サハリン島 作者:エドゥアルド・ヴェルキン発売日: 2020/12/22メディア: 単行本このエドゥアルド・ヴェルキン『サハリン島』は、ロシアのメディアで、この10年で最高のロシアSFと評されているSF長篇である。「この10年で最高」というのは、気軽に使うにはリスキィな褒め言葉だ。何しろ、これでつまらなかったら他のこの期間に発表されたロシアSFはいったいなんなんだ、という話になってしまう。 なので、話半分というか……、勢い余って言い過ぎちゃった人がどっかのメディアにいたのかな? ぐらいの心持ちで読み始めてみたのだけれども、いやはや……。これはたしかに、この10年で最高のロシアSFかどうかはわからないがめちゃくちゃおもしろい! 表面的な題材だけ抜き出してみれば、ゾンビ的な感染症に第三次世界大戦による終末世界化、変容してしまった世界を二人の男女が旅をするという、ありきたりなポストアポカリプス物

暑い暑いシティ。 うだるような暑さだ。朝の陽が上がりきっていない時間帯にも関わらず、全身から汗が流れてくる。食欲も沸かないが、なんとかバナナとヨーグルトを口にした。今朝は本を読まねばならない。気温計は三十度を示していた。 シェリーマンは五十二度の炎天下の中、トロヤで発掘作業を行ったという。彼はホメロスの「イーリアス」「オデュッセイア」で歌われている美しい遺跡は実在したものだと信じ、その存在を明らかにした男である。その根底を支えるのは、ビジネスで稼いだ莫大な富と、十八カ国語をあやつる豊富な語学力、そして夢を信じつづけるあくなき探究心であった。 金と頭脳と心。シュリーマンはそれらのリソースをうまくコントロールし、歴史に残る偉業を成し遂げた。今回紹介する『古代への情熱』は、そんな彼の生い立ちから遺跡発掘、突然の死に至るまでが書かれている。初版1954年。歴史の重みを感じる。 シュリーマン流、外国
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