「やはり『物忘れ』はひどくなりました。長く話していると何を話したか忘れてしまい、正直、『認知症ってこんなに大変なのか』と思うことも多い。昔は患者さんにずいぶんな言葉をかけてしまったと、反省することもあります」 こう語るのは、精神科医の長谷川和夫さん。1974年に世界初の認知症診断の物差し「長谷川式簡易知能評価スケール」を発表した認知症医療の第一人者だ。今年、卒寿(90歳)を迎えた長谷川さんが、自らが認知症であることをカミングアウトしたのは2017年10月のこと。当時、「認知症の“権威”が認知症になった」というニュースは大きな反響を呼んだ。 あれから約2年――。長谷川さんの今を追った。 デイケアの入浴サービスが楽しみ 長谷川さんを訪ねると、にこやかに「日々楽しく過ごしています」と語った。認知症になってから、毎日、新しい“気づき”が多いという。 ©iStock.com 「認知症になって初めて体

安楽死が話題になっている2019年6月2019年6月19日、オーストラリアのビクトリア州で安楽死が開始となります。 自分で致死的な薬剤を用いる場合(医療的幇助自殺)も、それが難しければ医療者によって遂行される場合(安楽死)もあるようです<参考;https://www.parliament.vic.gov.au/publications/research-papers/download/36-research-papers/13834-voluntary-assisted-dying-bill-2017> また2019年6月2日のNHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」で、神経難病である多系統萎縮症を患う50代前半の日本人女性が、スイスで医療的幇助自殺を遂げるドキュメンタリーが放映され、大変な話題となりました。 それを受け、筆者も自分のクリニックブログで改めて安楽死と緩和ケアの違いを取り上げ

(この話に登場する人物にモデルはいますが、仮名を使うなどご本人とわからないように詳細は変えて書いています) 医師は誰しも過去に苦々しい経験をしています。もちろん私にも、どうしても忘れられない出来事があります。 それは、外科医のように上手くいかなかった手術や、内科医のように病気を見過ごしてしまった出来事ではありません。以前働いていたホスピスで、患者の死に加担してしまったのかもしれないという疑念を、今もずっと振り払えないでいるのです。 ホスピスに入院してきた末期がんの患者ホスピスでは毎日のように末期のがん患者が亡くなっていきます。医師である私は、患者が苦痛なく最期の日が迎えられるように、できる限りの治療をしてきました。 「緩和ケアは死を早めたり、引き延ばしたりしない」ように治療、ケアにあたるのが、ホスピスで働く上で大切なことでした。無理な延命治療で、患者の苦痛を長引かせてはなりません。また反対

2015年の春、母がアルツハイマー病を発症したという事実は、徐々に母の親戚や交友関係に広がっていった。経路は主に電話だった。 この時期、母はまだ電話の応対ができたが、それでも「様子がおかしい」と気が付く人もいる。そんな人は、私が電話に出ると「最近どうなさったのでしょうか」と聞いてくる。 それとは別に「このところ水泳に来ていませんがどうなさいましたか」「もうずいぶんとコーラスのサークルにいらっしゃっていませんけれど、具合でも悪いのでしょうか」といった電話もある。最初のうちは、適当にごまかしていたが、やがてごまかすわけにはいかなくなった。 「実は認知症を発症しまして……」 と説明すると、大抵は息を呑み、「お大事になさってください」という言葉と共に電話を終えることになる。中にはお見舞いを送ってきてくれる人もある。それは大変ありがたいことなのだが、どうにも対応に困るものもあった。 「これを飲んでみ

オランダの与党は安楽死法に新しい条項を加えようとしている。もし可決されれば、回復の見込みがない末期症状の患者だけでなく、健康に問題はないものの”人生が終わった”と感じている人や、”人生に疲れ果てた”と思っている安楽死も認められることとなるのだ。 もし法案が可決された場合、本人が人生を終わらせたいと望むなら、その死を幇助する医師は、法的な責任を問われない。ただし認められるのは高齢者のみだ。 法案はエーディト・シパーズ厚生大臣とアルト・ファン・デル・シュテイル法務大臣の署名入りで議会に提出された。内容は、人生を”完了”させようと考えるすべての”高齢者”は、死ぬ実現性を叶えられるべきであり、”厳格かつ慎重な基準”に沿って死を幇助する医師は、新条項によって法的な責任を問われないものとする というものだ。 人は自らの命を絶つ権利があり、尊重されるべきであるリベラルな政策で知られるオランダにおいて

この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) 出典検索?: "ピンピンコロリ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE ·NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2016年3月) ピンピンコロリ地蔵 (長野県高森町、瑠璃寺境内) ピンピンコロリとは、寿命と健康寿命の差の無さ(不健康期間の短さ)を言い表した表現で、「亡くなる直前まで病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝込まずにコロリと死ぬこと」という健康的な死に方を意味する言葉。略してPPKという。大往生の別名[1][2][3][4]。ヒト以外の生き物では基本である。そのため、生殖可能期間以降の寿命が長く、「老後」を過ごす率が高いヒトは生物学的には非常に珍しい生き物である。
2011年12月05日13:38 一般ニュース コメント( 1 ) 医学会「無理に老人生かすことないだろ。寝たきり増えすぎ。別に延命しなくていい」 Tweet 1:名無しさん@涙目です。(新疆ウイグル自治区):2011/12/05(月) 08:13:12.63 ID:i15tGjxB0● 高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給は、延命が期待できても、本人の生き方や価値観に沿わない場合は控えたり、 中止したりできるとする医療・介護従事者向けの指針案が4日、東京大学(東京・文京区)で開かれた日本老年医学会のシンポジウムで発表された。 近年、口で食べられない高齢者に胃に管で栄養を送る胃ろうが普及し、認知症末期の寝たきり患者でも何年も生きられる例が増えた反面、 そのような延命が必ずしも本人のためになっていないとの声が介護現場を中心に増えている。 そこで、同学会内の作業部会(代
【2月24日 AFP】英国医師会(British Medical Association、BMA)発行のオンライン医学誌「BMJ Open」に23日、意識はあるが体が完全に麻痺している「閉じ込め症候群」の患者の多くが幸せだと感じているとする調査結果が発表された。閉じ込め症候群の患者の自殺ほう助に関する議論に一石を投じたことになる。 閉じ込め症候群は脳幹の損傷に起因し、意識ははっきりしているものの動くことも話すこともできない状態をいう。ただし、まばたきと眼球を動かすことは可能だ。 ベルギー・リエージュ大(University of Liege)のスティーブン・ローレイズ(Steven Laureys)教授(神経学)率いるチームは、フランスの閉じ込め症候群患者団体ALISに所属する168人に対し、病歴、心の状態、生活の質に関する聞き取り調査を行った。(眼球運動による)回答は介護人に記録してもら

【第124回】山本正二さん(Ai情報センター代表理事、Ai学会理事長) 厚生労働省は今年6月、異状死や診療行為に関連した死亡の死因究明のため、死亡時画像診断(Ai=Autopsy imaging)の活用方法などについて議論する検討会を設置した。来年度予算の概算要求では新規に「死亡時画像読影技術等向上研修」の費用を計上。また、同省の補助事業である「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」でもAiの活用を促している。Aiは死因究明にどう資するのか―。Ai活用に向けた今後の課題なども含め、画像の読影業務などを請け負う一般財団法人「Ai情報センター」の代表理事であり、検討会メンバーでもある山本正二さんに話を聞いた。(木下奈緒美) ―Aiをめぐる議論が活発化しています。こうした動きの背景には何があるのでしょうか。 死因究明システムの問題点は、解剖率がかなり低いことです。亡くなった人が100
今敏監督の話。 http://konstone.s-kon.net/modules/notebook/archives/565 忘れもしない今年の5月18日。 武蔵野赤十字病院、循環器科の医師から次のような宣告を受けた。 「膵臓ガン末期、骨の随所に転移あり。余命長くて半年」 なんで僅か 3 ヶ月で死んだのだろうかと思ったらあっさり理由が書いてあった 歩行にも大きく困難を生じ、鍼灸師やカイロプラクティックなどに通っていたのだが 抗ガン剤は拒否し、世間一般とは少々異なる世界観を信じて生きようとした。「普通」を拒否するあたりが私らしくていいような気がした。 ようは現代医療を信じず代替医療を信じたらあっさり死んだというそういう話だった。 創作に携わる人間は普通の感覚では食っていけないというのはもちろん少なからずある。それも程度問題で死ねば創作に携わることはできない。 代替医療カルトがこの世に無けれ
19日午後3時5分頃、静岡県西伊豆町安良里の黄金崎公園展望台近くで、海に面した斜面の手すりの外側に男性がしゃがみ込んでいるのを観光客が見つけた。 通報で駆けつけた松崎署員や町役場職員らに対し、男性は「がんの痛みが続いて耐えられない。死にたい」などと自殺をほのめかしたため、同署員ら約30人がかりで説得。 「生きていればいいことがある」などと言葉をかけ続けたが、男性は午後8時10分頃、「ごめんなさい」と言い残して約30メートル下のがけ下に身を投げた。漁船が出て、約1時間半後に岩場で倒れていた男性を収容したが、全身を強く打ってすでに死亡していた。 男性は60〜70歳くらいで、身長約1メートル70。中肉で、黒色のナップサックを持っていた。同署で身元を調べている。
いわゆるロストジェネレーションは親の介護をどうするのか、という話 - pal-9999の日記 世の中の介護の問題は大変なことになっていて、老老介護による心中のようなケースから、子ども世代が介護のために仕事を辞めて金銭的に行き詰まるケースまで、悲惨な話はよく聞く。そこまで極端なケースではないにしても、“一体誰のために何のためにこんなことを延々と続けているのか”分からないような泥沼に陥っているケースならば珍しくない。介護する側・される側が望んで介護しているならまだわからなくもないが、当事者の誰一人も望んでいないような介護が、ベトナム戦争のごとく続けられている事例をよくみかける。 「認知症になるぐらいならポックリ逝きたい」と言い残していたDさん 地域の役員をやっていたDさん(76歳)の物忘れが目立ち始めたのは、平成14年頃だった。孫の顔は思い出せても名前が出てこないぐらいの頃は、それでも身の回り
てるてるさんが、参議院厚生労働委員会7月7日の私の発言をまとめてくださいました。以下に貼り付けます。(細部の確認はネット中継をご覧ください) 参議院中継を実際にご覧になる方はおそらく少ないでしょうし、新聞などのメディアもほぼ報道しません。残るルートは、ネットだけです。コピペ自由です。 森岡正博 わたしは、衆議院提出B案の原案となった、いわゆる森岡杉本案の提唱者のひとりでございます。 内容としましては、おとなについては現行法のまま、 こどもについては、こどもにも意見表明の機会を与える、という案であります。 参議院におきましては、個人的には、E案に親近感を抱いております。 きょうはおもにA案に対して疑問点を述べさせていただきます。 まず第一点でありますが、これは親族優先提供であります。 A案の親族優先提供の条項は、削除すべきであると思います。 たとえば英国では、提供先の指定はガイドラインで禁止
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