2025年12月上旬、金原瑞人『英米文学のわからない言葉』を発売いたします。英米文学を読んでいると遭遇する“わかるようでわからない”おなじみのアイテムや表現。アルコーヴやプディング、マントルピースなどなど……本書はそんな、ふだんは読みとばしがちな言葉を深堀りしていくエッセイ集です。本書の刊行を記念してエッセイ「プリンとプディング」を無料公開いたします。英米文学に登場するさまざまなプディング、プリンとの違いは? ぜひお楽しみください。 【書籍概要】アルコーヴ? プディング? ターキッシュデライト? マントルピース? 砂色の髪? オリーブ色の肌? 英米文学に登場する“わかるようでわからない”おなじみのアイテムや表現を、翻訳家・金原瑞人がひも解く! 【試し読み プリンとプディング】 日本のプリンは潔い。迷いがないのがいい。あの甘いプリン、プリン・アラモードのプリン、あれがプリンだ。ハウスの「プ

どうもこんばんは、烏丸百九です。本日は、スウェーデンのメディア「Aftonbladet」に掲載された、環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの、イスラエル刑務所での体験を綴ったインタビューを翻訳して掲載しようと思います。 トゥーンベリさんがイスラエルに捕まった経緯については、下記の記事などをお読みください。本文中にもありますが、トゥーンベリさんは自身の被害がパレスチナ以上にフォーカスされることを望んでいません。イスラエルに利用されることを避けるためでもありますが、本文の内容は、日本のような親イスラエル国家に住む人間は絶対に知っておくべきだと感じたので、自分なりに和訳させていただきました。 長い内容ですが、是非最後までお読みください。(誤訳等ありましたら遠慮無く御指摘ください) ※本文中、イスラエルによる過酷な拷問や虐待、セクシャルハラスメントの描写があります。閲覧にはご注意ください。※ ※

週末あたりから、ネット上の日本語圏でやたらと「ホームタウン」という語を見るようになり、それが「移民がー!!!!!」っていうパニックと重なってて、「なんだこれ」と思っていたのだが、ガザ・ジェノサイドで手一杯&頭もいっぱいで、22日に封切られたドキュメンタリー映画も初日に見たんだがそれについて書くこともできていないなかで、目の端にとらえるくらいしかしてこなかった。 それが今日、電脳塵芥さんで検証記事が出ているのを見かけ、おかげでようやく、だいたいの経緯が把握できた(気がする。わけわかんないままだけど)。 nou-yunyun.hatenablog.com とにかくこれ、わけわかんないのは、そもそもJICAが使っている用語の「ホームタウン」が意味不明であるというところから始まってる。何の話をしているのかわからないときに、「何の話をしているのか、説明を!」と呼びかけるのではなく、その意味不明な用語
2020年代に入って、イギリスで大人気となっている日本の小説。2023年にも英紙ガーディアンがその人気ぶりを記事にし、 弊サイトでも取り上げていたのですが、 2024年にはそのブームの勢いがさらに増していることから、 ガーディアン紙も再びこの件を取り上げ、 その人気ぶりを記事の冒頭で以下のように伝えています。 「ここ数年、書店に足を運んだ者なら誰でも、 日本文学が驚くべきブームを迎えていることに気づいただろう。2022年のニールセン・ブックスキャン社のデータによると、 英国における翻訳フィクションの売上の 実に25パーセントを日本文学が占めていた。 2024年の優勢はさらに顕著だ。 ガーディアン紙が入手したデータでは、 2024年の翻訳フィクション売上トップ40のうち、 43パーセントが日本文学であり、 中でも柚月麻子の小説『BUTTER』は、 翻訳小説の中で売り上げが1位となった」

4月3日に発行予定の翻訳本「トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」を巡り、同書を扱う書店への放火を予告する脅迫メールが、発行元の産経新聞出版宛てに届けられていることが30日、分かった。複数の書店にも同様のメールが送られており、産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を提出した。 メールはドイツのドメインが使われており、産経新聞社のアドレスに送られてきた。「原著の内容はトランスジェンダー当事者に対する差別を扇動する」として、「出版の中止」などを求めた上で、発売した場合には抗議活動として同書を扱った書店に火を放つとしている。 翻訳本は米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーさんによるノンフィクション。ブームに煽られ性別変更したが、手術などで回復不可能なダメージを受け後悔する少女らを取材している。すでにアマゾンなどネット書店では予約が始まっている。 同書

有名だけど退屈な小説の代表格は、『一九八四年』だ。全体主義による監視社会を描いたディストピア小説として有名なやつ。 2017年、ドナルド・トランプが大統領に就任した際にベストセラーになったので、ご存知の方も多いだろう。「党」が全てを独裁し、嘘と憎しみとプロパガンダをふりまく国家が、現実と異なる発表を「もう一つの事実(alternative facts)」と強弁した大統領側近と重なったからかもしれぬ。 『一九八四年』は、学生の頃にハヤカワ文庫で読んだことがある。「ディストピア小説の傑作」という文句に惹かれたのだが、面白いという印象はなかった。 主人公のウィンストンは優柔不断で、あれこれグルグル考えているだけで、自ら行動を起こすというよりも、周囲の状況に流され、成り行きで選んでゆく。高尚な信念というより下半身の欲求に従っているように見える。 「党」を体現する人物との対話も、やたら小難しく何を言

Big Brother is Watching YOU!!!2023年の年頭に宣言した通り、オーウェル『1984年』の全訳をあげました。 genpaku.orghtml版と、pdf版があるので、まあお好きに。当然、クリエイティブコモンズなので、自由にお使いください。個人的にはいま出版されているどの翻訳よりもいいとは思うが、それは趣味もあるでしょう。商業出版したいとかいうところはあるかなー。なければ自分で電子ブックでも作って売ろう。 追記:商業出版したいというところが出てきたので (まだ確定ではありません) 、いまのうちにダウンロードしたりあちこちにばらまいたりしておくといいと思うぞ。(11/28) ビッグ・ブラザーのポスターでもトップにかざろうかと思ったけれど、みんなおどろおどろしいものばかりで、小説の記述に即したニュートラルなものがあまりないので少しびっくり。 訳していて、いろいろ含

自分ツッコミにあふれた世界 グレタ・ガーウィグ監督、マーゴット・ロビー主演の映画「バービー」(マテル・フィルムズ制作)が日本でも公開された。玩具メーカー・マテル社が1959年から販売してきたドールを実写化した映画で、バービーたちが暮らすバービーランドには明るいピンクの街並みが広がり、おしゃれな装いの有能な女性たちが闊歩する。しかしその表層的意匠とは裏腹に、生きること死ぬことの意味をめぐり実存主義的な問いかけをも擁した作品だ。 「世界的大ヒット」と銘打たれているが、日本の興行成績はそこまでではなさそうだ。まず、原爆の父を描いた映画「オッペンハイマー」と「バービー」をかけ合わせた、きのこ雲を使ったコラージュ画像に米国公式アカウントが好意的なリプライを付けたことがイメージダウンにいくらか荷担した感は否めないのだが、コメディ映画なのにゲラゲラ笑って観ている人が少ないのではないか? 私は東京近県のシ

村井理子 @Riko_Murai 男性は、ほんのわずかに気持ちいいことのために、本当に女性の人生を危険に晒すのでしょうか? ええ。晒します。そんなことは毎日起きています。道端に咲くタンポポぐらい、ありとあらゆる場所にある話です。 ――ガブリエル・ブレア 射精責任 - 太田出版 https://ohtabooks.com/publish/2023/07/19181958.html @OHTABOOKS_PR より ohtabooks.com 射精責任 - 太田出版 全米騒然! ニューヨークタイムズ・ベストセラー選出 世界9カ国で翻訳 刊行前からSNSで話題沸騰!! 男性は、ほんのわずかに気持ちいいことのために、本当に女性...著『射精責任』作品案内。/ISBN:9784778318789、2023年7月19日搬入発売。 午前11:47 ·2023年5月29日 村井理子 @Riko_Mura

8月 2025 (19) 7月 2025 (22) 6月 2025 (22) 5月 2025 (23) 4月 2025 (20) 3月 2025 (21) 2月 2025 (22) 1月 2025 (23) 12月 2024 (24) 11月 2024 (23) 10月 2024 (32) 9月 2024 (27) 8月 2024 (26) 7月 2024 (24) 6月 2024 (27) 5月 2024 (26) 4月 2024 (24) 3月 2024 (24) 2月 2024 (25) 1月 2024 (23) 12月2023 (28) 11月2023 (24) 10月2023 (25) 9月2023 (26) 8月2023 (25) 7月2023 (27) 6月2023 (28) 5月2023 (28) 4月2023 (26) 3月2023 (29) 2月 2

1962年 私は記憶が良い、名前や顔については別だが。私は一度読んだものは忘れはしない、然しこれには不都合なこともある。――私は世界の傑作の小説なら二三度は皆読んだがもうそれを興味をもつては読み得ないのだ。近代の小説には私の興味のわくようなものは殆どない。そんなわけで数限りなくあるあの探偵小説がないとしたら私は娯楽に途惑うであろう。読む人を魅了し去つて時の経つのを忘れしめるがさて一旦読み了ると記憶から忽ち去るあの探偵小説がなかつたとしたら。 2021年 いまやビデオゲーム市場はメンタルクリニックの待合室のようだ。 そこでは制作者が直面した憂鬱や病や困難が吐露され、主として「『MOTHER』シリーズに影響を受けた奇妙なビジュアル」*3の形式で打破されたり抱擁されたりする。憂鬱はアートとなり、不安は商品になる。この世界ではあなた固有の絶望はあなたに固有のものではない。「個人的なことはすべて政治

Twitterを見ていたらこんなツイートが流れてきた。 How youremail finds me pic.twitter.com/XIQgR57AbZ— Oded Rechavi (@OdedRechavi)2022年10月13日 ゴミ捨て場にベッドマットが落ちてて、そこにイノシシ?ブタ?が倒れている。 ツイート本文には「How youremail finds me(あなたのEメールが私を見つける方法)」と書いてある。 なんらかの冗談っぽい印象を受けるのだが全く意味が分からない。でもこのツイートは2.3万RT/15.7万favを獲得している。 意味が分かればめちゃくちゃ面白いに違いない。 調べて理解することにした。 なお筆者の英語力は海外のゲーム攻略Wikiを斜め読みする程度です。 ミーム:How TheEmail Finds Me 日本語の冗談でもそうだが、ネット上にある冗談

どうやら殆どの場合は楢と訳すのが適切で、樫は誤訳になると。 ちなみにオークはブナ科コナラ属の木の総称で、日本で言うところの楢と樫の両方を包含する。 そんでオークのうち、一般的に落葉樹が楢で常緑樹が樫と呼ばれる。 なおヨーロッパで樫が生えているのは南欧に限られ、イギリス含む中欧・北欧は楢ばっかり生えていると。 これが最初に書いた、オークを樫と訳すのが基本不適切な理由らしい。 実際英語でオークのうち樫だけを指すときは"live oak"と言うみたいだし。 ではなぜこのような誤訳が起きたかと言えば、ヨーロッパにおけるオークの価値が、明治に和訳された時分に、翻訳者含め日本で十二分に理解されていなかったからと推測される。 というのも日本では古来、杉とか檜とかの針葉樹に高い価値があって、広葉樹は欅とか桐みたいな例外を除いて、近年まで雑木扱いだったイメージ。 これは従来日本における木材の用途が主に「建築

戦禍を逃れ、日本へと避難してきたウクライナ人女性が、神妙な顔つきで心境を吐露する。 「今は大変だけど平和になるように祈っている」 画面下の字幕にはそう記されている。4月10日、NHKの正午のニュースで、ウクライナのザポリージャから来日した女性が取り上げられた。祖国を憂い、平和を祈るウクライナ人女性のインタビューに映るが、発言内容に疑問の声を上げるのは、ロシアやウクライナ情勢に詳しい青山学院大学名誉教授の袴田茂樹氏だ。 「実際にニュースを見ていて、強い違和感を持ちました。映像中の女性の言葉は、南方アクセントのロシア語とウクライナ語のミックスで、直訳すると『私たちの勝利を願います。勝利を。ウクライナに栄光あれ』と話しています。戦争に勝つことを願う主旨の発言で、平和云々は語っていない。NHKの字幕は意訳ではなく戦闘を悪とする平和主義の意図的な改変だと感じました」NHKは昨年12月、東京五輪の公

これは後追いで知ったのだが、数日前、「Language learning influencer」を名乗るある人物のツイートが日本語学習者界隈をざわつかせた。SNS上では、その人の発言を肴に熱い議論が交わされており、なかにはずいぶん感情的なやりとりも見える。議論は匿名掲示板(4chan、Reddit)の方にも飛び火していて、とても全部を追うことはできない。英語が苦手なので、発言のニュアンス等、よくわからない部分もあるけれど、なかなか面白かった。 発端となったのは、gambsさんという方の次のツイートだと思われる。Going toblow the minds of everyJapanese learner right now pic.twitter.com/PUiZ9fNGLA — gambs, king of incelweabootwt (@gambsVNs)2022年2月14日
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