完訳 千一夜物語〈13〉 (岩波文庫) 作者: 豊島与志雄,佐藤正彰,渡辺一夫,岡部正孝出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1988/07/07メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る ジャアファルとバルマク家の最期 第九九四夜-第九九八夜 教王アル・ラシードの盟友であった大臣ジャアファルとその一族バルマク家は栄華を極めていたが、教王の怒りを買って一転。ジャアファルはマスルールによって首を斬られ、遺骸は不名誉な扱いを受け、一族はすべて根絶やしにされることになった。その原因には諸説あるが、もっとも有力なものはつぎの説である。 アル・ラシードはジャアファルとともに妹君のアッバーサも愛しており、毎夜ともに過ごさずにはおれなかった。しかし男女が同席するのはイスラム法的に望ましいことではない。アル・ラシードは一計を案じ、ジャアファルとアッバーサを形式上結婚させること
日本はなぜ円高なのか。ずっと円高基調が続いているので疑問に思わなかったり、欧米での金融危機との関連で考える人もいるだろう。だが、円高のもっとも基本的な要因は何か、またそれがどういう意味を持つのかと考えるなら、本書「円高の正体」(参照)の解説がわかりやすい。 なにより重要なことは、日本の円高という現象がデフレの別相であることも明らかにしている点だ。その意味では本書の書名は「デフレの正体」と言ってもよいだろう。その書名をもって広く読まれた別の書籍の主張(人口減少によるとする主張)が間違っていることも示されている。本書は円高の仕組みを解説するだけに留まらず、日本にとって「良い円高」なるものが存在しないということを詳しく説明した後、円高の別相であるデフレの解消のための金融緩和政策に日本銀行が強く志向することも求めている。 その点では、本書はいわゆるリフレ派と呼ばれる立場の主張を、新書の形式で手短
今、魔法少女―変身ヒロインとしての―概念は危機に晒されている。『魔法少女まどか☆マギカ』に群がるキモヲタとサブカル評論家たちは、魔法少女概念を蹂躙し、ずたずたに引き裂こうとしているのだ。それが最終回を迎える4月ごろには既に、この王国には荒れ果てた大地しか残されていないだろう。われわれは簒奪者たちの手から魔法少女概念を救出しなければならない。それも、正しい魔法少女概念を、である。そのためには、『まどか☆マギカ』の正しい批評が必要なのである。それは、政治的な批評でなければいけない。実証主義の良心は認めなければいけない。だが、啓蒙的な実証主義は、悪意に満ちた大衆の前では無力である。かといってわたしは、大衆向きにアレンジされた世俗的な神話体系のひとつであるところの、魔法少女概念の「偽史」を構築しようと欲するものでもない。それは自己欺瞞であり、批評のための批評にすぎない。重要なのは理念であり、理念に
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