中国で作られたアニメがいかによくできているか、という話をした瞬間に、それは今の悪化する日中関係の中では「中国脅威論」として解釈されてしまうからだ。筆者自身、要するに中国はアニメでも日本を追い越してるという話がしたいんでしょ? と言わんばかりに目の前で心を閉ざす知人の反応を何度見たか分からない。 でもそうではないのだ。『羅小黒戦記』シリーズの本質はテクノロジーにあるわけじゃない。確かにスタッフの技術は高いのだが、CGを使った最新技術とか、巨額の制作費と人員を投じているとか、そういう物量で圧倒してくるわけではない。アニメーションの線はシンプルで、むしろ懐かしいクラシックな香りがする。でもそのシンプルな線で動きの芯をとらえる絵の見事さは、昔のカンフー映画に登場する、大剣を振り回す大男たちを煙管一本で制してしまう拳法の老師みたいな見事さだ。 日本のアニメーターも絶賛する“職人技” 2019年、前作

オリジナルTVアニメ「アポカリプスホテル」が6月24日深夜放送の第12話で最終回を迎えた。「勇気爆発バーンブレイバーン」に続くCygamesPicturesのオリジナルTVアニメとなる本作。最終話の放送直前に実施した、CygamesPictures代表の竹中信広さん、脚本家の村越繁さんへのインタビューをお届けしよう。 ※本インタビューは第10話までのネタバレを含みます。 ジャンルの切り替わりは意図せず、あくまで軸に置いていたのは「ホテルもの」 ──「アポカリプスホテル」、めちゃくちゃ面白いです! 9歳と8歳の甥っ子と、4歳の姪っ子もすごく楽しく見てるんですよ。 4歳の子は「ポン子かわいい!」と彼女のことが特に気に入っているようで、下の甥っ子はそのポン子が第4話でチェーンソーを構えた時に「やべぇカッコいい!」と興奮気味だったりしました。 竹中信広(以下、竹中) それは良かったです。ただ、第1

原作 荒木飛呂彦(集英社ジャンプ コミックス刊) Based on a story by Hirohiko Araki (Shueisha Jump Comics)

士郎正宗「攻殻機動隊」を原作とする新作TVアニメのタイトルが「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」であることが明らかになった。併せてメインスタッフ情報、特報映像、ティザービジュアルも公開された。 原作単行本の第1巻と同じくタイトルに“THE”を冠し、2026年に放送予定の「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」。アニメーション制作をサイエンスSARUが手がけることは既報の通りだ。監督を務めるのはTVアニメ「ダンダダン」副監督を担当し、Netflixシリーズ「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」、TVアニメ「平家物語」に携わったモコちゃん。モコちゃんは今作が初監督作となる。シリーズ構成・脚本はSF小説家であり、TVアニメ「ゴジラ S.P<シンギュラポイント>」シリーズの構成・脚本や、「攻殻機動隊」小説アンソロジーの一編「Shadow.net」も手が

いよいよ、2025年4月5日(土) よりNHK Eテレにて午後6時25分放送開始!(予定) <再放送>毎週木曜日 19時20分〜(予定) 世界中で愛されているモンゴメリ著・村岡花子訳「赤毛のアン」シリーズ(新潮文庫刊)のアニメ化作品、アニメ『アン・シャーリー』本PV解禁!! 原作:モンゴメリ著・村岡花子訳「赤毛のアン」シリーズ(新潮文庫刊) 制作:アンサー・スタジオ 【スタッフ】 監督 川又浩 シリーズ構成 高橋ナツコ キャラクターデザイン 土屋堅一 作画監督 渡辺裕二/斎藤直子 美術監督 工藤ただし 色彩設計 久力志保 撮影監督 齋藤真次 音響監督 小泉紀介音楽 大島ミチル 【キャスト】 アン・シャーリー 井上ほの花 マリラ・カスバート 中村綾 マシュウ・カスバート 松本保典 ギルバート・ブライス 宮瀬尚也 ダイアナ・バーリー 宮本侑芽 J .A.ハリソン 太田

〈アニメ療法〉をご存知でしょうか? ちょっと目にした耳にしたことがあるという方はいらっしゃるかもしれませんが、くわしく知っているという人は少ないでしょう。 それは精神医療の臨床にアニメをもちいる方法論のことで(この場合「アニメ」とは日本製のアニメやマンガ、ゲームなど広い範囲を指す)、イタリア人精神科医のパントー・フランチェスコさんという人物が考案しました。 アニメを精神的な病気の治療に使うというと、いかにも奇異な、いってしまえば色物的な印象を受けてしまうところですが、じっさいには医療的な伝統にのっとったものであり、また、それなりのエビデンスも蓄積されてきているのだとか。 となると、一アニメオタクとして非常に気になるわけで、そのアニメ療法の「理論編」の『アニメ療法』(968円)と、「実践編」であるところの『実践アニメ療法』(3740円!)を、先日、Amazonで、断崖から飛び降りるような気持

『イデオン』はエゴの死 ー 新潟国際アニメーション映画祭』で富野由悠季のインタビュー by Ludovic Joyet | Aug 2, 2024 | インタビュー | 0 comments 富野由悠季は、疑いなくアニメ史上最も有名で重要な監督の一人。『ガンダム』の生みの親であるだけでなく、ロボットアニメとSF全般に影響を与えた作品を残した、非常に多作なクリエイター。 このような伝説の人物に会う機会があったのは、第2回新潟国際アニメーション映画祭のときだった。富野監督はエネルギッシュで親切で、海外の人と自分の作品や映画への愛について喜んで語った。 聞き手: ジョワイエ・ルド、ワツキ・マテオ 協力: ワツキ・マテオ 編集協力: 前田久 Q:富野監督は物語と世界観を作るのが非常に上手だと思いますが、それなのにどうしてロボットものしか作り続けないのでしょうか? 富野: 他の仕事がなかったからです

上海映画祭17本目、パキスタンアニメ「THE GLASSWORKER」> 「THE GLASSWORKER」<、圧倒的戦争映画だった。個人的アニメ映画史上日本作以外滅多にない「見入った」体験を得た、完全没入。中国はPV見てパキスタン宮崎(笑)とか言ってたけど見終えて皮肉なしに「パキスタン高畑」だった。 これ日本でやったら話題作間違いなし。 pic.twitter.com/Hz12I6zv3L— 酱牛腱 (@jiangniujian) June 23, 2024 ネタバレしないで主に演出作画の話をこれからするが、少しだけテーマの話を。 例え戦争という抗えようのないものを前に、何を拠り所に救いを探していくか問題に対して、主流なら家族、恋人、守るべきもの、信念、愛国心とかあるけど、本作は明らかに中日米作品に辿り着けそうにない答えを出してみた。— 酱牛腱 (@jiangniujian) 2024

主要キャラクターを映した場面写真3点を世界初解禁(C) 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.フランスで開催中のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭」にて6月11日(現地時間)、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ初となるオリジナル長編アニメーション映画「THE LORD OF THE RINGS:THE WAR OF THE ROHIRRIM(原題)」の記者会見が行われ、世界初となる映像と、主人公のヘラ王女ほかキャラクターを映した場面写真3点がお披露目された。 「攻殻機動隊 SAC_2045」シリーズなどで知られる神山健治が監督を務め、12月に全国公開される。本作は、J・R・R・トールキンによるファンタジー小説「指輪物語 追補編」の一部であるローハンの最強の王ヘルムについての記述をふくらませたオリジナルストーリー。「ロー

本製作委員会によるアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」において、北朝鮮の制作会社が関 与していたと疑われる報道につきまして、大変お騒がせしておりますことを謹んでお詫び申し上げます。 今回の報道を受け、制作に関わったスタッフの調査を行った結果、本製作委員会から制作委託 を請けた颱風グラフィックスから日本の制作会社へ、同社から中国の制作会社へ、更にそこから別 の中国の制作会社へ一部の作業が委託されたことが判明しました。 これらすべての委託先に対し、作業スタッフを特定するため、各話に関わったスタッフリストの提出を求めたところ、これに応じない会社が1社ありました。したがって、当該会社へ委託した作業については、北朝鮮の制作会社の本作への関与の可能性が否定できないと判断し、該当部分をすべて国内スタッフにより制作し直した上で放送することといたしました。 今後のアニメ制作におきましては、委託先も含めて適

ガイナックス公式サイトで発表された破産手続きに関する表明を受け、弊社の立場からいくつか補足を致したく、ガイナックス社・現経営体制との関係性も考慮した上で、公式サイトにて本コメントを掲載申し上げます。 ガイナックス社は、弊社カラー代表取締役である庵野秀明の元所属会社でありましたが、庵野は2006年にカラーを設立、翌年2007年にガイナックス社を退職し、その後、ガイナックス社の株主の立場となっております。 弊社としましては、かねてよりガイナックス社の経営不振及び負債の存在を確認しておりましたため、経営に対し、庵野より懸念を申し上げたり、経営改善に向けた提案をしておりましたが長きにわたり受け入れられず、そのような状況であっても、当時の経営陣からの申し出を許容し、カラーとして援助的な融資などを行ったこともありました。しかし、ガイナックス社の状況は変わらず、事態はさらに悪化を続け、2019年には当時

1989年に「ヤングマガジン増刊 海賊版」(講談社)にて士郎正宗が原作コミックを発表して以来、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995年)をはじめ、アニメーション、ハリウッド実写映画など様々な作品群を展開し、世界中に驚きと刺激を与え続けてきた「攻殻機動隊」シリーズ。 このたび「攻殻機動隊」の新作TVアニメシリーズの制作が発表されました。アニメーション制作はゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされた映画『犬王』やTVアニメ『映像研には手を出すな!』、アヌシー国際アニメーション映画祭 2024 長編コンペティション部門への出品が決定している映画『きみの色』など国内外を問わず高い評価を得る作品をうみだし続けるサイエンスSARUが担当。放送は2026年を予定。発表に際して、特報とティザービジュアルも公開されました。 続報は「攻殻機動隊」公式グローバルサ

鈴木敏夫プロデューサーが制作したカンヌ映画祭用のトリビュートポスター - (c)2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli (c) 2024 Hayao Miyazaki - Toshio Suzuki 現地時間20日に第77回カンヌ国際映画祭で、スタジオジブリのこれまでの功績をたたえて、名誉パルムドールの授与式が行われる。三鷹の森ジブリ美術館とジブリパークも含むジブリ全体を代表して授与式に登壇する宮崎吾朗監督が、前日に合同取材に応じ、ジブリの現状と今後を語った。 美しい…『君たちはどう生きるか』ギャラリー 名誉パルムドールが個人ではなく集団に対して授与されるのは、今回が初となる。吾朗監督は「喜ばしいことです。スタジオにとってもそうですし、ジブリ美術館とジブリパークのスタッフにとっても、直接スタジオじゃない場所の仕事も評価してもらえたということになるので、ジブリ全

■コロナ禍からの完全回復が見えてきた中国映画市場コロナ禍で苦しめられた中国の映画市場が回復軌道に乗っています。2020年には年間204億万元まで落ち込んだ興行収入は、23年には549億元まで回復。過去最高だった19年642億元の85%の水準です。24年も1/3が過ぎた4月末段階で約200億元、ほぼ平常ペースに戻ったとみてよいでしょう。 これは映画業界全体だけでなく、劇場アニメーションも同じです。2020年から22年は3年間の年平均は12億元と2019年の1/10まで落ちましたが、23年には80億元まで回復しました。 ただ数字が戻りましたが、ヒット作品の内訳はコロナ禍以前とは一変しています。中国産アニメーションが急成長しているのです。 この辺りは、3年前にも「日本・中国・米国 どのアニメが中国の映画館で選ばれているか」の話題でとりあげたのですが、その傾向がさらに加速しており、もう一確認してみ

2024年4月クールのアニメの放送がスタートした。そのなかでも、TVアニメ『ガールズバンドクライ』は「台風の眼」といっても過言ではないだろう。 制作するのは、『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』、「プリキュア」シリーズを手がける東映アニメーション。『ラブライブ! サンシャイン!!』の監督・酒井和男さんがシリーズディレクターを担当。同じく「ラブライブ!」シリーズに参加した花田十輝さんが、本作でもシリーズ構成・脚本を手がける。 TVアニメ『ガールズバンドクライ』本予告 TVアニメ『ガールズバンドクライ』のあらすじは以下の通り。 抑圧的な家庭環境で育ったことが原因で、学校でいじめの標的にされた主人公の井芹仁菜(CV:理名さん)は、家族や学校から逃避するように高校を退学し、単身上京。心の支えにしていたバンドの元メンバー・河原木桃香(CV:夕莉さん)と出会い、彼女に求められ、自身もバンドを結成

アメリカでアカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞の各賞の発表が行われ、アニメ映画賞に宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が選ばれました。 日本の作品がアニメ映画賞を受賞するのは初めてです。 今回で81回目となるゴールデングローブ賞は、ハリウッドで映画業界を専門に取材する外国人記者でつくる団体が選ぶもので、3月に開かれるアメリカ映画界最大の祭典、アカデミー賞の前哨戦と位置づけられています。 7日、ビバリーヒルズのホテルで各賞の発表が行われ、アニメ映画賞に宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が選ばれました。 日本の作品がアニメ映画賞を受賞するのは初めてです。 宮崎監督は授賞式に出席しませんでした。 「君たちはどう生きるか」は宮崎監督が引退宣言を撤回し、原作と脚本も担当して、およそ7年の製作期間をかけて作り上げた作品で、太平洋戦争中に母親を失った少年が不思議な世界に迷い込む宮崎監督のオ

本田雄が語る『君たちはどう生きるか』- ロングインタビュー by Matteo Watzky | Dec 29,2023 | インタビュー | 0 comments キャリアの初期から「師匠」の異名を持つ本田雄は、アニメ界で最も優秀なアニメーターの一人である。アトリエ戯雅にデビューした後、1980年代と1990年代の大半をスタジオガイナックスで過ごし、『 トップをねらえ!』、『ふしぎの海のナディア』、『新世紀エヴァンゲリオン』などでガイナックスを代表する作品に携わった。退社後は、今 敏や押井守といった業界屈指の名匠たちの作品に手を掛けた。 宮崎駿監督の最新長編『君たちはどう生きるか』の作画監督を務めることが発表されて、本田氏の評判はさらに高まった。本田氏のタッチは映画で強く感じられ、アニメーターの井上俊之氏と山下明彦氏とその制作について話し合ったとき、私たちはこのことについてもっと知り

アニメ映画「屋根裏のラジャー」は、宮崎駿監督が長編アニメ制作からの引退を宣言したあと、「スタジオジブリ」が制作部門を一時的に解散したことを受けて、2015年に設立された「スタジオポノック」による6年ぶり2作目の長編です。 物語は、ある少女の空想の中に存在する少年「ラジャー」が、人間に忘れられると消えてしまうという運命に向き合い、仲間たちと冒険するファンタジー作品で、主人公「ラジャー」の声優は、俳優の寺田心さんが務めています。

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