「クダンの話をしましょうか」内山靖二郎(MF文庫J) 夜の駅前広場の片隅で、小さな机を出して占いをしている制服の少女――クダン。 高校一年生の直辰が、最近様子がおかしい幼なじみのつぐみのあとをつけて初めて降りた駅の前で見たのは、おとなしい性格から想像すらできなかった派手な服に着替えたつぐみが、転校生のクダンと口げんかをしている姿だった。直辰は思わずつぐみに声をかけるが、つぐみは自分をヌエと名乗り、直辰のことも知らない人だと突き放す。いったい、彼女に何が起こり始めているのだろうか……? クダンの“予言”を巡って少女たちが織り成す、切なくてやさしい物語。 電撃文庫ではよく見られる切なくてやさしい短編連作。MJ文庫Fでは珍しい? 人の災いを予言できるが、それをその人に伝えるとその人の記憶から消えてしまうという能力を持った少女クダンの物語。 幕間がいい! もちろん本編あっての幕間だけど、たった10
転校生・クダンはセーラー服姿で街角に立ち占いをする。彼女自身が持つ「他人の災いを予言する力」を断ち切るという、鵺を探しながら。彼女が災いを告げたとき、告げられた人との縁は過去から未来に渡って完全に断ち切られる。そんな報われない孤独から抜け出すことを夢見て。 クダンと関わった3人の少女の顛末と、幕間によって構成された短編連作。登場する少女たちは、彼女たちの通う高校内に設けられたいわゆる学校裏サイト・カンバンの中で、自分とは別の人格を演じたり、何かを伝えようと声ならぬ言葉を上げていたり、他人を操り遊んでみたりと三者三様の立ち位置。 親しくなったがゆえに、別れの切なさもひとしおで。けれど、そこにあるのはクダン自身の優しさからくる予言。忘れてしまう相手よりも、覚え続けていかなければならないクダンにとって、予言をするという行為そのものが苦渋の決断なれど、その行動の根源には彼女の優しさが感じられます。
依って件の如し 相手の災厄を予言することで、自分が忘れられてしまうという予知能力をもった少女クダンにまつわる三篇からなる物語。 同作家の別シリーズ「神様のおきにいり」とは逆に、ちょっと切なくて物悲しい雰囲気の話です。 いつも無愛想で誰にもセメントな態度で接するクダンですが、 幕間に入るそんな彼女の日常生活が可愛くて和むw友達を災難から救ったのに、その代償として自分の記憶が消えてしまうというのは、彼女にとっては憐れな能力ですが、本当に相手のことが好きならば、縁が切れてもまた結び直せばいいじゃないですかねぇ。 友情は、たとえ忘れてても、消えてなくならないものです。 「件」と書いて「くだん」と読む、半牛半人の妖怪について。 確か怪談だと、雄の「件」の予言は絶対に外れないが、雌の「件」は予言を回避する方法を教えてくれる、だったかな。 相変わらずマイナーどころの妖怪をチョイスしてきますね。 あと
「あなたは一人でいたい――臆病だから」 「あなたはみんなを観察する――寂しいから」 「本当は誰かに自分を見つけてもらいたいのね……そこだけは、私の友達と同じ」 「あなたは誰にみつけてほしかったの?」 あらすじ夜の駅前の噴水広場の片隅、小さな机で占いをしているセーラー服の少女―クダン。 彼女には人の未来の災いが見えた。が、それを当の本人に伝えると彼女はその人の未来から消されてしまう―忘れられてしまうのだ。親しい人間の破滅がわかっているのに伝えずにいることなどできるだろうか?クダンは自分の悲しい宿命を変えうる存在「鵺」を捜し求めていた。 高校一年生の直辰が、最近様子のおかしい幼馴染・つぐみの後をつけて不思議な場面に遭遇した。普段からは想像もできない派手な服に着替えた彼女が、駅前でセーラー服姿の占い師と口喧嘩をしているではないか。しかも彼女は自らを「ヌエ」と名乗り― 地味なりになんか面白かった。
ネットいじめ。 最近の子供たちはムカつく奴がいたらそいつのブログに匿名で「死ね」とか「おまえウザイ」とか書きこんだり、学校BBSで「○○ってうざいよねー」とか書いたりするんだぜ? 相手が目の前にいるのに顔は笑顔で、でも手元の携帯で罵声を匿名で送ってるんだぜ? っていうネットいじめとかいうのをちょっと前に『クローズアップ現代』で観てたのでこの作者はどこまで最近の子供事情をキャッチしてるんだ、とちょっと感心したというお話。 閑話休題。 路上で占いをする少女・クダン。彼女は件――相手の不幸を予言し、予言した相手の記憶から彼女のことは消えてしまう――。他人を受け入れないクダンが他人を受け入れ、友人となった彼女の不幸を救うため予言をし、自らはまた孤独になるという短編連作。せつなさハートフル。 デビュー作『神様のおきにいり』があたたかさ100%なご町内妖怪モノだったのに対して、ちょっとビターな味わいを

「神様のおきにいり」の作者の新シリーズ。 特に打ち切りというわけではなさそうですが……MF文庫Jは結構切るからなぁ。 あっちもちゃんと続けていってもらいたいもんです。ライトノベル版京極堂シリーズ+ブギーポップ? 印象としてはそんな感じでしょうか。 この人らしいほのぼの感は依然たっぷり漂っていますが、 三人の少女のシビアな内面とのギャップに少し戸惑う。 幕間二編が実にらしさ全開で一番楽しめましたね。 主人公クダンはかなり可愛いよいキャラクター。 普段のクールフェイスと甘いものを前にした時のギャップが実によい。 外食と肉と魚の文字が小さいのもよい。 なんか側に置いてからかって遊びたくなる。 ……まぁ、角はイラストだとバレットにしか見えなかったんですが! 期待して読んだんですが、水を飲んだような読後感? さっぱりとか薄味とかそういうものではなく……ん~? 無色透明なおもしろさ、とでもいいますか
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