大手商社の三菱商事が、建設コストの大幅な上昇を理由に秋田県と千葉県の沖合での洋上風力発電から撤退したことを受けて、政府は、洋上風力発電の事業者が採算を確保して事業を継続できるよう、支援を厚くする方針です。 三菱商事は先月、建設コストの大幅な上昇を理由に、秋田県と千葉県の沖合で計画していた洋上風力発電から撤退すると発表しました。 洋上風力発電をめぐっては、コストの上昇で事業の採算をとるのが難しくなっていることから、洋上風力発電を再生可能エネルギーの柱と位置づける政府は、事業者が採算を確保できるよう支援を厚くする方針です。 具体的には、風力発電のために海域を利用できる期間を現在、最大30年間としていますが、原則10年まで延長を認めるほか、建設コストの上昇分の一部を電力の買い取り価格に上乗せできるように制度を変更する方向です。 政府は、三菱商事が撤退したあとの事業者の再公募を検討していて、これま

東京都練馬区の前川燿男区長は5日、2026年度に予定していた区立美術館の建て替え工事の着工を見送ると表明した。建設費の高騰で当初76億円と見込んでいた整備費が4割増の109億円に膨らみ、区がコストが妥当かどうか検証を進めていた。建設費高騰による公共工事の中止や延期の動きが広がってきた。5日、前川氏が区議会で「事業者確保の見通しが立たず、本体工事契約の不調リスクは極めて高い。26年度の着工は見送

太平洋沿岸にある千葉県匝(そう)瑳(さ)市の今泉浜地区に整備された津波避難タワーの腐食が進み、2015年の完成から10年しかたっていないのに使用不能になっている。予算の関係で建て替えの時期も不透明で、近隣住民やサーファーからは「こんなに早く駄目になってしまうなんて」「いざという時に困る」と困惑の声が上がる。(大治有人) 【写真】タワーの手すりはどれもさびついている

秋田県と千葉県の沖合で計画されている洋上風力発電について、事業を中心的に進めてきた大手商社の三菱商事が、コストの大幅な増加などを理由に撤退する方向で最終調整を進めていることがわかりました。洋上風力発電を取り巻く環境は厳しさを増しており、国のエネルギー政策への影響も避けられない見通しです。 三菱商事は、秋田県と千葉県の沖合の3つの海域で、中部電力の子会社などとともに洋上風力発電の計画を進めていましたが、ことし2月コストが大幅に増加したとして計画全体を見直すことを明らかにしていました。 関係者によりますと、会社が事業にかかるコストを改めて計算した結果、資材価格や人件費などの高騰で採算を確保することが難しいと判断し、計画から撤退する方向で最終調整を進めていることがわかりました。 会社は地元の関係者などに事業から撤退する意向をすでに伝えていて、27日にも記者会見を開き、正式に表明することにしていま

工事代金の未払いが発生し、開館できないままのアンゴラパビリオン=2025年6月4日、大阪市此花区、夢洲の大阪・関西万博会場で、筆者撮影 4月13日に開幕した大阪・関西万博で、パビリオン建設の代金を支払ってもらえない下請け業者らが「万博工事代金未払い問題被害者の会」を5月27日付で結成した。会の代表の設備工事会社社員は5月30日に大阪府庁で記者会見し、「開幕に間に合わせるため昼夜を問わず働いたのに、万博倒産しかねない状態。日々の生活に困っている人もいる。万博協会(2025年日本国際博覧会協会)は、万博に尽力した人々を救済してほしい」と訴えた。 「三次下請け会社が4300万円の踏み倒し」万博のアンゴラパビリオン工事で代金未払いがあり、関わった業者が窮状に陥っていると記者会見で訴える「万博工事未払い問題被害者の会」の代表=2025年5月30日、大阪市中央区の大阪府庁で、筆者撮影 代金未払いが起こ

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに158の国と地域が参加する大阪・関西万博は、大阪 此花区の人工島、夢洲を会場に、4月13日から半年間、開催されます。 会場のシンボルである世界最大の木造建築物、1周およそ2キロにわたる「大屋根リング」は、344億円をかけて2月に完成しました。 国内外から出展する84のパビリオンのうち、参加国や企業などがみずから建設する69のパビリオンでは、国内企業を中心に建物の工事や展示準備が大詰めを迎えています。 ただ、海外については、参加国がみずから建設する42のパビリオンのうち、建設を終えたのは現時点でアイルランド、オランダ、韓国など8つで、関係者からは工事の遅れを懸念する声も出ています。 こうした中、実施主体の博覧会協会では、4月4日から6日にかけて試験的に来場者を無料で招いて運営上の課題を最終確認する「テストラン」を実施することを決め、およそ4万人の定員

2025年大阪・関西万博(4月13日開幕)の工事現場に女性用トイレの設置を望む声が大阪府に寄せられた。 日本国際博覧会協会(万博協会)は「女性用トイレはある」とするものの、設置場所や数は把握していないという。「女性の切実なお願い」が届いたのかは判然としない。【太田敦子】 11時間、「トイレに行けない」大阪府は、日々寄せられる意見や要望について、貴重な提言が含まれているとの考えから「府民の声」として公開している。 そして、「回答すべきもの」は担当部署に知らせ、府政への反映状況や声への回答などをホームページで紹介している。 「パビリオンの中で作業している女性」とする府民の声は24年12月6日に寄せられ、今年1月31日にホームページに記載された。 内容はこうだ。 <現場には男性用トイレしかなく、女性用トイレがない> <トイレに行けるのは、駅に着いた朝7時、仕事が終わって駅に戻る18時ごろ> <

6つの中央塔の最後の1つ「イエス・キリストの塔」は高さ172.5メートル。2026年の完成を目指してリープヘル社のクレーン2台が作業を続けている LIEBHERR <ガウディの描いた夢が最新技術の力でついに現実へと近づいている。完成時期の見込みと残された最後の課題とは?> 140年以上も建設が続いているスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂。その完成がついに視野に入ってきた。 カタルーニャの偉大な建築家アントニ・ガウディが設計したこの驚くべき聖堂(バシリカ)は、ゴシック様式とアールヌーボー様式を融合させたもので、地上で最も美しい建築物の1つとの呼び声も高い(イギリスの作家ジョージ・オーウェルは世界で最も醜いと評したことがあるが)。 現在は世界的建設機械大手リープヘル社製のクレーン2台を駆使して、完成予定の2026年に向けて順調に工事が進んでいる。 23年11月には4つの「福音書記者
2025年に開かれる「大阪・関西万博」の工事現場見学ツアーが30日から大阪市の夢洲で始まった。しかし、SNS上では写真撮影の制限が厳しすぎることが物議を醸している。 ツアーは10月まで計6日開かれ、計900人が参加する予定。344億円をかけた高さ12メートルのシンボル「大屋根リング」に上がることができる。1日に申し込みを開始したところ、個人と団体がともに5~6分程度で完売したという。 しかし、X(旧ツイッター)では、このツアーが別の側面から話題となった。旅行会社のサイトにあるパンフレット(再改訂版)には現在、写真撮影について「撮影箇所:1カ所」「撮影媒体(カメラやスマートフォン等)をお預かりしてスタッフによる撮影に限定させていただきます。(お客様ご自身の撮影は一切禁止させていただきます)」と記載。理由については、「安全配慮等の観点」とある。パンフレットは複数回改訂されたとみられており、6月

大阪・関西万博に出展するインドが、独自パビリオンの建設を断念したことが分かった。 インドのパビリオン イメージ この記事の画像(6枚) 独自パビリオンの建設断念が相次ぐ中で、建設予定だった場所が空き地になる可能性があるが大阪府の吉村洋文知事は『空き地に休憩所などを作るべき』とする持論を展開している。 関係者によると、インドは「タイプA」と呼ばれる独自のパビリオンの建設を断念し、博覧会協会が簡易の施設を建設して引き渡す「タイプX」に移行するということだ。 【動画で見る】建設遅れの国に敷地を「強制的に返却」させる方針 万博パビリオンいまだ建設業者決まらぬ国も ■タイプXへの移行進まず 建設中の万博会場 当初60カ国が出展を予定していた独自パビリオン「タイプA」だが、25日、イランに加え新たにインドが建設を断念したことがわかり、現在は49カ国になった。 さらに、このうち10カ国程度は建設業者すら

■インドも独自パビリオン建設断念 パビリオンエリアに広大な空き地が生まれる可能性大阪・関西万博に出展するインドが、独自パビリオンの建設を断念したことが分かりました。 関係者によると、インドは「タイプA」と呼ばれる独自のパビリオンの建設を断念し、博覧会協会が簡易の施設を建設して引き渡す「タイプX」に移行するということです。 ■タイプXへの移行進まず 当初60カ国が出展を予定していた独自パビリオン「タイプA」ですが、25日、イランに加え新たにインドが建設を断念したことがわかり、現在は49カ国になりました。 さらに、このうち10カ国程度は建設業者すら見つかっていません。 協会は、簡易の協会が施設を建設して引き渡す「タイプX」9棟の建設を進めていますが、現時点で移行したのは5カ国にとどまっています。 ■「タイプX」の整備費用 回収困難 予備費から数十億円を捻出する案浮上 「タイプX」の整備費用な

(CNN) スペインのバルセロナにあるサグラダ・ファミリア聖堂が、着工から140年あまりを経て2026年、ついに完成する。 6つの塔のうち最後の塔の建設が完了すれば、サグラダ・ファミリア聖堂は完成を迎える。 サグラダ・ファミリアは23年の年次報告書発表の声明で、「聖母被昇天の礼拝堂は25年に、イエス・キリストの塔は26年に完成が見込まれる」と発表した。 26年に完成予定のイエス・キリストの塔(高さ172.5メートル)は、最後に高さ17メートルの十字架を設置する。 サグラダ・ファミリア聖堂が完成すれば、ドイツのウルム大聖堂を抜いて世界一高い教会となる。 カタルーニャの建築家アントニ・ガウディが設計したサグラダ・ファミリア聖堂の建設は1882年に始まった。聖堂は、それぞれ聖書の登場人物(12使徒と4人の福音書作家、聖母マリア、イエス)を象徴する18の巨大な尖塔で構成される。 ガウディが1926

2025年4月に開幕する大阪万博に暗雲が立ち込めている。11月半ばにはメキシコとエストニアが撤退したと日本政府が表明したほか、万博の建設費は膨らみ続け、建設費が当初に比べて最大500億円増えることが判明。パビリオンの建設をめぐっては参加国からも不満の声が噴出し始めている。 ■ヨーロッパの倉庫より高い 1平方メートルあたり80万円――。これが大阪万博の「タイプX」パビリオンの現在の価格だと、あるプロジェクト関係者は言う。タイプXはパビリオン建設の業者を見つけられず、予算にも限りがある参加国へ万博主催者側が提案したものだ。建設は博覧会協会が代理で行う。 ところが、これが新たな紛争の火種となっている。1平方メートルあたり80万円というタイプXは、期間限定の建物にもかかわらず、ヨーロッパの基本的な倉庫よりも10倍も高いのだ。 ターナー&タウンゼントの建設価格表によれば、タイプXパビリオンの建設費は

27日の参院予算委員会では、2025年開催の大阪・関西万博について議論が交わされた。万博にかかる総経費はいまだ不透明で、この日の審議では会場建設費2350億円とは別に、少なくとも800億円あまりの国…

6年前に「社員寮」を建てて、どんな“効果”がでたのか 50%→0%の数字に驚き:水曜日に「へえ」な話(1/5 ページ) 30年ほど前の話である。筆者の同級生は大手スポーツメーカーから内定をもらえたので、ものすごく喜んでいた。ところがである。入社前の説明会を受けて、その同級生は「働きたくなくなった」というではないか。当時「大企業で働けば、将来は安泰」などと言われていたのに、なぜ落ち込んでいたのか。 話を詳しく聞くと、人事から「独身寮に入らなければいけない」と言われたようで。しかも寮は2人部屋で、30代後半のおじさん……いや先輩と暮らすことが決まっていたそうだ。最後にその同級生は、遠い目をしてこのように語った。「オレ、この会社でやっていけないかも」と。 国土交通省のデータを見ると、社員寮は減少していて、1993年は14万件を超えていたものの、2011年には7万件を切るほどに。四半世紀の間に、半

14日午後、大阪市議会の万博推進特別委員会が行われ、大阪・関西万博の会場建設費について、大阪市民一人当たり約1万9000円の負担となることが分かりました。 万博の会場建設費は、これまでよりも500億円上振れし、最大で2350億円となる見通しです。 会場建設費は、国、大阪府市、経済界の三者がそれぞれ3分の1ずつ負担することになっています。 14日の特別委員会の中で、公明の杉田忠裕議員が市民の負担について「増額を含めると会場建設費は最大で2350億円ですが、これは市民一人当たりの負担はいくらなのか」と質疑。 これに対し、担当者から「大阪市の負担は2350億円の6分の1、約392億円となります」とした上で、「これを大阪市の推計人口約277万人で割りますと、一人当たり約1万4000円となります。大阪市民は府民でもあり、国民でもありますことから、同様に試算いたしますと府民負担の約4000円、国民負担

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