この子は命日が決まってるんだな。安楽死を決めた時、私はそう思った。 うちのかわいいかわいい猫のはなしをしようと思う。 疲労と虚しさMAXだった若かりし頃、実家の犬を恋しがる私に知人が囁いた。 「猫なら手がかからないよ」 あれこれ言い返したと思う。それでも知人は言葉巧みに猫の良さを吹き込み続けた。 結果、私は一度でいいから飼ってみたい、とメインクーンを選んだ。 いい子が安く買えるかも、と安易な思いつきでネットを検索し、ブリーダーからそれはそれはかわいいブラウンクラシックタビーの男の子を譲ってもらった。 買い手がつかず生後半年のその子は、7万円で我が家にやってきた。 残念なことに重度の食物アレルギーを持っていたその子は、メインクーンとしてはあまり大きくなれなかった。 メインクーンの成長が止まるまで三年ほど。その間、血便を伴う下痢を何度もくり返し、体質に合う処方食が見つかるまで一年かかった。

仕事もひと段落して、ビール飲んで酔ったから書く。 今まで迷ったことはあったけど、それは複数の選択肢でどれにするのかという悩みであって、今とは違う。 今はどう生きればいいのかわからない妻が死んだ。お腹の子も一緒に死んだ。 あまりに突然で、朝見送ったときはつわりはあったけれども、元気だったのに、死んだ。 病院に行ったときには、もうすでに息絶えていた。 薄目を開いてこっちを見ている。 泣き叫ぶことしかできなかった。本当に、何もかも信じられなかった。妻が死んだことも、自分がなんでここで泣いているのかもわからなかった。 嘘であって欲しかった。本当に嘘であって欲しかった。妻は子供が生まれるのを心底楽しみにしていた。 ありがちなのかもしれないけれども、生まれる前から男の子でも女の子でもいいように二つ名前を考えた。 女の子だったら眞子はどうかな? あと、男の子だったら春馬は? と妻。 眞子はいい

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