者)のスマートフォンが鳴った。 画面に表示された発信元は「公衆電話」。 2コール目で取ると、電話口で早口に言われる。 「そこから南に歩いて行くと公園があります。そこに来てください」 冬の足音が近

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