一 門を出た途端、吹き抜ける風が柔らかに色鮮やかな草花を揺らした。頬へぶつかる風に混じる、乾いた土と草木のみずみずしい香り。 膝丈ほどの高さに伸びた草の隙間からは、丸みを帯びた形をしたピンク色の生き物が動き回っているのが見える。〈わたくさポケモン〉のハネッコだ。その近くには〈わたげポケモン〉のメリープの姿もあった。ふかふかの体毛に草のかけらが絡まっている。 ポケットモンスター、縮めてポケモン。この不思議な生き物は、人間と同じように昔からこの地に棲すみ、生きている。 伸び伸びと過ごす野生のポケモンを見ていると、ネモは自身の心臓が強く高鳴るのを感じた。冒険の予感に胸が躍る。モンスターボールのなかではきっと、仲間のポケモンたちもその目を輝かせていることだろう。 ポニーテールにした黒髪を結び直し、ネモは記念すべき一歩を踏み出す。 天気は快晴。旅立ちにふさわしい青空が、その頭上に広がっていた。 ネモ

◆作品紹介 どこか懐かしく、どこか澱んだ未来。「ニニ」は木の下でモチを食べ、老人たちにニコニコと笑いかける。穏やかな宇宙ステーションの中で、人と機械たちは互いに水を飲み、食べ物を食べ、神様を信じている。それらは一見同じように見えるのだが、どうしても重なりあえない。一体なにが違うのだろうか? どこに境界があるというのだろうか?——そんな幾度となく繰り返されてきた問いもまた、遥かな時間の中に溶けてゆく。ここでは人であれ機械であれ神であれ、誰からも必要とされなくなった後の物語が語られている。そこに救いは訪れない。彼らはただ、無くなるまで在り続ける。しかし最後にあなたは目にするだろう、未来の果てに広がる異形の調和を。(編・青山新)

はじめましての人ははじめまして。そうでないひとはお久しぶりです。本日付で最終出社日を迎えるエンジニアの猫ロキP(@deflis/id:deflis55)です。 ドワンゴはすごく好きな会社ではあるのですが、新卒で入社して10年以上勤めたドワンゴを離れて、はてなのノベルチームで働くことになりました。本当に好きな会社で、どうしても人とお金が足りてないなとか色々思うところはあるんですが、それ以上に出版業界に情熱を傾けたいところが強くなってしまって、転職を決意したのでした。 何を考えて転職を決意したのか、言える範囲で説明します。 入社した経緯とドワンゴとの関わり ドワンゴの良いところ 転機 今後のキャリアプラン的なことについて 改めて たぶん書籍化の決まってないカクヨムのおすすめいくつか 書籍化しているカクヨムのおすすめ その他おすすめライトノベル おまけ 入社した経緯とドワンゴとの関わり 201
【カドカワBOOKS様より全2巻+[Disc Ex]発売中!】 【コミカライズB's-LOG COMIC様他にて連載中!】 「いくら婚約者といえど、人目のあるところで気安く私に触れないでいただけますか?」 『そういいつつも表情はまんざらでもなさそうだ! なのになぜ素直にかわいく嬉しがることができない……!』 『彼女はツンデレですからね。 恥ずかしさが閾値を越えるときつい言動をしてしまうのでしょう。 ただここでおさえたいポイントは、人目がないところであればかまわないと言ってるも同然ということです』 乙女ゲームのツンデレな悪役令嬢リーゼロッテのツンな言動を懇切丁寧に実況する遠藤くんと解説する小林さん。 そんな2人の声が、突然リーゼロッテの婚約者のジークヴァルトにだけきこえるよう…続きを読む

[負け丼](1/1) 負け丼というものを注文してみた。 たまたま訪れた街のふらりと寄った定食屋。妙ちきりんな名前が定番メニューの中にまぎれている。 カツ丼とかけているであろう負け丼を注文すると、一癖も二癖もありそうな店のオヤジがにやりと笑った。 インパクトのあるものが出てきたら、写真を撮ってブログのネタにしてやろうと待ちかまえていたら、どんぶり一杯の白いご飯が! 目を丸くする僕を見て店のオヤジはまたにやにや笑い。780円というカツ丼なみの値段で山盛りご飯だけなんてぼったくりもいいところだ。しかもぱっと見ただのご飯ではブログのネタにもなりやしない。 自分の決断を悔やみながら、白いご飯をのどの奥に押しこんでいく。ネーミングにやられて注文してしまったのは僕の責任だけど、やっぱりオンリーご飯で780円は高すぎだと思う。食ったからにはお代を払うが、店のオヤジに文句の一つでも言って
大賞7作品、特別賞19作品が決定! 「第1回カクヨムWeb小説コンテスト」は当初の予想を遥かに上回る、5,788作品ものご応募をいただき、読者選考の結果、185作品が最終選考に進みました。 最終選考対象作品は、KADOKAWA内の11の編集部によって厳正に審査され、大賞7作品、特別賞19作品を選出いたしました。ここに各ジャンルの大賞・特別賞を発表させていただきます。 ファンタジー部門 魔王を倒せ。それだけがお前の使命のはずだ。 誰にでもできる影から助ける魔王討伐 著者=槻影 魔王クラノスが人類に宣戦布告して十年。 強大極まりないクラノスの軍に劣勢に立たされ、退っ引きならない状態に陥った王国は教会の持つ禁断の秘奥、英雄召喚の実施を決定した。 召喚された聖勇者、藤堂直継の栄えあるパーティメンバーにプリースト(ヒーラー)として選ばれた俺は、残りのパーティメンバーとして選ばれた二人、魔導師と剣士が

タイトル:진실게임(チンシルケイム) 運営開始日:2029/03/16 運営元:ゲーム中毒カウンセリングセンター 世界のあらゆる低評価なゲームをレビューしていくレビューサイト「The video game with no name」、第七回目となる今回は、2029年サービス開始、ゲームに飽きる為に生み出されたゲーム「진실게임(チンシルケイム)」の紹介です。 === 良いゲームを遊ぶと手が震えるという事は、何らおかしいことではありません。元来、人間は言葉を持たなかったんです。むしろ身体が震えるという感動表現こそ、人間という生き物の自然な感情の発露なわけで。心が震えるゲームを遊べば…、当然、身体も震えるべきでしょう。コントローラーを持つ手が震えもしないようなゲームを、あなたは遊びたいと思いますか!? …という話を、今回もまた担当の医師に懇切丁寧に説明したのですが、残念ながら、今回もまた分かって

この作品を読んで改めて実感しました。 SFというジャンルの素晴らしさを。 他のジャンルの作品が王道だの創作ロジックだの既存の名作だのの重力にとらわれ、わずかに残った未開の地を求めて地べたを這いずり回っている間、彼らは重力を無視してふわふわ宇宙まで飛んでいくことを競ってるのです。(いや、まあ、SFはSFなりの既存作の影響はあるのでしょうが、それでもです) この物語はなぜか月に倒れている記憶喪失の男、つまり全くの白紙の男に、 謎の声がありとあらゆる可能性をうそぶくという体裁をとっています。 その『声』が提示する可能性のうちいくつかは、私が読んでも何が元ネタか分かる内容のものです。ちゃん…続きを読む

それはGWの4日の昼前のことでした。 なぜだか突然、極端に食欲がなくなってることに気付きました。 どうにか無理矢理に食事は済ませたものの、一般的なダルさの5倍ぐらいのダルさがきて、これはおかしいなと思ったら、発熱してました(38度ちょっとぐらい)。 その時は風邪かなと思って、その日は風邪の時用のスポーツドリンクやうどんを買ってきて、安静にしてたのですが、夜に寝る時に不気味なぐらいおなかが張ってます。なんか、おかしいぞと感じました。 その夜、1時間に一回ほどのペースで下痢で目が覚めました。 ただ、風邪でも目が覚めることはあるし、下痢になることもあるし、そういうものだとまだ思ってました。 翌日、5日。 一言で言えば、一日中下痢をしてました。夜中の回数を除いても20回はトイレに籠もった気がします。 あ、これ、風邪としても相当重いぞ……。明日、医者に行こう……と思いました。 その日の夜も下痢で2回

Yoshiの『Deep Love』がヒットしたのが2002年、美嘉の『恋空』書籍化が2006年。Wikipediaにはケータイ小説の「ブームは終わった」と書かれている。たしかにかつてのように100万部、200万部クラスの作品はなくなった。 しかし2015年12月に刊行された沖田円『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』は口コミで広がり発売3か月で16万部。櫻いいよ『君が落とした青空』は横書きの文庫で6万部まで到達したのち縦書きでも刊行され、さらに4.5万部売り伸ばしている。 単行本なら初版4000部以下がざらである日本の小説市場において、ケータイ小説の書籍化は、映像化に頼らずとも継続的にポテンヒットを生み出しているジャンルとして注目に値する。 また、内容面から見ても、「実話をもとに書かれた」と銘打った、性的暴力や妊娠、難病による死などを扱ったジェットコースター的な物語というかつてのイメー
底辺ラノベ作家・石川布団と人語を解する猫・先生のラノベ新企画をめぐる苦悩と法悦の日々。 (このお話はフィクションですのであまり真に受けないでくださいね) 書籍化が決まりました。ガガガ文庫さんから2017年11月17日発売予定です。

本日、カクヨムのスマートフォンアプリをリリースしました。iPhoneとAndroidどちらの端末からもご利用いただけます! ダウンロードはこちら こちらからアプリをご利用いただけます。アプリでカクヨムの小説をお楽しみください!iPhone/iPadアプリ: https://itunes.apple.com/app/id1081762516Androidアプリ: https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.kadokawa.el.kakuyomu 参考記事 開発中のカクヨムアプリをチラ見せします カクヨムユーザー登録で、より快適で便利に小説が楽しめます

先日、現カクヨム世界一位の「横浜駅SF」の作者イスカリオテの湯葉さんがこのようなツイートをしておられました。 (※なお、例のアレとアレはやはりランキング除外されておりました。そうだね。) ※横浜駅SF(イスカリオテの湯葉) - カクヨム 絶えまない増改築の続く横浜駅がついに自己増殖能力を獲得し日本の99%を覆い尽くした未来を描くSF小説。 あらすじで全力でぶん殴った読者の首根っこを引っ掴みぐいぐい読ませる。一発ネタを発展させた「誰がここまでやれと言った」タグを進呈したくなる作品。 面白いぞ!*1 これ、同じ疑問持ってる人少なくないと思うんですよね。 最近「小説家になろう」出身作品を中心にWeb小説が大人気で、ランキング上位の作品は軒並み書籍化されていて(というか最近はそろそろ人気出てきたかな?→書籍化決定しました! 報告が当たり前になってきていて)アニメ化される作品もいくつも出てきて……っ

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