韓国内に100体以上あるとされる慰安婦像の撤去を求めて活動している韓国の保守系団体「オンマ(母さん)部隊」の朱玉順(チュ・オクスン)代表がこのほど来日し、日米韓の研究者らによる慰安婦問題を巡る国際シンポジウムに出席した。朱氏は、元慰安婦の女性が強制連行されたとする説は「噓」だったと指摘し、「噓で国民をだますことは日本であれ、韓国であれ、許せない」と訴えた。 さらに朱氏は、元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)前代表の尹美香(ユン・ミヒャン)氏(同団体への寄付金を横領した罪などに問われ、2審で執行猶予付き有罪判決。検察が上告)を批判。「親北朝鮮、北朝鮮従属の立場で慰安婦を利用し、反国家活動、反韓国の活動をしている」とし、慰安婦運動を長年率いてきた尹氏の狙いは、日韓関係の「破壊」にあると指摘した。慰安婦問題とは別に「尹美香問題」があるとの見解も示した。 シンポジウムでの朱氏の発言

林博史・関東学院大学教授 「慰安婦」はいなかったとする「否定派」の主張を、資料の検証や元「慰安婦」の聞き取りを行っている歴史学者、政治学者らが反証し、問題の争点を浮上させた映画『主戦場』。4月から上映している東京・渋谷の映画館イメージフォーラムではいまなお終映日未定のロングランとなっており、現代ではアンタッチャブルとなりつつあった「慰安婦」問題への関心が高まっている。 また、現在開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展「表現の不自由展・その後」で展示されていた少女像(※1)について批判が殺到、脅迫やテロを予告するようなファクス・電話が相次いだため、展示開始からわずか3日で同企画展自体が中止となった。これついては、「表現の自由」の制限のみならず、歴史を歪曲する動きが表出したことも懸念すべき点だといえよう。それを裏付けるように、大阪市の松井一郎市長は8月5日に記者団に対し、

日本近現代史を専門とする米コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)。『戦争の記憶 コロンビア大学特別講義―学生との対話―』(講談社現代新書)には、グラック教授がコロンビア大学で多様な学生たちと「戦争の記憶」について対話をした全4回の講義と、書きおろしコラムを収録している。 3回目の講義として収録されている「慰安婦の記憶」を3回にわたって全文掲載する最終回は、「慰安婦問題」が日本で、韓国で、世界で大きな意味を持つようになった背景に迫る。 日本と韓国 政府の対応の変化グラック教授 さて、ここまで民間の領域と個人の記憶の中で、慰安婦の記憶がどのように変化してきたかについて話してきました。ではこの間、オフィシャルの領域では何が起きていたでしょう。政府は何をしていたでしょうか。 ディラン 韓国政府は、この問題に便乗しているだけのような気がします。韓国政府の場合は、慰安婦問題が既に公になった時

2015年の日韓慰安婦合意に基づき元慰安婦や遺族への支援事業を行ってきた「和解・癒やし財団」が解散登記を終え、正式に解散したことが4日わかった。韓国政府は同日夕までに、財団解散の事実を日本政府に伝えていない。日本政府は解散に同意しておらず、反発を強めそうだ。 財団関係者によると、解散登記の申請は6月17日付で、3日に完了の通知が財団に届いた。文在寅(ムンジェイン)政権は、昨年11月に財団の解散方針を発表し、日本政府の同意のないままに解散手続きを進めていた。 財団は日本が出した10億円を財源に、元慰安婦に1人あたり支援金1億ウォン(約900万円)、遺族に同2千万ウォンを支給する事業に取り組んだ。事業の対象になった元慰安婦47人と遺族199人のうち、元慰安婦36人と遺族71人が受給を希望した。だが、受給希望者のうち、元慰安婦2人と遺族13人はまだ支払われていない。財団関係者は「今後、希望者に支

ドキュメンタリー映画『主戦場』が4月20日に公開され、既に二度、観に行ってきた。配給会社のスタッフに「篠田さんは真っ先に来てくれると思ったのに試写会にも来てないのでどうしたのかと思ってました」と言われた。確かにその通りで、忙しさにかまけて出遅れたことを反省している。 私の編集する月刊『創』(つくる)は、映画『靖国』や『ザ・コーヴ』が「反日映画」だとしてネトウヨの攻撃も含めて大きな騒動になった時、その一部始終を追いかけたし、『ザ・コーヴ』については、映画の上映中止が相次ぐ中で最初の大規模な自主上映も行った(警察が20人も出動する緊迫した中での上映だったが)。 慰安婦問題についても、2001年のNHK番組改変事件や、ネトウヨによる慰安婦問題の集会への攻撃、さらに2014年の朝日新聞バッシングまでフォローしてきた。 そうした経緯を経て、いまや慰安婦問題そのものがタブーになってしまった状況があるの

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