→紀伊國屋書店で購入 エリスのモデル、エリーゼ・ヴィーゲルトの実像が判明したのだから今さらであるが、何が書いてあるのだろうという好奇心から読んでみた。ユダヤ関係では凡人には理解しがたい天才的なひらめきで書かれた本をよく見かけるが、本書も超天才のひらめきを満載した本だった。 たとえば劈頭に置かれた「『舞姫』再考」の「エリーゼの腸の長さは」という条。この論文の著者で本論集の編者でもある荻原雄一氏はユダヤ人には食物の禁忌があると指摘して次のようにつづける。 では、ユダヤ人の腸の長さは、どうであろうか。彼らはヨーロッパに住みながら、日本人と似たような食事をしている。鷗外が興味を持たない訳はないだろう。 しかも、この『日本の食物問題』は、カルルスルーエへ旅立つ十日前に、ベルリンで(それもクロステル街に下宿していたときに)書きあげたのだ。この時期を考慮しながら、エリスのモデル問題に触れると、刺激ある結

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