「本が売れないのは図書館が本をタダで貸すからだ」という主張がある。その反論も、先行する実証研究もいくつかあるけれど、いまいちこの主張の真偽を決定するには至らない。図書館貸出冊数が書籍販売金額に与える影響の計量分析の一考察 「本が売れぬのは図書館のせい」というニュースを見たのでデータを確かめてみました - CNET Japan どうして多くのひとが関心を持っているにも関わらず、この小学生が思いついたみたいな問題がちゃんと解決されないかというと、分解してみたら意外とややこしいからだ。 まず 「本が売れないのは図書館が本を貸すからだ」 が真だとしたら、その対偶である 「図書館が本を貸さなければ本は売れる」 も真となる。多分、この主張をするひとたちが言いたいのはこっちだ。 (すみません確かに対偶じゃありませんでした。ややこしいので削除します。ご指摘ありがとうございました) この問題を検証するには

「どうか文庫の貸し出しをやめてください」――文芸春秋の松井清人社長が、10月13日の「全国図書館大会 東京大会」でこんな訴えを行うことが分かった。図書館での文庫貸し出しが文庫市場の低迷に影響しているとし、読者に対しても「文庫は借りずに買ってください!」と訴える。図書館大会は12、13日に「国立オリンピック記念青少年総合センター」(東京・代々木)で開催。松井社長は「公共図書館の役割と蔵書、出版文化維持のために」と題した分科会で報告を行う予定で、その原稿がWebに掲載されている(PDF)。 講演原稿によると松井社長は、「確たるデータはないが、近年、文庫を積極的に貸し出す図書館が増えている」と指摘。「それが文庫市場低迷の原因などと言うつもりは毛頭ないが、少なからぬ影響があるのではないか」と考えているという。文庫市場は2014年以降、年率約6%減(金額ベース)と大幅な減少が続いているという。 文

売り上げ減少が続く文庫本について図書館での貸し出し中止を文芸春秋の松井清人社長が要請することが分かった。貸出数の4分の1を文庫が占める地域もあるなどと実情を示し、13日の全国図書館大会で市場縮小の要因の一つと訴える。 2015年の同大会でも新潮社の佐藤隆信社長がベストセラーの複数購入を出版不況の一因と主張。その後、図書館側が「因果関係を示すデータはない」と反論し、議論は平行線をたどった。今回は文庫に焦点を絞って問題提起する。 出版社側の調べでは、文庫本の貸し出し実績を公表していた東京都内の3区1市で、15年度、荒川区は一般書の26%を文庫が占めた。ほかの区市では新書も合わせた統計で2割前後に上った。松井氏は「文庫は自分で買うという空気が醸成されることが重要」と訴え、一石を投じる。 出版社は、小説などを雑誌で…

ハフポスト日本版ニュースエディター。 公衆衛生、ジェンダー、調査報道が関心領域。masako.kinkozan@huffpost.com

スウェーデン・アカデミーは5日、今年のノーベル文学賞を、長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。イシグロ氏の最新作「忘れられた巨人」など8作品の翻訳書を出版している早川書房の早川浩社長(75)は同日に会見し「近年候補に挙がり、近いうちに受賞されると思っていた。涙が出るほどうれしい」と語った。 【写真】自身が原作のTBSドラマ「わたしを離さないで」に主演した綾瀬はるかと、ロンドンで対談した際のイシグロ氏 早川社長がイシグロ氏の作品に感銘を受け、2001年に交渉して版権を獲得。15年には早川社長の長男の結婚式でイシグロ氏が仲人を務めた。日本語もある程度理解できるが、会話は全て英語。食事の席では周囲に気遣いを忘れない。家族思いで「娘も作家になるんだと言って喜んでいた」という。意外にも「ヤクザ映画好き」という一面もある。同社の仲介で、村上春樹氏とも交流を深めている

「読みたい本のタイトルが思い出せない」、「あらすじの一部はわかるんだけど・・」そんな経験、ありませんか。漠然とした問い合わせからも、本に関する深い知識と熱意を持って目的の本を探し出す書店員や図書館の司書たち。インターネット上でその活躍ぶりが話題となっています。(ネットワーク報道部記者 飯田暁子 宮脇麻樹) その一例、「“さよなら、二郎”っていう本ありますか?」 この方が探していたのは子どもの寝かしつけの時に人気の絵本、 『おやすみ、ロジャー』(カール=ヨハン・エリーン/著・三橋美穂/監訳) 一致している言葉はありませんが、タイトルの雰囲気はほんの少し似ている……、いや似ていませんね。書店員の方、よく見つけられたと思います。 もっとも、すぐ見当がつく問い合わせも多いようです。 「心臓だか肝臓だかを食べる話」「100歳まで生きてみたけどいろいろ腹が立つ、みたいな本」など。 これならあのベストセ

これといった特徴もない住宅街の一角に「えほんやなずな」ができたのは、2016年秋のことだ。経営者は「就職経験もほとんどなかった」という50代の女性。近所の人たちが徒歩や自転車で三々五々やってきては、引き戸を開けて入っていくー。「まちの本屋が消えた」と言われて久しいが、その一方、「地域に本屋を取り戻そう」と動き出した人たちがいる。経営が厳しいことは分かっているのに、なぜ? 本屋をつくる人々を各地に訪ねた。(益田美樹/Yahoo!ニュース 特集編集部) 8月の金曜日、夕方。茨城県つくば市の書店「えほんやなずな」は営業時間を延長し、「おとなのためのおはなしかい」を開いた。住宅街の一角。夜になっても、そこだけ灯りがともっている。10坪少々の、さして広くない店内で、店主の藤田一美さん(56)があいさつした。
『新潮』編集長・矢野優さん(52歳)。純文学の世界で、その名前を知らない人はいない名物編集者である。 2003年に30代半ば過ぎという異例の若さで、この老舗文芸誌の編集長に抜擢された。そこから作家たちの代表作をいくつも手がけ、次の文学を担う新しい才能の発掘もしてきた。 その矢野さんをして「新しい時代がここから生まれるんじゃないかと思って、わくわくしている」と語らせたのが、ヤフーとの共同プロジェクトである。 フィクションの大変化が迫っている?BuzzFeed Newsのインタビューに語った。 《インターネットの登場によって、世界中で小説だけでなく、フィクションの大変化というものが間近にあるような気がしてならないんですよ。 上田さんを追いかけて、このプロジェクトを進めていくことで、文学の未知の未来に近づく気がするんです。》 上田さんは1979年生まれ。新潮新人賞でデビューし、2015年に三島由

去る8月25日、図書館蔵書検索サービス「カーリル」のブログに掲載された「サービスに関する重要なお知らせ」を読んで、驚いた人は多いと思う。この日のブログにこのような一節があったからだ。 カーリルでは、Amazon.com, Inc.が保有する豊富な書誌情報(本のデータベース)をAmazonアソシエイト契約に基づき活用することにより、利便性の高い検索サービスを実現してきました。現在、Amazon.comよりカーリルとのAmazonアソシエイト契約が終了する可能性を示唆されているため対応を進めています。Amazonアソシエイト契約の終了は現時点で決定事項ではございませんが、カーリルではこの機会に、Amazonのデータを主体としたサービスの提供を終了し、オープンな情報源に切り替える方針を決定しました。現在、新しい情報検索基盤の構築を進めておりますが、状況によっては一時的にサービスを中断する可能性

書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている。出版取り次ぎ大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める。「文化拠点の衰退」と危惧する声も強い。 トーハン(東京)の7月現在のまとめによると、ゼロ自治体が多いのは北海道(58)、長野(41)、福島(28)、沖縄(20)、奈良(19)、熊本(18)の順。ほとんどは町村だが、北海道赤平市、同歌志内(うたしない)市、茨城県つくばみらい市、徳島県三好市、熊本県合志(こうし)市、宮崎県串間市、鹿児島県垂水(たるみず)市など7市や、堺市美原区、広島市の東・安芸両区の3行政区もゼロだ。 出版取り次ぎ大手・日本出版販売(東京)の別の統計では「書店ゼロ自治体」は4年前より1割増えた。 全国の書店数は1万2526店で、2000年の2万1654店から4割強も減った(書店調査会社ア

講談社は17日、神奈川県松田町の小、中学生に配布されているタブレット端末に10代向けの電子書籍を配信する協定を同町と結んだ。配信開始は今秋から予定する。教育環境のIT化が進む中、同社は「教育現場へのビジネス展開を進めたい」と話している。 対象は、タブレット端末が各自に配布されている小学5年~中学3年。小学生向けと中学生向けに、各10冊程度を毎月配信。朝の読書の時間(朝読)などでの活用を想定している。 各校の紙の本での蔵書数は限られるが、電子書籍なら多くの児童生徒が一斉に読める。その場で感想を言い合うこともできる。読書履歴やどのくらい読み進めたかといった実態の把握も容易なため、教師の指導にもいかせるという。 町内に書店はなく、町教育委員会は、子どもたちの新たな読書体験に期待を寄せる。本山博幸町長は「新たな世界との出会いの場として、読書の機会を広げたい」と話した。(塩原賢)

―― あらためて『月の満ち欠け』の直木賞受賞、おめでとうございます。岩波書店はじまって以来の快挙といいますか、偶然「図書」の「こぼれ話」を拝読していて、熱量がすごいな、と。 ありがとうございます。編集者としてこういう機会にめぐりあうことができるのは奇跡だと思いますし、とてもうれしかったものですから(笑)。 ―― 責了間際に、直木賞候補作ノミネートの話題を入れられたんですか? 校了の前ぐらいに報せが入ってきて。前半のほうの話題を削っておしまいのところに挟んだんですね。「図書」はPR誌ですし一応PRしないと、と思って。これを逃したらあとはもう書くときはないかもしれない(笑)。そう思って、入れたんですけど。 ―― 受賞発表から記者会見を行っている最中、社内にお祭りムードはありましたか? 僕は佐世保にお住まいの佐藤正午さんと、地元で受賞の報せを一緒に待っていたのですが、発表から1時間もしないあいだ

第157回芥川賞と直木賞の選考会が19日夜、東京で開かれ、芥川賞に沼田真佑さんの「影裏」が選ばれました。 また直木賞に佐藤正午さんの「月の満ち欠け」が選ばれました。
今から約10年前。日本中の女子中高生の間で大流行した、「ケータイ小説」を覚えているでしょうか。 10代の読者の方々はご存じないかもしれませんが、ケータイ小説は当時日本中で大ブームを巻き起こしたコンテンツであり、2000年代の若者文化を語る上でも重要なキーアイテムなのです。 ケータイ小説とはその名の通り、「ケータイ」で書かれ「ケータイ」で読む小説のこと。今でいう「ガラケー」で書かれたその小説は、素人が「実話」を元に書いたものがほとんどだとされています。 ただ、2017年現在、ケータイ小説という単語を久しく聞かなくなってしまいました。あれだけ流行したケータイ小説文化は、一体なぜ廃れてしまったのでしょうか。 今回はその歴史と背景を交えながら、なぜケータイ小説が若者たちの間でブームになり、なぜ急速に人気が衰えたのかを探っていきたいと思います。 ケータイ小説の歴史 単にケータイ小説といっても、ひとく

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