mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来 作者:ジョー ミラー,エズレム テュレジ,ウール シャヒン早川書房Amazon日本政府によると、日本の新型コロナウイルスワクチン接種回数は1億9800万回、2回の接種を完了した人は総人口の77%と数字が出ているが、本書『mRNAワクチンの衝撃』はそうしたワクチンの中でもビオンテック・ファイザー社によるワクチンがどのように開発され、世界に行き渡ったのかを描き出す迫真のドキュメントだ。 まだワクチンが出回り始めて十分な期間があるわけでもなく、これほどの速度で刊行される(原書も刊行されたばかり)本は中身が速度の犠牲になっていることも多いので読み始めはそこまで期待していたわけではなかったのだが、本書はまるで何年も準備をしてきたかのように中身が詰まっている。面白すぎて一気読みしてしまった。 ビオンテックはまだ多くの人が新型コロナウイルスの危険性を認識し

2021年も終わろうとしているので、今年刊行された本の中でも特におもしろかった・記憶に残ったノンフィクションを振り返っていこうかと。昨年に引き続き今年も本の雑誌の新刊ノンフィクションガイドを担当していたので、冊数はノンフィクションだけで200冊ぐらいは(数えているわけではないけど)読んでいるはず。 とはいえ、無限にピックアップしても仕方ないので、10冊目安に紹介していこう。 まずは科学書から 彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学 作者:キース・クーパー河出書房新社Amazon科学系のノンフィクションの中でも宇宙系から取り上げていくと、まず紹介したいのはキース・クーパーによる『彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学』。今年は中国最大のファーストコンタクトSF『三体』三部作が完結し、年末に邦訳が刊行されたアンディ・ウィアー最新作もファーストコンタクトSFの傑作で

三体Ⅱ 黒暗森林(上) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon早川書房の1500作品が最大50%割引という大型の電子書籍セールが来たので、僕が読了済みのものからオススメの作品を一部紹介してみよう。早川書房は定期的に電子書籍セールをやるが、前回の大規模なものは確か2020年3月頃の1000点セールだったので、セール対象は増えていることになる。なんと、先日完結したばかりの『三体』も、さすがに完結巻は対象ではないけれども第二部までがセール対象。 amzn.to まずはSFから紹介する。 三体 作者:劉 慈欣早川書房Amazonまずは早川といえばSFということで、SFから紹介してみよう。目を引くのはやっぱり『三体』である。先日三部作全体の紹介を書いたばかりだが、文化大革命からはじまり異種知性とのファースト・コンタクトが描かれる比較的現実路線の一巻。ファースト・コンタクト後、人類最高峰の知性が異種知性に

衣替えの季節です。 最近はシンプルライフに憧れて、少しづつ物を処分したり、余計な物を買わないようにしている。 それでもどうしても減らせない場所、減らすどころかどんどん物が増えていく場所があって。 そこは元々納戸だった、私の書庫。 昔から読書が趣味だった私。 独身の頃は毎月4~5万円も本代に費やしいつも貧乏だった。 家庭のある今は図書館利用や文庫化まで待つなどして1~2万に収めるようにしているが、それでも小遣いの使い道のほとんどは書籍代である。引越しの度にもう読み返さないだろう本は処分してきたのだが、そうして残った本は厳選されたお気に入りなので床が抜けても処分できない。 定年退職したら自炊セットを購入して一冊一冊読み返しながら自分用に電子書籍化したい。そうしたら老人ホームにも持っていける。 年を取っても、環境が変わってもいつも変わらず側にあるのは本である。 どうしてこんなに本に固執している

fujipon.hatenablog.com んー。 チョイスは悪くないんですよ、もちろん。 fujipon氏は読書家なので。 ただ「普段本を読まない」って結構なハードル。 だからそういう人に向けて勧めるのにはちょっと重いと思う。 ウチの身近にいるのは本を読まない人ばかりで、学生時代も本を読む人の方が少なくって。 なので読書体験を共有するなんてのもなかったなぁ、と。 そこでミステリ読みの考える軽めのオススメ幾つか(後半はジャンル的にもあまり軽くないかも)。 【スポンサーリンク】 さて、夏休みに親戚の高校生Nが読書感想文の必要もなく N「なーんとなく本でも読んでみるかー。普段読んでねーしなぁ」 と思い立ったとする。 そこへ登場するわたくし。 N「あ、あざねおじさん」 あ「よぉ、勉強してるかー?」 N「暑くて全然。部屋でごろごろしてるよー」 あ「今年は異様に暑いもんなぁ」 N「あ、そういえばお

1 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/05/23(土) 00:37:47.769 ID:ReWz/Rqzd.net

今まで読んできて良かったなぁという本をまとめてみました。せっかくなので100冊をまとめて一挙公開です。趣旨としては名著を紹介する訳ではなく、考え方の上で参考になった本を紹介するという方針です。しかしロクに記録していないし記憶も定かではないので、本当に良いと思ったものでも抜けているものも多数あると思います。また技術書については、専門外の人には意味が無いので省いています。 一般的に本を勧めるうえで、100冊並べるというのは一番効率が悪い方法です。書評ブログとしては、1冊もしくは類似の2〜3冊くらいを紹介するのが一番効率が良いのです。でも、私は意地悪なので、本を1冊紹介してくださいと言われると、10冊紹介するようにしています。暇な時に眺めてください。歴史関係の本 私がジャンルとして一番好きなのは、歴史関係の本です。時間が許す限り延々と読んでいたいですが、そうも言っていられないのが現実です。面白

みなさんこんにちは。月に一度の書評コラムです。 このコラムではこれまで、古典を中心に様々な本を紹介してきました。しかし読者の皆様の中には、古いものばかりで新しいものはないのかというご不満もあったかもしれません。 そこで今回は、今年出版された本に限って、僕が読んでお薦めしたいトップ5を、独断と偏見でご紹介したいと思います。僕は大体、週に4~5冊読んでいますので、半年で約100冊は読んでいると思います。その100冊の中の5冊で、わずかな母数ではありますが、参考にしていただければ幸いです。 では、トップから行きます。 僕が選んだ今年上半期のトップは、『社会心理学講義』(小坂井敏晶著)です。 なぜこれがトップか。それは、この著者が基本に据えている考え方が「社会が安定していなければ落ち着かない。しかし変化しないと進歩はない」という矛盾にあり、これが「人間とは何だろうか」という永遠の問いに対する大いな

Author:くるぶし(読書猿)twitter:@kurubushi_rm カテゴリ別記事一覧 新しい本が出ました。読書猿『ゼロからの読書教室』NHK出版 2025/5/23刊行読書猿『独学大全』ダイヤモンド社 2020/9/29書籍版刊行、電子書籍10/21配信。 ISBN-13 : 978-4478108536 2021/06/02 11刷決定 累計200,000部(紙+電子)2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子) 紀伊國屋じんぶん大賞2021 第3位 アンダー29.5人文書大賞2021 新刊部門 第1位 第2の著作です。 2017/11/20刊行、4刷まで来ました。読書猿 (著) 『問題解決大全』 ISBN:978-4894517806 2017/12/18 電書出ました。Kindle版・楽天Kobo版・iBooks版韓国語版 『문제해결 대

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