月の地下に、長さ約50キロに及ぶ長大な空洞があることが、日本の月探査機「かぐや」の観測データから判明した。過去の火山活動で生じたとみられる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が18日、発表した。 空洞があるのは、月の表側にある「マリウス丘」と呼ばれる領域。2009年に観測を終えたかぐやが撮影した画像に、直径と深さがそれぞれ50メートルの縦穴が写っていた。 電波を使って得た周辺の地下構造のデータを、16年から詳しく調べたところ、この縦穴から西に向かって、幅100メートルほどの空洞が約50キロにわたって続いていることがわかった。内部は崩壊しておらず、地中の岩石などに氷や水が存在する可能性もあるという。 月では約10億年前まで大規模な火山活動があったと考えられている。火山活動で溶岩が流れ出ると、表面は冷えて固まるが、内部は熱いまま流れ続ける。発見された空洞は、溶岩の通り道となった「溶岩チューブ」と

Imagecredit: ISRO インドが先日打ち上げた火星探査機マーズ・オービター・ミッション(MOM)が11日、4回目となる軌道上昇を実施するもエンジンが早期に停止、必要な速度が得られず、予定していた高度まで上昇できなかった。早ければ12日早朝にも挽回に挑む。 MOMはインド宇宙研究機関(ISRO)が今月5日に打ち上げた火星探査機で、現在は地球を周回する軌道に乗っており、火星に向かう軌道に乗り移るため、数回に分けて軌道高度を上げる運用の最中にある。 打ち上げ直後、MOMは近地点高度(地表にもっとも近い高度)が248.4km、遠地点高度(地表からもっとも高い高度)23,550kmの軌道に投入された。そして7日、最初の軌道上昇が行われ、その結果近地点高度252km、遠地点高度28,825kmの軌道へと移った。その後、8日に2回目の軌道上昇を行い遠地点高度は40,186kmに、9日には3
先日、どんな言葉にも宇宙をつけることで有名な京大宇宙総合学研究ユニットの磯部氏にインタビューをしていたところ、「宇宙ヨット」なるものがJAXAから打ち上げられていることを知った。 宇宙ヨットとは、太陽光の圧力を受けて燃料なしで航行する宇宙船である。 今回JAXAが打ち上げた「イカロス(IKAROS)」という名前の宇宙ヨットは、帆の一部が太陽光パネルになっている、世界ではじめての宇宙ヨットらしい。太陽に向かって帆を広げ、太陽電池から電力を受け取りながら、ゆっくりと宇宙を航行するのだそうだ。 2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は、エンジントラブルに見舞われながらもミッションを果たし、最後は大気圏で燃え尽きながら小惑星イトカワの粒子を地球に届けるというドラマチックな展開もあいまって、日本中の注目を集めた。 一方で、このイカロスも、すごい成果をあげているらしいのだが、「うまくいきす

人形を載せた宇宙船。先端は透明なカバーで360度見渡せる=トーマス・ピーダースン氏撮影発射台にたてられた宇宙船「ティコ・ブラーエ」=トーマス・ピーダースン氏撮影 ミサイルのような1人乗り有人ロケットの試作機が、9月2日にもデンマーク沖のバルト海で打ち上げられる。今回は人形を載せた高度30キロのテスト飛行だが、高度100キロを超える飛行能力を持つ。数回のテストを重ね、安全性が確認できれば有人で打ち上げる。成功すれば、宇宙に独自に人を送った国として、旧ソ連や米国、中国に続き、デンマークが4カ国目になる。 米航空宇宙局(NASA)の元技術者らの民間団体が開発した。小型ロケット「HEAT―1X」で、宇宙船「ティコ・ブラーエ」を打ち上げる。船名は16〜17世紀の同国の天文学者からとった。 全長は約10メートル、直径約60センチ。飛行士は先端の透明なカバーに顔をのぞかせるようにして立って乗る。個
TOP > プレスリリース > 小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」の姿勢制御デバイス(液晶デバイス)による姿勢制御成功について 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、7月13日に姿勢制御デバイス(液晶デバイス)による展開後のセイルの姿勢制御実験※1を行いました。その後、データの確認・解析を行い、想定通りの姿勢制御性能を達成していることを確認いたしましたのでお知らせいたします。 姿勢制御デバイス(液晶デバイス)とは、通電することで表面の反射特性が変わる薄膜デバイスで、燃料を用いずに太陽光圧のみを利用してセイルの姿勢制御を行うための工学実験機器です。 IKAROSのようなスピン型のソーラーセイルにとって、柔軟性を有する大型の膜面に対して振動を励起しないように小さい姿
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、セイル展開後に実施した精密軌道決定により光子加速(※1)を確認しましたので、お知らせいたします。 太陽光圧による推力は1.12mN(※2)であり、想定通りの値です。 これによりIKAROSは、惑星間航行において、光子による史上最大の加速度を発揮した実証機となりました。 (※1)光子加速とは、太陽の光子の圧力(太陽光圧)により物体が加速されること。 (※2)N(ニュートン)は1キログラムの質量を持つ物体に1メートル毎秒毎秒の加速度を生じさせる力を表す(探査機の推進力を表す)単位。1.12mNは、地球上で0.114gの物体にかかる重力にほぼ等しい。 図1は、6月9日セイル二次展開運用時の、IKAROSの視線方向速度(※3)の実測値(ドップラー計測結果
小惑星探査機「はやぶさ」の試料回収カプセルがJAXA相模原キャンパスにの設備内に運び込まれた=18日午前、神奈川県相模原市のJAXA相模原キャンパス(鈴木健児撮影) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル内部をX線で簡易検査したところ、直径1ミリ以上の物質は見つからなかったと発表した。小惑星「イトカワ」の微細な砂が入っている可能性は残っており、今後、カプセルを開封するなどして詳しく調べる。 日本に到着したカプセルをJAXA調布航空宇宙センター(東京)に運び、X線CT(コンピューター断層撮影装置)を使って試料回収容器の内部を1ミリ間隔で調べた結果、砂などの物質は見つからなかった。 はやぶさは、イトカワ着陸時に舞い上がった細かい砂や微粒子を採取した可能性がある。JAXAは「1ミリ以上の砂がなかったことは想定の範囲内。より微細な試料が入っている可能性は十分あ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、6月15日に分離カメラ※によって、展開後のセイル全景の撮影に成功しました。 継続して、薄膜太陽電池による発電の状態を計測し、光子圧を用いた加速及びそれによる軌道制御を世界で初めて実証し、ソーラーセイルによる航行技術の獲得を目指します。 ※分離カメラは直径約6cm高さ約6cmの円柱形状で、バネにより本体から放出され、撮影した画像を無線で本体に送ります。一度放出すれば二度と本体に戻ることはありません。分離カメラからの映像は、上段から下段にかけて遠方からの画像となっています。 撮影のイメージについては下記CGを参照下さい。 http://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/ikaros_j.html
宇宙航空研究開発機構は後継機「はやぶさ2」の計画を進めている。文部科学省は昨夏、今年度予算の概算要求に17億円を盛り込んだが、政権交代を受けた予算削減で3000万円に縮小。製造に着手できなかった。 はやぶさ2は、目標とする小惑星と地球の位置関係などから、2014〜15年に打ち上げないと、次の機会は10年以上も先になる。来年度には製造に着手しないと間に合わない。川端文部科学相は11日、「(はやぶさの実績が)次につながるようにしたい」と述べた。 ただ、財政状況は厳しい。宇宙開発の今年度予算は3390億円で前年度比2・6%減。今後も大幅増は見込めない。はやぶさの快挙をどう生かすのか、注目される。
2005年に地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワに着陸し、地球への帰還を目指して飛行を続けている小惑星探査機「はやぶさ」が27日、地球に接近する軌道に入り、今年6月の帰還にめどが立った。燃料漏れやエンジンの故障などを乗り越え、計画から3年遅れで帰還する。 イトカワを離れ、帰途についたはやぶさは昨年11月にエンジンが故障。帰還が危ぶまれたが、四つあるエンジンのうち、生き残った2基を組み合わせて飛行を続けていた。今後さらに軌道を微調整しながら地球に近づき、小惑星の砂を入れるカプセルを豪州の砂漠に投下する予定だ。 宇宙航空研究開発機構はこの日、はやぶさが地球に接近する軌道に入ったことを確認し、午後3時すぎにエンジンを停止した。エンジン担当の国中均教授は「技術的には小惑星往復を達成できたと考えている。よく帰ってきた」と喜んだ。 はやぶさは03年5月、世界で初めて小惑星の砂を持ち帰るのを目標
地球帰還へ向けて飛行を続けている小惑星探査機「はやぶさ」が、月よりも内側を通る軌道に入った。 宇宙航空研究開発機構が26日確認した。エンジン噴射があと数週間、正常に続けば、地球への帰還が可能になる。 はやぶさは太陽の周りを、地球とは少し違う軌道を描いて回っている。軌道を地球へと近づけるためにエンジンを噴射し続けていた昨年11月、エンジン4台のうち3台目が故障し、帰還が絶望的になった。 しかし、壊れたエンジン2台を半分ずつ組み合わせるという裏技で奇跡的に復活。さらに噴射を続け、とうとう軌道の差が31万キロ・メートルとなり、地球と月の距離約38万キロ・メートルよりも縮まった。 このまま順調に進めば、3月下旬には軌道変更のための噴射を終え、6月にオーストラリアへ落下する予定。
「地球は青かった」という言葉で知られるユーリー・ガガーリンによって世界初の宇宙飛行が実現し、半世紀近くの歳月が流れた。この夏は、宇宙開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士が4カ月半にもおよぶ宇宙滞在を果たし無事帰還したニュースも記憶に新しい。 今や、世界では宇宙は、新しいビジネス市場として注目され、商業的な宇宙旅行の販売も始まっている。SFの世界の“乗り物”が現実に 2009年7月現在、地上100キロメートル以上の宇宙空間を体験した人は、地球を回る軌道に入らない弾道飛行(準軌道飛行)を含めれば、500人を超えているという。 これらの500人強の人が利用した乗り物は、もちろん、ロケットである。 エレベーターで宇宙へ行こう。 そう言われて、あっけにとられないのは、世界でもごく少数の人間に限られるだろう。SF作家アーサー・C・クラークの著作『楽園の泉』にも、宇宙エレベーターは登場する。クラ

Imagecredit: JAXA Space.comなどによると、月周回衛星「かぐや」の観測データを用いて、月面からウラン(ウラニウム)などが検出されたようだ。 「かぐや」のガンマ線分光計(GRS)の観測データを用いた研究で、月面から放射線物質が検出されたのは今回が初めて。また、ウランの他、トリウム、カリウム、酸素、マグネシウムなども検出されているという。 「今まで一度も報告されたことのないウランを検出した。我々は他にも新しい元素を発見しており、古いデータとの照合も現在行っている」 今回の発見について、「かぐや」GRSチームのメンバーで、惑星科学会(PSI)のロバート・リーディ(Robert Reedy)氏はこのように述べた。 研究成果は既に「第40回月惑星科学学会」で発表されており、論文の主執筆者は早稲田大学の長谷部信行教授と山下直之教授である。 月面のエネルギー資源について、これま
月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供月探査機「かぐや」が月面に落下する途中にハイビジョンカメラで撮影した月面=宇宙機構・NHK提供 宇宙航空研究開発機構とNHKは19日、11日未明に役目を終えて月面に落下した月探査機「かぐや」が、落下しながら、せまりくる月面の様子をハイ
室内衝突実験の結果から判断すると、最も暗い可能性が高い。しかし、何が起こるかは分らない。他の研究者による予測も参考にすべきである。 3.衝突による放出物による太陽光の散乱 見積もっていない。 以下の杉田研究室(東大)による予測を参考。 4.観測の注意 もっとも簡単な観測法は、望遠鏡にビデオカメラを取り付け、落下予測時刻の10分前位から10分後位まで画面を見ながら録画する方法である。 しかし、満月に近いため、観測は月の昼側からの光の影響を強く受ける。 (1)大気による月の光の散乱:僅かでも大気中に水滴があると、月の周りがボーッと光って見える。暗い閃光を捉えようとカメラの感度を上げると画面が真白に飽和してしまう。拡大撮影法などによりF数をできるだけ大きくした方が良い。ただし、視野も狭まるので注意が必要である。 (2)望遠鏡内の迷光:視野に月がなくとも、鏡筒内壁、レンズや鏡の埃などで
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